NASCAR SPRINT CUP SERIES
第22戦 Finger Lakes 355 at the Glen
開催日:8月12日
ロードコース戦でクリント・ボウヤーが4位
首位快走のカイル・ブッシュは最終周無念の接触で7位
レース最多の43周で首位を快走しながら、
最終周の接触で7位に終わったカイル・ブッシュ(#18)
8月12日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第22戦「Finger Lakes 355 at the Glen」が開催された。
オーバルでのレースが主となるNASCARにおいて、年に2戦のみ行われるロードコースでのレース。ワトキンス・グレンは60年代、70年代にはF1アメリカGPの舞台ともなった伝統のコースである。
ワトキンス・グレンでは、カイル・ブッシュが2008年にポール・トゥ・ウィンで勝利を挙げ、その後もトップ10フィニッシュを続けるなど得意としている。Ky.ブッシュは前戦クラッシュによる下位フィニッシュで"チェイス"圏内から外れたため、"チェイス"入りの可能性を高める今季2勝目を目指しレースに臨んだ。
10日(金)の昼に予定されていた練習走行が雨でキャンセルとなったため、急遽11日(土)の朝、予選の前に練習走行が追加。午前11時40分より予選が行われた。朝の練習走行でトップタイムをマークするなど好調なKy.ブッシュが最前列2番手。クリント・ボウヤーが8番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が9番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
12日(日)午後1時25分、1周2.45マイルのロードコースを90周(220.5マイル:約355km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションの元F1ドライバー、ファン・モントーヤと並んで最前列でスタートを切ったKy.ブッシュは、並んだまま進入した第1コーナー立ち上がりで前に出て首位を奪取。その後は2位以下をじりじりと引き離しながら首位を快走した。
全90周を4つに分けて3回のピットストップ作戦が定石と考えられ、上位勢も20周過ぎからグリーンでのピット作業を開始したが、Ky.ブッシュ、トゥルークス・Jr.、ボウヤーらはピットに向かわず、燃料的に難しい2回ピット作戦を選択。
26周目にこの日最初のイエローコーションが出されるとKy.ブッシュらはピットイン。先にグリーンピットを終えていた上位勢がコース上に残ったため、Ky.ブッシュが8位、トゥルークス・Jr.が9位、ボウヤーが11位での再スタートとなった。
一方、それまで15位前後を走行していたジョーイ・ロガーノは、サスペンション付け根を破損するトラブルに見舞われ、ガレージでの長い修復で大きく後退。
このスティントではトゥルークス・Jr.が好調。Ky.ブッシュと共にトップ5圏内に浮上し、3回ストップ作戦組がレース折り返しとなる45周目付近に2度目のグリーンピットを行うと、Ky.ブッシュが2位、トゥルークス・Jr.が3位と更にポジションを上げた。
58周目、同じく2回ピット作戦で首位を走行していたブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)がピットインし、Ky.ブッシュが首位に。5位に付けていたボウヤーもピットイン。翌周ピットインを予定していたトゥルークス・Jr.だったが、コース上で燃料切れに見舞われ、スローダウン。その直後にデニー・ハムリンがエンジントラブルに見舞われコース上にストップ。イエローコーションとなった。
これで上位勢のほとんどが最後のピットへ。ボウヤーを含む数台がコースに残ったため、ボウヤーが3位、Ky.ブッシュが5位で再スタート。トゥルークス・Jr.は22位へと後退してしまった。
64周目、今大会にスポット参戦していたジェイソン・リフラーがクラッシュし、イエローコーション。71周目にもコーションが出され、74周目に再スタートが切られると、3位に付けていたKy.ブッシュが見事なダッシュを見せ、3ワイド状態で一気に1コーナーのインに飛び込み、首位を奪取。2位以下との差を2秒ほどに広げ、そのまま逃げ切るかと思われた。
Ky.ブッシュ首位で迎えたファイナルラップ、第1コーナーに進入したKy.ブッシュは、周回遅れ車両のエンジンブローで撒かれたオイルに乗りコースアウト。何とか首位のままコースへと復帰したが、この機をついて首位を狙ったケゼロウスキーがKy.ブッシュに接触。Ky.ブッシュはスピンを喫し、イン側のガードレールにヒット。走行は継続したが、7位へと順位を落としてしまった。
このアクシデントで、トヨタ勢最上位フィニッシュは4位のボウヤー。Ky.ブッシュが7位、追い上げたトゥルークス・Jr.が10位でチェッカーを受けた。
今大会の結果、Ky.ブッシュはランキングで一つ順位を上げ、"チェイス"2枚目のワイルドカードの権利を持つライアン・ニューマン(シボレー:今大会11位)との差を6ポイントへと詰めた。しかし、最後のワイルドカード争いは複数台による僅差で続いており、"チェイス"決定まで残り4戦、予断を許さない状況となっている。
次戦第23戦は8月19日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー クリント・ボウヤー:
「満足行く結果だ。着実な週末を過ごすことができた。ここは得意なコースという訳ではない。それだけに、この好結果を得られたのは素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げ、見事なピット作業をこなしてくれたクルーチーフやチーム全員のおかげであり、彼らを誇りに思う」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 9 | マーコス・アンブローズ | フォード | 90 | ||
2 | 4 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 90 | ||
3 | 3 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 90 | ||
4 | 8 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 90 | ||
7 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 90 | ||
10 | 9 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 90 | ||
23 | 35 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 90 | ||
24 | 42 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 90 | ||
27 | 26 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 90 | ||
