NASCAR SPRINT CUP SERIES
第15戦 Quicken Loans 400
開催日:6月17日
ミシガンの高速戦で"トヨタ カムリ"苦戦。
クリント・ボウヤーが7位
7位でフィニッシュしたクリント・ボウヤー(#15)
6月17日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第15戦「Quicken Loans 400」が開催された。
広いコース幅を持つ2マイルオーバルのミシガンは、NASCARでも最速のコースの一つであるが、今回、路面が新しく舗装されたため、14日(木)にテスト走行の機会が設定され、これまで以上のハイスピードでのバトルが期待された。
ミシガンではカップ・シリーズのレースが年に2回開催されるが、トヨタは過去5レース中4勝を飾っており、2011年は2レース共に勝利している。
15日(金)には2度の練習走行を経て、16日(土)午後1時10分から予選開始。テストや練習走行の時点から、これまでのコースレコードを大きく上回る、1周平均の時速で200マイル(約320km/h)オーバーのタイムがマークされていたが、予選も同様のハイスピードな争いとなり、19台が時速200マイル突破。トヨタ勢では前戦ポコノで久しぶりの勝利を挙げ勢いに乗る22歳のジョーイ・ロガーノが9番手。デニー・ハムリンが11番手、クリント・ボウヤーが13番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が14番手で続き、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
なお、練習走行などで、あまりにハイスピードとなったことで、タイヤのトレッド面への気泡発生(ブリスター)といったトラブルが見受けられたため、タイヤの種類を変更し、予選後に行われたネイションワイド・シリーズ決勝レースの後に、更にテストセッションが設けられた。
17日(日)午後1時過ぎに決勝レースのスタートが予定されていたが、あいにくの雨でレースは順延。雨が止んだところでジェットドライヤーカーで路面を乾かし、予定よりも2時間程遅れた午後3時5分に2マイルオーバルを200周(400マイル:計640km)して競われる決勝レースがスタートした。
序盤は9番手スタートのロガーノが3位へ浮上し上位争いを展開。34番手グリッドと後方スタートを強いられたカイル・ブッシュも目覚ましい追い上げで上位浮上。ピットクルーの働きにも助けられ、27周目に出されたコンペティション・コーションからの再スタート時には、6位までポジションアップを果たした。
練習走行でトップタイムを出すなど好調なベテランのマーク・マーティン、ボウヤーらもトップ10圏内に浮上しバトルを展開。
しかし、Ky.ブッシュは85周目にエンジントラブルに見舞われ、ガレージでの長い修復により後退を余儀なくされてしまった。
126周目には、ロガーノが他車に接触されスピンしクラッシュ。133周目にはハムリンも、4ワイド状態でのハイスピードバトルで軽く接触されバランスを崩し、スピン。車両から出火し、こちらもレースを終えることとなってしまった。
この日8回発生したイエローコーションは、140周目を最後に出ず、終盤の60周、グリーン下でのピット作業を含む長いスティントとなった。トヨタ勢ではボウヤーがトップ10圏内で着実な走りを続け、7位でフィニッシュ。トゥルークス・Jr.が12位に入った。レースの大半でトップ10圏内につけていたマーティンは、終盤エンジントラブルに見舞われ29位。Ky.ブッシュは長い修復を終えてコースに復帰したが、43周遅れの32位に終わった。
次戦第16戦は6月24日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、インフィニオン・レースウェイで行われる。
ドライバー クリント・ボウヤー:
「我々の"トヨタ カムリ"は、最終的なリザルトよりも良い位置を走れるレベルにあった。最後の一つ前のスティントで若干ハンドリングに苦しみポジションを落としてしまった。その後は追い抜きが難しく、ポジションを取り戻せなかった。中盤戦では非常に好調だっただけに残念だ。来週はこの雪辱を果たしたい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 17 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 200 | ||
2 | 8 | 14 | トニー・スチュワート | シボレー | 200 | ||
3 | 6 | 17 | マット・ケンゼス | フォード | 200 | ||
7 | 13 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 200 | ||
12 | 16 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 200 | ||
16 | 31 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 199 | ||
18 | 32 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 199 | ||
26 | 39 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 197 | ||
29 | 14 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 195 | ||
32 | 34 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 157 | ||
34 | 11 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 132 | ||
35 | 9 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 125 | ||
37 | 43 | 49 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 67 | ||
39 | 29 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 35 | ||
