NASCAR SPRINT CUP SERIES
第30戦 Good Sam Roadside Assistance 500
開催日:10月7日
チェッカー目前に"ビッグ・ワン"の大波乱。
カイル・ブッシュが3位フィニッシュ
3位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ(#18)と終盤首位を走行するも
アクシデントに巻き込まれ23位に終わったクリント・ボウヤー(#15)
10月7日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦「Good Sam Roadside Assistance 500」が開催された。
全10戦でタイトルを争う"チェイス"は4戦目を迎えた。今季2度目の開催となるタラデガは、1周2.66マイル(約4.3km)とNASCARが開催されるオーバルコースの中で最も長く、吸気制限プレートにより出力が制限されるにもかかわらず、1周の平均速度が320km/h近くに達する、屈指のハイスピードコース。ハイスピード故に"ビッグ・ワン"と呼ばれる多重クラッシュが多発するため、"チェイス"を争うドライバーにとっては、いかにアクシデントを避けて上位でフィニッシュするかがポイントとなる。
6日(土)午前11時15分から予選が行われ、クリント・ボウヤーが2列目3番手。マーティン・トゥルークス・Jr.が9番手。"チェイス"に進んだこの2台のチームオーナーであるマイケル・ウォルトリップが得意のプレートレースにスポット参戦し、11番手。デニー・ハムリンは23番手となり、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
7日(日)午後1時25分、2.66マイルオーバルを188周(500.08マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。序盤から3列の隊列で20台以上が一団となったハイスピードバトルが展開された。
8周目にはボウヤーが首位に浮上。一方、23番手スタートのハムリンは、集団から若干離れた位置のほぼ最後尾、40位前後まで後退。
13番手スタートのKy.ブッシュもポジションを上げ、14周目に首位を奪取。17周目にこの日初めてのイエローコーションが出されると、全車ピットへ向かい、カイル・ブッシュはトップでの再スタートとなった。
その後も上位20台が1秒以内に入っての接近戦が続いたがアクシデントは発生せず、60周目からグリーン下でのピット作業開始。首位を争っていたKy.ブッシュは63周目にピットへと向かったが、ここで痛恨のスピード違反ペナルティ。その時点では周回遅れにはならなかったものの、35位へと後退し、首位から30秒近く遅れての単独走を強いられたKy.ブッシュは、まもなく首位グループに捕まり、周回遅れで首位グループの隊列に加わることとなった。
139周目、この日3度目のイエローコーションが出されると、周回遅れの最上位にいたKy.ブッシュは"ラッキー・ドッグ"を獲得しリードラップに復帰。直後に向かった給油ピットで素晴らしいピット作業をこなすと、一気に3位へと順位を上げ、再スタートを切った。
143周目に再スタートが切られた後は、再びイエローコーションのない展開となり、最後まで燃料が持つかどうか微妙な中での周回が重ねられていった。そんな中、一時は25位以下まで順位を落としていたボウヤーが、残り20周を切ったあたりから猛プッシュで順位を上げ、残り5周で首位に浮上。
しかし、その直後に他車のスピンによりこの日4度目のイエローコーション。レースは1周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"の2周スプリント勝負で決されることとなった。
ボウヤーが先頭で再スタートが切られると、3ワイド、4ワイドでの激しい順位争いとなり、イン側に押し出される形となったボウヤーは若干遅れイン側隊列の先頭、4位前後に後退。
上位争いは一団となったままファイナルラップを示すホワイトフラッグを通過すると、ここに来て一気に順位を上げてきたウォルトリップが逆転勝利目指し猛プッシュをかけたが、第4ターンに入るバンクで前走車と接触。スピンした車両に、ボウヤーらを含む密集していた後続が次々と突っ込み、チェッカーフラッグを目前にして24台もの車両が巻き込まれる"ビッグ・ワン"となってしまった。
イン側からこの混乱を間一髪でかわしたKy.ブッシュは3位でチェッカー。後続の順位は、主催者がビデオでの確認を行い、トラヴィス・クヴァピルが8位。最後の大クラッシュに巻き込まれたトゥルークス・Jr.は13位、ハムリンが14位。ボウヤーは23位、ウォルトリップは25位に終わった。
"チェイス"ランキングでは、若干ポイント差は広がったもののハムリンは3位をキープ。ボウヤーは一つ落として5位、トゥルークス・Jr.も変わらず8位となっている。
次戦第31戦は10月13日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後のアクシデントの時には、私はコースの最もイン側にいた。7,8列にもなっていたと思うが、内側の最も遅い隊列で、アクシデントに巻き込まれた車両が通過していくのを見た。何が起こったのかはわからない。コースのイン側に入り、とにかくクラッシュを避けた。今日の我々の"トヨタ カムリ"は好調で、本当に速かった。ピットでのスピード違反という私のミスで、順位を落としてしまったが、ラッキー・ドッグを獲得し、ピットの素晴らしい作業もあって順位を戻すことができた。典型的なタラデガのレースとなったが、無傷でフィニッシュできたことは嬉しいし、3位という結果は悪くない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 15 | 17 | マット・ケンゼス | フォード | 189 | ||
2 | 6 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 189 | ||
3 | 13 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 189 | ||
8 | 36 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 189 | ||
13 | 9 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 189 | ||
14 | 23 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 189 | ||
18 | 40 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 189 | ||
23 | 3 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 188 | ||
25 | 11 | 55 | マイケル・ウォルトリップ | トヨタ カムリ | 188 | ||
30 | 38 | 83 | ランドン・カシル | トヨタ カムリ | 188 | ||
32 | 14 | 20 | ジョーイ・ロガーノ | トヨタ カムリ | 187 | ||
33 | 30 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 187 | ||
41 | 37 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 12 | ||
42 | 35 | 97 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 8 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第18戦 fred's 250
開催日:10月6日
パーカー・クリガーマンがキャリア初勝利!
