2011年11月 7日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第34戦 AAA Texas 500

開催日:11月6日

ケイシー・カーンが上位を争い3位フィニッシュ

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レースを通して上位を争い、3位でフィニッシュしたケイシー・カーン(#4)

 11月6日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第34戦「AAA Texas 500」が開催された。

 4日(金)正午からの練習走行に続き、午後3時40分から予選が行われ、デイビッド・ロイティマンが3列目6番手、ケイシー・カーンが9番手グリッドを確保。11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。なお、この予選後に行われたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ戦における接触で、カイル・ブッシュはテキサス戦の出場停止処分となったため、決勝レースはマイケル・マクドウェルが代わって18号車をドライブ。マクドウェルが乗るはずだった66号車はジョシュ・ワイズが乗車することとなり、ドライバー交代を行ったこの2台と、決勝前にエンジンを交換したロイティマンの3台は後方からのスタートとなった。

 6日(日)15万人以上の観客が集まったテキサス・モーター・スピードウェイで、午後2時21分に1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
 9番手スタートのカーンが序盤から順調にポジションを上げ、4周目には6位に浮上。28番手スタートのデニー・ハムリンや25番手スタートのジョーイ・ロガーノらがハンドリングに苦しみ下位に沈む中、トヨタ勢では唯一トップ10圏内での走行を続けた。
 序盤は全くイエローコーションが出ず、2度にわたってのグリーン下でのピットを経て、111周目にこの日最初のイエローコーション。直前に周回遅れとなっていたハムリンは、"ラッキー・ドッグ"を得て、首位と同一周回に復帰した。
 その後もイエローコーションは出ない展開となり、この日4度目のグリーン下でのピット作業が行われている時に2度目のイエローコーションが発生。幸運にもちょうど発生時にピットに入っていたカーンは、他の全車両がピットオープン後にピットへ向かったため、首位に立った。
 カーンが首位争いを展開する一方で、19番手スタートから順位を上げてきたマーティン・トゥルークス・Jr.とハムリンが12位、13位まで浮上。
 その後、240周目の他車のスピンによるイエローコーションを経て、261周目にはジョーイ・ロガーノのエンジンがブローし、この日4度目のイエローコーション。ここで7台がタイヤ2本交換作戦に出たため、4本交換したカーンは8位へと後退。
 再スタートが切られてまもない267周目にもコース上の異物によりイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。ハムリンを含む後方グループはピットイン。作業を終えてピットアウトしようとしたハムリンは、すぐ前で斜めにピットに入っていたブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)と接触。共に修復のために再度のピットインを強いられ、首位と同一周回の最後尾、25位まで後退してしまった。
 一方、8位で再スタートを切ったカーンは、4本タイヤ交換の利を活かし、前走車を次々にパス。290周目には3位に浮上し、302周目、グリーン下で最後のピットへ向かった。
 残りが30周を切り、上位勢はグリーン下でのピットを終えていたが、ハムリン、ヴィッカーズ、ロイティマンを含む複数台はイエローコーションを期待してコース上に残る作戦を採った。しかしイエローコーションは出ず、ハムリンは319周目、ヴィッカーズとロイティマンは320周目にそれぞれピットへ向かい、ポジションダウン。
 結局最後までイエローコーションは出ることなく、カーンが"トヨタ カムリ"勢最上位の3位でフィニッシュ。着実な走りを見せたトゥルークス・Jr.が8位に入った。

 次戦第35戦は11月13日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー ケイシー・カーン:
「とても良いレースだった。ここ2ヶ月ほどは本当に調子が良いので、この勢いを活かし、優勝も狙っていきたい。我々は上位を目指して全力を尽くしているが、特にチームの働きは素晴らしい。全員が一丸となって、非常に強いチームになっている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 14 トニー・スチュワート シボレー 334
2 7 99 カール・エドワーズ フォード 334
3 9 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 334
8 19 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 334
20 28 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 333
21 20 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 333
22 6 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 333
25 33 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 333
28 32 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 332
33 17 18 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 331
37 25 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 258
40 35 66 ジョシュ・ワイズ トヨタ カムリ 23
42 40 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 14
観客数(主催者発表):151,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 カール・エドワーズ フォード 2316
2 トニー・スチュワート シボレー 2313
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2283
10 デニー・ハムリン トヨタ 2217
11 カイル・ブッシュ トヨタ 2216
14 ケイシー・カーン トヨタ 957
22 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 871
24 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 844
25 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 798
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 694
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 630
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 505
36 マイケル・マクドウェル トヨタ 134
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 56
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 235
2 フォード 183
3 トヨタ 174
4 ダッジ 156

