NASCAR SPRINT CUP SERIES
第23戦 Pure Michigan 400
開催日:8月19日
"トヨタ カムリ"が首位を争うもクリント・ボウヤーが7位
一時は首位を争うも7位でフィニッシュしたクリント・ボウヤー(#15)
8月19日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第23戦「Pure Michigan 400」が開催された。
高速オーバルのミシガンは、今季2度目のレース開催。トヨタは昨年の2レースを制しているが、今年6月の第15戦では苦戦を強いられており、雪辱を果たすべくレースに臨んだ。
17日(金)練習走行に続き午後4時10分から予選開始。ミシガンでの初レースは30年前という53歳のベテラン、マーク・マーティンがポールポジションを獲得。マーティン・トゥルークス・Jr.が7番手、ランドン・カシルが9番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
19日(土)午後1時22分、2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのマーティンは順当なスタートを切り、首位をキープ。7番手グリッドのトゥルークス・Jr.と、12番手グリッドのクリント・ボウヤーがそれぞれ好スタートで順位を上げた。
6周目に最初のイエローコーションが出された後は、コーションの出ない展開となり、35周目前後からグリーン下で最初のピット作業開始。全車がピットを終えた時点で、マーティンは再び首位に浮上。トゥルークス・Jr.が2位で続く体制となった。
しかし、マーティンは65周目、接触からスピンを喫した周回遅れの車両を避けようとした際、後続から接触されスピン。コントロールを失ったマーティンの車両は、スピンしながらピットロードへと滑っていき、ピットウォールの切れ目からウォールに激突。マーティンは無事だったが、レースはここで終えることとなってしまった。
このアクシデントで出されたイエローコーション中に全車ピットイン。ピットでの争いを制したボウヤーが首位、トゥルークス・Jr.が3位で再スタート。トゥルークス・Jr.はまもなく2位に浮上し、再び"トヨタ カムリ"が1-2体制となった。
89周目、この日はハンドリングに苦しみ下位での走行となっていたジョーイ・ロガーノが壁にクラッシュ。イエローコーションが出されると、首位のボウヤーはピットイン。トゥルークス・Jr.はピットに入らず首位浮上と、作戦が分かれた。
再スタート後は再びコーションの出ない状況で、異なるピット作戦を採った両陣営共にグリーンピット。全車がピット作業を終えた130周目にはトゥルークス・Jr.が2位に復帰した。
136周目にこの日5回目のイエローコーションが出されると、立て続けに3連続でコーションが出る展開となり、順位がめまぐるしく入れ替わった。148周目にボウヤー9位、トゥルークス・Jr.11位で再スタートした後はボウヤーが5位へとポジションアップ。
最後の給油となるグリーンピットを終えた後、180周目にもイエローコーションが出されたが上位勢はピットへ向かわず。レースは残り3周でエンジンブローの車両によりイエローコーション。1周延長され、ラスト2周で決される"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
再スタート後は3ワイドでの最後の激しいポジション争いが繰り広げられたが、ボウヤーが7位、トゥルークス・Jr.が10位でフィニッシュ。デニー・ハムリンが11位。"チェイス"入りを争っているカイル・ブッシュは13位でフィニッシュ。"チェイス"入りへのポイントは11ポイント差と若干開くこととなってしまった。
次戦第24戦は8月25日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー クリント・ボウヤー:
「着実な一日だった。一時は首位にも立ったが、ピットなどで順位を落としてしまった。その後追い抜きは困難だった。とはいえ前回のミシガン戦よりも良い内容のレースを戦うことができ、着実に進化していることがわかった。やるべきことをこなし、シングルフィニッシュを果たせた。良い調子を維持して次戦ブリストルに臨む」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 13 | 16 | グレッグ・ビッフル | フォード | 201 | ||
2 | 19 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 201 | ||
3 | 5 | 5 | ケイシー・ケイン | シボレー | 201 | ||
7 | 12 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 201 | ||
10 | 7 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 201 | ||
11 | 21 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 201 | ||
13 | 23 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 201 | ||
15 | 30 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 201 | ||
22 | 28 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 199 | ||
25 | 9 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 198 | ||
31 | 16 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 132 | ||
