2011年11月21日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第36戦 Ford 400

開催日:11月20日

マーティン・トゥルークス・Jr.が3位フィニッシュ

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一時はレースをリードし、3位フィニッシュを果たしたマーティン・トゥルークス・Jr.(#56:先頭)

 11月20日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズの今季最終戦となる第36戦「Ford 400」が開催された。

 18日(金)に予定されていた2回の練習走行は降雨のためにスケジュールが翌日に変更され、19日(土)2度の練習走行を経て午後2時40分から予選開始。マーティン・トゥルークス・Jr.が最前列2番手グリッドを獲得。前戦勝利を飾ったケイシー・カーンが3番手。デニー・ハムリンが10番手、カイル・ブッシュは19番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 20日(日)午後3時20分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手、アウトサイドからスタートを切ったトゥルークス・Jr.はサイド・バイ・サイドで首位を争うが逆転には至らず、それでも首位にぴたりと付けて2位をキープ。3番手スタートのカーンは若干ポジションを落とし7位に後退。後方では19番手スタートのKy.ブッシュが、10周目にはハムリンの後方14番手までポジションを上げた。
 13周目、降雨によりイエローコーションとなり、全車ピットイン。34周目にもイエローコーションが出され、タイヤ交換の戦略で順位が入れ替わった。これにより10位前後まで後退したトゥルークス・Jr.だったが、素晴らしい走りで順位を取り戻し、75周目には3位に復帰。Ky.ブッシュもトップ10へと浮上し、"チェイス"勢が上位を占める前半戦、トゥルークス・Jr.は唯一トップ5に入る速さを見せた。
 108周目、この日2度目の降雨によるイエローコーションが出されると、日は差しているものの雨は強さを増し、110周目に赤旗が出され、レースは中断となった。
 雨が止んだところでジェットドライヤーカーで路面を乾かし、1時間ほどの中断を経てレースが再開された。再開直後のイエローコーション下でのピットでは、Ky.ブッシュが素晴らしい作業により順位を上げ、トゥルークス・Jr.に続く6位にポジションアップ。
 レースが折り返しを過ぎた中盤戦はイエローコーションが連発したが、161周目、7回目のイエローコーションから再スタートが切られた後は長いグリーンとなり、190周目前後からグリーン下でのピット作業を開始。ほぼ全車がピットを終えた213周目に3度目の降雨によるイエローコーションが出された。
 ここで、直前にグリーンピットを終えていたKy。ブッシュはピットに入らず。他のほとんどの車両が最後のピット作業に向かったため、Ky.ブッシュが首位に浮上。ジェットドライヤーカーで路面を乾かしながらのイエローコーション走行は18周に及び、残り37周で再スタートが切られた。
 しかし、燃料の厳しいKy.ブッシュはペースが上げられず、徐々に後退。変わってこの日好調なトゥルークス・Jr.が4位へとポジションアップ。
 Ky.ブッシュはトップ10圏内を維持しながらイエローコーションを待ったが、その後は最後までイエローコーションが出ず、残り7周でKy.ブッシュはグリーン下でピットイン。周回遅れとなってしまった。
 最後は、僅差で最終戦を迎えタイトルを争うトニー・スチュワート(シボレー)とカール・エドワーズ(フォード)が首位を争い、1-2位でチェッカー。2台は同ポイントながら優勝したスチュワートが勝利数で上回り、逆転タイトル獲得という劇的な幕切れとなった。
 トヨタ勢は、トゥルークス・Jr.がこの2台に続く3位でフィニッシュ。後半戦好走を見せたカーンが7位。ハムリンが9位と3台がトップ10フィニッシュを果たした。
 最終ランキングではハムリンが9位。Ky.ブッシュが12位。カーンは"チェイス"外最上位に6ポイント及ばず、14位でシーズンを終えることとなった。

 これで長かったNASCARのシーズンも終了。来季2012年シーズンは、2月18日(土)に米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイを舞台に行われるシュートアウト戦を皮切りにデイトナウィークが始まり、2月26日(日)に行われる開幕戦「デイトナ500」でシーズンの本格戦がスタートする。

ドライバー マーティン・トゥルークス・Jr.:
「今日のようなレースが戦えるのは本当に楽しい。スポンサーやトヨタ、車両に関わった全ての人に感謝したい。チームオーナーや多くの人の努力によって、今季後半、我々は本当に強くなった。シーズン最終戦をこのような力強い結果で終えることができ、来シーズンが楽しみだ。オフシーズン中にやるべきことはわかっている。我々は十分な速さを手にしており、更なる安定性を求めていけば、来年はもっと良い結果が得られるはずだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 15 14 トニー・スチュワート シボレー 267
2 1 99 カール・エドワーズ フォード 267
3 2 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 267
7 3 4 ケイシー・カーン トヨタ カムリ 267
9 10 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
17 24 83 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 267
18 28 0 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 267
19 32 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 267
23 19 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 266
26 39 13 ケイシー・メアーズ トヨタ カムリ 266
27 35 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 266
37 29 84 コール・ウィット トヨタ カムリ 153
40 37 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 29
43 33 66 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 13
観客数(主催者発表):73,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 トニー・スチュワート フォード 2403
2 カール・エドワーズ シボレー 2403
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2345
9 デニー・ハムリン トヨタ 2284
12 カイル・ブッシュ トヨタ 2246
14 ケイシー・カーン トヨタ 1041
18 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 937
24 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 902
25 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 846
28 デイビッド・ロイティマン トヨタ 757
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 670
31 ケイシー・メアーズ トヨタ 541
36 マイケル・マクドウェル トヨタ 139
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 56
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 248
2 フォード 195
3 トヨタ 187
4 ダッジ 162

