2012年6月11日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第14戦 Pocono 400

開催日:6月10日

ジョーイ・ロガーノが3年ぶりの通算2勝目!
"トヨタ カムリ"1-2フィニッシュ


キャリア通算2勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ

6月10日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第14戦「Pocono 400」が開催された。
 3つのコーナーを3本のストレートで結んだ、特徴的な3角形レイアウトを持つ1周2.5マイル(約4km)のポコノは、デニー・ハムリンが得意としており、過去4勝を挙げている。

 今大会はコース路面が舗装されてから初めてのレースとなるため、6日(水)、7日(木)にテスト走行が実施された。8日(金)の練習走行を経て、9日(土)午前11時10分から予選が行われ、コースレコードを更新する速さでジョーイ・ロガーノが今季初、キャリア4回目となるポールポジションを獲得。カイル・ブッシュが4番手、ハムリンが5番手、マーク・マーティンが6番手で続き、12台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 10日(日)午後1時21分、1周2.5マイルのトライアングルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのロガーノが好スタートを切る一方で、ハムリンは他車と接触。ダメージは軽微で、その時点ではイエローコーションは出なかったが、直後に後方を走っていたランドン・カシルがスピン。コレにマーティン・トゥルークス・Jr.が巻き込まれ、車体右側を破損。イエローコーションとなった。
 スタート直後ということもあり、上位勢はコース上に残ったが、ハムリンらはピットイン。大きく順位を落としてしまった。
 再スタート後もロガーノは首位をキープ。16周目に、J.J.イェリーらが絡むクラッシュで2度目のイエローコーションが出されると、上位勢はピットへ向かったが、ハムリンら数台がコース上に残り、ハムリンが3位、ロガーノが4位で再スタートとなった。
 ハムリンはその後首位を奪取するが、イエローコーションが出ないまま33周目にグリーン下でピットイン。10周ほどあとに他の上位勢も次々にグリーン下でピットへと向かった。
 今大会、路面の舗装が改められると共に、ピットレーンでのラインも引き直され、ピットスピードの測定範囲が昨年とは異なる場所になったため、ピットでのスピード違反ペナルティが続出。45周目にはKy.ブッシュもこのペナルティを受けることとなってしまった。
 全車がグリーン下でのピットを終えた時点で、給油サイクルをずらしてはいるものの、ハムリンが首位に再浮上。しかし、ハムリンは電装系のトラブルにより、65周目に痛恨の燃料切れに見舞われ、スローダウン。再び大きく順位を落とすことになってしまった。
 再スタートが切られてすぐに4度目のイエローコーションとなったが、コーションラップ中の77周目には、中団グループにつけていたKy.ブッシュがエンジントラブルに見舞われ、ガレージへ。そのままレースを終えることとなった。
 レース折り返しでの再スタートとなった83周目は、マーティンが2位、ロガーノが4位。100周目過ぎからのグリーン下でのピット作業を経て、124周目にこの日5度目のイエローコーションが出されると、全車ピットへ。ここでロガーノが首位に浮上。マーティンが2位、そしてハムリンが4つ順位を上げてトップ10へと返り咲いた。
 再スタートでもハムリンは好ダッシュを見せ6位へジャンプアップ。そのままでは最後まで走りきるには難しい残り周回であったが、136周目と149周目にもイエローコーションが出される中、各車燃料をセーブし、ピットに入らないまま走りきる作戦に出た。
 残り8周となった152周目、ロガーノが首位、マーティンが2位、ハムリンが4位で再スタート。マーティンが好スタートを決め首位を奪い、22歳のロガーノと、53歳のマーティンによる首位争いが展開された。しかし、マーティンはオーバーステア症状に見舞われ、この隙をロガーノが見逃さず、残り4周で再逆転。
 最後は逃げ切ったロガーノがトップでチェッカーを受け、今季初勝利を飾った。ロガーノはスプリント・カップ・シリーズのフルシーズンデビューとなった2009年のニューハンプシャー戦で初勝利を挙げているが、それ以来、約3年ぶりとなるキャリア通算2勝目。
 マーティンは2位に入り"トヨタ カムリ"は1-2フィニッシュ。ここポコノでこれまでに6度2位に入っているが未勝利のマーティンは、悲願の初勝利を狙ったが惜しくも叶わず、ポコノでの2位入賞記録を最多の7へと伸ばすこととなった。
 ハムリンは5位。ボウヤーが6位に入り、ランキングでは9位へと一つ順位を上げた。

 次戦第15戦は6月17日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後は我々の方が速いことがわかっていたし、追い上げるだけだった。チームは素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げてくれた。特にブレーキが素晴らしく、追い抜きの難しいこのコースでも、ターン1で多くの車両をパスできた。やっとヴィクトリーレーンに立つことができ、信じられない気持ちだ。チームやトヨタ、スポンサーに感謝したい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 160
2 6 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 160
3 22 14 トニー・スチュワート シボレー 160
5 5 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 160
6 16 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 160
20 23 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 160
22 27 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 160
26 37 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 159
30 4 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 76
36 32 49 J.J.イェリー トヨタ カムリ 33
37 33 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 30
38 28 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 26
43 15 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 1
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マット・ケンゼス フォード 523
2 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 513
3 グレッグ・ビッフル フォード 507
4 デニー・ハムリン トヨタ 504
7 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 465
9 クリント・ボウヤー トヨタ 443
12 カイル・ブッシュ トヨタ 420
15 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 398
23 マーク・マーティン トヨタ 326
26 ボビー・ラボンテ トヨタ 288
31 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 202
34 ランドン・カシル トヨタ 188
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 103
36 J.J.イェリー トヨタ 98
38 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 66
45 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 26
49 ビル・エリオット トヨタ 7
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 96
2 トヨタ 83
3 フォード 71
4 ダッジ 58

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第7戦 WinStar World Casino 400

開催日:6月8日

ジョニー・ソーターが今季初勝利!
"トヨタ タンドラ"1-2フィニッシュ!