34 | 31 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 72 | ||
35 | 1 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 64 | ||
36 | 35 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 38 | ||
42 | 27 | 91 | リード・ソレンソン | トヨタ カムリ | 15 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第22戦 NAPA Auto Parts 200
開催日:8月18日
カナダのロードコース戦で"トヨタ カムリ"2台がトップ10
ロードコース戦で6位フィニッシュを果たしたマイケル・マクドウェル(#18)
8月18日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第22戦「NAPA Auto Parts 200」がカナダ・ケベック州モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催された。
今大会はNASCARでもネイションワイド・シリーズのみとなる、米国外でのレース。F1も開催されるロードコースで行われる。
この週末は遠く離れたミシガンでスプリント・カップ・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズが開催されるが、カイル・ブッシュは自らのチームから出場するため、両レースをかけ持ち。忙しい週末を過ごすこととなった。
17日(金)午前中2度に分けて行われた公式練習走行を経て、午後5時5分から予選開始。スプリント・カップ・シリーズの予選のためにミシガンにいるKy.ブッシュに代わり、オーウェン・ケリーが"トヨタ カムリ"54号車を駆り、5番手グリッドを獲得。マイケル・マクドウェルが6番手、ブライアン・スコットが10番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
18日(土)午後2時54分、2.709マイルのロードコースを74周(200.46マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。予選とは異なるドライバーでの出場となった54号車のKy.ブッシュはグリッド後方へと下がってのスタートを切った。
インディカーなどで活躍、NASCARの参戦経験も持つカナダ人ドライバーのパトリック・カーペンティアは、スポット参戦ながら活躍が期待されたが、13番手スタートからの5周目、シケインをショートカットしてしまい、ペナルティで後退。
ロードコース戦ではピット戦略が重要となるため、チームによっては序盤から、給油タイミングを見越した早めのピットをグリーン下で実施。
19周目にこの日初めてのイエローコーションとなったが、ここでピット戦略が分かれ、序盤ピットインしていたKy.ブッシュはコース上に残って6位に浮上した。
再スタートが切られてすぐに再びイエローコーション。4位で27周目の再スタートを切ったKy.ブッシュはまもなく2位へとポジションアップ。しかしKy.ブッシュは30周目に予定していたグリーンピットを行い、20位へと後退。
かわって上位を争ったのはマクドウェルとスコット。マクドウェルは3位、スコットは8位へとポジションを上げたが、39周目にスコットがスピン。マクドウェルもライバルの先行を許しポジションを落とす一方で、Ky.ブッシュが再びトップ10圏内へと復帰した。
52周目には、Ky.ブッシュは元F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴ(ダッジ)に次ぐ2位に浮上。その後グリーンピットで一旦順位を落とすが、70周目には5位へ。
その直後にイエローコーションが出され、レースは"グリーン・ホワイト・チェッカー"の残り2周勝負に。しかし、再スタート直後の第1コーナー進入で多重クラッシュが発生。接触されたKy.ブッシュはタイヤをパンク。レースは延長され、2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
Ky.ブッシュは無念のピットイン。この多重クラッシュを上手く避けたマクドウェルは8位で再スタートを切り、6位でチェッカー。Ky.ブッシュは10位に入り、2台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュを果たした。終盤トップ10圏内まで順位を上げていたスコットは、ファイナルラップに痛恨の燃料切れ。24位に終わった。
次戦第23戦は8月24日(金)、ブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 15 | 31 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 81 | ||
2 | 2 | 12 | サム・ホーニッシュ・Jr. | ダッジ | 81 | ||
3 | 3 | 22 | ジャック・ヴィルヌーヴ | ダッジ | 81 | ||
6 | 6 | 18 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 81 | ||
10 | 5 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 81 | ||
14 | 32 | 19 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 81 | ||
15 | 20 | 87 | アレックス・ケネディ | トヨタ カムリ | 81 | ||
19 | 41 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 81 | ||
24 | 10 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 81 | ||
