2013年3月 4日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第2戦 SUBWAY Fresh Fit 500

開催日:3月3日

デニー・ハムリンが後方スタートから追い上げ3位

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3位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)と7位に入ったマット・ケンゼス(#20)

 3月3日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第2戦「SUBWAY Fresh Fit 500」が開催された。
 近年は開幕直後と最終戦直前の年2回開催されるフェニックス戦では、"トヨタ カムリ"は2011年秋の勝利に続き、昨年の春大会でデニー・ハムリンが勝利を飾っている。

 1日(金)正午から行われたプラクティスでは、"トヨタ カムリ"勢がトップ4を独占。午後4時10分からの予選では、フェニックスでの最年長優勝記録(2009年:50歳3ヶ月)を持つ54歳のベテラン、マーク・マーティンがポールポジションを獲得。最年長でのポールポジション獲得記録も更新した。また、同じフェニックスでの最年少優勝(2005年:20歳5ヶ月)とポール(2006年:20歳11ヶ月)記録を持つカイル・ブッシュが4番手、デニー・ハムリンが8番手、マット・ケンゼスが9番手と好位置につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 3日(日)は空は雲に覆われ、軽い雨がぱらついたが、決勝スタート時には止み、午後1時25分、1マイルオーバルを312周(312マイル:約500km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。なお、ハムリンとKy.ブッシュは、予選後にエンジン交換を行ったため、スタート時後方へとグリッド後退。追い上げを余儀なくされることとなった。
 ポールポジションのマーティンは、好スタートを切り首位をキープ。ケンゼスとボウヤーもトップ10圏内につけ、Ky.ブッシュとハムリンも少しずつ順位を上げていった。
 15位まで順位を上げ、更に上位を伺っていたKy.ブッシュだったが、48周目に前走車をパスしようとしてまさかのスピン。車両左前部を壁にヒットし、修復のため周回遅れの40位まで後退してしまった。
 これにより発生したイエローコーションでは、上位勢がピットへ。マーティンは2位でピットアウトしたものの、22周目の1回目のイエローコーションでピットインした数台がコースに残ったため、8位で再スタート。このピット時には、チームメイトのボウヤーがピットロードで接触を喫し、修復のため再度ピットへ向かい後退。また、12位前後を走行していたマーティン・トゥルークス・Jr.も駆動系のトラブルに見舞われ、ガレージへ向かうこととなってしまった。
 64周目、トップ10圏内にいたマーティンが、ホイールからの振動発生により、グリーン下でピットへ。これで一旦は周回遅れとなってしまったが、幸運にもその直後にイエローコーションが発生し、首位と同一周回に復帰した。
 100周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると、他車よりもピットタイミングの遅いマーティンは唯一コース上に残り、一気に首位浮上。ハムリンもトップ10を狙える位置までポジションアップ。
 142周目の5度目のイエローコーションでは、上位勢が一斉にピットへ向かい、2本タイヤ交換作戦を採ったハムリン、ケンゼスが共に5位、7位へとジャンプアップ。一方で4本交換を行ったマーティンとボウヤーはそれぞれ17位、23位へと後退。
 ボウヤーはその後徐々に順位を取り戻していき、ケンゼス、ハムリン、ボウヤーの3台がトップ10圏内につける後半戦となった。
 238周目に7度目のイエローコーションとなり、全車ピットへ向かったが、燃料をフルに入れて80周前後走行できると予想されるこのコースでは、なんとか最後まで走り切れるギリギリのタイミングとなった。
 ハムリン、ボウヤー、ケンゼスが5,6,7位につけ、逆転を狙った終盤、残り3周というタイミングでイエローコーション。レースは4周延長され、最後の2周スプリント"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることに。コーション中のフォーメーションラップでは、逐次エンジンを切るなど、各車燃料をセーブ。それでも燃料切れに見舞われる車両が出る厳しい状況下での最後のバトルとなった。
 2列目アウトサイドの4位で再スタートしたハムリンは、ファイナルラップで3ワイドのバトルから一気に前に出て激しい2位争いを展開。最後はサイド・バイサイドで並び、若干接触しながらフィニッシュラインを越えたが、僅かに及ばず3位でフィニッシュ。
 ボウヤーが6位、ケンゼスが7位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。

 次戦第3戦は3月10日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。。

ドライバー デニー・ハムリン:
「我々の"トヨタ カムリ"は終盤本当に良くなった。苦しい戦いを強いられた今日1日のレースを考えれば、予想以上の結果だ。とはいえ新型車両になり、まだまだやらなくてはならないことは多い。3位という結果は得られたが、更に上を狙う必要があり、それには最速の車両が必要だ。今日の結果は、チームワークで得たものだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 15 99 カール・エドワーズ フォード 316
2 3 48 ジミー・ジョンソン シボレー 316
3 8 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 316
6 13 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 316
7 9 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 316
21 1 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 316
23 4 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 316
24 33 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 315
25 34 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 315
29 30 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 313
30 37 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 313
31 41 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 311
36 14 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 284
42 35 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 34
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 90
2 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 82
3 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 82
4 デニー・ハムリン トヨタ 72
5 クリント・ボウヤー トヨタ 72
7 マーク・マーティン トヨタ 65
14 ボビー・ラボンテ トヨタ 49
16 デイビッド・ロイティマン トヨタ 48
18 マット・ケンゼス トヨタ 46
27 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 35
33 カイル・ブッシュ トヨタ 31
34 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 28
36 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 23
39 デイビッド・ストレミー トヨタ 14
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 15
2 フォード 13
3 トヨタ 10

