2012年3月26日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第5戦 Auto Club 400

開催日:3月25日

降雨短縮レースでカイル・ブッシュが惜しくも2位


首位を争ったが雨でレースが短縮終了となり2位と11位に終わった
カイル・ブッシュ(#18)とデニー・ハムリン(#11)

 3月25日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第5戦「Auto Club 400」が開催された。
 ロサンゼルス近郊に位置するオートクラブ・スピードウェイは、ネイションワイド・シリーズではトヨタが圧倒的な強さを見せているものの、最高峰スプリント・カップ・シリーズでは未勝利。カリフォルニアに米国での本拠地を持つトヨタにとって、ホームとも言えるこのコースでの悲願の勝利に期待がかかった。

 23日(金)予選の前に行われた練習走行では、クリント・ボウヤーがトップタイム、マーク・マーティンが2番手で続いた。この練習走行では5番手につけていたデニー・ハムリンは、続いて午後4時10分から行われた予選で見事ポールポジションを獲得。チームメイトのカイル・ブッシュが2番手、マーティンが3番手で続き、"トヨタ カムリ"は予選トップ3を占めることとなった。前日のネイションワイド・シリーズで勝利を挙げたジョーイ・ロガーノが8番手に付け、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。
 好調なハムリンは、翌24日(土)に2回にわたって行われた練習走行でも2番手以下を引き離すトップタイムをマークした。

 25日(日)は午前中から雨の予報が出ていたが、幸いにも雨は降らず、予定より数分早い午後12時12分、"トヨタ カムリ"ペースカーが先導するフォーメーションラップから、2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
 最前列に並んでスタートを切ったハムリンとKy.ブッシュは、そのままサイド・バイ・サイドで1周目を終えたが、その後はKy.ブッシュが前に出て、序盤戦を支配。金・土曜日とはうって変わって路面温度の大きく下がったコースで、ハムリンはオーバーステア症状に苦しみながらもKy.ブッシュに続き首位グループでの走行を続けた。
 この日のレースはイエローコーションが全く出ず、35周目前後と70周目前後に、全車グリーン下でのピットイン。この2回のグリーンピットを経た後も首位を守っていたKy.ブッシュだったが、85周目、追い上げてきた昨年のシリーズチャンピオン、トニー・スチュワート(シボレー)に首位の座を奪われてしまった。
 再逆転目指し首位のスチュワートを追ったKy.ブッシュだったが、93周目に軽く壁にヒット。イエローコーションが出ないため修復できないKy.ブッシュをハムリンがかわし、2位に浮上。
 レースが折り返しを過ぎた106周目、トップ3台が同時にグリーン下でのピットイン。ここで順位の入れ替わりはなく、後半戦での追い上げが期待されたが、まもなくコース上には雨が落ち始めた。
 降雨のために、123周目にこの日初めてのイエローコーション。ここで、雨がすぐに止むと判断したハムリン陣営はピットへ。Ky.ブッシュを含む上位勢はコース上に残り、作戦が別れた。
 しかし、その後天気は回復せず、129周目にレースは赤旗中断。30分ほど天候の回復を待ったが、午後2時25分、レースは短縮終了が決定。コースに残ったKy.ブッシュが"トヨタ カムリ"勢最上位の2位フィニッシュとなった。マーティン・トゥルークス・Jr.が8位。ハムリンは無念の11位に終わった。

 次戦第6戦は4月1日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「レース序盤は本当に好調で、我々の"トヨタ カムリ"は素晴らしかった。しかし、周回遅れの車両もあり、(トニー)スチュワートに先行されてしまった。その後は彼を捕らえるべくハードにプッシュしたが、壁にヒットし、ハンドリングが大きく狂ってしまった。とはいえ、全体的に見れば今日は良い一日で、2位という結果には満足している」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 9 14 トニー・スチュワート シボレー 129
2 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 129
3 14 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 129
8 13 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 129
11 1 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 129
12 3 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 129
13 11 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 129
24 8 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 128
28 26 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 127
29 40 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 127
35 36 49 J.J.イェリー トヨタ カムリ 125
36 31 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 124
39 20 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 36
40 39 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 18
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 グレッグ・ビッフル フォード 195
2 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 188
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 178
5 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 175
7 デニー・ハムリン トヨタ 171
8 クリント・ボウヤー トヨタ 157
13 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 146
14 カイル・ブッシュ トヨタ 143
17 マーク・マーティン トヨタ 129
20 ボビー・ラボンテ トヨタ 108
33 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 62
34 ランドン・カシル トヨタ 62
36 デイビッド・ストレミー トヨタ 49
37 J.J.イェリー トヨタ 42
38 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 40
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 33
2 フォード 29
3 トヨタ 27
4 ダッジ 21

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第5戦 Royal Purple 300

開催日:3月24日

ジョーイ・ロガーノが今季初勝利!


