2013年3月11日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第3戦 Kobalt Tools 400

開催日:3月10日

マット・ケンゼスが今季初勝利!
"トヨタ カムリ"は通算50勝を挙げる

トヨタ カムリにとっての今季初、通算50勝目を挙げたマット・ケンゼスとチームクルー
"トヨタ カムリ"にとっての今季初、通算50勝目を挙げたマット・ケンゼスとチームクルー

 3月10日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第3戦「Kobalt Tools 400」が開催された。

 8日(金)に予定されていた予選は降雨のためキャンセルとなり、シーズン序盤の3戦は前年のオーナーポイント順という規定に則り、グリッドが決定。クリント・ボウヤーが最前列2番手、デニー・ハムリンが6番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が11番手、カイル・ブッシュが13番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝に出走することとなった。

 10日(日)は好天に恵まれ、午後12時18分に、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。最前列からスタートを切ったボウヤーは、序盤こそ上位を走行したものの、酷いオーバーステア症状に見舞われ、徐々にポジションダウン。16周目にはグリーン下での予定外のピットを行うこととなり、2周遅れの最後尾へと後退してしまった。
 一方で、Ky.ブッシュとハムリンが順調にポジションを上げトップ5圏内に浮上。40周目前後から各車グリーン下でのピット作業となったが、45周目までピットインを引っ張り、一度は首位に立ったKy.ブッシュが、痛恨のピットロードスピード違反。周回遅れは免れたものの、19位へとポジションダウン。
 前半戦は1度しかイエローコーションが出ず、グリーン下でのピット作業が繰り返される中、Ky.ブッシュはポジションを取り戻していったが、今度は5位走行中のハムリンが115周目のピット時にスピード違反で周回遅れの19位へと後退してしまった。
 レース折り返しの時点では、トゥルークス・Jr.が4位、Ky.ブッシュとマット・ケンゼスが6,7位、マーク・マーティンが10位とトップ10圏内をキープ。
 160周目に、ようやくこの日2度目となるイエローコーションが発生し、上位勢はピットへ。ここで好ピット作業を見せたKy.ブッシュは、3位へと順位を上げ、得意の再スタートで、3ワイドのバトルの末に首位を奪取した。
 195周目、ボビー・ラボンテがスピンを喫しこの日3度目のイエローコーション。残り周回を考えると、もう一度ピットインが必要なタイミングだが、上位勢はほぼ全車がピットへ。タイヤ2本を交換したKy.ブッシュが2位、ケンゼスが4位でピットアウトしたが、首位と同一周回最後尾の15位につけていたハムリンは、ここで上位とは異なる作戦に出て、ピットに入らず、首位に浮上。
 再スタートではKy.ブッシュが首位を奪い、ケンゼスが3位。タイヤ未交換ながら健闘を見せたハムリンは5位につけていたが、頼みのイエローコーションは出ず、216周目にグリーン下でピットイン。再び周回遅れとなってしまった。
 225周目にこの日4度目のイエローコーションが出ると、上位勢は最後のピットへ。このピット作業で、タイヤ無交換作戦を採ったケンゼスが首位に浮上。Ky.ブッシュは7位へと後退。
 ケンゼスは再スタートを決め、首位を快走。236周目に再度イエローコーションとなり、残り26周での再スタートとなったが、ケンゼスは追いすがるライバルの追撃を振り切り、見事今季初勝利を挙げた。"トヨタ カムリ"にとっても今季初となるこの勝利は、2007年の参戦以来、カップ・シリーズでの通算50勝目となる。今季よりトヨタに移籍したケンゼスにとって、ラスベガスでの勝利は2004年以来9年ぶりであり、自身41歳の誕生日を祝う勝利となった。誕生日の勝利は、ケイル・ヤーボロー、Ky.ブッシュに続く史上3人目。
 終盤激しい3位争いを展開したKy.ブッシュは惜しくも及ばず4位。しかし、Ky.ブッシュは地元ラスベガスのレースで、前日のネイションワイド・シリーズ戦に続き、共にトップ5フィニッシュを果たした。また、レースを通してトップ10圏内をキープしたトゥルークス・Jr.が8位に入った。

 次戦第4戦は3月17日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「今日はレースを通してケイシー・ケイン(シボレー)が速かったので、最後は本当に緊張した。彼を抑えきれるとは思っていなかったが、TRD製のエンジンが素晴らしいパワーを発揮してくれた。チームを移籍して、これほど早い時期に勝てたのは嬉しいが、まだシーズンは始まったばかりだ。我々はすぐに次戦ブリストルに向けて準備を始め、長いシーズンを戦い続けて行かなくてはならない。しかし、今日勝利を挙げられたことは素晴らしい。次戦以降にもこの勢いが続くことを願っている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 18 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 267
2 4 5 ケイシー・ケイン シボレー 267
3 1 2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 267
4 13 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 267
8 11 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 267
14 15 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 267
15 6 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
27 2 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 265
30 26 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 263
32 38 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 261
34 32 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 261
39 28 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 217
40 42 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 216
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 129
2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 124
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 119
4 デニー・ハムリン トヨタ 102
6 マーク・マーティン トヨタ 95
7 マット・ケンゼス トヨタ 93
9 クリント・ボウヤー トヨタ 89
17 カイル・ブッシュ トヨタ 72
22 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 64
24 ボビー・ラボンテ トヨタ 63
27 デイビッド・ロイティマン トヨタ 58
32 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 40
38 デイビッド・ストレミー トヨタ 26
39 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 23
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 21
2 トヨタ 19
3 フォード 17

