2012年5月28日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第12戦 Coca-Cola 600

開催日:5月27日

デニー・ハムリンとカイル・ブッシュが2-3位


2位でフィニッシュしたデニー・ハムリン(#11)

 5月27日(日)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第12戦「Coca-Cola 600」が開催された。
 NASCARの本拠地及びチームや関連企業が多く位置するシャーロットはNASCARの"聖地"の一つ。そのシャーロットで開催される今大会は、シリーズ最長の600マイル(約960km)レースとして行われる。

 24日(木)練習走行に続き午後7時10分から予選が行われ、クリント・ボウヤーが5番手、マーク・マーティンが6番手で3列目に並んだ。デニー・ハムリンがその後方8番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が15番手、カイル・ブッシュが17番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと駒を進めた。

 27日(日)14万人もの観客が集まったシャーロット・モーター・スピードウェイで、午後6時23分、1.5マイルオーバルを400周して競われる決勝レースがスタート。
 序盤はボウヤーが3位に浮上し首位争いを展開。この日はイエローコーションがあまり出ず、40周目過ぎと90周目前後にグリーン下でのピット作業となり、17番手スタートから徐々に順位を上げてきたKy.ブッシュが、2度目のピットで一気に3位へと浮上した。
 111周目にコース上の異物によりこの日初めてのイエローコーション。全車ピットに向かうと、再スタートで4位のKy.ブッシュが得意のダッシュを決め、121周目に首位浮上。その後もトップ5圏内での走行を続けた。一方でボウヤーはハンドリングの変化に苦しみ、20位台へと後退。
 レースが折り返しを過ぎたあとは、前半トップ10圏内につけていたハムリンが順位を上げ、Ky.ブッシュと共に上位争いに加わった。
 残り100周を切ったところで、各車グリーンピットへ。305周目にKy.ブッシュとハムリンもピットイン。ここで素晴らしいピット作業に助けられたハムリンは、ほぼ全車がグリーンピットを終えた308周目に首位浮上。この日圧倒的な速さでレースを支配していたグレッグ・ビッフル(フォード)とケイシー・ケイン(シボレー)にかわされるも、3台での首位争いを展開した。
 318周目にこの日5度目のイエローコーションが出されると、上位勢はピットへ向かったが、ハムリンはコース上に残り、首位で再スタート。
 残り周回数が50周を切ったあたりから、グリーン下で各車最後となる給油ピットへ。全車がピットを終えた時点で、ハムリンは2位につけると、1秒以内の差で首位のケインを追い続けた。
 じりじりとその差を詰めていったハムリンだったが、惜しくも逆転はならず、2位でチェッカー。Ky.ブッシュも3位で続き、"トヨタ カムリ"は2-3位でのフィニッシュを果たした。ハムリンは2戦連続の2位。Ky.ブッシュも4戦連続のトップ5フィニッシュでランキングもそれぞれ3位、8位へと一つずつ上げることとなった。
 400周、600マイルの長丁場ながらイエローコーション5回のみとなった今レースは、最終的に首位と同一周回フィニッシュはわずか9台。優勝者のレース平均速度で、コース記録を更新するハイペースなレースであった。

 次戦第13戦は6月3日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「今回持ち込んだ"トヨタ カムリ"は全くの新車だったのだが、チームメイトと共に2-3位フィニッシュを果たすことができ、正しい方向に進んでいることが確認できた。まだまだ改良を重ねて行くことが必要だが、今日はチーム全体がミス無く、素晴らしい働きをしてくれた。最後は彼(ケイシー・ケイン)を捕まえるためのプッシュでタイヤを使い切ってしまい、逆転には至らなかった。今夜は彼が速すぎたということだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 5 ケイシー・ケイン シボレー 400
2 8 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
3 17 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 400
12 15 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 399
13 5 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 398
18 18 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 398
23 19 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 397
28 26 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 396
29 37 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 395
34 6 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 338
38 35 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 86
41 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 47
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 グレッグ・ビッフル フォード 453
2 マット・ケンゼス フォード 443
3 デニー・ハムリン トヨタ 437
6 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 404
8 カイル・ブッシュ トヨタ 391
12 クリント・ボウヤー トヨタ 366
16 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 314
26 マーク・マーティン トヨタ 252
27 ボビー・ラボンテ トヨタ 242
31 ランドン・カシル トヨタ 181
32 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 163
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 92
36 J.J.イェリー トヨタ 80
37 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 66
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 26
49 ビル・エリオット トヨタ 7
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 81
2 トヨタ 70
3 フォード 61
4 ダッジ 52

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第11戦 History 300

開催日:5月26日

周回遅れから追い上げたデニー・ハムリンが2位、
カイル・ブッシュが3位フィニッシュ


周回遅れから追い上げ2位でチェッカーを受けたデニー・ハムリン(#18)

