NASCAR SPRINT CUP SERIES
第11戦 Bojangles' Southern 500
開催日:5月12日
"トヨタ カムリ"が首位を争うも、デニー・ハムリンが2位
2位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)
5月12日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第11戦「Bojangles' Southern 500」が開催された。
60年以上と長い歴史を持つダーリントンは第1、第2ターンと第3、第4ターンの曲率が異なり、コース幅も狭い難コース。壁ぎりぎりでのレースが展開され、コースの壁にレースカーのタイヤが擦れて黒くなることから"Lady in Black"と称される。また、車両に残った壁との接触跡が"ダーリントン・ストライプ"と呼ばれるほど、壁への接触が多発するコースである。
このコースでは2008年にカイル・ブッシュ、2010年にデニー・ハムリンが勝利を飾っている。
11日(金)午後5時10分から予選が行われ、3列目に5番手にKy.ブッシュ、6番手にマーティン・トゥルークス・Jr.と並んだ。その後方4列目の8番手にハムリンが続き、14台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
12日(土)翌日が母の日ということもあり、ドライバー達の母親による「Sons and daughter, start your engines!」のコールでエンジンが始動され、午後7時18分、1.366マイルの卵形オーバルを367周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
レースは前半、全くイエローコーションが出ず、3回にわたってグリーン下でのピット作業が行われることとなった。トヨタ勢ではKy.ブッシュが好ピット作業にも助けられて順位を上げ、首位争いを展開。トゥルークス・Jr.もその後方グループでトップ5圏内の争いを続け、ハムリンはトップ10圏内をキープした。
レースも折り返しに近づいた172周目、コース上の異物によりこの日初めてのイエローコーション。全車ピットへ向かい、2位でピットアウトしたKy.ブッシュは、好スタートでこの日3度目となる首位を奪取。
一方、9位で再スタートを切ったハムリンは、15周後の194周目に出されたこの日2度目のイエローコーションでライバル勢がピットへ向かう中、コース上に残る作戦を採り、首位に浮上した。
ライバルよりも15周分ほど燃料が少ない状態で走り続けたハムリンは、首位の座こそ譲ったものの上位争いを展開。燃料が厳しくなってきた230周目に幸運なイエローコーションとなり、ライバルと同タイミングでの給油に戻るとともに、好ピットで首位に復帰した。
このイエローコーションからは、トゥルークス・Jr.が3位、21番手スタートから着実に順位を上げてきたジョーイ・ロガーノが4位、Ky.ブッシュが5位で再スタート。
ハムリンは50周近くに渡って首位を走行。280周あたりから、この日4度目となるグリーン下でのピット作業となり、トゥルークス・Jr.とハムリンは同時にピットへ。しかし、ピットアウト時に他車に阻まれる形でハムリンが遅れ、トゥルークス・Jr.が首位に浮上。ハムリン、Ky.ブッシュが続く形となった。
298周目にボビー・ラボンテが突然のタイヤパンクに見舞われてスピン。イエローコーション。全車ピットへ向かい、2本タイヤ交換としたKy.ブッシュとトゥルークス・Jr.が1位、2位でピットアウト。同じく2本交換としたロガーノが4位へと浮上。4本交換したハムリンは5位で再スタートとなった。
再スタートではトゥルークス・Jr.が首位を奪ったが、307周目に5度目のイエローコーションが出されると、残り60周弱へ向けトゥルークス・Jr.は給油ピット。しかし、Ky.ブッシュとハムリンら上位勢はコース上に残り、トゥルークス・Jr.は16位に後退。
給油しなかった上位勢の燃料が持つかどうかに注目が集まる中、316周目と330周目にもイエローコーションが発生したが、上位勢はここでもピットに入らず、燃料をセーブし最後まで走りきる作戦を採った。
この終盤戦、Ky.ブッシュはジミー・ジョンソン(シボレー)と抜きつ抜かれつの首位争いを展開。しかし、361周目にこの日8度目となるイエローコーションが出され、レースは1周延長で"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。
2列目の3,4位ににKy.ブッシュとハムリンが並び、最後の2周での逆転勝利を狙ったが、イン側のKy.ブッシュは前走車が出遅れたため阻まれ、追い上げたがわずかに届かなかったハムリンが2位でフィニッシュ。"トヨタ カムリ"勢はレースを通して首位争いを展開したが、惜しくも勝利には届かず。Ky.ブッシュは4位。終盤追い上げたトゥルークス・Jr.が5位。ロガーノが10位でフィニッシュした。
来週は特別戦として、オールスターレースが5月19日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「我がチームにとって良い一日となった。勝つのは難しい状況だったのだが、クルーチーフの素晴らしい判断と、ピットクルーの素晴らしい仕事のおかげで、ピットのたびに順位を上げ、良いトラックポジションで走り続けることができた。勝ちたかったのは確かだが、2位という結果は決して悪くない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 368 | ||
2 | 8 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 368 | ||
3 | 17 | 14 | トニー・スチュワート | シボレー | 368 | ||
4 | 5 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 368 | ||
5 | 6 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 368 | ||
10 | 21 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 368 | ||
11 | 26 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 368 | ||
20 | 18 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 368 | ||
26 | 20 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 366 | ||
29 | 22 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 364 | ||
32 | 33 | 73 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 362 | ||
36 | 41 | 93 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 314 | ||
37 | 43 | 49 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 132 | ||
39 | 32 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 32 | ||
40 | 40 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 27 | ||
41 | 35 | 52 | マイク・スキナー | トヨタ カムリ | 20 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第9戦 VFW Sport Clips Help a Hero 200
開催日:5月11日
ジョーイ・ロガーノが2連勝!