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第32戦 O'Reilly Auto Parts Challenge

開催日:11月5日

デニー・ハムリンが後方スタートから追い上げ2位フィニッシュ

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後方スタートから見事な追い上げで2位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#18)

 11月5日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第32戦「O'Reilly Auto Parts Challenge」がテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
 今大会は、今季"トヨタ カムリ"でネイションワイド・シリーズにフル参戦しているベテラン、ケニー・ウォレスにとって同シリーズ出場通算520戦目となり、シリーズの史上最多記録を更新する記念すべきレースとなった。

 4日(金)2回の予選に続き、午後5時35分から予選が行われ、カイル・ブッシュが100分の4秒ポールポジションには届かず、それでも最前列2番手を確保。ジョーイ・ロガーノが3番手、ブライアン・スコットが7番手につけ、7台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
 しかし、予選後に行われたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでカイル・ブッシュはロン・ホーナディ(シボレー)と接触しクラッシュ。この接触により、Ky.ブッシュは残りの週末のレース出場停止となり、デニー・ハムリンが代わって18号車をドライブすることになった。

 5日(土)午後0時12分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。ドライバー交代したハムリンは規定により後方グリッドからのスタートとなった。
 ハムリンが後退したため、2番手からのスタートとなったロガーノは、チームメイトのスコットと共に、オーバーステア症状に苦しみ、徐々にポジションダウン。一方で、ハムリンは後方から猛烈な追い上げを見せ、20周過ぎにはトップ15、30周目にはスコット、ロガーノに次ぐ11位へと浮上。前半はスタート直後以降イエローコーションが出ず、47周目あたりから各車グリーン下でのピット作業となり、このピットを全車終えた時点で、ハムリンは7位までポジションアップ。
 その後6位に上がったハムリンは、91周目に出されたイエローコーション時のピット作業でも更に順位を上げ、5位で再スタート。一時は3位を走行するなど、上位争いを展開した。
 119周目にこの日3回目のイエローコーションからの再スタートが切られてからは、再びイエローコーションが出ない展開となり、170周目前後で各車グリーンピット。ロガーノが最後までピットインを粘ったが、コーションは出ず、ロガーノも172周目にピットイン。
 その後179周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると、184周目の再スタートで好ダッシュを見せたハムリンが2位に浮上。189周目にも他車のクラッシュでイエローコーションとなり、レースは残り8周での再スタートとなった。
 最前列イン側からの再スタートを切ったハムリンだったが、若干スタートダッシュで出遅れ、首位につけていたカール・エドワーズ(フォード)と、4位から好スタートを切ったトレヴァー・バイン(フォード)の先行を許してしまった。しかし、ハムリンは素晴らしい追い上げで195周目にエドワーズをパス。更に首位を逃げるバインをテール・トゥ・ノーズで追い上げたが、僅か0.142秒及ばず、2位でフィニッシュ。ロガーノが8位、スコットが12位。記念すべきレースとなったK.ウォレスも13位で首位と同一周回フィニッシュを果たした。

 次戦第33戦は11月12日(土)、フェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「タフな一日だった。しかし我々は戦い抜き、最後は勝てるクルマにまで仕上がっていた。最後の再スタートでは、ベストなダッシュができたとは言い難い。アウトサイドの(フォードの)2台は優位なラインで我々を引き離し、追いつくまでに時間を要してしまった。最後は望み通りの、勝てる"トヨタ カムリ"で走れていただけに惜しい結果だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 10 16 トレヴァー・バイン フォード 200
2 2 18 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
3 8 60 カール・エドワーズ フォード 200
8 3 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
12 7 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
13 18 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 200
18 17 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 199
20 30 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 198
21 27 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 198
観客数(主催者発表):69,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 1138
2 エリオット・サドラー シボレー 1121
3 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 1039
7 ケニー・ウォレス トヨタ 925
8 ブライアン・スコット トヨタ 909
9 スティーブ・ウォレス トヨタ 896
10 マイケル・アネット トヨタ 884
14 ジョー・ネメチェク トヨタ 695
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 423
35 ドリュー・ヘリング トヨタ 139
41 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 102
59 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 49
79 パトリック・カーペンティア トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 200
2 トヨタ 187
3 シボレー 167
4 ダッジ 150

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第24戦 WinStar World Casino 350k

開催日:11月4日

ルーキーのミゲル・パルドが9位

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今季7度目のトップ10フィニッシュを果たしたミゲル・パルド(#7)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第24戦「WinStar World Casino 350k」が11月4日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
 このテキサスはトッド・ボダインが得意としており、過去6勝を挙げている。今季は未だ勝利を挙げていないボダインの活躍に期待がかかった。