今季初勝利を挙げたジョニー・ソーター

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第7戦「WinStar World Casino 400」が6月8日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
 この週末はスプリント・カップ・シリーズが遠く離れたペンシルバニア州ポコノで開催されるため、トラック・シリーズ戦は単独開催。ここテキサスでは、前戦37戦ぶりの勝利を飾ったトッド・ボダインが過去6勝と得意にしている。

 7日(木)午後6時から予選が行われる予定であったが、降雨で練習走行が延期となったため、練習走行を優先し予選はキャンセルに。規定に則り、現時点でのオーナーポイントによってグリッドが決定され、ティモシー・ペターズが最前列2番手。トッド・ボダインが7番手。マット・クラフトンが10番手で続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
 また、昼に行われる予定だったが、降雨のために大きく遅れて午後7時52分から行われた練習走行では、ジョニー・ソーターとクラフトンのチームメイト同士がトップ2タイムを独占。決勝に期待を繋いだ。

 午後8時19分、1.5マイルオーバルを167周(250.5マイル:約400km)して行われる決勝レースがスタートした。
 2番手スタートから序盤は上位を争ったペターズは、タイヤのトラブルに見舞われ、17周目にグリーン下で予定外のピットイン。周回遅れとなってしまった。
 変わって"トヨタ タンドラ"の最上位となる4位を走行していたボダインも、31周目にエンジントラブルに見舞われ、無念のリタイア。
 一方、20番手スタートながら練習走行で好調だったソーターが素晴らしい追い上げで順位を上げ、42周目にはトップ5に浮上。45周目に他車のクラッシュによりイエローコーションが出されると、再スタート後に更なる猛ダッシュを見せ、55周目についに首位に立った。
 74周目、首位を快走するソーターの目前で、周回遅れの車両2台が接触し、スピン。ソーターは間一髪でこれを避け、首位をキープしたが、その後のイエローコーションにおけるタイヤ交換などのピット戦略より順位が入れ替わり、ソーターが5位、チームメイトのクラフトンが6位へと後退。
 136周目、この日6度目のイエローコーションからの再スタートで、首位を争う2台が接触し、クラッシュ。再スタートで4位から好ダッシュを見せたクラフトンが首位に立った。
 ライバルのシボレー勢とクラフトンがサイド・バイ・サイドでの首位争いを繰り広げる一方で、4位スタートのソーターが素晴らしい速さを見せ、クラフトンらを145周目にパス。
 首位に立ったソーターは2位以下との差を広げていき、最後は2秒以上の差を付けてトップでチェッカー。今季からトヨタに乗り換えたソーターとチームにとって嬉しい今季初優勝を飾った。2位争いはファイナルラップまでサイド・バイ・サイドで繰り広げられたが、鼻の差で抑えきったクラフトンが入り、"トヨタ タンドラ"は1-2フィニッシュ。2人が所属するソア・スポーツ・レーシングにとっても2009年以来の1-2フィニッシュとなった。
 レースを通して着実にトップ10圏内を走行したリフラーが6位。一時周回遅れに落ちるなどの苦戦を強いられたペターズは、それでも着実に追い上げ11位フィニッシュ。今季初のトップ10圏外フィニッシュとなってしまったが、ランキングでは首位に5ポイント差の2位につけている。

 次戦第8戦は6月28日(木)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催される。

ドライバー ジョニー・ソーター:
「信じられない。今年はこれまで不運が続いてきたが、ようやく実力を発揮することができた。最後の再スタートは、何が起こっているのか正確にはわからなかった。アウトサイドだったのも良かったようだ。チーフクルーやチームのスタッフには本当に感謝している。とても大きな勝利だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 20 13 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 167
2 10 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 167
3 11 22 ジョーイ・コールター シボレー 167
6 18 18 ジェイソン・リフラー トヨタ タンドラ 167
11 2 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 167
13 17 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 167
16 23 8 ロス・チャステイン トヨタ タンドラ 167
18 19 98 ダコダ・アームストロング トヨタ タンドラ 167
27 12 9 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 128
30 7 11 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 31
31 28 7 ジョニー・チャップマン トヨタ タンドラ 25
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジャスティン・ロフトン シボレー 272
2 ティモシー・ペターズ トヨタ 267
3 タイ・ディロン シボレー 260
7 マット・クラフトン トヨタ 223
10 トッド・ボダイン トヨタ 212
14 デイビッド・スター トヨタ 186
15 ジョニー・ソーター トヨタ 182
16 ダコダ・アームストロング トヨタ 173
17 ジェイソン・リフラー トヨタ 159
18 ロス・チャステイン トヨタ 149
20 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 146
22 ジョン・キング トヨタ 135
26 クリス・フォンテイン トヨタ 94
42 ジョニー・チャップマン トヨタ 34
44 クリス・ジョーンズ トヨタ 22
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 52
2 トヨタ 49
3 RAM 30
4 フォード 23