NASCAR SPRINT CUP SERIES
第35戦 Kobalt Tools 500
開催日:11月13日
ケイシー・カーンが"トヨタ カムリ"での初勝利を挙げる
"トヨタ カムリ"での初勝利を挙げたケイシー・カーン(#4)
11月13日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第35戦「Kobalt Tools 500」が開催された。
長かった36戦のシーズンも残りわずか2戦。トヨタ勢は残念ながらタイトル獲得の望みは失ってしまったが、各ドライバーは最終戦までひとつでも上のランキングを目指し、激戦を展開している。
11日(金)の練習走行に続き、12日(土)午前11時40分から予選が行われ、マーティン・トゥルークス・Jr.が5番手、デイビッド・ロイティマンが7番手、好調のケイシー・カーンが10番手につけた。デニー・ハムリンとカイル・ブッシュは33番手、34番手となり、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。なお、Ky.ブッシュは最初の練習走行の後エンジン交換を行ったため、最後尾へとグリッド後退してスタートを切ることとなる。
13日(日)午後1時17分、1マイルオーバルを312周(312マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタート。
スタート直後はアウト側の隊列が遅れ、イン側にいたM.トゥルークス・Jr.とロイティマンはポジションアップ。2周目に他車のクラッシュによるイエローコーションが出されると、M.トゥルークス・Jr.は2番手、ロイティマン4番手で再スタート。序盤戦はこの2台がトップ5でのバトルを展開した。
フェニックスは今回路面の再舗装が行われており、前夜の雨によって路面のラバーも洗い流されていたため、41周目にコンペティション・コーション(主催者による予定されていたコーション)が出され、全車ピットイン。M.トゥルークス・Jr.とロイティマンは若干順位を落としたものの共にトップ10はキープ。一方で最後尾スタートから追い上げ、このコーション発生時には25位につけていたKy.ブッシュは、ピットワークで17位まで順位を上げた。
92周目のイエローコーションを経て、140周を過ぎたあたりからグリーン下でのピット作業が開始。8位を走行していたM.トゥルークス・Jr.がピットへと向かった159周目、他車のクラッシュでイエローコーション。ここでKy.ブッシュとケイシー・カーンが一気に順位を上げ7位、8位に浮上。M.トゥルークス・Jr.は20位以下へと後退してしまった。
Ky.ブッシュは再スタート後素晴らしい走りを見せ、168周目には3位に浮上。カーンは6位、ロイティマンが8位、10位、11位にはジョーイ・ロガーノとハムリンもポジションを上げてきた。
その後も、実兄のカート・ブッシュ(ダッジ)と3位争いを繰り広げていたKy.ブッシュだったが、187周目に突然のエンジン不調に見舞われスローダウン。惜しくもレースを終えることとなってしまった。
残り周回数が100周を切った22周目に、この日8度目のイエローコーション。タイヤ2本交換作戦の車両がいたため、4本交換したカーンは4位から6位へとダウン。ロガーノが好ピットで9位へと順位を上げた。
再スタート後は素晴らしい速さを見せたカーンが次々と前走車をパスし、240周目には3位に浮上。その後は燃料をセーブしながらも3位走行を続けた。
カーンの狙い通りイエローコーションは出ず、270周を過ぎて各車グリーン下で最後のピット作業を開始。カーンは288周目にピットへ向かい、全車がピットを終えた299周目に首位に浮上。追いすがるランキング首位のカール・エドワーズ(フォード)との一騎打ちとなった。
次々に現れる周回遅れをかわしながら、エドワーズの追い上げを凌いだカーンは、0.8秒差で逃げ切り、トップチェッカー。"トヨタ カムリ"での初勝利、自身にとって81戦ぶり12回目となる勝利を飾った。
レースを通しトップ10圏内で好走を見せたロイティマンが7位。ロガーノが11位、ハムリンが12位でフィニッシュ。
終盤に来て、直近の7戦中5戦でトップ5フィニッシュという好調ぶりを見せているカーンは、ランキングでは14位と変わらないものの、"チェイス"外のランキング最上位となる13位と僅か5点差まで迫り、最終戦での、ノンチェイス勢最上位獲得を目指す。
次戦はシーズン最終戦となる第36戦。11月20日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで行われる。
ドライバー ケイシー・カーン:
「素晴らしい気分だ。勝てるまで長かった。我がチームは信じられないほどハードな作業を続けてくれた。良い走りができたし、クルーチーフとクルーも見事な作業で支えてくれた。チームはこの3ヶ月間、決して諦めなかった。そのチームのためにも勝利を待ち望んでいた。序盤は若干ポジションを落とすこととなり、追い上げを強いられたが、ずっと調整を続けたことが効を奏した。レース序盤、路面は滑りやすかったが、タイヤに熱が入り、路面にラバーが乗っていくごとに状況は良くなっていった。素晴らしいレースを戦うことができ、本当に興奮している」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 10 | 4 | ケイシー・カーン | トヨタ カムリ | 312 | ||
2 | 9 | 99 | カール・エドワーズ | フォード | 312 | ||
3 | 8 | 14 | トニー・スチュワート | シボレー | 312 | ||
7 | 7 | 0 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 312 | ||
11 | 25 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 312 | ||
12 | 33 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 312 | ||
20 | 5 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 311 | ||
21 | 31 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 311 | ||
23 | 18 | 83 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 311 | ||
25 | 19 | 84 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 310 | ||
