2012年8月 6日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第21戦 Pennsylvania 400

開催日:8月5日

降雨によりスタート遅延&短縮終了
マーティン・トゥルークス・Jr.が3位


3位フィニッシュを果たしたマーティン・トゥルークス・Jr.(#56)と
8位に入ったクリント・ボウヤー(#15)

 8月5日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第21戦「Pennsylvania 400」が開催された。
 独特の三角形をしたポコノのオーバルは、デニー・ハムリンが得意としており、これまでに4勝を挙げている他、今年6月の第14戦では、ジョーイ・ロガーノが勝利。"トヨタ カムリ"が1-2フィニッシュを飾っている。

 4日(土)午前10時40分より予選が行われ、ハムリンが最前列2番手を確保。ジョーイ・ロガーノが14番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が15番手、マーク・マーティン18番手、クリント・ボウヤー19番手、カイル・ブッシュ20番手と続き、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 5日(日)決勝直前の午後12時過ぎから降り始めた雨は一時猛烈な勢いでコースを濡らし、レーススタートは順延。しかし、まもなく雨は止み、予定よりも1時間半ほど遅れてスタート進行が始まり、青空も覗く程回復した天候の下で、午後2時58分に2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 最前列2番手スタートのハムリンは1周目から激しく首位を争い、8周目に首位を奪取。その後首位の座は譲ることとなったが、上位争いを続けた。
 19周目、20番手スタートから追い上げ、トップ10圏内に浮上していたKy.ブッシュが左リアタイヤのバーストに見舞われ壁にヒット。この日最初のイエローコーションとなった。
 このコーションで上位勢はピットへ向かったが、マーティンを含む3台がコース上に残り、戦略が分かれた。ピットインしたハムリンは12位に後退。
 その後はイエローコーションが出ず、全車が2度にわたってグリーン下でのピット作業を行うことに。
 空模様の怪しかったこの日、降雨による短縮でもレースが成立する半分の周回である80周を越えたときには、マーティンが6位、トゥルークス・Jr.が10位、ボウヤーが13位と順位を上げていた。
 86周目、他車のクラッシュでこの日2度目のイエローコーション。まもなく雨の予報もあり、直前にグリーンピットを終えていた上位勢はそのままコース上に残り、ピットタイミングをずらしていたマーティンや中団以降の車両はピットへ向かった。
 91周目に再スタートが切られたが、首位を争っていた2台が接触しスピン。壁にヒットした車両が、不運にも中団にいたハムリンに接触。避けきれなかったハムリンは車両に大きなダメージを負い、レースを終えることとなってしまった。
 このアクシデントにより出された3度目のイエローコーションの最中に雨が降り始め、レースは赤旗中断。その後雨は強さを増し、レースは98周で短縮終了することが決定された。
 トヨタ勢はアクシデントを上手く避けたトゥルークス・Jr.が3位。ボウヤーが8位と2台がトップ10フィニッシュ。マーティンが12位、ロガーノが13位となった。

 次戦第22戦は8月12日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。

ドライバー マーティン・トゥルークス・Jr.:
「チームにとっては良いレースだった。我々の"トヨタ カムリ"は週末を通して好調で、特に最後の2スティントは、コース上で最速の1台だっただろう。我々は雨が降ることを分かっていて、燃料セーブに務めた。最後のアクシデント直前には、クラッシュした上位勢を捕らえかけていたので、避けられたのは幸運だった。5号車(ケイシー・ケイン:シボレー)はタイヤのパンクに見舞われていたようなので、もう少しレースを続けたかった。もう一回再スタートができれば2位になれただろう。この数週間、新しいエンジンを用意してくれたTRD-USAに感謝したい。良いレースを楽しみ、好位置でフィニッシュできた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 27 24 ジェフ・ゴードン シボレー 98
2 4 5 ケイシー・ケイン シボレー 98
3 15 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 98
8 19 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 98
12 18 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 98
13 14 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 98
25 37 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 97
26 22 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 97
27 39 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 96
29 2 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 90
33 20 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 74
34 36 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 43
36 38 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 37
39 30 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 29
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 744
2 マット・ケンゼス フォード 739
3 グレッグ・ビッフル フォード 738
5 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 694
8 デニー・ハムリン トヨタ 683
10 クリント・ボウヤー トヨタ 679
15 カイル・ブッシュ トヨタ 599
17 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 575
23 ボビー・ラボンテ トヨタ 444
26 マーク・マーティン トヨタ 406
31 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 324
32 ランドン・カシル トヨタ 311
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 155
36 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 135
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 75
57 クリス・クック トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 153
2 トヨタ 122
3 フォード 100
4 ダッジ 87

