2012年5月14日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第11戦 Bojangles' Southern 500

開催日:5月12日

"トヨタ カムリ"が首位を争うも、デニー・ハムリンが2位


2位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)

 5月12日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第11戦「Bojangles' Southern 500」が開催された。
 60年以上と長い歴史を持つダーリントンは第1、第2ターンと第3、第4ターンの曲率が異なり、コース幅も狭い難コース。壁ぎりぎりでのレースが展開され、コースの壁にレースカーのタイヤが擦れて黒くなることから"Lady in Black"と称される。また、車両に残った壁との接触跡が"ダーリントン・ストライプ"と呼ばれるほど、壁への接触が多発するコースである。
 このコースでは2008年にカイル・ブッシュ、2010年にデニー・ハムリンが勝利を飾っている。

 11日(金)午後5時10分から予選が行われ、3列目に5番手にKy.ブッシュ、6番手にマーティン・トゥルークス・Jr.と並んだ。その後方4列目の8番手にハムリンが続き、14台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 12日(土)翌日が母の日ということもあり、ドライバー達の母親による「Sons and daughter, start your engines!」のコールでエンジンが始動され、午後7時18分、1.366マイルの卵形オーバルを367周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。
 レースは前半、全くイエローコーションが出ず、3回にわたってグリーン下でのピット作業が行われることとなった。トヨタ勢ではKy.ブッシュが好ピット作業にも助けられて順位を上げ、首位争いを展開。トゥルークス・Jr.もその後方グループでトップ5圏内の争いを続け、ハムリンはトップ10圏内をキープした。
 レースも折り返しに近づいた172周目、コース上の異物によりこの日初めてのイエローコーション。全車ピットへ向かい、2位でピットアウトしたKy.ブッシュは、好スタートでこの日3度目となる首位を奪取。
 一方、9位で再スタートを切ったハムリンは、15周後の194周目に出されたこの日2度目のイエローコーションでライバル勢がピットへ向かう中、コース上に残る作戦を採り、首位に浮上した。
 ライバルよりも15周分ほど燃料が少ない状態で走り続けたハムリンは、首位の座こそ譲ったものの上位争いを展開。燃料が厳しくなってきた230周目に幸運なイエローコーションとなり、ライバルと同タイミングでの給油に戻るとともに、好ピットで首位に復帰した。
 このイエローコーションからは、トゥルークス・Jr.が3位、21番手スタートから着実に順位を上げてきたジョーイ・ロガーノが4位、Ky.ブッシュが5位で再スタート。
 ハムリンは50周近くに渡って首位を走行。280周あたりから、この日4度目となるグリーン下でのピット作業となり、トゥルークス・Jr.とハムリンは同時にピットへ。しかし、ピットアウト時に他車に阻まれる形でハムリンが遅れ、トゥルークス・Jr.が首位に浮上。ハムリン、Ky.ブッシュが続く形となった。
 298周目にボビー・ラボンテが突然のタイヤパンクに見舞われてスピン。イエローコーション。全車ピットへ向かい、2本タイヤ交換としたKy.ブッシュとトゥルークス・Jr.が1位、2位でピットアウト。同じく2本交換としたロガーノが4位へと浮上。4本交換したハムリンは5位で再スタートとなった。
 再スタートではトゥルークス・Jr.が首位を奪ったが、307周目に5度目のイエローコーションが出されると、残り60周弱へ向けトゥルークス・Jr.は給油ピット。しかし、Ky.ブッシュとハムリンら上位勢はコース上に残り、トゥルークス・Jr.は16位に後退。
 給油しなかった上位勢の燃料が持つかどうかに注目が集まる中、316周目と330周目にもイエローコーションが発生したが、上位勢はここでもピットに入らず、燃料をセーブし最後まで走りきる作戦を採った。
 この終盤戦、Ky.ブッシュはジミー・ジョンソン(シボレー)と抜きつ抜かれつの首位争いを展開。しかし、361周目にこの日8度目となるイエローコーションが出され、レースは1周延長で"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。
 2列目の3,4位ににKy.ブッシュとハムリンが並び、最後の2周での逆転勝利を狙ったが、イン側のKy.ブッシュは前走車が出遅れたため阻まれ、追い上げたがわずかに届かなかったハムリンが2位でフィニッシュ。"トヨタ カムリ"勢はレースを通して首位争いを展開したが、惜しくも勝利には届かず。Ky.ブッシュは4位。終盤追い上げたトゥルークス・Jr.が5位。ロガーノが10位でフィニッシュした。

 来週は特別戦として、オールスターレースが5月19日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「我がチームにとって良い一日となった。勝つのは難しい状況だったのだが、クルーチーフの素晴らしい判断と、ピットクルーの素晴らしい仕事のおかげで、ピットのたびに順位を上げ、良いトラックポジションで走り続けることができた。勝ちたかったのは確かだが、2位という結果は決して悪くない」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 48 ジミー・ジョンソン シボレー 368
2 8 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 368
3 17 14 トニー・スチュワート シボレー 368
4 5 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 368
5 6 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 368
10 21 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 368
11 26 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 368
20 18 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 368
26 20 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 366
29 22 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 364
32 33 73 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 362
36 41 93 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 314
37 43 49 J.J.イェリー トヨタ カムリ 132
39 32 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 32
40 40 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 27
41 35 52 マイク・スキナー トヨタ カムリ 20
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 グレッグ・ビッフル フォード 411
2 マット・ケンゼス フォード 409
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 397
4 デニー・ハムリン トヨタ 394
6 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 372
9 カイル・ブッシュ トヨタ 349
11 クリント・ボウヤー トヨタ 335
15 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 293
23 マーク・マーティン トヨタ 242
27 ボビー・ラボンテ トヨタ 226
33 ランドン・カシル トヨタ 154
34 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 148
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 86
36 J.J.イェリー トヨタ 80
37 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 66
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 26
48 ビル・エリオット トヨタ 7
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 72
2 トヨタ 64
3 フォード 57
4 ダッジ 49

