2012年7月 2日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第17戦 Quaker State 400

開催日:6月30日

燃費戦でデニー・ハムリンが3位


前半戦を1-2体制で支配したが惜しくも3位に終わったデニー・ハムリン(#11:先頭右)と、
トラブルから追い上げ10位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ(#18:先頭左)

 6月30日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第17戦「Quaker State 400」が開催された。
 2000年オープンと比較的新しいコースであるケンタッキーでは、昨年スプリント・カップ・シリーズ戦が初開催され、カイル・ブッシュが記念すべき初レースを制している。

 29日(金)午後5時10分から予選が行われ、Ky.ブッシュが最前列2番手、デニー・ハムリンが3番手、クリント・ボウヤーが6番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が10番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 30日(土)猛烈な暑さにもかかわらず集まった10万人以上のファンが見守る中、午後7時48分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 最前列2番手グリッドのKy.ブッシュは好スタートを切り、首位に浮上。ハムリンも続き、序盤は2台の"トヨタ カムリ"がレースをリード。イエローコーション及びグリーン下でのピット作業によって若干の順位入れ替わりはあったものの、速さを見せたKy.ブッシュが前半戦を支配した。Ky.ブッシュは119周目に壁に接触したものの、イエローコーションは出ず、そのまま首位での走行を継続。
 126周目にこの日2度目のイエローコーションとなり、Ky.ブッシュとハムリンは最前列に並んで再スタート。好ダッシュを決めたハムリンがこの日初めて首位に立った。
 160周目、11位を走行していたジョーイ・ロガーノが後続に接触され、バランスを崩して内側にいたボウヤーと接触。2台共に立て直し、イエローコーションが出ることもなくそのまま走行を続けることとなったが、ロガーノは23位へとポジションダウン。ボウヤーもグリーン下での予定外のピットインを強いられ、周回遅れとなってしまった。
 ハムリンが首位を守る一方で、Ky.ブッシュはハンドリング不調に見舞われ徐々にポジションダウン。上位勢は200周過ぎからグリーン下でのピットに向かったが、最後まで走りきるには若干足りないタイミングでのピット作業となった。
 最後までピットインを粘ったKy.ブッシュだったが、209周目に燃料切れに見舞われスローダウン。何とかピットへはたどり着いたが、順位は後退。Ky.ブッシュがピット作業を行っている最中に、他車のクラッシュによるイエローコーションが発生した。
 残りの燃料と周回数を考えると最後のピットになると思われたが、ハムリンを含む上位4台は先のグリーンピットでの給油のみで最後まで走りきるという燃費作戦を選択し、コース上に残った。Ky.ブッシュは、サスペンションを破損していることが発覚し、コース清掃のために長くかかったイエローコーション中に何度もピットへ向かい、首位と同一周回を維持しながら車両を修復。21位で、残り47周の再スタートを切った。
 2位で再スタートしたハムリンは、燃費作戦を完遂し最後まで走りきったが、首位逆転はならず。3位でチェッカー。トゥルークス・Jr.が8位。最後猛烈な追い上げを見せたKy.ブッシュは10位と、トップ10入りを果たしてフィニッシュ。Ky.ブッシュはこのレースでの最多リードラップ(200周中118周)により貴重なボーナスポイントも獲得した。

 次戦第18戦は7月7日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「良い走りが出来た。レース中盤は本当に好調だった。最後のピットストップの後、首位にチャージをかけたかったが、燃料をセーブしなくてはならないということも分かっており、他に出来ることはなかった。勝利は狙いたかったが、最後まで走りきるためにペースを抑えざるを得なかった。前戦、前々戦と2戦連続でリタイアしているので、今日はフィニッシュすることが最優先だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 8 2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 267
2 19 5 ケイシー・ケイン シボレー 267
3 3 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
8 10 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 267
10 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 267
16 6 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 267
17 34 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 267
22 18 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 266
25 23 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 266
27 28 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 265
30 39 55 マイケル・ウォルトリップ トヨタ カムリ 262
36 32 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 71
40 27 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 52
42 37 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 18
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マット・ケンゼス フォード 633
2 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 622
3 ジミー・ジョンソン シボレー 610
5 デニー・ハムリン トヨタ 565
7 クリント・ボウヤー トヨタ 557
8 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 556
12 カイル・ブッシュ トヨタ 495
16 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 463
25 ボビー・ラボンテ トヨタ 353
27 マーク・マーティン トヨタ 341
31 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 256
32 ランドン・カシル トヨタ 246
35 J.J.イェリー トヨタ 117
36 デイビッド・ストレミー トヨタ 111
37 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 106
44 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 40
51 ビル・エリオット トヨタ 7
55 クリス・クック トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 117
2 トヨタ 100
3 フォード 84
4 ダッジ 73

