2012年10月29日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第33戦 Tums Fast Relief 500

開催日:10月28日

カイル・ブッシュが2位、クリント・ボウヤー5位
デニー・ハムリンは無念の電気系トラブル


中盤は首位を走行し、5位フィニッシュを果たしたクリント・ボウヤー(#15)、
惜しくもトラブルで33位に終わったデニー・ハムリン(#11)、
スポット参戦で8位フィニッシュしたブライアン・ヴィッカーズ(#55)

 10月28日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第33戦「Tums Fast Relief 500」が開催された。
 "ペーパークリップ"の愛称を持ち、1周0.526マイル(約850m)とNASCARが開催されるサーキットでは最も短いマーティンズビルは、地元バージニア州出身のハムリンが得意としており、過去4勝を挙げている。

 26日(金)練習走行を経て午後3時40分より予選開始。スポット参戦のブライアン・ヴィッカーズが最前列2番手、カイル・ブッシュが3番手、ハムリンが5番手と好グリッドを確保。前々戦シャーロットで勝利を挙げたクリント・ボウヤーも8番手グリッドを獲得し、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 28日(日)午後1時47分、0.526マイルショートオーバルを500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。最前列スタートのヴィッカーズと、3番手スタートのKy.ブッシュ、、5番手スタートのハムリンらは序盤からトップ5圏内での上位争いを展開。
 45周目にデイビッド・ストレミーがクラッシュし初めてのイエローコーションが出され、各車ピットへ。ここで、ハムリンは痛恨のピットロード速度違反を取られ、31位まで後退してしまった。
 再スタート後は12番手スタートのマーティン・トゥルークス・Jr.も上位争いに参加。ハムリンは着々と順位を取り戻していき、97周目にこの日2度目のイエローコーションが出された時点では14位まで浮上。イエローコーション下のピット作業でも2つ順位を上げたハムリンは、再スタート後にはついにトップ10圏内に復帰した。
 142周目には、ハムリンはKy.ブッシュもパスし3位へ。それから間もない149周目には、Ky.ブッシュが単独スピン。幸いどこにも接触することはなかったが、30位へと後退。
 このコーション時、ピットに入らずコース上に残ったヴィッカーズがトップ、ハムリンが2位で並んで再スタート。164周目にはハムリンがヴィッカーズをかわし、この日初めて首位に立った。
 その後もボウヤーらと首位争いを展開したハムリンだったが、199周目にこの日5度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ向かうと、再びハムリンがピットロード速度違反のペナルティ。27位へとポジションダウンを余儀なくされてしまった。
 212周、228周と連続でイエローコーションが出た後は、コーションの出ない展開となり、ボウヤーが首位を快走する一方で、ハムリンとKy.ブッシュもトップ10圏内へと復帰。
 ボウヤーは再スタートから中盤戦の90周近くに渡って首位を走行し、350周目にグリーン下で給油のためにピットストップ。ボウヤーはピットアウト時にエンジンストールを喫し若干タイムをロスしたものの、ピットタイミングをずらしていた車両を除く全車がグリーンピットを終えた時点でに2位に復帰した。
 ボウヤーに続く3位につけていたハムリンだったが、372周目に突然のスローダウン。電装系のトラブルでガレージでの長時間の修復を余儀なくされてしまった。
 ハムリンがコース上に停止したことで391周目にイエローコーション。残り100周での再スタートが切られた後も438周目、474周目、490周目とイエローコーションが連発。最後は残り5周での勝負となった。
 レースを通して上位を争ってきたKy.ブッシュが2位、ボウヤー7位、ヴィッカーズ8位で再スタート。
 Ky.ブッシュは最後の最後までテール・トゥ・ノーズで首位を追いつめたが惜しくも逆転には至らず、2位でチェッカー。ボウヤーはライバルと接触しながらの激しいバトルを繰り広げ、5位まで順位を上げてフィニッシュした。好走を見せたヴィッカーズが8位。ベテランのボビー・ラボンテが9位に入り、今季ベストフィニッシュを果たした。
 ランキングではボウヤーが一つ順位を上げ、首位と26ポイント差の3位に浮上。逆に、今レース33位に終わったハムリンは、首位と49ポイント差の5位へと転落してしまった。

