NASCAR SPRINT CUP SERIES
第13戦 FedEx 400
開催日:6月3日
3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ
5位のクリント・ボウヤーは"チェイス"圏内浮上
トヨタ勢最上位の5位フィニッシュを果たしたクリント・ボウヤー(#15)と
前半首位を争ったが惜しくもリタイアに終わったカイル・ブッシュ(#18)
6月3日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第13戦「FedEx 400」が開催された。
1周1マイルのコンクリート舗装オーバルであるドーバーは、「モンスター・マイル」の愛称で呼ばれる難コース。スプリント・カップ・シリーズのレースは年に2戦開催されるが、トヨタは2008年と2010年の春の大会でカイル・ブッシュにより勝利を挙げている。
1日(金)に2回の練習走行が行われ、2日(土)午後12時10分より予選開始。53歳のベテラン、マーク・マーティンが0.005秒という僅差で、今季3度目、通算54回目となるポールポジションを獲得。クリント・ボウヤーが2列目4番手。Ky.ブッシュが8番手、デニー・ハムリンが10番手、ジョーイ・ロガーノが11番手で続き、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
3日(日)午後1時17分、1マイルオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
ポールポジションのマーティンはスタートでこそ先行を許したものの、7周目に首位を奪還。
9周目、中団を走っていたランドン・カシルとトニー・スチュワート(シボレー)が接触しスピン。ここに後続が次々に突っ込み、激しい多重クラッシュが発生した。ジョー・ネメチェクらを含む12台が巻き込まれたこのクラッシュにより、レースは開始早々赤旗中断となった。
約20分間の中断を経てレースは再開。再スタート後はマーティンが再び首位をキープする一方で、ボウヤーとKy.ブッシュがサイド・バイ・サイドでの激しい5位争いを展開。
その後はイエローコーションが出ず、70周目前後からグリーンピットが開始され、全車がピット作業を終えた時点で、マーティンがトップ、Ky.ブッシュが3位へと浮上した。
111周目にこの日2度目のイエローコーションが出され、全車ピットイン。マーティンが2位、Ky.ブッシュが4位で再スタートとなったが、まもなくKy.ブッシュはマーティンをかわし、2位に浮上。首位を追った。
164周目にこの日3度目のイエローコーションとなり、各車ピットへ向かったが、ここでKy.ブッシュは痛恨のピット作業ミスで再度のピットインを強いられ、首位と同一周回最後尾の19位へと後退。
再スタート後も追い上げを狙っていたKy.ブッシュだったが、202周目に今度はエンジントラブルに見舞われ、無念のリタイアとなってしまった。
レースが折り返しを過ぎ、トヨタ勢はマーティン、ボウヤー、マーティン・トゥルークス.Jr.のチームメイト3台がトップ10をキープ。ボウヤーは一時は2位までポジションを上げた。
レースも終盤に近づいた363周目にこの日7度目のイエローコーションが出されると、約20周前のコーションでピットに入っていた上位勢はコース上に残ったが、8位につけていたマーティンはピットへ。
残り31周で再スタートが切られたが、ハンドリングの不調に見舞われたマーティンは徐々にポジションダウン。5位で再スタートを切ったボウヤーがポジションを守ってチェッカー。トゥルークス・Jr.が7位、ロガーノが8位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュとなった。
マーティンは14位。この日レースを通してハンドリングに苦しんだハムリンは18位でレースを終えた。
トヨタ勢最上位の5位フィニッシュを果たしたボウヤーは、ドライバーズランキングでも10位に浮上し、トヨタドライバーでは4人目となる"チェイス"圏内に入ることとなった。
次戦第14戦は6月10日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。
ドライバー クリント・ボウヤー:
「全てにおいて良い週末だった。最後の再スタートではアウト側のラインだったのでいくつか順位を落としてしまったが、トップ5フィニッシュできた。これまではピットロードで苦戦することもあったが、今日は全く問題なく、若いチームにとって自信に繋がると思う。マーク(マーティン:チームメイト)がポールポジションを獲得し、私がトップ5フィニッシュできたことは、チームが素晴らしい働きをしてくれたおかげであり、誇りに思う」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 400 | ||
2 | 6 | 29 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 400 | ||
3 | 5 | 17 | マット・ケンゼス | フォード | 400 | ||
5 | 4 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 400 | ||
7 | 18 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 400 | ||
8 | 11 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 400 | ||
14 | 1 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 400 | ||
18 | 10 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 400 | ||
20 | 22 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 399 | ||
23 | 42 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 348 | ||
29 | 8 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 202 | ||
33 | 32 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 63 | ||
34 | 34 | 49 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 41 | ||
36 | 36 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 23 | ||
38 | 27 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 9 | ||
39 | 35 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 9 | ||
|
|
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第12戦 5-hour Energy 200
開催日:6月2日
"トヨタ カムリ"がトップ4独占!