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第15戦 Feed the Children 300

開催日:6月29日

カート・ブッシュが2位フィニッシュ


2位フィニッシュを果たしたカート・ブッシュ(#54)

 6月29日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第15戦「Feed the Children 300」がケンタッキー・スピードウェイで開催された。

 29日(金)午後3時35分から予選が行われ、デニー・ハムリンが6番手、カート・ブッシュが8番手グリッドを確保。11台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。

 予選に続き、午後7時49分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 6番手スタートのハムリンと8番手スタートのKu.ブッシュはポジションをキープしての序盤戦となったが、ハムリンは50周目過ぎにリアタイヤの異常振動、その後、エンジンの不調にも見舞われ、徐々にポジションダウン。132周目にはガレージへと向かい、そのままレースを終えてしまった。
 一方Ku.ブッシュは着実な走りで順位を上げ、117周目には2位に浮上。15番手スタートのブライアン・スコットも序盤のうちにトップ10圏内へとポジションを上げ、上位争いを繰り広げた。
 この日はイエローコーションがあまり出ず、長いグリーン下での走行とピット作業によって多くの車両が周回遅れに。143周目にこの日2度目のイエローコーションが出された時点で、首位と同一周回はわずか7台となっていた。
 この2度目のイエローコーションで全車最後のピットへ向かうと、Ku.ブッシュが3位、ブライアン・スコットが5位につけて残り50周での再スタート。Ku.ブッシュは3ワイドでのバトルから首位奪取を狙ったが惜しくも及ばず、それでも2位をキープ。逆転のチャンスを待った。
 スコットはトップ10圏内につけていたが176周目に突然スローダウン。無念の戦線離脱となってしまった。
 首位を追っていたKu.ブッシュも、残り6周となったところでエンジントラブルに見舞われ、ペースダウン。しかし、3位以下の車両とは大きな差がついていたたため、なんとかポジションを守って最後まで走りきり、2位でチェッカーを受けた。

 次戦第16戦は7月6日(金)、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カート・ブッシュ:
「良いバトルが出来たと思う。スタート時はオーバーステア症状が酷かったが、クルーチーフのリーダーシップと経験により改善されていき、最後は首位争いができるまでになった。しかし、(優勝した)オースティン・ディロンは別格の速さだった。新しいチームであるカイル・ブッシュ・モータースポーツで、連続でのトップ10フィニッシュを続けているが、トップ5フィニッシュを続けられるようにしたい。先週は足回りのトラブル、そして今日も残り数周でエンジントラブルに見舞われた。しかしそれらの不運にもかかわらず2位でフィニッシュできたことは素晴らしい結果だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 3 オースティン・ディロン シボレー 200
2 8 54 カート・ブッシュ トヨタ カムリ 200
3 2 33 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 200
11 26 99 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 198
17 17 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 197
18 24 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 197
22 19 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 195
23 33 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 195
26 40 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 193
28 23 17 ターナー・バリーヒル トヨタ カムリ 192
30 15 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 176
33 6 18 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 132
42 28 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 オースティン・ディロン シボレー 554
2 エリオット・サドラー シボレー 552
3 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 531
8 マイク・ブリス トヨタ 391
10 ブライアン・スコット トヨタ 353
11 ジョー・ネメチェク トヨタ 342
12 テイラー・マルサム トヨタ 340
14 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 311
20 ケニー・ウォレス トヨタ 183
21 エリック・マクルーア トヨタ 183
26 ライアン・トゥルークス トヨタ 136
30 ジェフ・グリーン トヨタ 122
35 トラヴィス・パストラーナ トヨタ 87
38 ケヴィン・リペイジ トヨタ 72
51 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 35
68 ジョン・ジャクソン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 97
2 シボレー 94
3 フォード 73
4 ダッジ 66

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第8戦 UNOH 225

開催日:6月28日

4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ


ポールポジションから上位を争ったが惜しくも3位に終わったマット・クラフトン(#88)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第8戦「UNOH 225」が6月28日 (木)にケンタッキー・スピードウェイで開催された。

