2012年8月27日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第24戦 IRWIN Tools Night Race

開催日:8月25日

デニー・ハムリンが今季3勝目
トヨタはブリストルの3カテゴリー戦完全制圧


今季3勝目を挙げたデニー・ハムリン

 8月25日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第24戦「IRWIN Tools Night Race」が開催された。
 1周わずか0.533マイル(約860m)のブリストルは、カイル・ブッシュが通算5勝と得意にしているコース。年に2回シリーズ戦が開催され、3月の第4戦では"トヨタ カムリ"は3-4-5フィニッシュを果たしている。今大会は、路面が再舗装されたため、その影響でレースがどのように変わるかに注目が集まった。

 24日(金)午後5時10分から予選が行われたが、全車がアタック終了する前に降雨に見舞われセッションは中断。そのままキャンセルとなり、規定に則り最初の公式練習走行のタイムとオーナーポイントによりグリッドが決定。ジョーイ・ロガーノが4番手、デニー・ハムリンが8番手。Ky.ブッシュは10番手で続き、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 25日(土)午後7時55分、14万人もの観客が見守る中、0.533マイルショートオーバルを500周(266.5マイル:約430km)して競われる決勝レースがスタート。
 2列目4番手スタートのロガーノが序盤から好走を見せ、4周目に2位へと浮上すると、首位争いを展開。首位にプレッシャーをかけ続け、28周目についに首位を奪取した。
 81周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、全車ピットイン。ロガーノは首位をキープしたが、4位につけていたハムリンはピットから出ようとしたときに、隣のピットボックスに入ってこようとしたランドン・カシルと接触。サスペンションへのダメージが心配されたが、一つポジションを落とすだけで済み、6位で再スタート。一方で、トップ10圏内につけていたカイル・ブッシュはこのピット時に速度違反を取られ、30位へと後退してしまった。
 148周目に他車のエンジンブローによりこの日4度目のイエローコーションが出されると、多くの車両がピットへ向かったが、ロガーノ、Ky.ブッシュらはコース上に残る作戦を採り、ピット戦略が分かれた。イエロー下でのオーバーヒート症状に見舞われたハムリンはピットへ向かい22位に後退。
 春のブリストル戦で、今季初レースながら5位フィニッシュを果たしたブライアン・ヴィッカーズが今大会もスポット参戦。22番手スタートから着実に順位を上げ、この再スタートでは3位に浮上。ロガーノ、Ky.ブッシュと共に上位争いを繰り広げた。
 191周目のイエローコーションでは、先のコーションでピットに入らなかった車両がピットに向かい、順位が大きく入れ替わることに。今度はハムリンと共に、クリント・ボウヤー、マーティン・トゥルークス・Jr.らが上位へ。206周目にハムリンが首位に立った。
 その後もイエローコーションごとのピット作戦で順位が入れ替わる展開が続いたが、ハムリン、トゥルークス・Jr.、ボウヤー、Ky.ブッシュ、ロガーノらは上位をキープ。ハムリンとトゥルークス・Jr.はトップ争いを繰り広げた。
 残りが100周を切った413周目、この日11回目のイエローコーションが出され、上位勢は最後となるであろうピットへ。ここでヴィッカーズがコース上に残り、2位に浮上。
 ヴィッカーズは首位を争ったがタイヤが厳しくなり、ハムリンが461周目に首位を奪還。その後ハムリンは2位以下に安定したマージンを築き、トップでチェッカー。今季3勝目を挙げた。厳しいタイヤと燃料ながら最後まで好走を見せたヴィッカーズが4位。Ky.ブッシュが6位、ボウヤーが7位、ロガーノが8位に入り、"トヨタ カムリ"は6台がトップ10フィニッシュ。
 トヨタは水曜日のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ、金曜日のネイションワイド・シリーズに続き、今週ブリストルで行われたNASCARのトップ3カテゴリー全てを制することとなった。
 今大会6位フィニッシュを果たしたKy.ブッシュは、"チェイス"を争うライバルがクラッシュで下位に沈んだこともあり、再び"チェイス"圏内に復帰。しかし、"チェイス"決定まで残り2戦、まだまだ予断を許さない状況となっている。