ジョーイ・ロガーノは今季4勝目
圧倒的な速さでレースを支配し今季4勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ
6月2日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第12戦「5-hour Energy 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
2日(土)午前10時40分より予選が行われ、隣州ニュージャージー出身のライアン・トゥルークスがホームコースとも言えるドーバーで自身初のポールポジションを獲得。スプリント・カップ・シリーズを戦うマーティン・トゥルークス・Jr.の弟である20歳のR.トゥルークスは、11日前に虫垂切除の手術を受けたばかりというコンディションながら、見事な走りでトップタイムをマークした。
チームメイトのジョーイ・ロガーノが2番手で"トヨタ カムリ"が最前列を独占。5番手にブライアン・スコット、8番手マイク・ブリス、9番手カート・ブッシュと続き、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
スプリント・カップ・シリーズの予選を経て、午後2時17分、1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのR.トゥルークスを2番手グリッドのロガーノがスタートダッシュでかわし、首位に浮上。序盤から2度に渡ってイエローコーションが出されたがロガーノは首位を堅守した。
42周目にコンペティション・コーションがだされ、上位勢がピットインする中で、1台だけコース上に残ったため、ロガーノは2番手に後退したが、再スタート後まもなく再び首位に復帰。
その後は長いグリーン下での走行となり、ロガーノは2位以下との差をどんどん広げる独走態勢に。Ku.ブッシュとR.トゥルークスがトップ5圏内でこれを追う展開となった。
110周を過ぎたあたりから各車グリーン下でピット作業を開始。最後まで引っ張ったロガーノが123周目にグリーンピットを終え、再び首位に浮上した直後の125周目に、スピン車両によるイエローコーションが発生。長いグリーン走行のために、この時点で首位と同一周回車両はわずか7台となっていた。
このコーションでは、グリーンピットを終えたばかりの上位勢はピットに入らず、再スタート後の133周目にも再びクラッシュでイエローコーション。ここで、Ku.ブッシュがピットインのギャンブルに出た。
138周目に再スタートが切られると、首位のロガーノに2位のR.トゥルークスが肉薄し、スコットも3位へとポジションアップ。
R.トゥルークスの猛追から逃げるロガーノが、残り50周となった150周目、周回遅れの車両をパスしようとした際に、その車両がスピン。この日6度目のイエローコーションとなった。ここで、上位勢のほとんどがコースに残ったが、ロガーノを含む数台がピットへ向かい、4本タイヤを交換したロガーノは7位に後退。
R.トゥルークスが首位、スコット、Ku.ブッシュと"トヨタ カムリ"がトップ3を締めて残り43周での再スタートが切られた。
ライバルよりも30周以上フレッシュなタイヤで、燃料も補給したロガーノは7位から猛烈な追い上げを開始。166周目には上位3台の"トヨタ カムリ"に続く4位に浮上すると、Ku.ブッシュとスコットを次々にパスし、185周目に2位へ。この時点で首位のR.トゥルークスとロガーノの差は2秒以上あり、R.トゥルークスが地元でキャリア初勝利を挙げるかと思われた。
しかし、194周目、R.トゥルークスは周回遅れに引っかかり、その差を急速に詰めたロガーノがついにR.トゥルークスをパス。その後はロガーノが差を広げ、見事今季4勝目を挙げた。ロガーノはこれまで、ドーバーでは2回の2位フィニッシュはあったが、ついに初勝利を飾ることとなった。
惜しくも初勝利はならなかったものの、自身キャリア最上位フィニッシュとなったR.トゥルークスが2位。スコットが3位。Ku.ブッシュが4位でチェッカーを受け、"トヨタ カムリ"はトップ4独占という圧倒的な強さでレースを終えた。上位3台は同じジョー・ギブズ・レーシングのドライバーであり、同一チーム3台によるトップ3独占はシリーズ初となる。
次戦第13戦は6月16日(土)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後はかなり厳しかった。ピットに入ってタイヤを4本交換したとき、『しまった、また勝ちを逃してしまった』と思った。しかし、クルーチーフやピットクルーは、私にそこからでも追い上げられる素晴らしい"トヨタ カムリ"を与えてくれた。あとは辛抱強く、全力で追い上げるだけだった。ライアン(トゥルークス)は周回遅れに引っかかり、最後はかなりオーバーステアだったようだ。これまで、ここドーバーでは勝てそうで勝てなかっただけに、ようやく勝利を挙げることができ、本当に興奮している」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 18 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 200 | ||
2 | 1 | 20 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 200 | ||
3 | 5 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 200 | ||
4 | 9 | 54 | カート・ブッシュ | トヨタ カムリ | 200 | ||
15 | 30 | 81 | ジェイソン・ボウルズ | トヨタ カムリ | 198 | ||
16 | 20 | 19 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 198 | ||
17 | 28 | 14 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 198 | ||
19 | 21 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 197 | ||
20 | 13 | 99 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ カムリ | 197 | ||
33 | 8 | 44 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 36 | ||
39 | 25 | 10 | ケヴィン・リペイジ | トヨタ カムリ | 4 | ||
|
|
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第6戦 Lucas Oil 200
開催日:6月1日
雨天短縮レースでトッド・ボダインが37戦ぶりの勝利!
