NASCAR SPRINT CUP SERIES
第25戦 AdvoCare 500
開催日:9月2日
デニー・ハムリンが2連勝で今季4勝目!
トヨタ勢は3人が"チェイス"入り確定
今季4勝目を挙げたデニー・ハムリン
9月2日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第25戦「AdvoCare 500」が開催された。
シーズン終盤の10戦で、12人のドライバーによってタイトルを争う"チェイス"まで残り2戦。トヨタ勢では4人がこの"チェイス"圏内に入っているが、カイル・ブッシュは僅差で最後の椅子を争う状況となっている。Ky.ブッシュは2008年に"トヨタ カムリ"にスプリント・カップ・シリーズ初勝利をもたらしたここアトランタで、"チェイス"入りを確実なものとするべく、勝利を目指してレースに臨んだ。
8月31日(金)午後6時10分から予選が行われ、Ky.ブッシュが2列目3番手、マーク・マーティンが6番手、デニー・ハムリンが7番手、ジョーイ・ロガーノが9番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
9月2日(日)、翌月曜日がレイバーデイ(労働者の日)で休日となるため、日曜開催ながらナイトレースとして、午後7時52分、1.54マイルオーバルを325周(500.5マイル:約800km)して競われるレースがスタート。
3番手スタートのKy.ブッシュが序盤からハイペースで前走車を追い、16周目に首位浮上。これに、チームメイトのハムリンが続き、2台の"トヨタ カムリ"が3位以下を引き離していった。
35周目にはハムリンがKy.ブッシュをパスして首位に。39周目にこの日初めてのイエローコーションが出されると全車ピットに向かい、ピット作業で首位に出たKy.ブッシュは得意の再スタートでポジションをキープ。
その後はイエローコーションが出ず、2度にわたってグリーン下でのピット作業となったが、ここで調子を上げたハムリンがKy.ブッシュにかわって首位を独走した。
131周目、コース上の異物によりこの日2度目のイエローコーション。このイエローコーションからの再スタートでは、2位につけていたKy.ブッシュが珍しくホイールスピンで出遅れ、5位へとポジションダウン。ハムリンが2位、28番手と後方スタートから着実に順位を上げてきたトゥルークス・Jr.が3位で続いた。
その後も2度にわたるグリーンピットと、コーションが出ない展開。予選30番手、エンジン交換により最後尾スタートを強いられながら、この時点でトップ10まで上がってきていたクリント・ボウヤーは、電装トラブルでバッテリー交換を強いられ、周回遅れとなってしまった。
266周目にこの日4度目のイエローコーション。全車ピットへ向かったが、最後まで無給油で走りきるのは厳しい残り周回数で、ピット戦略が難しい展開となった。しかし、再スタートが切られてすぐに中団グループで多重クラッシュが発生。このイエローコーションは車両排除のために10周にわたったため、多くの車両が最後までの燃料を給油すべく、再度ピットへ向かったが、首位のハムリンと、続くトゥルークス・Jr.、Ky.ブッシュらはコース上に残り、そのまま最後まで走りきる作戦を採った。
再スタートではトゥルークス・Jr.が好ダッシュを見せ首位浮上。燃費を気にしながらハムリンが追う展開。首位を逃げるトゥルークス・Jr.の燃料が最後まで持つかどうかに注目が集まった。
しかし、残り5周となった320周目に、他車がクラッシュし、イエローコーション。レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"の最後の2周で決されることとなった。
最後の2周スプリントへ向け、全車ピットイン。好ピット作業でハムリンがトゥルークス・Jr.を逆転すると、2台が最前列に並んで再スタート。
ハムリンが好スタートを切ったが、Ky.ブッシュと"チェイス"最後の椅子を争うジェフ・ゴードン(シボレー)が2位に浮上。このレースで勝利すればKy.ブッシュを逆転し"チェイス"入りの可能性が高まるJ.ゴードンが必至の猛追を見せたが、ハムリンはこれを凌ぎきり、トップでチェッカー。全戦ブリストルに続く2連勝で、今季の勝利数単独首位となる4勝目を挙げた。
トゥルークス・Jr.は4位。Ky.ブッシュは6位でフィニッシュ。この週末、アトランタで開催されたNASCARトップ3カテゴリーの全レースに出場したKy.ブッシュは、3カテゴリー全てでトップ10フィニッシュを果たした。
今大会の結果、ランキング5位のトゥルークス・Jr.、同7位のハムリン、同8位のボウヤーは次戦を待たずに"チェイス"入りを決定した。
Ky.ブッシュは今レースを終えてランキングは12位(1勝)でトップ10以外から選出される"チェイス"ワイルドカード枠の2番手につけているが、残り1戦となった"チェイス"争いはまだ予断を許さない。今大会2位のJ.ゴードン(ランキング13位:1勝)との差は12ポイントと小さく、また、ロガーノ(ランキング18位)ら今季1勝を挙げている複数のドライバーにも、次戦リッチモンドで2勝目を挙げれば、逆転での"チェイス"入りの可能性が残っている。リッチモンドを得意としているKy.ブッシュの次戦の活躍と"チェイス"入りに期待がかかる。
次戦第26戦は9月8日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「この勝利を待ち望んでいた。先週の勝利も大きかったのは確かだが、昨年のアトランタ戦では調子が良かったのにもかかわらず勝てなかったし、この勝利により、トップのポイントでチェイスをスタートできる。今日は若干苦しんだところもあったが、ピットクルーが勝たせてくれた。こういった要素はチャンピオンチームに必須のものであり、今シーズンの我々はその全てを持っていると思う」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 7 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 327 | ||
2 | 5 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 327 | ||
3 | 21 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 327 | ||
4 | 28 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 327 | ||
