2012年3月 5日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第2戦 Subway Fresh Fit 500

開催日:3月4日

デニー・ハムリンが今季初勝利!
"トヨタ カムリ"5台がトップ10フィニッシュ


今季初勝利を飾ったデニー・ハムリン

 3月4日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第2戦「Subway Fresh Fit 500」が開催された。
 前戦「Daytona 500」が2度の延期により月曜日深夜にレースを終えてから僅かな日程で、NASCARは米国東海岸から西側のフェニックスへと舞台を移しての激戦が展開された。
 フェニックスでは、昨年カイル・ブッシュがネイションワイド・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズを制し、週末3カテゴリー完全制覇なるかと期待されたが、惜しくも2位に終わっている。

 3日(土)午後12時35分から予選が行われ、今季より"トヨタ カムリ"を駆ることとなった53歳のベテラン、マーク・マーティンがポール・ポジションを獲得。9番手グリッドにジョーイ・ロガーノ、Ky.ブッシュは12番手グリッド。デニー・ハムリンが13番手グリッドで続き、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
 ポールポジションのマーティンはここフェニックスでの最年長優勝記録(2009年:50歳3ヶ月)を保持、Ky.ブッシュもフェニックスでの最年少優勝(2005年:20歳6ヶ月)を挙げており、2人の活躍にも期待がかかった。

 4日(日)午後3時17分、1マイルオーバルを312周(312マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのマーティンは1周目は首位を守ったが、2周目の第1コーナー進入で順位を落とし、8位に後退。ポジションを上げてきたロガーノ、Ky.ブッシュ、ハムリンらと共にトップ10争いを展開した。
 16周目、16番手スタートからポジションを守っていたクリント・ボウヤーの右前タイヤがバーストし、イエローコーション。ボウヤーは25周目にもタイヤバーストに見舞われ、大きく順位を落としてしまった。
 その後はハムリンとKy.ブッシュがトップ5圏内で上位を追う展開。Ky.ブッシュは68周目に実兄のカート・ブッシュ(シボレー)をパスして2位に浮上。112周目に他車のクラッシュによりこの日3度目のイエローコーションが出されると、2本タイヤ交換としたKy.ブッシュは首位に立った。
 ケヴィン・ハーヴィック(シボレー)との激しい首位争いを繰り広げたKy.ブッシュであったが、170周目あたりで異常振動を感じ、ライバル勢よりも若干早い180周目にグリーン下でピットイン。
 その後イエローコーションが出ないため各車グリーン下でのピットとなり、ほぼ全車がピット作業を得た210周目過ぎには、マーティンとハムリンが2位、3位に復帰。
 229周目にこの日5度目のイエローコーションが出されると、多くの車両がピットへ向かう中、トゥルークス・Jr.がコース上に残り首位に浮上した。
 247周目と257周目にもイエローコーションとなり、トゥルークスらは給油とタイヤ交換のためにピットインしたが、ハムリンはピットへ入らず、そのまま最後まで走りきる作戦を選択。同じくコース上に残る選択をしたライバル勢と共に、上位は燃費レースとなった。
 最後まで無給油で走りきるにはぎりぎりの条件にもかかわらず、ハムリンは再スタート後、後続を大きく引き離し独走。終盤ハーヴィックの追い上げを受けたが、ハーヴィックは残り2周で燃料切れの症状を呈し、ハムリンは逃げ切ってトップチェッカー。見事今季初勝利を飾った。
 ハムリンにとってフェニックスでの勝利は初。今季初勝利となった"トヨタ カムリ"にとっては、2007年の参戦以来、スプリント・カップ・シリーズでの記念すべき通算40勝目となった。
 後半ハンドリングに苦しんだKy.ブッシュはそれでも上位をキープし6位。トゥルークス・Jr.が7位、マーティンが8位、ロガーノが10位でチェッカーを受け、"トヨタ カムリ"は5台がトップ10フィニッシュを果たした。
 ハムリンは前戦の4位と合わせ、ドライバーズランキングでも首位に浮上。ランキングでは、トゥルークス・Jr.、マーティン、ロガーノ、Ky.ブッシュもトップ10の好位置につけている。