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第20戦 U.S. Cellular 250

開催日:8月4日

期待の若手ドライバーがトップ10フィニッシュを果たす


共にトップ10フィニッシュを果たした期待の若手ドライバー
ダレル・ウォレス・Jr.(#20)とブレット・モフィット(#99)

 8月4日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第20戦「U.S. Cellular 250」が米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
 この週末はスプリント・カップ・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズが遠く離れたポコノでのレースが行われており、その両レースに参戦するカート・ブッシュらはジェット機で2つのコースを行き来する、忙しいスケジュールをこなすこととなった。

 3日(金)の2度の練習走行を経て、4日(土)午後3時35分から予選開始。今大会がネイションワイド・シリーズでのデビュー2戦目となる18歳のルーキー、ダレル・ウォレス・Jr.が最前列2番手グリッドを獲得。マイケル・マクドウェルが8番手、ブライアン・スコットが9番手、地元アイオワ出身で、今大会ネイションワイド・シリーズにデビューを果たすブレット・モフィットが10番手グリッドを獲得した。モフィットは決勝レースの翌々日に20歳の誕生日を迎える期待の若手ドライバー。

 予選に続き、午後7時18分に0.875マイルショートオーバルを250周(218.75マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手グリッドのD.ウォレス・Jr.は見事なスタートを切り首位を奪取。35周にわたって首位を走行したが、周回遅れが出てきた36周目に、惜しくもその座を明け渡すこととなってしまった。
 51周目にコンペティション・コーションとなり、全車ピットイン。D.ウォレス・Jr.はピットアウト時にタイムをロスし、9位に後退。前半トップ10を走行していたスコットは異常振動に見舞われグリーン下でのピットインを余儀なくされ、大きくポジションダウン。
 87周目にこの日2度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ向かったが、ここでタイヤを2本交換するか4本交換するかの作戦が分かれ、2本交換のマクドウェルが3位にポジションアップ。再スタート後マクドウェルは激しい2位争いを展開した。しかし、マクドウェルは133周目に周回遅れと接触。大きなダメージはなかったが若干順位を落としてしまった。
 長いグリーンフラッグランの中で、徐々にポジションを上げトヨタ勢を引っ張ったのは15番手スタートからポジションを上げてきたKu.ブッシュ。この日34歳の誕生日を迎えたKu.ブッシュは、140周目過ぎには3位に浮上、前を行く2台を追った。
 その後も3位での走行を続けたKu.ブッシュだったが、チェッカーまで後6周と迫った244周目、右フロントタイヤのバーストに見舞われ痛恨のグリーンピット。首位争いから脱落してしまった。
 トヨタ勢の最上位フィニッシュは27歳のマクドウェルで6位。7位に18歳のD.ウォレス・Jr.、9位に19歳のモフィットが入り、期待の若手ドライバー2名は共にトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第21戦は8月11日(土)、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。

ドライバー ダレル・ウォレス・Jr.:
「レース序盤に首位を走行できたのは素晴らしい経験だった。その後も集団の中での走行など、多くを学んだ。再スタートが上手く行かず、順位を落としてしまった。最後の走りでもう少し攻められれば、トップ5フィニッシュも可能だったかも知れない。しかし、今日の結果には満足している」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 2 エリオット・サドラー シボレー 250
2 5 31 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 250
3 7 12 サム・ホーニッシュ・Jr. ダッジ 250
6 8 18 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 250
7 2 20 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ カムリ 250
9 10 99 ブレット・モフィット トヨタ カムリ 250
16 20 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 249
17 15 54 カート・ブッシュ トヨタ カムリ 249
18 9 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 249
20 21 10 マイク・ブリス トヨタ カムリ 248
22 23 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 247
29 22 81 ジェイソン・ボウルズ トヨタ カムリ 238
31 33 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 231
43 27 91 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリオット・サドラー シボレー 751
2 オースティン・ディロン シボレー 733
3 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 730
8 マイク・ブリス トヨタ 548
9 ブライアン・スコット トヨタ 486
11 ジョー・ネメチェク トヨタ 475
12 テイラー・マルサム トヨタ 449
14 ジェイソン・ボウルズ トヨタ 434
19 エリック・マクルーア トヨタ 284
23 ライアン・トゥルークス トヨタ 204
24 ケニー・ウォレス トヨタ 202
30 トラヴィス・パストラーナ トヨタ 158
34 ジェフ・グリーン トヨタ 135
43 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 73
48 ターナー・ベリーヒル トヨタ 49
53 ブレット・モフィット トヨタ 35
74 ジョン・ジャクソン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 133
2 トヨタ 115
3 フォード 96
3 ダッジ 96