 次戦第34戦は11月4日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後の再スタートでは、タイヤの摩耗が酷く、ホイールスピンさせてしまった。最初の数周でライバルについて行くことが出来ず、コーナーの立ち上がりで離されてしまった。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。今日の我々の"トヨタ カムリ"は4番目くらいの速さだと感じられたが、それを考えれば2位でフィニッシュできたのは上出来だ」

ドライバー クリント・ボウヤー:
「我々にとっては良い一日だった。我々の"トヨタ カムリ"は勝てる力があったが、ピットロードでいくつかポジションを失い、取り戻すことが出来なかった。しかしレースを楽しむことが出来、リードラップも獲得するなど、いくつかの面では望み通りのレースができた。ただ、勝利には少し足りなかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 48 ジミー・ジョンソン シボレー 500
2 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 500
3 15 5 ケイシー・ケイン シボレー 500
5 8 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 500
8 2 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 500
9 18 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 500
16 14 20 ジョーイ・ロガーノ トヨタ カムリ 500
19 34 83 ランドン・カシル トヨタ カムリ 500
23 12 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 500
31 41 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 492
33 5 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 466
40 40 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 46
41 38 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 35
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 2291
2 ブラッド・ケゼロウスキー ダッジ 2289
3 クリント・ボウヤー トヨタ 2265
5 デニー・ハムリン トヨタ 2242
7 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 2228
13 カイル・ブッシュ トヨタ 1006
17 ジョーイ・ロガーノ トヨタ 885
24 ボビー・ラボンテ トヨタ 713
26 マーク・マーティン トヨタ 623
29 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 573
31 ランドン・カシル トヨタ 544
35 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 250
36 デイビッド・ストレミー トヨタ 220
43 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 94
58 パトリック・ロング トヨタ 2
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 222
2 トヨタ 197
3 フォード 164
4 ダッジ 143

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第19戦 Kroger 200

開催日:10月27日

地元デニー・ハムリンが最後尾スタートから優勝!


地元でトップチェッカーを受けるデニー・ハムリン(#51)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第19戦「Kroger 200」が10月27日 (土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。
 マーティンズビルでは同シリーズ戦が年に2度開催されている。昨年の秋の大会では、地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが自身トラック・シリーズでの初優勝を飾っている。