6 | 3 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 327 | ||
10 | 6 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 327 | ||
18 | 9 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 327 | ||
19 | 25 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 327 | ||
20 | 40 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 326 | ||
26 | 41 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 324 | ||
27 | 30 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 324 | ||
38 | 34 | 49 | ジェイソン・リフラー | トヨタ カムリ | 77 | ||
39 | 31 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 54 | ||
42 | 38 | 91 | リード・ソレンソン | トヨタ カムリ | 24 | ||
43 | 37 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 22 | ||
|
|
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第24戦 NRA American Warrior 300
開催日:9月1日
カイル・ブッシュが7位フィニッシュ
ポールポジションから上位を争ったが7位に終わったカイル・ブッシュ(#54)
9月1日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第24戦「NRA American Warrior 300」がアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
1日(土)午前中の練習走行を経て、午後3時35分から予選開始。Ky.ブッシュがポールポジションを獲得。デニー・ハムリンが5番手、マイク・ブリスが10番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後7時25分に1.54マイルオーバルを195周(300.3マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュは2周目に先行を許し首位の座を譲るが、その後も上位争いを展開した。
4周目、11周目と序盤に2度のイエローコーションが出されたが、その後はグリーン下で推移し、50周を過ぎたあたりから各車グリーン下でピット開始。全車がピット作業を終えた時点で首位と同一周回はわずか7台という状況下、Ky.ブッシュは2位をキープ。
65周目にクラッシュによりこの日3度目のイエローコーション。首位と同一周回の上位勢ではKy.ブッシュが唯一ピットへ。Ky.ブッシュは7位で再スタートを切った。
周回遅れながらトップ10圏内につけていたつけていたデニー・ハムリンが83周目に右リアタイヤのパンクに見舞われ、この日4度目のイエローコーション。これで上位勢がピットへ向かい、同シリーズデビュー8戦目の出場となったエクストリームスポーツのスーパースター、トラヴィス・パストラーナを含む周回遅れ車両が首位と同一周回に復帰した。87周目、Ky.ブッシュが4位、パストラーナが9位で再スタート。
105周目に5度目のイエローコーションが出されると、上位勢はコース上に残る一方で、パストラーナら後続がピットイン。ピット作戦が分かれた。
118周目、25位前後を走行していたエリック・マクルーアが壁にクラッシュ。これで上位勢がピットに向かったことで、コース上に残ったパストラーナは、デビュー以来初めて首位に立った。
初の首位での再スタートを切ったパストラーナだったが、この日圧倒的な速さを見せたケヴィン・ハーヴィック(シボレー)が5位スタートから一気に首位を奪還。パストラーナは162周目に壁にヒットし後退。173周目にも壁にヒットし、戦線離脱を余儀なくされてしまった。
これで、トヨタ勢では唯一の首位と同一周回で走行するKy.ブッシュが車両バランスに苦しみながらもトップ10圏内で孤軍奮闘することとなった。
187周目、人気の女性ドライバー、ダニカ・パトリック(シボレー)の接触がきっかけとなり多重クラッシュが発生。これに周回遅れながらトップ10につけていたマイク・ブリスが巻き込まれてしまった。この多重クラッシュでレースは3分ほどの赤旗中断に。
レースは残り3周で再スタート。5位につけていたKy.ブッシュは前走車が出遅れたこともあり、3ワイドでの第2グループのバトルを繰り広げたが、7位でフィニッシュ。ブライアン・スコットとハムリンは2周遅れの11位、12位に終わった。
次戦第25戦は9月7日(金)、リッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
カイル・ブッシュ・モータースポーツ ゼネラルマネージャー リック・レン:
「昨夜のトラックレースと同じようなレースになってしまった。我々はレースで首位を戦えるレベルに調整できたと思っていたが、そこまで達していなかった。いくつかの面では何とか彼(カイル・ブッシュ)の望むレベルにすることができたが、もうレースは終盤で、遅すぎた。今日のレースは期待はずれなものとなってしまったが、結果的にはポールポジションスタートから7位フィニッシュということで、悪い結果ではない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 6 | リッキー・ステンハウス・Jr. | フォード | 195 | ||
2 | 8 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | ダッジ | 195 | ||
3 | 3 | 33 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 195 | ||
7 | 1 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 195 | ||