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第11戦 Pocono Mountains 125

開催日:8月4日

4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ


"トヨタ タンドラ"勢最上位の4位でフィニッシュしたマット・クラフトン(#88)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦「Pocono Mountains 125」が8月4日(土)にポコノ・レースウエイで開催された。

 4日(土)決勝を前に午前9時35分から予選が行われ、目下ランキング首位のティモシー・ペターズが8番手、マット・クラフトンが9番手。今大会カイル・ブッシュ・モータースポーツからスポット参戦となったデニー・ハムリンは16番手につけ、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 午後1時21分、2.5マイルトライアングルオーバルを50周(125マイル:約200km)して競われる決勝レースがスタート。8番手グリッドから好スタートを切ったペターズが3位に浮上。12番手グリッドのトッド・ボダインも6位へとポジションを上げた。
 一方、13番手スタートのジョニー・ソーターはスタート早々トラブルに見舞われ、ガレージへ向かってしまった。
 序盤は3位のペターズにクラフトンとボダインが続き、ハムリンが9位、11番手スタートのジョン・ウェス・タウンリーが10位と5台の"トヨタ タンドラ"がトップ10圏内を走行。
 20周目あたりからグリーン下でのピットアウトを経て、28周目にこの日最初のイエローコーションとなったが、上位勢はコース上にステイアウト。
 33周目、4位で再スタートを切ったボダインは、アウト側のラインで2位に浮上したが、元F1ドライバーのネルソン・ピケ・Jr.(シボレー)に接触されスピン。イン側の壁に激しくクラッシュし、レースを終えてしまった。
 このイエローコーションからの再スタートが切られてまもなく、クラフトンとサイド・バイ・サイドで4位を争っていたペターズがスピンを喫し、クラッシュ。痛恨のリタイア。
 このアクシデントを避けたクラフトンが4位、ハムリンが5位でフィニッシュ。ルーキーのタウンリーとロス・チャスティンがそれぞれ8位、10位とトップ10フィニッシュ。タウンリーは自己最高位で初のトップ10フィニッシュとなった。
 ペターズは22位に終わったが、ランキングでは8ポイント差で首位を守っている。

 次戦第12戦は8月18日(土)に米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー マット・クラフトン:
「悪くない一日だった。我々の"トヨタ タンドラ"は良い再スタートを決めることができた。ターン1はまずまずだったのだが、トンネルターン(ターン2)とターン3はアンダーステア症状が酷く、タイムを失ってしまった。もう少しピットでの調整をしたかった。来年のポコノ戦では、75周ぐらいあったら勝てるかも知れない」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 22 ジョーイ・コールター シボレー 50
2 5 31 ジェイムズ・ブッシャー シボレー 50
3 1 30 ネルソン・ピケ・Jr. シボレー 50
4 9 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 50
5 16 18 デニー・ハムリン トヨタ タンドラ 50
8 11 9 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 50
10 20 8 ロス・チャステイン トヨタ タンドラ 50
12 18 98 ダコダ・アームストロング トヨタ タンドラ 50
22 8 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 40
26 12 11 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 33
27 13 13 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 28
31 22 7 ジェフ・アグニュー トヨタ タンドラ 7
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ティモシー・ペターズ トヨタ 418
2 タイ・ディロン シボレー 410
3 ジェイムズ・ブッシャー シボレー 403
5 マット・クラフトン トヨタ 385
13 トッド・ボダイン トヨタ 304
14 ジョニー・ソーター トヨタ 299
15 ダコダ・アームストロング トヨタ 281
16 ジェイソン・リフラー トヨタ 269
17 デイビッド・スター トヨタ 265
18 ロス・チャステイン トヨタ 253
19 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 248
25 ジョン・キング トヨタ 135
42 ジョニー・チャップマン トヨタ 42
59 トッド・シェイファー トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 85
2 トヨタ 74
3 RAM 48
4 フォード 35