26 | 38 | 13 | ケイシー・メアーズ | トヨタ カムリ | 309 | ||
36 | 34 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 188 | ||
40 | 35 | 66 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 46 | ||
41 | 32 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 30 | ||
観客数(主催者発表):85,000人 |
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第33戦 Wypall 200
開催日:11月12日
3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ
4位でフィニッシュしたジョーイ・ロガーノ(#18)
11月12日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第33戦「Wypall 200」がフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催された。
シーズンは残り2戦となったが、ネイションワイド・シリーズのオーナーズポイントタイトルは、ジョー・ギブズ・レーシングの18号車が、フォードの60号車と僅か2ポイント差で争っている。今大会、この18号車はジョーイ・ロガーノがドライブする。
コース路面が再舗装されて初のレースとなるため、10日(木)、11日(金)に練習走行が行われた後、12日(土)決勝を前に午前10時5分から予選開始。ルーキーのライアン・トゥルークスが8番手、ジョーイ・ロガーノが9番手。7台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
午後1時55分、1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られたが、1周目の最終コーナーでいきなり多重クラッシュが発生。8台の車両が巻き込まれたこのクラッシュで、24番手スタートのブライアン・スコットは車両に大きなダメージを負い、1周目にしてレースを終えることとなってしまった。
再スタート直後には、11位を走行していたケニー・ウォレスが壁にヒットし後退。36周目に2度目のイエローコーションが出されると全車ピットに向かい、ここで2本タイヤ交換作戦を採ったR.トゥルークスが、大きく順位を上げ7位に浮上。4本交換したロガーノは続く8位で再スタートを切った。しかし、R.トゥルークスは再スタート直後の中団の激しい順位争いの中で行き場を失い、一気に20位近くまでポジションを落としてしまった。
83周目に他車のクラッシュによりイエローコーションが出され、全車2度目のピットへ。今度は全車タイヤは4本交換となったが、ロガーノとR.トゥルークスは共に素晴らしいピット作業によりポジションアップ。ロガーノが3位、直前に12位まで順位を戻していたR.トゥルークスは9位で再スタートとなった。
その後レースは131周目までイエローコーションが出ず、ぎりぎり最後まで走り切れる周回で各車ピットへ。ロガーノは変わらず4位ながら、オーナーズポイントタイトルを争う60号車のカール・エドワーズ(フォード)の前をキープ。その後も快走を見せるロガーノは140周目に2位に浮上した。
145周目に14位を走行していたスティーブ・ウォレスが接触からスピンを喫し、イン側のウォールにクラッシュ。162周目、177周目にもクラッシュでイエローコーション。177周目のクラッシュでは、5台が巻き込まれ、車両排除のために11分にわたって赤旗中断となった。
この多発したクラッシュの間、ブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)の先行を許しながらも、ロガーノはエドワーズと激しい3位争いを展開。最後までエドワーズを追ったが、僅かに及ばず、4位でチェッカー。終盤も好走を見せたR.トゥルークスが8位。マイケル・アネットが10位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。
この結果、オーナーズポイントでは、18号車は60号車に1ポイント差を詰められることになり、わずか1ポイント差で、タイトル争いは最終戦に持ち越されることとなった。
シーズン最終戦となる次戦第34戦は11月19日(土)、ホームステッド・マイアミ・スピードウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「我々の"トヨタ カムリ"は速かった。しかし走り始めてから10周ほどはオーバーステア症状が酷く、折角得たポジションを再スタートで失ってしまった。ロングランでは絶好調だったが、そこに至るまでに時間がかかりすぎた。勝てなかったのは残念だが、サム(ホーニッシュ・Jr.)が初勝利を挙げたのは素晴らしいことだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 12 | サム・ホーニッシュ・Jr. | ダッジ | 200 | ||
2 | 10 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 200 | ||
3 | 2 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 200 | ||
4 | 9 | 18 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 200 | ||
8 | 8 | 20 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 200 | ||
10 | 19 | 62 | マイケル・アネット | トヨタ カムリ | 200 | ||
12 | 14 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 200 | ||
17 | 12 | 9 | ケニー・ウォレス | トヨタ カムリ | 197 | ||
29 | 22 | 66 | スティーブ・ウォレス | トヨタ カムリ | 174 | ||
41 | 24 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 0 | ||
観客数(主催者発表):40,000人 |
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