NASCAR SPRINT CUP SERIES
第1戦 Daytona 500
開催日:2月24日
伝統の「デイトナ500」でNASCARシーズン開幕。
新世代"トヨタ カムリ"は首位快走も3位フィニッシュ
新型車両となった"トヨタ カムリ"は一時トップ6を占める速さを見せた
2月24日(日)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第1戦「Daytona 500」が開催された。
今季の同シリーズは、昨年まで使用された車両に代わり、「Gen-6」と呼ばれる新規定の車両が採用されることとなった。Gen-6は更なる安全性の追求に加え、これまで以上に市販車のイメージを反映した車両デザインとなっている。
NASCARシリーズ最大のイベントである開幕戦デイトナは、決勝レースの1週間以上前からスケジュールが開始され、16日(土)の「Sprint Unlimited」と呼ばれるエキジビションレースで幕を開けた。昨年のポールポジション獲得者と過去の同イベント優勝ドライバーによって争われる「Sprint Unlimited」はGen-6による初の戦いとなり、今季よりトヨタに移籍したマット・ケンゼスが好走を見せたが、5位でフィニッシュ。
「Daytona 500」の決勝グリッドは、17日(日)の予選で最前列の2台を決めた後、21日(木)に2グループに分けて行われた予選レース「Duel」の結果で決定された。「Duel」第2レースで見事勝利を挙げたカイル・ブッシュが2列目4番手グリッドを確保。昨年ランキング2位のクリント・ボウヤーが10番手。「Daytona 500」勝利経験を持つケンゼスは12番手、マーク・マーティンが14番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
24日(日)午後1時31分、2.5マイルオーバルを200周(500マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。スタート直後は綺麗な2列の隊列が保たれていたが、その後は1列でのレース展開に。Ky.ブッシュが3位前後、ケンゼスがトップ10をキープした。
33周目に9台が絡む多重クラッシュが発生。トヨタ勢は巻き込まれることなく、イエローコーション下の好ピットにも助けられケンゼスが首位浮上。ボウヤー、Ky.ブッシュに続き、後方スタートとなったマーティン・トゥルークス・Jr.とデニー・ハムリンもトップ10圏内までポジションアップ。
70周目過ぎからはグリーンフラッグ下でのピット作業となったが、ここまで常にトップ5圏内にいたKy.ブッシュがピット作業時のトラブルにより30位以下まで大きく後退。一方でハムリンが素晴らしいピット作業で首位に立ち、トゥルークス・Jr.とケンゼスが続き、"トヨタ カムリ"が1−2−3体制となった。
ケンゼスとハムリンが順位を入れ換えながら首位を争う後方には、順位を取り戻したKy.ブッシュ、ボウヤー、マーティン、トゥルークス・Jr.が続き、一時は"トヨタ カムリ"がトップ6を占める快走。
しかし、4度目のイエローコーションから再スタートが切られて間もない150周目、ケンゼスは異常振動に見舞われピットイン。翌周にはKy.ブッシュもピットへ向かい、2台共にレースを終えることとなってしまった。
残り7周で発生したイエローコーションからの再スタートで、ハムリンとボウヤーはイン側の2,3番手スタートとなったが、再スタート後イン側隊列の速度が伸びず、ポジションダウン。
トヨタ勢はケンゼスが86周、ハムリンが33周にわたって首位走行の速さを見せたが惜しくも結果には繋がらず、最後にベテランらしい強さを見せたマーティンが3位フィニッシュとなった。
次戦第2戦は3月3日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー マーク・マーティン:
「まず応援してくれたファンに感謝したい。また、クルーは練習走行やエキジビションレースでクラッシュしてしまったのにも関わらず、『Daytona 500』決勝レースに向けて素晴らしい"トヨタ カムリ"を仕上げてくれた。本当に感謝している。最後は、後続からのプッシュはあったが、勝利には届かなかった。しかし、良い走りが出来、満足している」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 9 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 200 | ||
2 | 19 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 200 | ||
3 | 14 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 200 | ||
11 | 10 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 200 | ||
14 | 35 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 200 | ||
15 | 23 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 200 | ||
16 | 42 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 200 | ||
22 | 29 | 26 | マイケル・ウォルトリップ | トヨタ カムリ | 200 | ||
24 | 37 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 200 | ||
25 | 43 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 199 | ||
34 | 4 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 151 | ||
37 | 12 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 149 | ||
43 | 27 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 42 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第1戦 DRIVE4COPD 300
