2012年3月12日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第3戦 Kobalt Tools 400

開催日:3月11日

"トヨタ カムリ"勢苦戦。クリント・ボウヤーが6位


6位フィニッシュを果たしたクリント・ボウヤー(#15)

 3月11日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第3戦「Kobalt Tools 400」が開催された。
 ラスベガスはカイル・ブッシュのホームタウン。Ky.ブッシュはラスベガスで2008年、2009年にポールポジションを獲得。2009年はポールポジション獲得ながら後方グリッドからのスタートとなったが、追い上げ見事地元での初優勝を飾っている。

 9日(金)午後3時40分から予選が行われ、Ky.ブッシュが最前列2番手を確保。今季より"トヨタ カムリ"を駆るクリント・ボウヤーが5番手。ジョーイ・ロガーノが8番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が10番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 11日(日)午後3時19分、15万人もの観客が見守る中、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
 予選で2番手グリッドを確保していたKy.ブッシュは、バックアップカーに乗り換えたため後方へとグリッドを落としてスタートを切ることとなった。
 8番手スタートのロガーノが好スタートを切り、2位に浮上。その後、トゥルークス・Jr.が追い上げを見せ、序盤はロガーノと共に上位争いを展開した。
 最後尾近くからのスタートとなったKy.ブッシュは見事な追い上げを見せ、50周目過ぎにはトップ10圏内に浮上。一方で、前戦勝利を挙げたデニー・ハムリンは17番手からスタートを切ったが、ハンドリングに苦しみトップ20圏内を走行。
 127周目、周回遅れとなっていたトラヴィス・クヴァピルがエンジンブロー。11位につけていたKy.ブッシュは、クヴァピルのすぐ後ろにいたため、オイルに乗って壁にヒット。直後にイエローコーションとなったため、周回遅れになるのは免れたものの、修復のために首位と同一周回のほぼ最後尾、23位まで後退してしまった。
 その後はイエローコーションが出ず、この日2度目となるグリーン下でのピット作業を経て、204周目にイエローコーション。各車ピットへ向かったが、残り60周弱は無給油で走りきるにはぎりぎりの周回となった。
 229周目にこの日5度目のイエローコーションが出され、各車ピットへ向かう中、13位前後を走行していたボウヤーはピットへ向かわず、首位に浮上。"トヨタ カムリ"の燃費を活かして最後まで無給油で走りきる作戦に出た。
 残り30周強で、給油のみ、タイヤ2本/4本交換と作戦が別れる中、給油のみとしたKy.ブッシュは8位へとポジションアップ。ボウヤーは再スタートで若干順位を落としたものの、トップ10をキープ。
 しかし、チェッカーを目前にした259周目、Ky.ブッシュは左リアタイヤのバーストに見舞われスピン。イエローコーションとなり、レースは残り3周で再スタート。Ky.ブッシュは大きく順位を落としてしまった。
 終盤連発したイエローコーションからの再スタートでもポジションを守りきったボウヤーが"トヨタ カムリ"勢最上位の6位でチェッカー。他の"トヨタ カムリ"勢は苦しい戦いを強いられ、ロガーノが16位。トゥルークス・Jr.が17位。マーク・マーティンが18位。ステアリング系のトラブルに苦しみながら走りきったハムリンは20位でフィニッシュし、ランキングでは首位は譲ったもののトップと12点差の3位につけている。

 次戦第4戦は3月18日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー クリント・ボウヤー:
「我々の"トヨタ カムリ"は好調だった。終盤は燃料をセーブし最後まで走りきるという作戦に挑戦し、見事やり遂げた。クルーチーフの好判断だ。トップ10フィニッシュという結果は本当に望んでいたものだ。このような結果を続けていければと思っている。来週のブリストルが待ち遠しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 14 トニー・スチュワート シボレー 267
2 6 48 ジミー・ジョンソン シボレー 267
3 9 16 グレッグ・ビッフル フォード 267
6 5 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 267
16 8 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 267
17 10 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 267
18 13 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 267
20 17 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
23 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 267
26 24 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 264
28 43 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 263
36 30 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 240
39 37 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 123
41 40 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 44
43 36 49 J.J.イェリー トヨタ カムリ 39
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 グレッグ・ビッフル フォード 125
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 115
3 デニー・ハムリン トヨタ 113
8 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 98
9 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 98
10 マーク・マーティン トヨタ 97
12 カイル・ブッシュ トヨタ 87
14 クリント・ボウヤー トヨタ 86
16 ボビー・ラボンテ トヨタ 76
32 ランドン・カシル トヨタ 39
34 デイビッド・ストレミー トヨタ 38
35 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 30
40 J.J.イェリー トヨタ 19
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 21
2 フォード 19
3 トヨタ 17
4 ダッジ 9