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第3戦 Sam's Town 300

開催日:3月9日

3台の"トヨタ カムリ"がトップ5フィニッシュ

2位、3位に入ったカイル・ブッシュ(#54)とブライアン・ヴィッカーズ(#20)
2位、3位に入ったカイル・ブッシュ(#54)とブライアン・ヴィッカーズ(#20)

 3月9日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第3戦「Sam's Town 300」がラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。

 8日(金)の練習走行セッションが降雨のために中止となったため、9日(土)の決勝前に予定されていた予選はキャンセル。代わりに練習走行セッションが行われることとなり、決勝グリッドは規定に則り、前年のオーナーポイント順で決定。ブライアン・ヴィッカーズがポールポジション、パーカー・クリガーマンが8番手となり、12台の"トヨタ カムリ"が決勝に駒を進めた。

 9日(土)午後1時33分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのヴィッカーズが序盤首位争いを展開する一方で、23番手と後方スタートのKy.ブッシュが目覚ましい追い上げを見せ、18周目にはトップ10圏内に浮上した。
 前半はハンドリングに苦しみ、トップ10圏内からそれ以上のポジションアップが果たせなかったKy.ブッシュだが、ピットごとの調整で調子を上げていき、120周目には、2位のヴィッカーズに続く3位へ。139周目にこの日6度目のイエローコーションが出されると、ピット作業でヴィッカーズをかわしたKy.ブッシュが首位に立った。
 再スタートでは最前列のKy.ブッシュとヴィッカーズが激しい首位争いを展開したが、Ky.ブッシュが首位をキープ。しかし、152周目、後半戦速さを見せたサム・ホーニッシュ・Jr.(フォード)の先行を許し、2位、3位に後退。4位にエリオット・サドラーが続き、3台の"トヨタ カムリ"が首位奪還を目指して終盤戦に突入した。
 先のイエローコーションでの給油後、最後まで走りきるにはぎりぎりの周回数で、首位争いも燃費をにらみながらの厳しい戦いとなった。しかし、残りが20周を切った183周目と189周目に連続でイエローコーションが発生し、燃料の心配はない状況で、最後は6周のスプリント勝負となった。
 最前列イン側で再スタートを切ったKy.ブッシュは、サイド・バイ・サイドのまま粘ったが、ホーニッシュ・Jr.を抑えるまでには至らず、2位でフィニッシュ。好走を見せたヴィッカーズが3位。今大会がシリーズ200戦目の出走となったサドラーは5位に入り、"トヨタ カムリ"は3台がトップ5フィニッシュ。サドラーはドライバーズランキングでも2位と同ポイントの3位に浮上した。また、アレックス・ボウマンがルーキー最上位となる8位に入った。

 次戦第4戦は3月16日(土)、ブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「本当に良い走りが出来た。チームは素晴らしい仕事をしてくれて、我々の"トヨタ カムリ"は速かったが、今日は勝利にはほんの少し足りなかったということだ。今日の練習走行の時間は短かったが、良いセットアップを見つけ、後方スタートから順位を上げられた。最後の再スタートでは、サム(ホーニッシュ・Jr.)をパスしようと3ワイドで1コーナーに入っていったが届かなかった。その後もサイド・バイ・サイドでのクリーンなバトルが出来たが、彼が速すぎた」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 12 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 200
2 23 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
3 1 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
5 15 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 200
8 18 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 200
17 20 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 198
21 22 24 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 198
24 14 44 ハル・マーティン トヨタ カムリ 197
27 16 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 194
30 8 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 189
35 28 0 ジェイソン・ホワイト トヨタ カムリ 156
38 33 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 16
40 24 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 2
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 127
2 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 108
3 エリオット・サドラー トヨタ 108
7 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 96
10 アレックス・ボウマン トヨタ 90
12 パーカー・クリガーマン トヨタ 79
13 マイク・ブリス トヨタ 79
17 ブレイク・コッホ トヨタ 57
18 ハル・マーティン トヨタ 57
19 エリック・マクルーア トヨタ 56
20 ジョー・ネメチェク トヨタ 51
21 ジェイソン・ホワイト トヨタ 51
36 ジェフ・グリーン トヨタ 17
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 21
2 トヨタ 19
3 シボレー 17
4 ダッジ 3