開催日:2月23日
ルーキーのアレックス・ボウマンが3位フィニッシュ
3位フィニッシュを果たしたルーキーのアレックス・ボウマン(#99)と
5位に入ったパーカー・クリガーマン(#77)
2月23日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第1戦「DRIVE4COPD 300」がデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
今季ネイションワイド・シリーズにステップアップし、カイル・ブッシュ・モータースポーツから参戦するパーカー・クリガーマンが3番手。昨年の同シリーズランキング2位で、今季よりトヨタに移籍したエリオット・サドラーが6番手。今大会は自分のチームからではなく、ジョー・ギブズ・レーシングからの参戦となるカイル・ブッシュが7番手。ルーキーのアレックス・ボウマンが8番手。マット・ケンゼスが9番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
23日(土)好天の下、午後1時37分に2.5マイルオーバルを120周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
デイトナのような高速コースでは、ネイションワイド・シリーズの車両は昨年同様、2台でのパックとなる「2カー・ドラフト」状態で激しく順位が入れ替わる展開。12周目にサドラーが首位に立つと、ヴィッカーズ、Ky.ブッシュが続き、3台での首位グループを形成した。
その後、このグループにケンゼスも追い着き、ジョー・ギブズ・レーシングの4台がトップ4体制に。サドラーはオーバーヒート症状のため、ピットで冷却水を追加することとなり、ドラフティングパートナーのヴィッカーズと共に後退を余儀なくされたが、ケンゼスとKy.ブッシュが首位争いを続行した。
しかし、残り20周となったところで、Ky.ブッシュがスローダウン。オーバーヒートからエンジントラブルに見舞われたKy.ブッシュは、無念のリタイアとなってしまった。
代わって上位争いに加わったのがクリガーマンとボウマンの若手コンビ。2台がトップ10圏内へと入ってきた終盤戦は、残り5周から大荒れの展開となった。
残り4周で、中団グループで多重クラッシュが発生。後続が次々に突っ込み、13台が巻き込まれる「ビッグ・ワン」となり、車両排除のため、20分あまりに渡ってレースは赤旗中断。サドラー、ケンゼスも巻き込まれ、上位争いからは脱落してしまった。
アウトサイドの3,4番手から残り2周でのスタートを切ったボウマンとクリガーマンは、激しい首位争いを展開。ファイナルラップ、チェッカーを目前にした第4コーナー立ち上がりで、首位を走行していた車両がスピンを喫し、後続が激しくクラッシュ。大混乱のままチェッカーを受ける、波乱の幕切れとなった。
このクラッシュを間一髪で避けたボウマンとクリガーマンは、それぞれ3位、5位でフィニッシュ。カップ・シリーズのレギュラー勢に割って入り、見事トップ5フィニッシュを果たした。
次戦第2戦は3月2日(土)、フェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー アレックス・ボウマン:
「素晴らしい"トヨタ カムリ"を用意してくれたチームクルーに感謝したい。チームと共に作業を進めるのは簡単ではなかったが、ルーキー故の苦労だと思う。(デイル)アーンハート・Jr.や(ブラッド)ケゼロウスキーといったトップドライバーをプッシュし、彼らと戦えたことを誇りに思う。トヨタ・レーシングのチームメイトであるパーカー・クリガーマンとも上手くレースが戦えた。次戦フェニックスはタンデム走行ではない、ショートオーバルでの戦いとなるが、準備は出来ている」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 10 | 33 | トニー・スチュワート | シボレー | 120 | ||
2 | 2 | 12 | サム・ホーニッシュ・Jr. | フォード | 120 | ||
3 | 8 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 120 | ||
5 | 3 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 120 | ||
8 | 28 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 120 | ||
15 | 6 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 120 | ||
16 | 9 | 18 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 120 | ||
18 | 33 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 120 | ||
19 | 20 | 20 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 118 | ||
23 | 26 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 116 | ||
24 | 35 | 0 | ジェイソン・ホワイト | トヨタ カムリ | 116 | ||
28 | 32 | 44 | ハル・マーティン | トヨタ カムリ | 115 | ||
32 | 7 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 100 | ||
38 | 34 | 24 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 14 | ||
40 | 16 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 4 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第1戦 NextEra Energy Resources 250
開催日:2月22日
"トヨタ タンドラ"通算100勝目を7年連続開幕戦勝利で飾る!