 次戦第25戦は9月2日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「素晴らしい気分だ。クルーチーフは当初異なるセットアップで車両を持ち込んだが、正しい方向へと仕上げてくれた。ブリストルでこれだけ競争力を高めるのには長い時間がかかった。全ての関係者に感謝したい。本当に大きな勝利だ。ブリストルのナイトレースで勝てたという感激をどう説明していいかわからない。ここで勝つことは夢であり、何度も手に届きそうなところまで行きながら、ファイナルラップをリードしたことも、勝つこともできなかった。それだけにこの勝利は本当に嬉しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 8 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 500
2 37 48 ジミー・ジョンソン シボレー 500
3 11 24 ジェフ・ゴードン シボレー 500
4 22 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 500
6 10 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 500
7 23 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 500
8 4 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 500
11 15 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 500
14 36 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 500
18 41 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 500
24 33 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 490
31 39 49 ジェイソン・リフラー トヨタ カムリ 417
37 31 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 159
39 40 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 130
43 34 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 6
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 グレッグ・ビッフル フォード 849
2 ジミー・ジョンソン シボレー 838
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 834
5 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 797
6 クリント・ボウヤー トヨタ 794
8 デニー・ハムリン トヨタ 774
13 カイル・ブッシュ トヨタ 707
18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 638
24 ボビー・ラボンテ トヨタ 513
28 マーク・マーティン トヨタ 417
31 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 399
32 ランドン・カシル トヨタ 372
35 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 177
36 デイビッド・ストレミー トヨタ 172
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 75
57 パトリック・ロング トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 167
2 トヨタ 137
3 フォード 122
4 ダッジ 102

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第23戦 Food City 250

開催日:8月24日

ジョーイ・ロガーノが今季6勝目!


自己シリーズ最多となるシーズン6勝目を挙げたジョーイ・ロガーノ

 8月24日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第23戦「Food City 250」がブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。

 24日(土)午前中の練習走行に続き、午後3時40分から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが最前列2番手。ブライアン・スコットが3番手、カイル・ブッシュが10番手につけ、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 決勝レース直前の降雨により、予定より30分ほど遅れた午後8時20分、0.533マイルショートオーバルを250周(133.25マイル:約214km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 最前列2番手グリッドのロガーノは、好スタートで首位を奪い、序盤首位の座をキープ。
 34周目にこの日最初のイエローコーションとなったが、50周目にコンペティション・コーションが予定されていたため、多くの車両はピットへ向かわず。ロガーノはこのタイミングでピットへ向かい、ピット戦略をずらす作戦に出た。
 再スタートで28位まで後退したロガーノだったが、45周目にクラッシュ車両によりイエローコーション。これが予定されていたコンペティション・コーションも兼ねることとなり、多くの車両がピットへ。作戦通りコース上に残ったロガーノは3位に浮上。ピットに入ったがタイヤ2本交換作戦を採ったスコットが7位、4本タイヤを交換したKy.ブッシュは13位で再スタートとなった。
 63周目、8位を争っていたスコットに、追い上げてきたKy.ブッシュが接触。スコットはスピンしイン側の壁にクラッシュ。このイエローコーションではほとんどの車両がピットに入らず、ロガーノは5位で再スタート。首位を上回るペースでの快走を見せたロガーノは、106周目に再び首位に立った。
 114周目にこの日6度目のイエローコーションが出され、全車ピットイン。4本タイヤを交換したロガーノは、好ピット作業だったものの、2本タイヤ交換のケヴィン・ハーヴィック(シボレー)に先行され2位で再スタートとなった。
 その後ハーヴィックと激しい首位争いを繰り広げながらも、なかなかパスするまでには至らなかったロガーノであったが、215周目、ショートオーバルならではの周回遅れを上手く利用し、ついに首位を奪還。
 終盤には2度にわたってイエローコーションが出たものの、再スタートも上手く決めたロガーノが逃げ切り、トップでチェッカー。自身にとってシリーズ最多記録となる、今季6勝目を挙げた。
 Ky.ブッシュが3位でフィニッシュし、"トヨタ カムリ"は2台がトップ3フィニッシュとなった。

 次戦第24戦は9月1日(土)、アトランタ・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「ヴィクトリーレーンに立つのは格別な気分だ。ここブリストルは勝ちたいコースのトップ3か4に入る存在であり、本当に嬉しい。練習走行でも好調だったし、悪い調子ではなかったが、勝てるとは思っていなかった。我々の"トヨタ カムリ"はロングランで速く、その傾向はレースを通して変わらなかった。ショートランの速さでは6号車(リッキー・ステンハウス・Jr.(フォード)には叶わなかったので、最後の再スタートでは若干ナーバスにもなったが、全てが上手くかみ合い、勝つことができた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 18 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 250
2 5 6 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 250
3 10 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 250
11 16 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 250
12 23 19 テイラー・マルサム トヨタ カムリ 250
13 14 44 マイク・ブリス トヨタ カムリ 250
22 38 24 ベニー・ゴードン トヨタ カムリ 246
23 20 99 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ カムリ 246
27 39 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 244
34 3 11 ブライアン・スコット トヨタ カムリ 198
42 17 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 6
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 エリオット・サドラー シボレー 864
2 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 845
3 サム・ホーニッシュ・Jr. ダッジ 836
8 マイク・ブリス トヨタ 640
9 ブライアン・スコット トヨタ 550
11 ジョー・ネメチェク トヨタ 539
13 テイラー・マルサム トヨタ 511
17 エリック・マクルーア トヨタ 344
22 ライアン・トゥルークス トヨタ 234
25 ケニー・ウォレス トヨタ 202
31 トラヴィス・パストラーナ トヨタ 158
35 ジェフ・グリーン トヨタ 142
47 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 73
50 ケニー・ハブル トヨタ 62
52 アレックス・ケネディ トヨタ 56
53 ヴィクター・ゴンザレス・Jr. トヨタ 55
56 ターナー・ベリーヒル トヨタ 49
59 ブレット・モフィット トヨタ 35
79 パトリック・カーペンティア トヨタ 15
84 ジョン・ジャクソン トヨタ 10
86 アレックス・パポウ トヨタ 6
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 150
2 トヨタ 131
3 フォード 114
4 ダッジ 111

