2012年5月21日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
Sprint Showdown & Sprint All-Star Race

開催日:5月19日

オールスター戦に5台の"トヨタ カムリ"が出場
カイル・ブッシュが4位


オールスター戦で4位フィニッシュとなったカイル・ブッシュ(#18:左)

 5月19日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARのオールスター戦となる「Sprint All-Star Race」と、その出場権を賭けたレース「Sprint Showdown」が開催された。
 オールスター戦はポイントのかからないエキシビジョンレースながら、優勝賞金の100万ドルを目指し、毎年激戦が展開される。また、翌週には同じシャーロットでシリーズ最長の600マイルレースが行われることもあり、データ収集やセッティングにおいても重要なレースとなる。
 オールスター戦への出場権は、2011年及び2012年のスプリント・カップ・シリーズ戦優勝か、過去10年間のシリーズチャンピオン及びオールスター戦での勝者となっており、トヨタ勢では、優勝を果たしているカイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、クリント・ボウヤーに加え、過去2度オールスター戦で勝利を挙げているマーク・マーティンの4名が条件を満たし、出場が確定。
 上記の条件で選出された20名に加えて、「Sprint Showdown」での上位2台と、ファン投票で選出されたドライバーがオールスター戦に出走する。
 今季のオールスター戦は、これまでの4セグメント制から変更され、初めて5セグメント制で争われる。20周ずつ4つのセグメントを戦い、最後の第5セグメントのみ10周。第5セグメントはスタート前にピットイン義務があるが、各セグメントの勝者が優位な前のグリッドからピットへ向かい、再スタートが切られるシステムとなった。

 18日(金)、午後5時から「Sprint Showdown」の予選が行われ、2010年に同レースを制しているマーティン・トゥルークス・Jr.が最前列2番手を確保。9台の"トヨタ カムリ"が同レースに出走することとなった。
 続く午後6時からは、通常の予選とは異なる、3周で4本タイヤ交換のピットストップ義務を課せられた予選が行われ、Ky.ブッシュが昨年に続きポールポジションを獲得。ハムリンが3番手につけた。

 様々なイベントが行われるオールスターウィーク、19日(土)のShowdownの前には、レース優勝者がチェッカー後にタイヤを空転させるパフォーマンス『バーンナウト』のコンテストが行われ、ボウヤーが優勝を果たした。
 午後7時41分に、1.5マイルオーバルを20周ずつの2セグメント、計40周(60マイル:約96km)で競われるShowdownがスタート。2番手スタートのトゥルークス・Jr.は最初のセグメントで2位をキープし、第2セグメントの再スタート後もバトルを展開したが、ポジションを守りきることができず4位でフィニッシュ。"トヨタ カムリ"勢はトップ2フィニッシュは果たせなかったが、ドライバーによるファン投票で、2000年のシリーズチャンピオンでもあるベテラン、ボビー・ラボンテが最高票を獲得し、オールスター戦出場の最後のキップを手にすることとなった。

 午後9時22分に、90周(135マイル:約217km)で行われるオールスター戦がスタート。ポールポジションのKy.ブッシュは序盤首位を守ったが、惜しくも第1セグメントを2位で終了。第1セグメントを終え各車ピットへ向かう中、4位につけていたハムリンはコース上に残り、首位で第2セグメントのスタートを切った。
 ハムリンも16周にわたって首位をキープしたが、ハンドリングの不調に見舞われ、2位で第2セグメントを終了。4本タイヤを交換し、10位で再スタートを切ったKy.ブッシュは、一時は5位まで浮上したが、やはりハンドリングに苦しみ、このセグメントは8位。第3,第4セグメントも"トヨタ カムリ"勢は中団に沈んだ。
 最終セグメントでは、トヨタ勢で唯一のトップ10圏内につけていたKy.ブッシュが好ダッシュを見せ6位に浮上。その後も前走車をパスしていったが、残り周回数が少なく、それ以上の追い上げは叶わず4位でフィニッシュとなった。

 次週はシリーズ戦に戻り、オールスター戦と同じシャーロット・モーター・スピードウェイでシリーズ最長の600マイルレースとなる第12戦が行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最初のセグメントを制することができれば勝てると思っていたが、残念ながら望み通りには行かなかった。我々の"トヨタ カムリ"は、練習走行では絶好調だった。ほんの僅かなコンディションの違いや調整が大きく影響するようだ。本当によく働いてくれたチームクルーのためにも勝ちたかったが、叶わなかった」

リザルト

Sprint All-Star Race 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 6 48 ジミー・ジョンソン シボレー 90
2 19 2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 90
3 15 17 マット・ケンゼス フォード 90
4 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 90
14 12 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 90
19 23 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 90
20 3 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 90
21 16 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 90
Sprint Showdown 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 40
2 1 22 AJ・アルメンディンガー ダッジ 40
3 19 1 ジェイミー・マクマーレイ シボレー 40
4 2 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 40
6 13 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 40
9 6 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 40
10 9 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 40
12 8 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 40
16 17 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 28
17 20 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 26
18 10 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 22
22 18 49 J.J.イェリー トヨタ カムリ 3