"トヨタ タンドラ"1-2フィニッシュ
キャリア初勝利を飾ったパーカー・クリガーマン
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第18戦「fred's 250」が10月6日 (土)にタラデガ・スーパースピードウェイで開催された。
超高速コースのタラデガは"トヨタ タンドラ"が得意とするコースの一つで、2007年から2010年まで4年連続での勝利を飾っている。
5日(金)練習走行に続いて午後4時10分から予選が行われ、カート・ブッシュが6番手、トッド・ボダインが7番手、ティモシー・ペターズが8番手、パーカー・クリガーマンが9番手と続き、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
6日(土)午後3時23分に2.66マイルオーバルを94周(250.04マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
トヨタ勢最上位6番手スタートのKu.ブッシュは、スタート直後こそ隊列の中で後退したが、その後徐々にポジションを取り戻し、2位へと浮上。15周目にデイビッド・スターがアウト側の壁にヒット、32周目にはリック・クロフォードのスピンにより、それぞれイエローコーションが出され、全車ピットへ。ここで給油のみとするか、タイヤを交換するかの戦略が分かれ、最初のコーションでタイヤを交換したボダイン、2度目のコーションでピット作業に遅れを生じたクリガーマンはそれぞれ20位以下へと順位を落としてしまった。
2度目のイエローコーションの後、トップ10圏内に浮上していたロス・チャステインがスピンを喫し、コントロールを失ったままイン側にいたボダインとジョニー・チャップマンに接触。3台の"トヨタ タンドラ"は車両にダメージを負い、レース折り返しを前にして戦線離脱となった。
このイエローコーションで、ペターズが給油のみのピットとし2位に浮上。アウトサイド最前列からの再スタートで好ダッシュを見せ、首位を奪取した。
イン側隊列の先頭で首位に付けるペターズに対し、アウト側隊列先頭で追うKu.ブッシュはじりじりと追い上げると、53周目にペターズとのサイド・バイ・サイド状態から首位に浮上。29番手スタートから追い上げ上位争いに加わったジョニー・ソーターが58周目には首位に立つなど、タラデガならではの激しいリードチェンジバトルとなった。
その後トップ10までポジションを戻していたクリガーマンが、今度は電装系のトラブルに見舞われ、78周目、この日5回目のピットインでバッテリー交換。19位へと後退。しかし、残り14周で再スタートが切られると、クリガーマンはドラフトパートナーのジェイソン・ホワイト(フォード)と共に猛烈なダッシュを見せ、大外からライバルをごぼう抜き。ペターズとKu.ブッシュが2位、3位につけていたイン側の隊列を一気にパスすると、クリガーマンはホワイトに次ぐ2位に浮上した。
83周目にこの日6度目のイエローコーションとなり、レースは残り6周で再スタート。誰もが最後の大逆転を狙い、ポジション争いを繰り広げる中、クリガーマンは再びアウトから、今度はジョニー・ソーターを従え快走。首位でファイナルラップに入った。
ファイナルラップの第3ターン進入時には、隊列は崩れ、中団グループは3ワイド、4ワイドでのバトルとなったが、最終コーナーを立ち上がったところでこの中団で接触から多重クラッシュが発生。イエローコーションでのチェッカーとなり、クリガーマンとソーターの"トヨタ タンドラ"が1-2フィニッシュ。
クリガーマンはシリーズデビュー44戦目にして初めての勝利。これまで5回2位フィニッシュしているクリガーマンにとって嬉しい初勝利となった。
ペターズが5位。Ku.ブッシュが7位。今大会カイル・ブッシュ・モータースポーツの2台目をドライブしたジャーマン・キロガが8位で続いた。
ランキングではペターズ3位は変わらず。クリガーマンが4位へと一つ順位を上げた。
次戦第19戦は10月27日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催される。
ドライバー パーカー・クリガーマン:
「私が今このヴィクトリーレーンに立てたのは、本当に多くの人たちが支えてくれたおかげであり、彼らにはどれだけ感謝しても足りない。今日のレースでは、多くの困難と闘ってきた。異常振動に続き、バッテリやオルタネーターのトラブルにも見舞われた。それらのトラブルを克服した後は、ただ最後まで上位を目指し走り続けるだけだった。最後のドラフティングパートナーとして、この勝利を可能にしてくれたジョニー・ソーターにも感謝したい。この勢いで、今季の残りのレースもタイトル獲得を目指し戦い続ける」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 9 | 7 | パーカー・クリガーマン | トヨタ タンドラ | 94 | ||
2 | 29 | 13 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 94 | ||
3 | 3 | 31 | ジェイムズ・ブッシャー | シボレー | 94 | ||
5 | 8 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 94 | ||
7 | 6 | 18 | カート・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 94 | ||
8 | 23 | 51 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 94 | ||
18 | 25 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 94 | ||
22 | 17 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 93 | ||
23 | 20 | 20 | リック・クロフォード | トヨタ タンドラ | 93 | ||
25 | 18 | 9 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 93 | ||
32 | 34 | 7 | ジョニー・チャップマン | トヨタ タンドラ | 47 | ||
33 | 7 | 11 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 46 | ||
34 | 33 | 8 | ロス・チャステイン | トヨタ タンドラ | 45 | ||
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