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第13戦 UNOH 200

開催日:8月22日

"トヨタ タンドラ"トップ3独占!
ティモシー・ペターズが一度も首位を譲らず今季2勝目


圧勝で今季2勝目を挙げたティモシー・ペターズ(#17)と2位に入った
チームメイトのパーカー・クリガーマン(#7)が揃ってウィニングラン

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第13戦「UNOH 200」が8月22日 (水)にブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。
 例年同様、夏のブリストル戦は水曜日夜の開催。全てのスケジュールが1日で行われるワンデイ・イベントとなる。

 22日(水)午後4時35分から予選が行われ、ランキング首位につけるティモシー・ペターズが最前列2番手。チームメイトのトッド・ボダインが3番手、マット・クラフトンが7番手、パーカー・クリガーマンが9番手、ジョニー・ソーターが10番手と続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き午後8時28分、0.533マイルのショートオーバルを200周(106.6マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタート。2番手グリッドのペターズは好スタートを切り、1コーナー進入で並ぶと、そのまま前へ。1周目から首位に立った。
 ペターズが首位をキープ、ボダインが4位、クリガーマンが5位で続いての序盤戦は、イエローコーションが出ないまま進行。
 首位のペターズは2位との差を2秒以上に開いての独走となったが、81周目に壁にクラッシュした車両により、ようやくこの日初めてのイエローコーションとなった。スタートから81周の連続グリーン走行はトラック・シリーズでのコース新記録。
 上位勢は一斉にピットイン。ペターズはタイヤ4本交換と若干の調整を行ったが、トップを維持してコースへ。ボダインも好ピットに助けられ、ペターズに続く2位へとポジションアップを果たした。
 再スタートでもペターズはポジションをキープ。ボダインは、スプリント・カップ・シリーズのレギュラードライバーであるブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)と激しい2位争いを展開した。
 好走を見せ上位を争っていたボダインだったが、160周目、サイド・バイ・サイドでのバトルで接触し、スピン。壁に激しくクラッシュし、無念のリタイアとなってしまった。
 終盤にもクラッシュが発生し、レースは延長されてグリーン・ホワイト・チェッカーの2周スプリントとなったが、ペターズはこの再スタートも決め、トップでチェッカー。一度も首位の座を譲ることのない圧倒的なレースで、今季2勝目を挙げた。ペターズはこの勝利で、ランキング単独首位となり、2位との差を17ポイントへと広げた。
 2位には、"トヨタ タンドラ"に乗り換えて2戦目のクリガーマン、19歳ルーキーのロス・チャスティンが自己最高位となる3位で続き、"トヨタ タンドラ"は1-2-3フィニッシュを果たした。

 次戦第14戦は8月31日(金)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー ティモシー・ペターズ:
「本当に感激している。最初の練習走行では速さを示せたが、その後タイヤのパンクに見舞われてしまい、若干戦略を改めざるを得なかった。しかし豊富な経験を持つクルーチーフが、スタッフ全員を集めて落ち着かせてくれた。中盤僅かな調整は行ったが、今夜の我々の"トヨタ タンドラ"は完璧だった。再びランキング単独首位に立つことができたので、可能な限りこの勢いを維持したいと思っている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 204
2 9 7 パーカー・クリガーマン トヨタ タンドラ 204
3 15 8 ロス・チャステイン トヨタ タンドラ 204
9 7 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 204
11 10 13 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 204
13 19 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 204
17 22 18 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 204
24 25 9 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 202
30 18 98 ダコダ・アームストロング トヨタ タンドラ 168
31 3 11 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 159
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 タイ・ディロン シボレー 497
1 ティモシー・ペターズ トヨタ 480
2 ジェイムズ・ブッシャー シボレー 472
3 タイ・ディロン シボレー 466
5 パーカー・クリガーマン トヨタ 448
6 マット・クラフトン トヨタ 365
12 ジョニー・ソーター トヨタ 338
14 トッド・ボダイン トヨタ 336
15 ダコダ・アームストロング トヨタ 320
16 ロス・チャステイン トヨタ 296
17 デイビッド・スター トヨタ 287
18 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 269
21 ジェイソン・リフラー トヨタ 135
29 ジョン・キング トヨタ 68
40 ジョニー・チャップマン トヨタ 12
60 トッド・シェイファー トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 100
2 トヨタ 87
3 RAM 55
4 フォード 44