29 | 36 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 88 | ||
32 | 14 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 71 | ||
34 | 23 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 57 | ||
35 | 41 | 49 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 42 | ||
41 | 40 | 19 | クリス・クック | トヨタ カムリ | 5 | ||
42 | 43 | 30 | パトリック・ロング | トヨタ カムリ | 2 | ||
43 | 33 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 0 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第21戦 Zippo 200 at The Glen
開催日:8月11日
後方スタートのカイル・ブッシュが追い上げ6位
後方スタートからトラブルに見舞われながらも追い上げ、
6位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#54)
8月11日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第21戦「Zippo 200 at The Glen」がワトキンス・グレン・インターナショナルで開催された。
10日(金)の午後2時間の練習走行を経て、11日(土)朝9時35分から予選開始。カイル・ブッシュが5番手、ジョーイ・ロガーノが6番手。ブライアン・スコットが9番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
スプリント・カップ・シリーズの予選を挟んで、午後2時39分に1周2.45マイルのロードコースを82周(200.9マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
5番手グリッドを獲得していたKy.ブッシュは、予選後にエンジンを交換したため、後方へとグリッドを後退してのスタートを強いられたが、序盤から目覚ましい勢いで順位を上げ、15周目にはトップ10圏内へと浮上した。
23周目あたりからグリーン下でのピット作業が始まり、全車が1度目のピットを終えた時点で、ロガーノが3位、Ky.ブッシュが5位に浮上。今回ロードコース・スペシャリストとしてスポット参戦しているアレックス・ケネディが最後まで粘り、36周目にようやくピットイン。しかしピットアウト後の39周目にケネディは第3コーナーでクラッシュ。この日2度目のイエローコーションとなった。
このコーションからの再スタートで、好ダッシュを見せたKy.ブッシュは2位へとジャンプアップ。これにロガーノが続いた。
残り周回を考え、この日最後となるであろうピットへ、52周目にロガーノ、53周目にKy.ブッシュらが向かったが、ロガーノは54周目に最終コーナーで他車に接触され、スピン。このスピンではイエローコーションは出なかったが、56周目にジョー・ネメチェクがコース上に止まってしまい、イエローコーションとなった。
このコーション中、それまでピットインせず順位を上げていたライアン・トゥルークスらが最後のピットへ。4位で再スタートを切ったKy.ブッシュは見事なダッシュから1コーナーへの突っ込みを見せ、2位に浮上。首位を追ったが、スロットル系が引っかかるトラブルに見舞われてしまった。
じりじりと順位を落としていったKy.ブッシュを、一時15位まで後退しながら挽回してきたロガーノがパス。しかし、その直後にロガーノはまさかのエンジントラブルに見舞われ後退。
様々なトラブルにもかかわらず最後まで上位で走り抜いたKy.ブッシュが6位でチェッカー。スコットが10位でトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第22戦は8月18日(土)、カナダ・ケベック州モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われる。
54号車(カイル・ブッシュ)クルーチーフ マイク・ビーム:
「信じられないほどあらゆるトラブルに襲われた週末だった。20周を過ぎたあたりからだと思うが、シフトにトラブルが発生し、終盤にはスロットル系も不調となった。昨日の予選でのエンジントラブルにより、後方からのスタートも強いられたが、カイル(ブッシュ)はそんな状況でも上位を走り、チームクルーも素晴らしい仕事をしてくれた」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 60 | カール・エドワーズ | フォード | 82 | ||
2 | 4 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 82 | ||
3 | 1 | 12 | サム・ホーニッシュ・Jr. | ダッジ | 82 | ||
6 | 5 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 82 | ||
10 | 9 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 82 | ||
14 | 20 | 44 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 82 | ||
15 | 13 | 20 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 82 | ||
16 | 16 | 99 | ヴィクター・ゴンザレス・Jr. | トヨタ カムリ | 82 | ||
17 | 27 | 81 | ジェイソン・ボウルズ | トヨタ カムリ | 82 | ||
20 | 34 | 75 | ケニー・ハブル | トヨタ カムリ | 82 | ||
22 | 6 | 18 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 82 | ||
26 | 40 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 77 | ||
27 | 26 | 97 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 55 | ||
29 | 25 | 87 | アレックス・ケネディ | トヨタ カムリ | 37 | ||
38 | 17 | 19 | アレックス・ポポウ | トヨタ カムリ | 5 | ||
40 | 33 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
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