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第2戦 Dollar General 200

開催日:3月2日

カイル・ブッシュがレースを支配し今季初勝利

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レースを支配し、ポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾ったカイル・ブッシュ(#54)

 3月2日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第2戦「Dollar General 200」がフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催された。
 フェニックスの同シリーズ戦はKy.ブッシュが得意としており、2008年、2010年、2011年に勝利を挙げている。

 2日(土)決勝を前に午前11時5分から予選が行われ、カイル・ブッシュがポールポジションを獲得。ブライアン・ヴィッカーズが2番手、マット・ケンゼスが3番手で続き、予選トップ3を独占した"トヨタ カムリ"は、13台が決勝へと進んだ。

 カップ・シリーズの最終練習走行を経て、午後2時47分、1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュに、ヴィッカーズ、ケンゼスが続き、序盤から"トヨタ カムリ"が速さを見せつけた。
 37周目にこの日2度目となるイエローコーションが出されると、上位勢はピットへ。トップのKy.ブッシュはピットの停止位置を若干はみ出し、押し戻すためにタイムロス。また、ピットアウト時にはスピード違反のペナルティを取られ、首位と同一周回最後尾の23位まで後退。ヴィッカーズが首位、ケンゼスが2番手、15番手スタートから順位を上げたエリオット・サドラーが7位とトップ10圏内に浮上した。
 ケンゼスとヴィッカーズが激しい首位争いを繰り広げる一方で、Ky.ブッシュも猛烈な追い上げを開始。3度目のイエローコーションから13位で再スタートを切ると、得意の好ダッシュで一気に5位へジャンプアップ。88周目には首位を行くケンゼスをかわし、ついに首位を奪還した。
 102周目のイエローコーションで全車ピットへ向かい、給油を行ったが、最後まで走りきるには厳しい残り周回。再スタート後すぐの111周目にもイエローコーションとなり、数台はピットへ向かったが、それでも予想のフルタンク80周には届かないため、上位勢はここでは入らず、後でもう一回ピットに入る作戦を採った。
 残り50周でクラッシュ車両によりイエローコーションが出され、Ky.ブッシュら上位勢は最後のピットへ向かったが、先のコーションでピットに入った数台がコース上に残り、最後まで走りきるギャンブルに。給油と共に2本タイヤを交換したKy.ブッシュとヴィッカーズが5位、6位、4本交換したサドラーとケンゼスは9位、14位で再スタートとなった。
 得意の再スタートを決めたKy.ブッシュは、3ワイドのバトルの末に、一気に3位へ。ヴィッカーズもこれに続いた。Ky.ブッシュの勢いは止まらず、162周目にはこの日3度目の首位へ復帰。しかし、Ky.ブッシュに続こうとしたヴィッカーズは、172周目、前走車をパスしようとして3ワイドで挟まれる形になり、周回遅れと接触。スピンを喫したヴィッカーズは、右リアタイヤのパンクとボディの修復のためピットインを余儀なくされ、19位へと後退してしまった。
 177周目、Ky.ブッシュが首位、サドラーが5位、ケンゼス12位で再スタート。Ky.ブッシュは危なげなく逃げ切り、最後は2位に2秒近い差を付けてトップチェッカー。200周中142周でリードラップ獲得とレースを支配し、ポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を飾った。サドラーは5位。最後追い上げたケンゼスは8位に入った。"トヨタ カムリ"はKy.ブッシュ、ケンゼス、ヴィッカーズの3台で、200周中190周で首位を走行する速さを見せた。
 この勝利は、2007年にネイションワイド・リーズ(当時はブッシュ・シリーズ)に参戦を開始した"トヨタ カムリ"にとって、同シリーズでの通算75勝目。そのうち、Ky.ブッシュが41勝を上げている。Ky.ブッシュにとっては、24戦ぶりの同シリーズ勝利であり、自身が持つシリーズ最多勝利記録も52(246戦出走)へと伸ばした。また、Ky.ブッシュはこの日、同シリーズでの通算獲得リードラップ数でも11,000ラップを突破し、自身の持つ記録を更新した。

 次戦第3戦は3月9日(土)、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「素晴らしい気分だ。ジョー・ギブズ・レーシングのクルーの仕事ぶりは、ネイションワイド・シリーズでも何年も見て来ているが、今日も彼らは驚くべき仕事をしてくれた。スポンサーにも感謝したい。昨年は厳しいシーズンを送ることとなったが、今日、こうして共にヴィクトリーレーンに上がることが出来て本当に嬉しい。我々の"トヨタ カムリ"は驚くべき速さだった。後退してからの追い上げでは、我慢も、かなりアグレッシブな走りも必要だった。良いショーが見せられたと思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
2 9 22 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 200
3 5 31 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 200
5 15 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 200
8 3 18 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 200
14 22 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 200
16 30 24 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 200
17 2 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 199
19 11 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 198
22 32 0 ジェイソン・ホワイト トヨタ カムリ 197
23 24 44 ハル・マーティン トヨタ カムリ 197
29 20 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 187
31 18 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 142
36 29 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 50
37 26 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 17
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 79
2 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 79
3 ブライアン・スコット シボレー 73
4 エリオット・サドラー トヨタ 69
5 パーカー・クリガーマン トヨタ 65
10 アレックス・ボウマン トヨタ 54
12 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 54
13 エリック・マクルーア トヨタ 52
14 マイク・ブリス トヨタ 52
17 ジェイソン・ホワイト トヨタ 42
19 ハル・マーティン トヨタ 37
21 ブレイク・コッホ トヨタ 34
22 ジョー・ネメチェク トヨタ 34
33 ジェフ・グリーン トヨタ 11
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 13
1 シボレー 13
3 フォード 12
4 ダッジ 3