40 | 37 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 32 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第13戦 Alliance Truck Parts 250
開催日:6月16日
ジョーイ・ロガーノが連勝で今季5勝目
前戦ドーバーに続く連勝で今季5勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ
6月16日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第13戦「Alliance Truck Parts 250」がミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
ここミシガンは、トヨタはスプリント・カップ・シリーズでは過去4勝と得意としているコースだが、ネイションワイド・シリーズでは未だ未勝利。初勝利を目指して"トヨタ カムリ"勢がレースに臨んだ。
15日(金)の3回の練習走行を経て、16日(土)午前11時5分より予選開始。ジョーイ・ロガーノが3番手、ケニー・ウォレスが10番手、マイケル・マクドウェルが13番手、カート%ブッシュが15番手、ブライアン・スコットが17番手と続き、11台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
予選に続き、午後4時3分、2マイルオーバルを125周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
1周目からいきなりスピンした車両によるイエローコーションが発生。再スタート後は、ロガーノが3ワイドのバトルで3位に浮上した。
一方で、15番手グリッドからトップ10にポジションを上げていたKu.ブッシュは、1周目のスピン車両の影響で他車と接触。車両前部にダメージを負い、6周目に修復のためグリーン下でピットイン。これによりほぼ最後尾まで後退することとなったが、コース復帰後目覚ましい追い上げで23周目には14位までポジションを戻して見せた。
ロガーノは、激しいバトルの末に21周目に首位に浮上。26周目にコンペティション・コーションが出されるとピットへ向かい、給油と共にタイヤを4本交換したが、タイヤ2本交換の車両に先行され、2位で再スタート。首位を追った。
49周目、K.ウォレスのエンジンがブローし3回目のイエローコーション。再スタート直後に再びスピン車両により連続のイエローコーションとなった。このピット時にはタイヤ交換など各チーム異なる戦略が採られ、上位勢の順位が大きく入れ替わった。
スコットが5位、Ku.ブッシュ8位、ロガーノ10位での58周目に再スタートが切られると、Ku.ブッシュが見事なダッシュを見せ、一気に3位に浮上。スコットやロガーノが、3位のKu.ブッシュにプレッシャーをかける展開となった。
その後はイエローコーションが出ず、85周前後から各車グリーン下でピットイン。ほぼ全車がピットを終えた100周目にはロガーノが2位、Ku.ブッシュが3位につけていたが、この日好調だったロガーノは翌周、首位を奪還した。
終盤戦は、112周目のスピンを皮切りにイエローコーションが連発。118周目には激しいクラッシュによりコース上に散らばった車両や部品を排除するため、9分弱の赤旗中断となった。
レースは残り4周で再スタート。最前列アウトサイドからスタートを切ったロガーノは、首位をキープ。2位のジェイムズ・ブッシャー(シボレー)からプレッシャーを受け続けたが、見事に逃げ切り、トップでチェッカー。前戦ドーバーに続く2連勝で、今季シリーズ5勝目を挙げた。"トヨタ カムリ"はネイションワイドシリーズのミシガン戦初勝利。22歳のロガーノは、ネイションワイド・シリーズで出場した直近の5戦で4勝と圧倒的な強さを見せている。
Ku.ブッシュが3位、マクドウェルが7位、スコットが9位に入り、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第14戦は6月23日(土)、米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「最後のジェイムズ(ブッシャー)とのバトルは非常に楽しかった。彼がどう攻めてくるつもりなのかは分かっていた。私の後方で待ち、ファイナルラップにアタックしてきた。彼は私の想像通りに攻めてきたので、私は自分の立てたプラン通りに、彼の前で十分な余裕を持って逃げ切ることができた」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 3 | 18 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 125 | ||
2 | 4 | 30 | ジェイムズ・ブッシャー | シボレー | 125 | ||
3 | 15 | 54 | カート・ブッシュ | トヨタ カムリ | 125 | ||
7 | 13 | 20 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 125 | ||
9 | 17 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 125 | ||
13 | 16 | 44 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 125 | ||
15 | 23 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 125 | ||
17 | 22 | 14 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 125 | ||
19 | 19 | 81 | ジェイソン・ボウルズ | トヨタ カムリ | 124 | ||
21 | 28 | 19 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 124 | ||
34 | 10 | 99 | ケニー・ウォレス | トヨタ カムリ | 32 | ||
42 | 25 | 10 | ケヴィン・リペイジ | トヨタ カムリ | 4 | ||
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