"トヨタ カムリ"は3戦連続の1-2フィニッシュ
2連勝で今季3勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ
5月11日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第9戦「VFW Sport Clips Help a Hero 200」がダーリント・ンレースウェイで開催された。
11日(金)1日で全てのスケジュールが行われた今大会は、朝の練習走行に続き、午後3時35分から予選が行われ、デニー・ハムリンが最前列2番手、第7戦でチームに初勝利をもたらしたカート・ブッシュが4番手、前戦を含む今季2勝を挙げているジョーイ・ロガーノが5番手、ブライアン・スコットが7番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
午後7時15分、1.366マイルオーバルを147周(200.8マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
スタート直後にいきなりイエローコーションが発生したが、再スタート後は、2番手のハムリンが好調な走りを見せ、19周目に首位浮上。Ku.ブッシュが3位でこれを追い、ロガーノも4位争いを展開した。
ハムリンが後続との差をどんどん広げていった35周目、この日2度目のイエローコーションが発生。全車ピットへ向かうと、ここでロガーノが好ピットで首位に浮上。ハムリンと並んで再スタートを切り、サイド・バイ・サイドで首位争いを展開したが、ハムリンが再び首位を奪い返した。
46周目にもイエローコーションとなり、再スタート直後には今度はKu.ブッシュがハムリンをかわし一旦首位に立つが、この日のハムリンは圧倒的な速さでKu.ブッシュもパス。2位以下に大差を付けて独走状態となった。
その後はイエローコーションがなかなか出ず、90周目過ぎからグリーン下で各車ピットへ。全車がピットを終えた時点でハムリンが首位、Ku.ブッシュが2位、ロガーノが3位で続き、"トヨタ カムリ"が1-2-3体制となった。
ハムリンが独走で2位Ku.ブッシュとの差を6秒以上も離す一方で、Ku.ブッシュとロガーノの2位争いが白熱。125周目、ロガーノがKu.ブッシュをパスすると、抜き換えそうとしたKu.ブッシュはウォールにヒットし右フロントタイヤをパンク。イエローコーションとなった。
ここで全車最後のピットへと向かうが、大半の車両が4本タイヤを交換したのに対し、2本タイヤ交換作戦を採ったエリオット・サドラー(シボレー)が首位に浮上。ハムリン、ロガーノがこれに続く形となった。Ku.ブッシュは首位と同一周回最後尾の17位で再スタート。
残り15周での再スタートは、ハムリンが若干遅れロガーノが先行。しかし、ハムリンはまもなくロガーノをパスし、サドラーへと迫った。
残り10周となったところで壁にヒットした車両によりイエローコーション発生。
残り5周での再スタートが切られると、首位に付けていたサドラーが後方のロガーノとの接触によりスピン。アウト側で若干出遅れたハムリンはサドラーと接触。サドラーはウォールにクラッシュし、イエローコーション。レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
サドラーとの接触で右フロントに若干のダメージを負いながらも、そのまま首位で再スタートを切ることとなったハムリンは、エンジントラブルにも見舞われ、再スタートではロガーノの先行を許すことに。ロガーノはそのまま逃げ切り、前戦に続き2連勝。今季3勝目を挙げた。ハムリンは2位でフィニッシュ。 スコットが7位、Ku.ブッシュは追い上げ8位でフィニッシュした。
"トヨタ カムリ"は3戦連続の1-2フィニッシュを果たすこととなり、マニュファクチャラーズランキングで首位に躍り出た。
第7戦に続きシリーズ2戦目の出場となった、エクストリームスポーツのスーパースターであるトラヴィス・パストラーナは、車両交換のため最後尾からのスタートを強いられ、一時は2周遅れになったものの挽回し、首位と同一周回の17位でフィニッシュした。
次戦第10戦は5月20日(日)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後のリスタートで何をすべきか、理解していた。前戦と同様に、後ろにはブラッド(ケゼロウスキー)がいて、すごい勢いでプッシュしてきた。ダーリントンのような歴史のあるコースで勝利できるのは本当に嬉しい。トヨタにとっての201勝目を挙げられたということのも凄いことだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 151 | ||
2 | 2 | 18 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 151 | ||
3 | 13 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 151 | ||
7 | 7 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 151 | ||
8 | 4 | 54 | カート・ブッシュ | トヨタ カムリ | 151 | ||
11 | 16 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 151 | ||
15 | 12 | 44 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 151 | ||
17 | 25 | 99 | トラヴィス・パストラーナ | トヨタ カムリ | 151 | ||
19 | 26 | 14 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 149 | ||
21 | 32 | 81 | ジェイソン・ボウルズ | トヨタ カムリ | 148 | ||
31 | 30 | 19 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 60 | ||
36 | 34 | 10 | トニー・レインズ | トヨタ カムリ | 14 | ||
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