 27日(土)午前10時35分より予選が行われ、目下ランキング3位につけるティモシー・ペターズが今季2度目のポールポジションを獲得。スポット参戦となるブライアン・スコットが3番手、ハムリンが5番手、マット・クラフトンが7番手、ジョニー・ソーターが8番手と続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選の後、スプリント・カップ・シリーズの最終練習走行を経て、午後2時18分、"トヨタ カムリ"のペースカー先導により、0.526マイルショートオーバルを200周(105.2マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタートした。
 ポールポジションのペターズが順調に首位を逃げ、スコットとクラフトンが3,4位で追う展開。一方で、予選5番手につけていたハムリンは、カップ・シリーズの練習走行とのタイトなスケジュールの中でドライバーズミーティングに出席できず、ペナルティのため最後尾グリッドへと後退してのスタートを余儀なくされた。
 12番手スタートからまもなくトップ10へと順位を上げていたトッド・ボダインが20周目にアウト側の壁にヒットしてイエローコーション。最後尾スタートから目覚ましい勢いで順位を上げていったハムリンは、この時点で20位。再スタート後も次々に前走車をパスし、55周目にはトップ10圏内へと浮上した。
 スタートから序盤戦首位を守ったペターズだったが、ハードブレーキングを強いられるマーティンズビルで、ブレーキの酷使によりペースダウン。75周目には7位まで順位を落としてしまった。
 94周目にこの日3度目のイエローコーションが出され、全車ピットイン。クラフトンが最前列2番手、ペターズとハムリンが3列目に並んで、折り返しとなる100周目に再スタートが切られた。
 ペターズとハムリンが順位を上げ、2位のクラフトンに続く形で"トヨタ タンドラ"が2-3-4位体制で後半戦へ。残り50周を切った152周目にイエローコーションが出されると、全車最後のピットへ。2位で再スタートを切ったクラフトンが、猛烈なアタックで首位を争い、161周目ついに首位を奪取した。
 その後方ではハムリンとペターズによる3位争いが激化。サイド・バイ・サイドのバトルの末に、ハムリンがペターズをパスし、3位に浮上。
 175周目にこの日6度目のイエローコーションとなり、上位争いはまたも仕切り直し。トップのクラフトンが好スタートで逃げる一方で、ハムリンが2位のケヴィン・ハーヴィックを攻め、これをパス。首位を行くクラフトンを追った。
 クラフトンとハムリンは後続を引き離し、テール・トゥ・ノーズでの一騎打ちとなったが、残り14周でスピン車両によりイエローコーション。レースは残り7周での再スタートに。
 クラフトンがイン側、ハムリンがアウト側で再スタートが切られ、まずはクラフトンが先行。しかし、狭いマーティンズビルのコースを熟知する地元ハムリンは、クラフトンが一瞬インを空けた隙を見逃さず飛び込むと、接触しながらのサイド・バイ・サイドのバトルの末にクラフトンをパス。首位に立った。
 その後はハムリンが2位以下を大きく引き離す独走状態となり、最後は2秒近い大差でトップチェッカー。ハムリンは昨年秋の大会に続き、トラック・シリーズのマーティンズビル戦で2年連続の勝利を飾った。4位にクラフトン、7位にペターズ、9位にパーカー・クリガーマン、10位にスコットが入った。
 この結果、残り3戦となったランキング争いでは、ペターズが首位に25ポイント差の3位、クリガーマンが36ポイント差の4位となっている。

 次戦第20戦は11月2日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー デニー・ハムリン:
「この素晴らしいショートトラックでレースを戦うのは大好きだ。最後の再スタートでは、88号車(マット・クラフトン)にアウト側のスペースを空けておいた。そして、第1ターン進入でインに進入し、パスを試みた。接触しながらの激しいバトルだったが、お互いクラッシュしない程度の接触であり、マーティンズビルでは接触は日常茶飯事だ。今大会、再び地元のレースへスポット参戦するにあたってサポートしてくれたチームやスポンサー、関係者全ての人に感謝する」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 5 51 デニー・ハムリン トヨタ タンドラ 200
2 4 30 ネルソン・ピケ・Jr. シボレー 200
3 15 22 ジョーイ・コールター シボレー 200
4 7 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 200
7 1 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 200
9 13 7 パーカー・クリガーマン トヨタ タンドラ 200
10 3 18 ブライアン・スコット トヨタ タンドラ 200
14 8 13 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 200
16 19 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 200
18 26 9 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 200
22 12 11 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 198
23 31 8 ロス・チャステイン トヨタ タンドラ 198
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジェイムズ・ブッシャー シボレー 716
2 タイ・ディロン シボレー 695
3 ティモシー・ペターズ トヨタ 691
4 パーカー・クリガーマン トヨタ 680
6 マット・クラフトン トヨタ 664
9 ジョニー・ソーター トヨタ 573
14 トッド・ボダイン トヨタ 488
15 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 450
16 ロス・チャステイン トヨタ 444
19 デイビッド・スター トヨタ 372
20 ダコダ・アームストロング トヨタ 370
23 ジェイソン・リフラー トヨタ 269
36 ジョニー・チャップマン トヨタ 119
56 ジャーマン・キロガ トヨタ 36
71 トッド・シェイファー トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 145
2 トヨタ 127
3 RAM 83
4 フォード 63