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第34戦 Ford 300

開催日:11月19日

3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ

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"トヨタ カムリ"勢最上位の5位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#18)

 11月19日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの今季最終戦、第34戦「Ford 300」がホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。
 トヨタ勢では18号車がオーナーポイントで僅か1ポイント差ながら首位につけており、追う60号車(フォード)を抑えてタイトルを獲得すべく、今大会はデニー・ハムリンが18号車で出場することとなった。

 18日(金)午前中からの2回の公式練習が行われたが、2度目の走行は降雨のために短縮終了。19日(土)決勝を前に午後1時5分から予選開始。ハムリンが7番手、ジョーイ・ロガーノが9番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。

 その後、スプリント・カップ・シリーズの予選を経て、午後4時42分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 序盤に2回のイエローコーションが出た後、前日夜の雨によりラバーの洗い流された路面でのタイヤをチェックするために、35周目にコンペティション・コーション(予定されたコーション)となり、全車ピットイン。ここで好ピットを見せたジョー・ギブズ・レーシングの3台は、ハムリンが4位、ロガーノが5位、、11番手スタートで直前まで13位を走行していたブライアン・スコットが6位へと大きく順位を上げた。
 しかし、オーナータイトルを争う60号車を駆るカール・エドワーズ(フォード)はこの時点でハムリンの前、2位を走行。60周目にはエドワーズが首位に立ち、リードラップボーナスと、その後の周回で最多リードラップボーナスも獲得することになったため、ハムリンはなんとしてもエドワーズの前でフィニッシュすることが必要となった。
 146周目にはシリーズレギュラーのスティーブ・ウォレスが突然のタイヤバーストに見舞われクラッシュ。188周目には同じくシリーズレギュラーでS.ウォレスの叔父に当たるケニー・ウォレスが後続から接触されてスピン。内側のウォールにクラッシュし、レースを終えることとなった。
 ハムリンはアンダーステア症状のハンドリングに苦しみながらも、175周目のイエローコーション下のピットで、最後のセットのタイヤにチェンジし、最後のシャシー調整。その後2度にわたるイエローコーションからの再スタートでも逆転を狙ったが、惜しくも叶わず、5位でフィニッシュ。タイトルを争うエドワーズが3位でフィニッシュしたため、オーナーズタイトル獲得はならなかった。
 レースはスコットが9位、ロガーノが10位に入り、3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ。
 最終シリーズランキングでは、K.ウォレスが7位、スコットが8位、マイケル・アネットが9位、S.ウォレスが10位と、4台がトップ10入りを果たした。

 ネイションワイド・シリーズも今季のスケジュールを全て終え、来季の開幕戦は、2月25日(土)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー デニー・ハムリン:
「今日はずっと苦戦を強いられた。金曜日の公式練習が雨で制限され、十分に走行できなかったのが大きかった。ライバルは本当に速かった。レース中ずっと調整を続けたが、望み通りのスピードを得ることができず、5位が精一杯だった。しかし、ピットクルーは素晴らしかった。ピット作業でいくつか順位を上げることもできたし、最後のピットでは、クルーが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、終盤の再スタートでもこのポジションをキープできた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 200
2 4 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 200
3 3 60 カール・エドワーズ フォード 200
5 7 18 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
9 11 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
10 9 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
16 22 97 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 200
19 15 62 マイケル・アネット トヨタ カムリ 200
26 36 87 ケヴィン・コンウェイ トヨタ カムリ 198
33 16 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 187
34 27 66 スティーブ・ウォレス トヨタ カムリ 146
観客数(主催者発表):38,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 1222
2 エリオット・サドラー シボレー 1177
3 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 1105
7 ケニー・ウォレス トヨタ 963
8 ブライアン・スコット トヨタ 947
9 マイケル・アネット トヨタ 944
10 スティーブ・ウォレス トヨタ 921
14 ジョー・ネメチェク トヨタ 755
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 459
35 ドリュー・ヘリング トヨタ 139
36 ケヴィン・コンウェイ トヨタ 120
61 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 49
82 パトリック・カーペンティア トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 212
2 トヨタ 194
3 シボレー 174
4 ダッジ 168

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第25戦 Ford 200

開催日:11月18日

雨天短縮レースでデニー・ハムリンが惜しくも2位

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首位を追ったが惜しくも2位に終わったデニー・ハムリン(#18)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズの今季最終戦となる第25戦「Ford 200」が11月18日 (金)にホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。