11 | 15 | 11 | ブライアン・スコット | トヨタ カムリ | 193 | ||
12 | 5 | 18 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 193 | ||
14 | 18 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 193 | ||
16 | 20 | 81 | ジェイソン・ボウルズ | トヨタ カムリ | 191 | ||
18 | 38 | 19 | テイラー・マルサム | トヨタ カムリ | 189 | ||
21 | 30 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 187 | ||
22 | 10 | 44 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 186 | ||
24 | 35 | 24 | ベニー・ゴードン | トヨタ カムリ | 184 | ||
26 | 16 | 99 | トラヴィス・パストラーナ | トヨタ カムリ | 173 | ||
35 | 21 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 25 | ||
|
|
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第14戦 Jeff Foxworthy's Grit Chips 200
開催日:8月31日
カイル・ブッシュが首位を争ったが惜しくも2位
2位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)と4位に入ったパーカー・クリガーマン(#7)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第14戦「Jeff Foxworthy's Grit Chips 200」が8月31日 (金)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
31日(金)午後4時35分から予選が行われ、今季初めてのトラック・シリーズ出場となるカイル・ブッシュが2列目4番手、ジョニー・ソーターが6番手、前戦今季2勝目を挙げ、ランキング首位につけるティモシー・ペターズが8番手、パーカー・クリガーマンが9番手、マット・クラフトンが10番手で続き、11台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後8時20分、1.54マイルオーバルを130周(200.2マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
2列目4番手グリッドから得意の好スタートを切ったKy.ブッシュがオープニングラップで首位浮上。しかし、ロングランでのハンドリングに苦しむKy.ブッシュは、10周目にライバルの先行を許してしまった。
31周目にこの日最初のイエローコーションが出されると、全車ピットへ。再スタートではクリガーマンが一旦首位に立つが、すぐにKy.ブッシュがこれを逆転。その直後、38周目に多重クラッシュで2度目のイエローコーションとなった。
45周目の再スタート後、一旦は首位を譲ったKy.ブッシュだったが、諦めず首位争いを展開。中盤、上位3台によるサイド・バイ・サイドでの激しいバトルが観客を魅了した。
70周を過ぎると、Ky.ブッシュは首位争いから抜け出し、2位以下を引き離していった。グリーン下でのピットを経た85周目には、ライバルがピット作業で遅れたこともあり、その差は4秒以上に。
しかし、106周目にコース上の異物によりこの日3度目のイエローコーションが出され、このマージンは帳消しに。残り20周で再スタートが切られ、首位をキープしたKy.ブッシュだったが、追い上げるライバルとのバトルの中で、壁に接触。残り5周での逆転を許してしまった。
最後まで首位奪還を目指し追ったKy.ブッシュだったが届かず、2位でチェッカー。クリガーマンが4位、マット・クラフトンが9位でフィニッシュ。ペターズは13位に入り、ポイント差は詰められたものの、ランキング首位の座は守った。
次戦第15戦は9月15日(土)に米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催される。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日のレースはセットアップで苦しんだ。調子自体はまずまずだったが、ロングランにおけるハンドリングを詰め切れず、ライバルを抑えきることが出来なかった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 3 | タイ・ディロン | シボレー | 130 | ||
2 | 4 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 130 | ||
3 | 3 | 31 | ジェイムズ・ブッシャー | シボレー | 130 | ||
4 | 9 | 7 | パーカー・クリガーマン | トヨタ タンドラ | 130 | ||
9 | 10 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 130 | ||
12 | 6 | 13 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 130 | ||
13 | 8 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 130 | ||
18 | 24 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 130 | ||
19 | 22 | 9 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 129 | ||
20 | 16 | 8 | ロス・チャステイン | トヨタ タンドラ | 129 | ||
21 | 21 | 11 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 129 | ||
23 | 29 | 98 | ダコダ・アームストロング | トヨタ タンドラ | 128 | ||
32 | 25 | 7 | ジョニー・チャップマン | トヨタ タンドラ | 17 | ||
|
|