 木曜日開催となった今大会は、全スケジュールが28日(木)1日で行われるワン・デイ・イベント。昼間に2回の練習走行を行い、午後5時5分から予選開始。
 マット・クラフトンが今季初となるポールポジションを獲得。チームメイトのジョニー・ソーターが6番手、ティモシー・ペターズが7番手につけ、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 日は傾いているがまだ明るい午後8時23分、1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのクラフトンが首位をキープ、6番手スタートのソーターがこれに続き、序盤は"トヨタ タンドラ"が1-2体制で進んだ。
 16周目にジョン・ウェス・タウンリーが単独スピンからクラッシュ。イエローコーションとなり、全車ピットへ。上位勢の順位変動は無かったが、その後も連続でイエローコーションが発生。22周目にはトップ10圏内につけていたボダインがスピンし、30位まで順位を落としてしまった。
 63周目にこの日4度目のイエローコーションが出され、各車ピットに向かったが、7位前後を走行していたソーターが、ピット作業時にタイヤを止めるナットを失うアクシデントに見舞われ、再度ピットへ。20位に後退。
 再スタートが切られてまもない69周目には、14位前後まで順位を戻していたボダインが再びスピン。壁に激しくクラッシュし、無念のリタイアとなった。
 106周目に出されたこの日6度目のイエローコーションで、多くの車両がこの日最後となるであろうピットへ向かうと、5位に付けていたペターズ、10位前後を走行していたジェイソン・リフラーを含む数台が2本タイヤ交換作戦を採りポジションアップ。3位に付けていたクラフトンは4本タイヤを交換したため、7位へとポジションを落としての再スタートとなった。
 しかし、クラフトンは再スタートからタイヤ4本交換の利も活かし、猛烈な追い上げを開始。123周目に一気に2台をパスし、5位に浮上すると、前を行くペターズもかわし、更に上位を狙った。
 周回遅れが現れたことも幸いし、大きく開いていた3位との差を詰めていったクラフトンは、残り2周でテール・トゥ・ノーズ状態に。2位、3位の車両と団子状になりながらフィニッシュラインへとなだれ込んだ3台だったが、クラフトンは鼻の差で届かず4位フィニッシュ。
 ペターズが5位、ピットトラブルから見事なリカバリーを見せたソーターが6位、リフラーが8位に入り、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
 今季開幕からの8戦で、7回トップ10フィニッシュという安定した成績を続けているペターズは、今大会の5位フィニッシュにより、ランキング首位に復帰した。

 次戦第9戦は7月14日(土)に米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催される。

ドライバー マット・クラフトン:
「我々の"トヨタ タンドラ"は非常に速かった。再スタートで3ワイドバトルとなり、7位まで順位を落としてしまったが、そこから3位を争うまでにポジションを戻すことができた。中盤戦はそれほどでもなかったのだが、調整を行ったことで、最後は素晴らしい速さとなった。しかし、ピットで何台か2本タイヤ交換作戦を採ったライバルがいたため、順位を落としてしまい、それ以上の逆転は叶わなかった。しかし、全体的に見れば悪くない夜だった。今日のレースはコース上でのポジションが全てだったが、我々には十分な速さがあった。これからの数レースのうちに絶対に勝ってみせる」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 3 31 ジェイムズ・ブッシャー シボレー 150
2 17 19 ブラッド・ケゼロウスキー RAM 150
3 4 3 タイ・ディロン シボレー 150
4 1 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 150
5 7 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 150
6 6 13 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 150
8 18 18 ジェイソン・リフラー トヨタ タンドラ 150
13 26 98 ダコダ・アームストロング トヨタ タンドラ 150
15 24 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 150
28 13 11 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 69
32 22 9 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 16
33 14 8 ロス・チャステイン トヨタ タンドラ 7
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ティモシー・ペターズ トヨタ 306
2 ジャスティン・ロフトン シボレー 302
3 タイ・ディロン シボレー 302
6 マット・クラフトン トヨタ 264
12 トッド・ボダイン トヨタ 228
13 ジョニー・ソーター トヨタ 220
15 デイビッド・スター トヨタ 215
16 ダコダ・アームストロング トヨタ 204
17 ジェイソン・リフラー トヨタ 195
21 ロス・チャステイン トヨタ 160
22 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 158
24 ジョン・キング トヨタ 135
26 クリス・フォンテイン トヨタ 118
44 ジョニー・チャップマン トヨタ 34
46 クリス・ジョーンズ トヨタ 22
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 61
2 トヨタ 53
3 RAM 36
4 フォード 26