26 | 18 | 81 | ジェイソン・ボウルズ | トヨタ カムリ | 77 | ||
29 | 13 | 99 | パトリック・カーペンティア | トヨタ カムリ | 69 | ||
34 | 28 | 75 | ケニー・ハブル | トヨタ カムリ | 46 | ||
43 | 25 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 2 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第12戦 VFW 200
開催日:8月18日
燃費戦でルーキーのダコダ・アームストロングが3位
ルーキーながら好戦略で燃費戦3位フィニッシュを果たしたダコダ・アームストロング(#98)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第12戦「VFW 200」が8月18日 (土)にミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
17日(金)は3回にわたる公式練習走行が行われ、18日(土)決勝を前に午前9時35分から予選開始。今大会実弟のチームであるカイル・ブッシュ・モータースポーツから、11年ぶりの同シリーズ参戦となるカート・ブッシュが2列目4番手。ジョニー・ソーターが6番手、ランキング首位のティモシー・ペターズが9番手につけ、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
午後12時50分、2マイルオーバルを100周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。2列目4番手から好スタートを切ったカート・ブッシュが2位に浮上し、首位を行く元F1ドライバーのネルソン・ピケ・Jr.(シボレー)を追った。
14周目にコース上の異物によりイエローコーションが出されると各車ピットへ。4位で再スタートを切ったKu.ブッシュは、見事なダッシュでこの日初めて首位に立った。
3ワイドでの激しい首位争いを展開しながらも、Ku.ブッシュは首位をキープ。38周目に再びコース上の異物でイエローコーションが出されると、全車ピットへ。ここでほとんどの車両がタイヤ4本交換を選んだが、2本のみ交換としたトッド・ボダインが首位、ジョン・ウェス・タウンリーが2位へと一気にジャンプアップを果たした。
この2台に続く3位で再スタートを切ったKu.ブッシュは、まもなく首位を奪還。3位争いを展開していたボダインとタウンリーは、46周目に接触。タウンリーは壁に激しくヒットし、そのままレースを終えてしまった。
ボダインは広いコースで幸運にもどこにも当たらずに、ピットイン後首位と同一周回最後尾の23位でレースに復帰したが、再スタートが切られてまもなく、単独スピンで壁に激しくクラッシュ。こちらも戦線離脱を余儀なくされた。
後半戦に入り、首位を行くKu.ブッシュにソーターが続く展開となったが、78周目にグリーン下でのピットが始まり、このピット作業でソーターがKu.ブッシュをパス。コースに戻ってからもこの2台はサイド・バイ・サイドでのバトルを繰り広げた。
しかし、ピット戦略の違いで、終盤ピットに入らなかった車両が先行。燃料の厳しい戦いとなったが、見事最後まで走りきったルーキーのダコダ・アームストロングが3位でチェッカー。今大会より"トヨタ タンドラ"に乗ることとなったパーカー・クリガーマンが4位。Ku.ブッシュは9位、ソーターが11位となった。ティモシー・ペターズは13位でフィニッシュ。タイトルを争うタイ・ディロンが6位に入ったため、ドライバーズランキングでは同ポイントに迫られることとなった。
次戦第13戦は8月22日(水)にブリストル・モーター・スピードウェイで開催される。
ドライバー ダコダ・アームストロング:
「ピット戦略が本当に上手く行った。実のところ、3周ほど足りない計算となっており、若干順位も落としてしまった。そのため、着実に走り抜くことを選択した。この波乱のレースで、後半全くイエローコーションが出ないとは思わなかった。しかし、ミシガンでのレースをとても楽しむことができた」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 30 | ネルソン・ピケ・Jr. | シボレー | 100 | ||
2 | 12 | 23 | ジェイソン・ホワイト | フォード | 100 | ||
3 | 20 | 98 | ダコダ・アームストロング | トヨタ タンドラ | 100 | ||
4 | 11 | 7 | パーカー・クリガーマン | トヨタ タンドラ | 100 | ||
9 | 4 | 18 | カート・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 100 | ||
11 | 6 | 13 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 100 | ||
13 | 9 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 100 | ||
16 | 13 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 100 | ||
18 | 21 | 8 | ロス・チャステイン | トヨタ タンドラ | 99 | ||
24 | 15 | 11 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 49 | ||
25 | 16 | 9 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 45 | ||
26 | 26 | 7 | ジョニー・チャップマン | トヨタ タンドラ | 15 | ||
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