"トヨタ タンドラ"の通算100勝目をデイトナで挙げたジョニー・ソーター(#98)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第1戦「NextEra Energy Resources 250」が2月22日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された。今季の同シリーズは全22戦で行われるが、初めて米国外のカナダでのレースに加え、ダートでのレースも予定されるなど、注目を集めるシリーズとなっている。
21日(木)の練習走行を経て、22日(金)決勝を前に、午後1時40分から予選開始。カイル・ブッシュが6番手、ジョーイ・コールターが10番手グリッドを確保。12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
日が落ち、ライトがコースを照らし出す午後7時53分、2.5マイルオーバルを100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
6番手スタートのKy.ブッシュが好位置をキープし、3位に浮上。チームメイトのコールターが6位、ダレル・ウォレス・Jr.も14番手スタートからトップ10圏内へとポジションを上げた。しかし、ウォレス・Jr.は最初のイエローコーション時に、ピットレーンで他車と接触し、大きくポジションダウン。
54周目、13台もの車両が絡む多重クラッシュが発生。この日2度目のイエローコーションとなり各車一斉にピットへ。ここで、タイヤ無交換作戦に出たジョニー・ソーターは一気にトップ10圏内に浮上。一方で、コールターはタイヤ交換作業に手間取り、12位に後退。
63周目、この日3度目のイエローコーション時には、ここデイトナを得意とするトッド・ボダインもポジションを上げ、チームメイトのソーターと共に、1−2体制に。これをKy.ブッシュが追う形となった。
Ky.ブッシュは74周目にボダインをかわし首位に立つが、85周目にソーターが首位を奪還。92周目にこの日2度目の多重クラッシュでイエローコーションとなり、レースは残り5周での再スタートとなった。
ソーターのすぐ後ろに続き、ファイナルラップに逆転を狙ったKy.ブッシュだったが、ホワイトフラッグが振られた直後の1コーナーで、中団グループでの多重クラッシュが発生。イエローコーションが出されたが、ホワイトフラッグが振られていたため、レースはその時点の順位で確定。ソーターが嬉しいデイトナでの初勝利を飾った。Ky.ブッシュが2位で続き、"トヨタ タンドラ"は1−2フィニッシュ。
ソーターは昨年の開幕戦デイトナで、首位につけていながらホワイトフラッグ目前でクラッシュに終わっており、その雪辱をはらす勝利。また、"トヨタ タンドラ"にとっては、2004年に同シリーズに参戦を開始して以来の通算100勝目という記念すべき勝利となった。
次戦第2戦は4月6日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催される。
ドライバー ジョニー・ソーター:
「今夜のレースは、ポジション取りが重要だった。我々は残り30周で14位前後につけており、勝利は難しいと思われた。しかし、我々の"トヨタ タンドラ"は完璧だった。トラック・シリーズにおける"トヨタ タンドラ"の記念すべき100勝目を挙げられたというのは本当にすごいことで、今の気分は言い表せない。自分がデイトナのヴィクトリーレーンにいると言うことが信じられない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 25 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 100 | ||
2 | 6 | 51 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 100 | ||
3 | 4 | 9 | ロン・ホーナディ・Jr. | シボレー | 100 | ||
9 | 17 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 100 | ||
11 | 26 | 13 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 100 | ||
12 | 14 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 100 | ||
15 | 33 | 7 | クリス・クックラム | トヨタ タンドラ | 100 | ||
21 | 28 | 7 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 100 | ||
22 | 10 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ タンドラ | 100 | ||
25 | 20 | 77 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 97 | ||
27 | 23 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 92 | ||
31 | 34 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 58 | ||
34 | 22 | 84 | クリス・フォンテイン | トヨタ タンドラ | 53 | ||
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