 18日(金)午前中から開始された練習走行は行われたものの、午後4時半から予定されていた予選は雨のために中止となり、規定に則り、練習走行でのタイム順で決勝のグリッドが決定。トッド・ボダインが15番手、ダスティ・デイヴィスが16番手、今回スポットで18号車を駆るデニー・ハムリンが17番手。ルーキーのミゲル・パルドが18番手、ブレンダン・ゴーアンが19番手で続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
 ハムリンはこの週末行われる3カテゴリーの最終戦全てに出場。また、トラック・シリーズの決勝が行われた18日(金)はハムリン自身の31回目の誕生日でもあり、続く2戦への勢いを付けるためにも、"バースデー・ウィン"を目指して決勝へ臨んだ。

 午後8時19分、雨の止んだホームステッドの1.5マイルオーバルを134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。17番手スタートのハムリンは序盤から10位前後までポジションアップ。20周目にコンペティション・コーションが出され、全車ピットへ向かうと、ここでタイヤ2本交換作戦を採ったハムリンは、好ピット作業に助けられ、5位へとジャンプアップ。
 24周目に再スタートが切られると、ハムリンはイン側から首位を奪取。しかし、シボレー勢の猛追を凌ぎきれず、ハムリンはリードラップは1周でその座を譲り渡すこととなった。
 その後もハムリンはトップ5圏で首位浮上のチャンスをうかがった。70周目前後のグリーンピットを経て、3位に浮上したハムリンは、じりじりと上位2台との差を詰めていった。
 98周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると、全車最後となるピットイン。ここで上位3台の順位変動は無かったが、イン側2列目、3番手から再スタートを切ったハムリンは、3ワイドでのバトルの末に2位に浮上。首位のジョニー・ソーター(シボレー)を追い、ソーターとハムリンの2台が後続をやや引き離しての首位争いとなった。
 毎周のように激しいプッシュを仕掛けるハムリンだが、なかなか逆転には至らず。残り17周の時点で雨が降り始め、イエローコーション。雨はいきなり強さを増し、全車そのままピットレーンへ。車両にカバーを掛けた状態でレース再開を待ったが、雨の勢いは弱まらず、残り15周の時点でレースは短縮終了となることが決定した。
 最後まで首位を争ったハムリンだったが、惜しくも"バースデー・ウィン"はならず、2位でフィニッシュ。ティモシー・ペターズが8位に入った。
 最終シリーズランキングでは、ペターズが5位。トッド・ボダインが6位となった。

 今季のスケジュールを全て終えたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズは、来季シーズンを2月24日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開幕する予定となっている。

ドライバー デニー・ハムリン:
「2位という結果には満足している。我々の"トヨタ タンドラ"は練習走行ではそれほど調子を上げられず、レース中も大半は絶好調とは言い難い状況だったが、レースを通して調整を続けていったことで調子は良くなっていった。最後の走りでも、辛抱強くチャンスを待ち続けた。ジョニー(ソーター)とバトルできる速さはあったが、レース終盤まで待ち、3位に続く車両のドラフティングを使おうと思っていた。しかし、その戦略は機能しなかった。勝つのは簡単ではなかっただろうが、もう一周早く雨が来そうだと伝えられていれば、もっとアタックしていただろう。最後に彼にコーナーで並びかけたとき、彼はアウト側にスライドして危うくクラッシュするところだった。我々は(ランキングを争う)彼とそこまで激しく戦う立場ではなかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 13 ジョニー・ソーター シボレー 119
2 17 18 デニー・ハムリン トヨタ タンドラ 119
3 8 2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 119
8 21 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 119
11 23 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 119
15 16 15 ダスティ・デイヴィス トヨタ タンドラ 119
16 15 5 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 119
20 19 62 ブレンダン・ゴーアン トヨタ タンドラ 119
21 24 9 マックス・パピス トヨタ タンドラ 119
26 27 51 ジャーマン・キロガ トヨタ タンドラ 118
32 18 7 ミゲル・パルド トヨタ タンドラ 30
36 33 7 ジョニー・チャップマン トヨタ タンドラ 1
観客数(主催者発表):22,000人
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 オースティン・ディロン シボレー 888
2 ジョニー・ソーター シボレー 882
3 ジェームス・ビュッシャー シボレー 859
5 ティモシー・ペターズ トヨタ 832
6 トッド・ボダイン トヨタ 803
12 ブレンダン・ゴーアン トヨタ 713
13 デイビッド・スター トヨタ 703
17 ミゲル・パルド トヨタ 651
18 マックス・パピス トヨタ 643
21 ジョハンナ・ロング トヨタ 347
25 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 252
27 クレイグ・ゴース トヨタ 218
30 ジョシュ・リチャーズ トヨタ 166
41 ダスティ・デイヴィス トヨタ 89
42 ジャスティン・ジョンソン トヨタ 88
43 ブライアン・イックラー トヨタ 86
56 ジャーマン・キロガ トヨタ 46
57 ジョン・キング トヨタ 46
67 マイク・スキナー トヨタ 20
71 テイラー・マルサム トヨタ 15
74 マット・ロフトン トヨタ 13
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 193
2 トヨタ 176
3 ダッジ 102
4 フォード 76