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第3戦 Sam's Town 300

開催日:3月10日

マーク・マーティンが惜しくも2位


首位を争ったが惜しくも2位に終わったマーク・マーティン(#18)

 3月10日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第3戦「Sam's Town 300」がラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。

 9日(金)2度の練習走行を経て、10日(土)決勝を前に午前10時35分から予選開始。ブライアン・スコットが2列目4番手、今大会初めて同シリーズに"トヨタ カムリ"で出場する53歳のベテラン、マーク・マーティンが7番手グリッドを確保。ルーキーのジェイソン・ボウルズが10番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝に駒を進めた。

 午後5時19分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 4番手スタートのスコットは好スタートで一時2位に浮上。しかし、11周目に出されたこの日最初のイエローコーションで給油と調整のためにピットイン。マーティンを含む9台がコース上に残ったため、スコットは10位に後退。マーティンは6位へとポジションを上げた。
 地元出身のカイル・ブッシュは20番手スタートから、19周目にはトップ10圏内まで順位を上げていたが、24周目の第2ターンでスピン。内側の壁にクラッシュし、車両後部に大きなダメージを負ったためガレージでの修復を余儀なくされてしまった。
 このイエローコーションで各車ピットに向かい、マーティンが3位、スコットが4位で再スタート。3ワイドでの激しい上位争いの末に2位に浮上したスコットは、48周目、3回目のイエローコーションからの再スタートでついに首位を奪取した。
 その後も首位争いを繰り広げたスコットだったが、95周目、他車とのサイド・バイ・サイドのバトルでコントロールを失い、第4ターン外側の壁に激しくクラッシュ。スコット自身は無事だったが、レースはリタイアとなってしまった。
 このイエローコーションで各車ピットイン。ここでマーティンは給油のみの素晴らしく速いピット作業で首位に浮上。再スタートでも好ダッシュを見せ、後続との差を広げていった。
 一昨年のシリーズチャンピオンであるブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)が追い上げるシーンもあったが、差を詰められたマーティンは再びその差を広げるスパート。その直後、ケゼロウスキーは燃料切れに見舞われ後退。マーティンと2位リッキー・ステンハウス・Jr.(フォード)との差は2秒以上に広がった。
 144周目、コース上に車両が停まってしまったためにこの日6度目のイエローコーション。全車最後となるであろうピットへ。ピット出口での勝負は、鼻の差でステンハウス・Jr.が制し、マーティンは2位で再スタート。ケニー・ウォレスもここで9位にジャンプアップを果たした。
 再スタート後も、昨年のシリーズチャンピオンである若きステンハウス・Jr.と、30歳近い年齢差のマーティンによる首位争いが展開。マーティンは最後までステンハウス・Jr.を追ったが、惜しくも逆転はならず、2位でフィニッシュ。K.ウォレスが11位に入った。Ky.ブッシュは大きなダメージを受けた車両を70周近い時間をかけて修復。地元のファンの前で、33位でチェッカーを受けた。

 次戦第4戦は3月17日(土)、ブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マーク・マーティン:
「チームオーナーとチームのスタッフ全員、スポンサーに感謝したい。我々の"トヨタ カムリ"は文句ない仕上がりで、チームスタッフも素晴らしかった。終盤はリッキー・ステンハウス・Jr.を捕らえようと試みたが、何度もクラッシュしそうになってしまった。しかし、名門ジョー・ギブズ・レーシングの一員として、このような素晴らしい"トヨタ カムリ"でレースを戦い、本当に楽しめた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 6 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 200
2 7 18 マーク・マーティン トヨタ カムリ 200
3 1 2 エリオット・サドラー シボレー 200
11 18 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 200
15 19 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 200
16 17 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 200
20 31 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 198
25 27 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 196
27 10 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 188
33 20 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 127
34 4 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 94
40 28 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリオット・サドラー シボレー 131
2 オースティン・ディロン シボレー 116
3 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 114
7 テイラー・マルサム トヨタ 90
11 ジョー・ネメチェク トヨタ 66
14 マイク・ブリス トヨタ 63
16 エリック・マクルーア トヨタ 57
17 ケニー・ウォレス トヨタ 56
19 ブライアン・スコット トヨタ 48
39 ジェフ・グリーン トヨタ 6
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 22
2 フォード 16
3 ダッジ 15
4 トヨタ 13