 次戦第3戦は3月11日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「今日の早いうちにこのレースの見込みを問われていたら、トップ15に入れればと答えていただろう。チームは本当に信じられないような仕事を成し遂げてくれた。我々は常に改良を続けているが、スタッフには感謝の言葉もない。シーズン序盤からこれほど好調なのは初めてであり、例年は5戦か6戦してようやく調子をつかむ状態だった。ここフェニックスは新しい舗装面になっていたし、私にとって、取り立てて得意なコースというわけではない。昨年は厳しい一年となってしまったが、我々は復活を果たし、この勝利で、チームが正しい方向に進んでいるという大きな一歩を示すことができた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 13 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 312
2 8 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 312
3 7 16 グレッグ・ビッフル フォード 312
6 12 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 312
7 25 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 312
9 1 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 312
10 9 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 312
16 17 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 312
19 41 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 311
26 35 49 J.J.イェリー トヨタ カムリ 309
29 43 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 306
30 16 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 306
35 22 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 272
40 38 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 62
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 デニー・ハムリン トヨタ 89
2 グレッグ・ビッフル フォード 83
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 81
6 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 71
7 マーク・マーティン トヨタ 71
8 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 70
9 カイル・ブッシュ トヨタ 66
11 ボビー・ラボンテ トヨタ 58
17 クリント・ボウヤー トヨタ 47
27 ランドン・カシル トヨタ 31
31 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 25
34 デイビッド・ストレミー トヨタ 22
38 J.J.イェリー トヨタ 18
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 13
1 フォード 13
3 シボレー 12
4 ダッジ 6

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第2戦 Bashas' Supermarkets 200

開催日:3月3日

2台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ


"トヨタ カムリ"最上位の8位でフィニッシュしたジョーイ・ロガーノ(#20)

 3月3日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第2戦「Bashas' Supermarkets 200」がフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催された。

 2日(金)の練習走行を経て、3日(土)午前11時5分から予選が行われ、デニー・ハムリンがポールポジションを獲得。2列目3番手グリッドにケニー・ウォレス、10番手にジョーイ・ロガーノがつけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選に引き続き、午後4時46分、1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのデニー・ハムリンは、4周目に一度首位の座を譲るも、7周目に奪い返すと、その後は独走状態で2位以下との差を大きく広げていった。
 44周目に、コース上の異物によりこの日初めてのイエローコーション。ハムリンは2本タイヤ交換で首位をキープ。14番手スタートから、トップ10圏外を走行していたカイル・ブッシュも好ピットでポジションを上げ、ロガーノ5位、Ky.ブッシュ6位で再スタート。
 しかし、ロガーノとサイド・バイ・サイドで激しく3位を争う中で、Ky.ブッシュは壁に軽くヒットし、ポジションダウン。
 その後、イエローコーションが出ないまま折り返しを過ぎた105周目、周回遅れ最上位の18位を走行していたK.ウォレスが最終コーナーで壁にクラッシュ。イエローコーションが出され、上位勢はピットイン。ここで2位に付けていたハムリンは、ピットの好作業で首位を奪還した。
 最スタート後まもなく首位を奪われることとなったハムリンは、それでも首位のケヴィン・ハーヴィック(シボレー)に食らいつき、逆転のチャンスを窺った。
 164周目にこの日3度目のイエローコーションが出され、全車最後のピットイン。ここでハムリンは、左側の2本だけタイヤを交換する作戦に出て、再び首位に。しかし、この作戦は奏効せず、ハンドリングの不調に見舞われてしまったハムリンは、徐々に順位を落とすこととなってしまった。
 レースはその後イエローコーションの出ないままチェッカーとなり、"トヨタ カムリ"勢ではロガーノが最上位の8位フィニッシュ。ハムリンは9位。Ky.ブッシュが11位でチェッカーを受けた。

 次戦第3戦は3月10日(土)、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「ちょっと苦戦を強いられた。もっとレース中に調子を改善できると思っていた。スタート時からハンドリングが悪く、改良を続けた。フロントのグリップが得られず、何とか調整を試みたが、十分なスピードを得ることはできなかった」

ドライバー デニー・ハムリン:
「我々の"トヨタ カムリ"は好調だったが、最後のピットストップでの2本タイヤ交換作戦が上手く行かなかった。昨年(第33戦)サム・ホーニッシュ・Jr.(ダッジ)が同じ作戦を採って優勝したのだが、我々の車両では上手く行かなかったと言うことだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 8 2 エリオット・サドラー シボレー 200
2 7 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 200
3 2 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 200
8 10 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
9 1 18 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
11 14 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
14 11 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 200
16 19 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 200
20 24 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 197
24 15 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 195
28 37 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 193
36 3 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 102
43 27 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 3
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリオット・サドラー シボレー 89
2 オースティン・ディロン シボレー 79
3 トレヴァー・ベイン フォード 72
7 テイラー・マルサム トヨタ 62
10 ジョー・ネメチェク トヨタ 42
14 エリック・マクルーア トヨタ 38
15 ブライアン・スコット トヨタ 37
18 マイク・ブリス トヨタ 34
25 ケニー・ウォレス トヨタ 23
38 ジェフ・グリーン トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 18
2 ダッジ 12
3 トヨタ 7
3 フォード 7