 3日(木)昼間の2回の練習走行に続いて、午後7時10分より予選が行われ、カイル・ブッシュが4番手。ティモシー・ペターズが15番手、デイビッド・スターが16番手、ルーキーのミゲル・パルドが17番手。トッド・ボダイン19番手、ジョハンナ・ロングが20番手につけ、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 4日(金)午後7時28分、1.5マイルオーバルを147周(220.5マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。4番手スタートのKy.ブッシュは、すぐに3位へと順位を上げ、7周目には2位に浮上。さらに首位に迫った。
 13周目に、Ky.ブッシュはテール・トゥ・ノーズで首位に並びかけるも逆転には至らず、逆に後方から追い上げてきたロン・ホーナディ(シボレー)との2位争いに。2台はサイド・バイ・サイドで譲らないまま、周回遅れをパスしようとしたが、ここでイン側のホーナディが若干アウトにはらみ、アウト側のKy.ブッシュに接触。2台は壁にヒットし、この日最初のイエローコーションとなった。2台はそのままコーション下での走行を続けていたが、Ky.ブッシュが後方からホーナディに接触。共に今度は激しく壁にクラッシュし、リタイアとなってしまった。
 21周目に再スタートが切られたが、21番手スタートから追い上げ、トップ10圏内につけていたブレンダン・ゴーアンが突然白煙を吹いてスローダウン。こちらもレースを終えることとなった。
 34周目には、ロングが後続車両に接触されスピン。このコーションから5位での再スタートを切ったペターズは、素晴らしい追い上げを見せ、41周目には2位に浮上した。
 56周目に多重クラッシュが発生し、このイエローコーションでピットに向かったペターズは8位に後退。しかし、その後もトップ10圏内をキープした。
 98周目に5度目のイエローコーションが出され、最後まで走りきるのにぎりぎりでの給油タイミングで各車ピットイン。そのまま燃費レースで終わるかと思われたが、141周目に、15位を走行していたスターがエンジントラブルでストップ。レースは1周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で競われることとなった。
 このコーションラップ中にも燃料切れで脱落する車両が出る中、ペターズは6位、パルドが9位で再スタート。しかし、エンジン不調に見舞われていたペターズは順位を守れず、燃料をセーブし見事走り切ったパルドが9位でフィニッシュ。ペターズは11位でレースを終えた。ボダインは13位。マックス・パピスが14位に入った。

 シーズンの最終戦となる次戦第25戦は11月18日(金)に米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催される。

ドライバー ミゲル・パルド:
「トップ10フィニッシュを果たせて満足している。チームのためにも、ポイントの面でも良い結果だ。ポイントランキングで15位以内を狙いたい。レース中はオーバーステア症状に苦しんだが、調整を続けたことで改善されていった。最後の再スタートでは、燃料消費を抑え、タイヤもクリーンに保とうとしていたが、前走車の関係で上手く行かなかった。しかし、タイヤがクリーンになった後は、2つか3つポジションを上げることができた。我々にとって良い一日となった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 10 2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 148
2 2 3 オースティン・ディロン シボレー 148
3 8 21 タイ・ディロン シボレー 148
9 17 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 148
11 15 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 148
13 19 5 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 148
14 24 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 148
18 20 20 ジョハンナ・ロング トヨタ タンドラ 146
23 16 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 140
29 22 7 ジョニー・チャップマン トヨタ タンドラ 45
31 21 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 20
33 4 18 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 14
観客数(主催者発表):56,500人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 オースティン・ディロン シボレー 854
2 ジョニー・ソーター シボレー 834
3 ジェームス・ビュッシャー シボレー 826
5 ティモシー・ペターズ トヨタ 796
6 トッド・ボダイン トヨタ 775
12 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 688
13 デイビッド・スター トヨタ 669
17 ミゲル・パルド トヨタ 639
18 マックス・パピス トヨタ 620
21 ジョハンナ・ロング トヨタ 347
24 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 252
27 クレイグ・ゴース トヨタ 218
29 ジョシュ・リチャーズ トヨタ 166
40 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 88
41 ブライアン・イックラー トヨタ 86
50 ダスティ・デイヴィス トヨタ 60
54 ジョン・キング トヨタ 46
61 ジャーマン・キロガ トヨタ 28
67 マイク・スキナー トヨタ 20
71 テイラー・マルサム トヨタ 15
74 マット・ロフトン トヨタ 13
79 T.J.デューク トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 184
2 トヨタ 170
3 ダッジ 98
4 フォード 73