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第9戦 VFW Sport Clips Help a Hero 200

開催日:5月11日

ジョーイ・ロガーノが2連勝!
"トヨタ カムリ"は3戦連続の1-2フィニッシュ


2連勝で今季3勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ

 5月11日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第9戦「VFW Sport Clips Help a Hero 200」がダーリント・ンレースウェイで開催された。

 11日(金)1日で全てのスケジュールが行われた今大会は、朝の練習走行に続き、午後3時35分から予選が行われ、デニー・ハムリンが最前列2番手、第7戦でチームに初勝利をもたらしたカート・ブッシュが4番手、前戦を含む今季2勝を挙げているジョーイ・ロガーノが5番手、ブライアン・スコットが7番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後7時15分、1.366マイルオーバルを147周(200.8マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 スタート直後にいきなりイエローコーションが発生したが、再スタート後は、2番手のハムリンが好調な走りを見せ、19周目に首位浮上。Ku.ブッシュが3位でこれを追い、ロガーノも4位争いを展開した。
 ハムリンが後続との差をどんどん広げていった35周目、この日2度目のイエローコーションが発生。全車ピットへ向かうと、ここでロガーノが好ピットで首位に浮上。ハムリンと並んで再スタートを切り、サイド・バイ・サイドで首位争いを展開したが、ハムリンが再び首位を奪い返した。
 46周目にもイエローコーションとなり、再スタート直後には今度はKu.ブッシュがハムリンをかわし一旦首位に立つが、この日のハムリンは圧倒的な速さでKu.ブッシュもパス。2位以下に大差を付けて独走状態となった。
 その後はイエローコーションがなかなか出ず、90周目過ぎからグリーン下で各車ピットへ。全車がピットを終えた時点でハムリンが首位、Ku.ブッシュが2位、ロガーノが3位で続き、"トヨタ カムリ"が1-2-3体制となった。
 ハムリンが独走で2位Ku.ブッシュとの差を6秒以上も離す一方で、Ku.ブッシュとロガーノの2位争いが白熱。125周目、ロガーノがKu.ブッシュをパスすると、抜き換えそうとしたKu.ブッシュはウォールにヒットし右フロントタイヤをパンク。イエローコーションとなった。
 ここで全車最後のピットへと向かうが、大半の車両が4本タイヤを交換したのに対し、2本タイヤ交換作戦を採ったエリオット・サドラー(シボレー)が首位に浮上。ハムリン、ロガーノがこれに続く形となった。Ku.ブッシュは首位と同一周回最後尾の17位で再スタート。
 残り15周での再スタートは、ハムリンが若干遅れロガーノが先行。しかし、ハムリンはまもなくロガーノをパスし、サドラーへと迫った。
 残り10周となったところで壁にヒットした車両によりイエローコーション発生。
 残り5周での再スタートが切られると、首位に付けていたサドラーが後方のロガーノとの接触によりスピン。アウト側で若干出遅れたハムリンはサドラーと接触。サドラーはウォールにクラッシュし、イエローコーション。レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
 サドラーとの接触で右フロントに若干のダメージを負いながらも、そのまま首位で再スタートを切ることとなったハムリンは、エンジントラブルにも見舞われ、再スタートではロガーノの先行を許すことに。ロガーノはそのまま逃げ切り、前戦に続き2連勝。今季3勝目を挙げた。ハムリンは2位でフィニッシュ。 スコットが7位、Ku.ブッシュは追い上げ8位でフィニッシュした。
 "トヨタ カムリ"は3戦連続の1-2フィニッシュを果たすこととなり、マニュファクチャラーズランキングで首位に躍り出た。
 第7戦に続きシリーズ2戦目の出場となった、エクストリームスポーツのスーパースターであるトラヴィス・パストラーナは、車両交換のため最後尾からのスタートを強いられ、一時は2周遅れになったものの挽回し、首位と同一周回の17位でフィニッシュした。

 次戦第10戦は5月20日(日)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後のリスタートで何をすべきか、理解していた。前戦と同様に、後ろにはブラッド(ケゼロウスキー)がいて、すごい勢いでプッシュしてきた。ダーリントンのような歴史のあるコースで勝利できるのは本当に嬉しい。トヨタにとっての201勝目を挙げられたということのも凄いことだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 151
2 2 18 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 151
3 13 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 151
7 7 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 151
8 4 54 カート・ブッシュ トヨタ カムリ 151
11 16 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 151
15 12 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 151
17 25 99 トラヴィス・パストラーナ トヨタ カムリ 151
19 26 14 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 149
21 32 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 148
31 30 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 60
36 34 10 トニー・レインズ トヨタ カムリ 14
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 364
2 エリオット・サドラー シボレー 341
3 オースティン・ディロン シボレー 329
8 マイク・ブリス トヨタ 230
9 ジョー・ネメチェク トヨタ 222
11 テイラー・マルサム トヨタ 215
13 ブライアン・スコット トヨタ 179
15 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 166
18 エリック・マクルーア トヨタ 142
19 ケニー・ウォレス トヨタ 140
25 ライアン・トゥルークス トヨタ 93
36 トラヴィス・パストラーナ トヨタ 49
38 ジェフ・グリーン トヨタ 41
55 ジョン・ジャクソン トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 57
2 シボレー 54
3 フォード 47
4 ダッジ 40