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第10戦 Pioneer Hi-Bred 250

開催日:5月20日

3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ


今季初レースながら3位フィニッシュを果たしたマイケル・マクドウェル(#18)

 5月20日(日)にNASCARネイションワイド・シリーズの第10戦「Pioneer Hi-Bred 250」が米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
 オールスター戦の行われたシャーロットからは離れたアイオワでの開催のため、スプリント・カップ・シリーズのレギュラードライバーの参戦は少なく、多くのスポット参戦ドライバーが出場することとなった。

 19日(土)午前中の練習走行に続き、午後3時40分より予選が行われ、今季初出場となるマイケル・マクドウェルが2列目4番手グリッドを獲得。チームメイトのブライアン・スコットが7番手、同じジョー・ギブズ・レーシングからシリーズデビューを果たすこととなったダレル・ウォレス・Jr.が8番手と好グリッドを獲得。12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 20日(日)午後1時17分、0.875マイルショートオーバルを250周(218.75マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。
 ドリュー・ヘリングが予選を戦い、31番手グリッドを獲得していたカイル・ブッシュ・モータースポーツの54号車は、前日オールスター戦をシャーロットで戦ったばかりのカート・ブッシュが乗り換えて決勝に出場。このため、最後尾グリッドへと後退してのスタートとなった。
 前半戦、マクドウェル、D.ウォレス・Jr.、スコットの3台がトップ10圏内でのバトルを続ける一方で、最後尾スタートのKu.ブッシュが目覚ましい追い上げを見せ、29周目にはトップ10へと浮上した。
 "トヨタ カムリ"勢の最上位に付けていたマクドウェルは、今季初レースにもかかわらず上位でのバトルを展開し、64周目には2位に浮上。
 その後、2度のイエローコーションによるピット作業を経て、"トヨタ カムリ"勢は変わらず4台がトップ10圏内を走行。Ku.ブッシュが引っ張る形となり、153周目にはKu.ブッシュは2位までポジションを上げた。
 180周目、首位と同一周回の15位前後を走行していたテイラー・マルサムがタイヤバーストに見舞われクラッシュ。この日3度目のイエローコーションとなり、各車はこの日最後まで走り切れるだけの燃料を給油するべくピットへ。ここで、Ku.ブッシュに次ぐ3位につけていたマクドウェルが痛恨のピットロード速度違反を取られ、首位と同一周回最後尾の12位まで後退することとなってしまった。
 202周目、19位前後を走行していたトラヴィス・パストラーナが突然スローダウン。イエローコーションが出されると、上位勢のほとんどはコース上に残ったが、マクドウェルはピットへ向かい、残り40周強での追い上げに向けてタイヤを交換。
 207周目、Ku.ブッシュが3位、スコットが9位、D.ウォレス・Jr.が11位、マクドウェル12位で再スタート。Ku.ブッシュが2位争いを展開する一方で、好ダッシュを決めたマクドウェルが猛烈な追い上げを開始した。
 220周目過ぎには、Ku.ブッシュらが2位を争う後方、4位までマクドウェルは順位を上げ、Ku.ブッシュとテール・トゥ・ノーズ状態に。
 ファイナルラップ、Ku.ブッシュの後部に追うマクドウェルが軽く接触。これでバランスを崩したKu.ブッシュはハーフスピンを喫し、壁にヒット。しかし、そのままレースは続行され、Ku.ブッシュも立て直してチェッカーへ。マクドウェルが3位、Ku.ブッシュが5位でフィニッシュすることとなった。デビュー戦となったD.ウォレス・Jr.も9位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第11戦は5月26日(土)、シャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マイケル・マクドウェル:
「ピットロードでミスを犯してしまい、大きく遅れてしまった。我々の"トヨタ カムリ"は本当に速く、リッキー(ステンハウス・Jr.:フォード)とも戦えたと思う。長い車列の最後尾へと戻されてしまったが、そこから追い上げることができた。ジョー・ギブズ・レーシングで戦えるチャンスを与えられたのは本当に光栄だ」

ドライバー カート・ブッシュ:
「上位の2台は本当に速かったが、彼らと戦えるようになったというのは大きな進歩だ。今日はずっとターン1でのオーバーステア症状が出ており、最後はマイケル・マクドウェルがイン側を攻めてきたところを抑えようとしてあのような結果になってしまった。しかしこれもレースだし、とても楽しめた一日だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 250
2 1 2 エリオット・サドラー シボレー 250
3 4 18 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 250
5 31 54 カート・ブッシュ トヨタ カムリ 250
9 8 20 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ カムリ 250
11 7 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 250
15 23 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 249
17 24 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 248
19 25 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 247
26 15 99 トラヴィス・パストラーナ トヨタ カムリ 228
29 16 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 179
32 22 14 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 70
36 41 72 ジョン・ジャクソン トヨタ カムリ 7
41 30 10 ケヴィン・リペイジ トヨタ カムリ 3
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 412
2 エリオット・サドラー シボレー 384
3 オースティン・ディロン シボレー 369
8 マイク・ブリス トヨタ 259
9 ジョー・ネメチェク トヨタ 247
11 テイラー・マルサム トヨタ 230
12 ブライアン・スコット トヨタ 212
14 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 193
19 エリック・マクルーア トヨタ 142
20 ケニー・ウォレス トヨタ 140
26 ライアン・トゥルークス トヨタ 93
34 トラヴィス・パストラーナ トヨタ 67
37 ジェフ・グリーン トヨタ 56
43 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 35
56 ジョン・ジャクソン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 61
2 シボレー 60
3 フォード 56
4 ダッジ 43