今季初勝利を飾ったジョーイ・ロガーノ

 3月24日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第5戦「Royal Purple 300」がオートクラブ・スピードウェイで開催された。
 同コースでのネイションワイド・シリーズ戦は、2008年以来、"トヨタ カムリ"が7連勝を続けており、得意とするコースである。特に、カイル・ブッシュはそのうちの5勝を挙げている。

 24日(土)午前10時35分から予選が行われ、2009年秋にここフォンタナで勝利を挙げているジョーイ・ロガーノが前戦に続き2戦連続となるポールポジションを獲得。ケニー・ウォレスが6番手、ブライアン・スコットが7番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 予選に続き、午後2時49分に2マイルオーバルを150周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 予選で15番手につけていたKy.ブッシュはTVインタビューでドライバー紹介に遅れたため、最後尾グリッドへと後退してスタートを切ることとなった。
 ポールポジションのロガーノは好スタートを切り、序盤は首位をキープ。一方で最後尾スタートとなったKy.ブッシュが猛烈な追い上げを見せ、32周目にはトップ10圏内に浮上した。
 その後首位の座を奪われることとなったロガーノは、それでも2位で食らいつき、グリーン下でのピットを経て57周目に出された初めてのイエローコーションで再び首位に浮上。
 92周目に2回目のイエローコーションが出されて全車ピットイン。再スタートまもない104周目に3度目のイエローコーションが出されると、上位勢は給油のみのピットを行ったが、この時点で3位に浮上していたKy.ブッシュは2本タイヤを交換。一旦6位に後退したが、タイヤ交換の威力を見せ、112周目にロガーノをかわし、首位に立った。
 2009年のシリーズチャンピオンであるKy.ブッシュと、翌2010年のシリーズチャンピオン、ブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)の首位争いに、ロガーノも加わる三つ巴の戦いとなったが、132周目、この日4度目のイエローコーションで全車最後のピットへ向かうと、ここでKy.ブッシュのピットクルーが痛恨の作業ミス。17位へ後退。
 ロガーノは給油とタイヤ4本交換で、タイヤ2本交換とした2台に続く3位で再スタートを切ったが、すぐに前を行く2台をかわし、再び首位に立った。
 終盤はロガーノを、ケゼロウスキーと昨年のシリーズチャンピオンであるリッキー・ステンハウス・Jr.(フォード)の2台が追ったが、ロガーノは2位以下を引き離すとそのまま逃げ切り、今季初勝利。"トヨタ カムリ"にとってもネイションワイド・シリーズでの今季初勝利をもたらした。"トヨタ カムリ"はネイションワイド・シリーズでのオートクラブ・スピードウェイ8連勝を達成。
 レースを通してトップ5圏内での好走を見せたスコットが4位。K.ウォレスが7位。最後の12周、広いコース幅を活かして時には4ワイド、5ワイドという混戦を展開し、17位から追い上げたKy.ブッシュが8位に入り、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第6戦は4月13日(金)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「クルーチーフが素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げてくれた。再スタートは厳しかったが、その後逆転できる速さを持っていた。ヴィクトリーレーンに戻れたのは本当に嬉しい。バーンナウトがどれだけ楽しいか忘れていた。チームの連勝記録を継続できたことは非常に大きい。誰でも、勝てなくて記録を途切れさせてしまったドライバーにはなりたくないものだ。確かにそのプレッシャーは大きく、大変な努力を要求されたが、我々は他の(記録のない)週末でも、いつも同じように勝利へ向け努力している。しかし、記録を更に伸ばせたというのはチームにとっても重要なポイントだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 150
2 10 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 150
3 3 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 150
4 7 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 150
7 6 9 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 150
8 15 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 150
15 13 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 150
16 22 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 150
17 18 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 150
19 20 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 149
26 25 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 146
42 42 72 ジョン・ジャクソン トヨタ カムリ 3
43 26 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 2
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリオット・サドラー シボレー 214
2 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 196
3 オースティン・ディロン シボレー 187
8 テイラー・マルサム トヨタ 144
10 マイク・ブリス トヨタ 119
13 ジョー・ネメチェク トヨタ 105
14 ケニー・ウォレス トヨタ 104
16 ブライアン・スコット トヨタ 97
19 エリック・マクルーア トヨタ 92
44 ジェフ・グリーン トヨタ 9
46 ジョン・ジャクソン トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 34
2 トヨタ 26
3 フォード 25
4 ダッジ 25