"モンスター"トロフィーを抱え、37戦ぶりの勝利を喜ぶトッド・ボダインとチームクルー
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第6戦「Lucas Oil 200」が6月1日(金)にドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
ここ「モンスター・マイル」では"トヨタ タンドラ"が強さを見せており、2008年以来4年連続で勝利を飾っている。
1日(金)午前10時10分から予選が行われ、ジョニー・ソーターが2列目4番手、ティモシー・ペターズが8番手、マット・クラフトンが10番手グリッドを確保。10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後5時4分に1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。4番手スタートのソーターが好ダッシュで序盤は2位を走行。ペターズとクラフトンがトップ10圏内キープで続いた。
25周目、中団を走行していたジョン・ウェス・タウンリーがスピンを喫しイエローコーション。再スタートが切られてまもない29周目にも、中団グループで発生したスピンに後続車が突っ込み、多重クラッシュに。ネイションワイド・シリーズに参戦中で、今大会スポット参戦となったブライアン・スコットがこのクラッシュに巻き込まれて車両にダメージを負い、順位を落としてしまった。
再スタート後、13番手スタートのトッド・ボダインが、トップ10圏内へと浮上したが、69周目にタイヤのトラブルのために単独スピン。上手く車両をコントロールしたボダインは、幸運にもどこにも接触することなく復帰したが、タイヤ交換のためのピットインを強いられ、16位まで後退。
レースが折り返しに近づいた96周目にも他車のクラッシュによりイエローコーションが出されたが、もう一度必ず給油ピットインが必要な残り周回を考慮し、上位勢はピットインせず。14位につけていたボダインはピットインし、給油とタイヤ4本交換、ハンドリングの調整も行った。
111周目にクラッシュによりこの日6度目のイエローコーションが出されたが、このコーションラップ中に雨が降り始め、レースは一時赤旗中断となった。
まもなく雨は止み、ジェットドライヤーカーで路面を乾かして15分ほどの中断ののち、レースは再開。給油すれば最後までぎりぎり走り切れる残り周回に入ったこともあり、レース再開後のコーションラップ中に上位勢がピットへと向かった。
ここで、先のコーションでピットインしていたボダインを含む数台がコース上に残り、ボダインは2位で再スタート。
この再スタートで好ダッシュを決め、首位を奪取したボダインは、その後2度に渡って発生したイエローコーションからの再スタートでも首位をキープ。
143周目、再び雨が降り始め、9度目のイエローコーションとなったが、3周ほどしたところで再び赤旗が出された。
迅速な天候の回復が見込めず、照明設備を持たないドーバーで、日没も近づいてきていることから、レースはこの時点で終了することが決定。ボダインが37戦ぶりとなる勝利を飾った。2度に渡るシリーズチャンピオンを経験しているボダインだが、ドーバーでの勝利はシリーズ初。"トヨタ タンドラ"は5年連続でドーバーを制することとなった。
レースを通して上位を争ったクラフトンが8位、ペターズが9位に入り、ペターズはランキングで首位に1ポイント差の2位の座を守っている。
次戦第7戦は6月8日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。
ドライバー トッド・ボダイン:
「信じられない。久しぶりの勝利だ。クルーチーフの判断が素晴らしかった。我々の"トヨタ タンドラ"はパーフェクトではなかったが、十分な速さだった。ずいぶん昔の話になるが、ここドーバーは、ネイションワイド・シリーズで初勝利を挙げたコースで、3勝を挙げるなど、好きなコースの上位に位置しており、トラック・シリーズでもずっと勝ちたかった。全く新しいチームで挑むこのコースの難しさもわかっていたし、それだけにチームオーナーにモンスターのトロフィーを捧げることができたのは本当に特別なことであり、大きな意義がある」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 13 | 11 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 147 | ||
2 | 11 | 29 | パーカー・クリガーマン | RAM | 147 | ||
3 | 1 | 2 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 147 | ||
8 | 10 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 147 | ||
9 | 8 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 147 | ||
13 | 17 | 18 | ブライアン・スコット | トヨタ タンドラ | 147 | ||
14 | 24 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 147 | ||
15 | 12 | 8 | ロス・チャステイン | トヨタ タンドラ | 147 | ||
16 | 21 | 9 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 147 | ||
20 | 19 | 98 | ダコダ・アームストロング | トヨタ タンドラ | 145 | ||
24 | 4 | 13 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 143 | ||
31 | 28 | 7 | クリス・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 17 | ||
|
|