 5月26日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第11戦「History 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
 ネイションワイド・シリーズのみ離れたアイオワで開催された前戦とはうって変わって、今大会はスプリント・カップ・シリーズとの併催のため、多くのカップ・ドライバーが出場した。

 24日(木)に2度の練習走行を行い、26日(土)午前11時5分から予選開始。ジョーイ・ロガーノが今季3度目となるポールポジションを獲得。ブライアン・スコットが9番手。カイル・ブッシュが12番手、デニー・ハムリンが13番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 予選のあと、スプリント・カップ・シリーズの練習走行を挟み、午後3時4分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのロガーノが好スタートを切り首位をキープ、Ky.ブッシュもトップ10圏内にポジションを上げた。
 6周目にトラヴィス・パストラーナがスピンを喫しイエローコーション。続いて15周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、14位につけていたハムリンがエンジン不調のためピットへ向かい、キャブレターの交換という大作業を行うことに。ハムリンは無事コースへと復帰したが、周回遅れの37位へと後退してしまった。
 一方、ここまで首位を守っていたロガーノも、再スタートで先行を許し、代わってKy.ブッシュが2位に浮上、続くロガーノと共に首位を追った。
 53周目にこの日3度目のイエローコーションとなり、全車ピットへ。再スタートが切られてまもない61周目に、再びパストラーナがスピンを喫し、4度目のイエローコーション。ここでハムリンが"ラッキー・ドッグ"を獲得し、首位と同一周回(29位)に復帰した。
 その後はイエローコーションが出ず、レースが折り返しを過ぎた110周前後にグリーン下で各車ピットイン。ロガーノ、スコット、Ky.ブッシュがトップ10圏内を守る一方で、目覚ましい追い上げを見せたハムリンも、グリーンピット後にはトップ10に浮上した。
 127周目にテイラー・マルサムがスピンし壁にヒット。この日5回目のイエローコーションとなり、各車ピットイン。しかし、最後まで走りきるには微妙な周回でのピット作業となった。
 このピットでは、タイヤ無交換作戦を採ったロガーノが首位に浮上。スコット3位、Ky.ブッシュ4位、ハムリン7位で131周目に再スタート。
 138周目にジェイソン・ボウルズがスピンした前者を避けきれずクラッシュ。これでイエローコーションとなり、各車最後のピットへ。ここで2台がコース上に残り、最後まで走りきる作戦に出た。ハムリンとKy.ブッシュは給油のみでピットアウトし、4,5位で再スタート。タイヤを4本交換したロガーノは15位へ後退。
 147周目に再スタートが切られると、トップ10圏内につけていたスコットがスピンし壁にクラッシュ。
 残り45周となった154周目、Ky.ブッシュが4位、ハムリンが5位で再スタート。好スタートを切ったKy.ブッシュは激しいバトルの末に2位に浮上。ハムリンもその後方で3ワイドでの3位争いを繰り広げた。
 首位を逃げるブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)、2位のKy.ブッシュ、3位のハムリン共に最後までの燃料が厳しくなってくる中で、ハムリンが猛追。残り10周を切ったところでKy.ブッシュをかわし、燃費走行のケゼロウスキーに迫った。
 しかし、惜しくも逆転には至らず。それでもハムリンは序盤の周回遅れから大きく追い上げての2位フィニッシュとなった。Ky.ブッシュが3位。ロガーノは6位でチェッカーを受けた。

 次戦第12戦は6月2日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「オーナーポイントの点で見れば良い一日だった。今日はレースを通して、ずっとクルマと格闘していた。絶好調とは言えない車両だったが、最後には十分な速さにまで仕上げてくれたクルーを誇りに思う。彼らの努力に報いるためにも勝ちたかった。2位でのレースが続いているが、次こそは更に上を狙う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 10 22 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 200
2 13 18 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 200
3 12 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
6 1 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 200
12 20 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 200
20 28 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 198
24 42 99 トラヴィス・パストラーナ トヨタ カムリ 195
29 29 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 157
31 9 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 146
32 18 14 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 141
33 15 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 137
43 33 10 ケヴィン・リペイジ トヨタ カムリ 3
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 430
2 エリオット・サドラー シボレー 417
3 オースティン・ディロン シボレー 402
8 マイク・ブリス トヨタ 291
10 ジョー・ネメチェク トヨタ 262
11 テイラー・マルサム トヨタ 254
13 ブライアン・スコット トヨタ 225
15 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 205
20 エリック・マクルーア トヨタ 142
21 ケニー・ウォレス トヨタ 140
30 ライアン・トゥルークス トヨタ 93
31 トラヴィス・パストラーナ トヨタ 87
36 ジェフ・グリーン トヨタ 65
46 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 35
56 ジョン・ジャクソン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 67
2 シボレー 64
3 フォード 59
4 ダッジ 52