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第5戦 N. C. Education Lottery 200

開催日:5月18日

トッド・ボダインとジェイソン・リフラーが3-4位


今季最上位となる3位フィニッシュを果たしたトッド・ボダイン(#11)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第5戦「N. C. Education Lottery 200」が5月18日(金)にシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。

 18日(金)午前中2回の練習走行を経て、午後4時から予選が行われ、目下ランキング首位につけるティモシー・ペターズが2列目4番手。ジェイソン・リフラーが5番手、マット・クラフトンが6番手で続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き、日が沈みかけた午後8時19分、1.5マイルオーバルを134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 ペターズ、リフラー、クラフトンは序盤から上位争いを展開。24周目に、開幕戦のデイトナで初勝利を挙げたルーキーのジョン・キングが壁にヒットし、イエローコーション。車両のダメージは大きく、そのままガレージへ向かい、リタイアとなってしまった。
 その直前にも出されていたイエローコーションで各チームピット戦略が分かれ、順位も変動。その後はなかなかイエローコーションが出ず、13番手スタートから、一時は2位までポジションを上げていたジョニー・ソーターは、60周目に痛恨の燃料切れに見舞われスローダウン。惰性で向かったピットで燃料補給を行ったものの、大きく順位を落としてしまった。
 また、クラフトンやリフラーら、早めのピット戦略を採ったチームは60周目過ぎからグリーン下でのピットを強いられ、順位を落とすこととなった。
 71周目にこの日4度目のイエローコーションが出され、ピットに向かわず走行を続けていたペターズ、ボダインらが大きくポジションアップ。ペターズは首位に浮上した。7位で再スタートを切ったボダインは好ダッシュで4位へと順位を上げると、直後のコーションで上位勢の多くがピットへ向かう中、コース上に残り、2位で後半戦へ。
 その後は燃費戦になるかと思われたが、残り15周を切ったところでイエローコーションが連発。最後は5周での勝負となった。
 2列目4位で再スタートを切ったボダインは、3ワイドでの上位争いを繰り広げたが、首位には届かず3位でチェッカー。リフラーが4位。ペターズが9位でフィニッシュし、"トヨタ タンドラ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。ペターズは今大会の結果、ランキングでは2位に後退したが、首位とはわずか1ポイント差につけている。

 次戦第6戦は6月1日(金)に米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催される

ドライバー トッド・ボダイン:
「序盤はオーバーステア症状が酷く、クルーチーフが多くの調整をしてくれたことで少しずつ良くなっていったが、その後は逆にアンダーステア症状が出るようになってしまった。そんな中で3位フィニッシュを果たせて本当に良かった」

ドライバー ジェイソン・リフラー:
「我々の"トヨタ タンドラ"は素晴らしい仕上がりだったが、戦略が上手く行かなかった。ピットストップのタイミングが悪かった。本当に勝てるチャンスがあると思っていた。このチームの素晴らしい"トヨタ タンドラ"をドライブでき、チームのクルーやオーナーのカイル・ブッシュ、工場のスタッフ全員に感謝している。今回のように好調な"トヨタ タンドラ"でレースを走るのはとても楽しかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 6 ジャスティン・ロフトン シボレー 134
2 9 19 ブラッド・ケゼロウスキー RAM 134
3 17 11 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 134
4 5 18 ジェイソン・リフラー トヨタ タンドラ 134
9 4 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 134
13 24 98 ダコダ・アームストロング トヨタ タンドラ 134
15 6 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 134
16 22 9 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 134
17 34 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 134
25 13 13 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 127
33 19 7 ジョン・キング トヨタ タンドラ 24
35 18 8 ロス・チャステイン トヨタ タンドラ 12
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジャスティン・ロフトン シボレー 200
2 ティモシー・ペターズ トヨタ 199
3 タイ・ディロン シボレー 184
9 トッド・ボダイン トヨタ 151
11 マット・クラフトン トヨタ 144
13 ジョン・キング トヨタ 135
15 デイビッド・スター トヨタ 124
16 ダコダ・アームストロング トヨタ 123
17 ジェイソン・リフラー トヨタ 121
18 ジョニー・ソーター トヨタ 115
21 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 101
25 ロス・チャステイン トヨタ 92
27 クリス・フォンテイン トヨタ 73
48 クリス・ジョーンズ トヨタ 9
49 ジョニー・チャップマン トヨタ 9
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 42
2 トヨタ 31
3 RAM 20
4 フォード 17