2013年3月25日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第5戦 Auto Club 400

開催日:3月24日

カイル・ブッシュが週末完全制覇!
"トヨタ カムリ"ホームで念願の初勝利


"ホーム"フォンタナでトヨタに初勝利をもたらしたカイル・ブッシュ

 3月24日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第5戦「Auto Club 400」が開催された。
 米国トヨタの本拠地があるカリフォルニアに位置するフォンタナは、トヨタにとっては"ホーム"とも言えるコースだが、スプリント・カップ・シリーズではこれまで未勝利。昨年は降雨により短縮されたレースで、惜しくもカイル・ブッシュが2位に終わっている。

 22日(金)練習走行に続き、午後4時10分から予選が行われ、デニー・ハムリンがポールポジションを獲得。Ky.ブッシュが4番手、マット・ケンゼスが5番手。マーティン・トゥルークス・Jr.が7番手、マーク・マーティンが9番手とトップ10グリッドを確保する速さを見せ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 カリフォルニアらしい好天に恵まれた24日(日)、午後12時19分に2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 ポールポジションのハムリンはアウト側を選択。予選で2,3番手につけていた車両がエンジン交換でグリッド降格となったため、アウト側ハムリンの後にKy.ブッシュ、イン側は最前列にケンゼス、その後方にトゥルークス・Jr.とマーティンが続く形となり、"トヨタ カムリ"勢が上位を独占してのスタートとなった。
 スタートしてまもなくイン側のケンゼスが首位を奪取。ハムリン、Ky.ブッシュが続き、1-2-3体制に。10周目にはケンゼスをかわしてKy.ブッシュが首位に立った。
 37周目、エンジンブローした車両のためにこの日2度目のイエローコーションとなったが、この時に出たオイルに乗り、13番手スタートから4位まで順位を上げていたボウヤーと、9位につけていたマーティンが壁にヒット。ピットでの修復を余儀なくされ後退。
 ハムリンとKy.ブッシュが首位争いを繰り広げる一方、5位前後を走行していたケンゼスは、他車に接触され左リアタイヤをパンク。グリーン下でのピット作業を強いられ、周回遅れとなってしまった。しかし、幸運にもその直後にイエローコーションが出されたため、周回遅れ最上位にいたケンゼスは"ラッキー・ドッグ"を獲得し首位と同一周回に復帰。132周目のイエローコーション時のピットでは、多くがタイヤを4本交換する中でケンゼスは2本タイヤ交換作戦に出て、一気に4位までポジションを戻して見せた。
 再スタート後はKy.ブッシュが再び首位を奪うと、後続を大きく引き離し独走。イエローコーションが出ないまま、残り40周を切ったあたりから各車グリーン下で最後の給油ピットに向かった。
 全車がピットを終えた時点で、Ky.ブッシュは2位以下に5秒以上の大差を付けていたが、170周目にコース上の異物によりイエローコーションとなり、このマージンは帳消しに。
 176周目、マーティンがスピンを喫し、この日7度目のイエローコーション。ここでほとんどの車両がコース上に残る中、タイヤ交換に向かったハムリンだったが、タイヤ交換作業でミスがあり、首位と同一周回最後尾の26位まで後退。
 残り20周で再スタートが切られると、Ky.ブッシュが首位を逃げる一方で、ハムリンは3ワイドの激しいバトルを繰り広げながら着実に順位を上げていった。
 176周目、12位を走行していたボウヤーが白煙を上げスピン。無念の戦線離脱。
 このイエローコーションで、首位のKy.ブッシュを含む上位6台はコース上に残ったが、ハムリン、ケンゼスらを含む後続は最後の逆転を狙いピットへ向かい、タイヤを4本交換。
 残り11周で再スタート。Ky.ブッシュが得意のダッシュで首位を逃げる後方では、5台が横に並ぶほどの混戦に。そんな中、16位から素晴らしい追い上げを見せたハムリンが一気に順位を上げ、タイヤの厳しい上位勢を猛追。僅か3周で3位まで浮上すると、Ky.ブッシュもかわし、接触寸前の激しい首位争いを展開した。
 首位を逃げるジョーイ・ロガーノ(フォード)とハムリンのバトルはファイナルラップまで続き、サイド・バイ・サイドの2台は、チェッカー目前の最終コーナーで接触。これをかわしたKy.ブッシュがトップでチェッカーを受け、今季初優勝を飾った。トヨタは念願の"ホーム"フォンタナでのカップ・シリーズ初優勝。前日のネイションワイド・シリーズ戦に続き、この週末のフォンタナを完全制圧したKy.ブッシュは、シリーズランキング6位へと浮上した。

 次戦第6戦は4月7日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後は、フレッシュなタイヤの2台が速く、なんとか逆転のチャンスを伺い、彼らが激しいバトルの末に私の存在を忘れてくれることを願っていた。彼らがイン側で接触したとき、私はアウト側で既に彼らをかわしていたと思う。トヨタのホームであるカリフォルニアで勝つことが出来、最高の気分だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
2 15 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 200
3 6 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 200
7 5 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 200
18 7 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 200
25 1 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 199
28 25 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 198
31 32 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 193
32 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 193
33 28 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 192
34 33 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 188
35 13 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 184
37 9 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 179
43 41 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 44
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 199
2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 187
3 ジミー・ジョンソン シボレー 183
6 カイル・ブッシュ トヨタ 163
10 デニー・ハムリン トヨタ 145
11 マット・ケンゼス トヨタ 141
14 クリント・ボウヤー トヨタ 137
19 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 122
25 マーク・マーティン トヨタ 102
31 ボビー・ラボンテ トヨタ 82
32 デイビッド・ロイティマン トヨタ 74
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 63
36 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 57
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 23
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 36
2 トヨタ 34
3 フォード 25

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第5戦 Royal Purple 300

開催日:3月23日

"トヨタ カムリ"フォンタナ9連勝!
カイル・ブッシュが今季3勝目を挙げる

今季3勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#54)
今季3勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#54)

 3月23日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第5戦「Royal Purple 300」がオートクラブ・スピードウェイで開催された。
 同シリーズのフォンタナ戦では"トヨタ カムリ"が圧倒的な強さを見せており、2008年以来(当時は年間2戦、2011年より年間1戦)、8戦全てで勝利を飾っている。

 22日(金)の練習走行を経て、23日(土)決勝を前に午前10時35分から予選開始。カイル・ブッシュが今季2度目のポールポジションを獲得。エリオット・サドラーが2番手、ブライアン・ヴィッカーズが3番手と、"トヨタ カムリ"が予選トップ3を独占。6番手にアレックス・ボウマン、8番手にパーカー・クリガーマンと続き、14台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後2時19分、2マイルオーバルを150周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 最前列2番手グリッドのサドラーが好スタートを決め、Ky.ブッシュ、ヴィッカーズが追う展開。8番手スタートのクリガーマンも好ダッシュを決め5位に浮上。一旦は後続を引き離したサドラーだったが、電装系のトラブルに見舞われ4位に後退。18周目にKy.ブッシュが首位に立った。
 1回目のイエローコーション時のピットでも首位を守ったKy.ブッシュであったが、その後はシリーズポイントリーダーのサム・ホーニッシュ・Jr.(フォード)と激しく順位を入れ替えながらの首位争いを展開。
 一方で、トップ5圏内をキープしていたヴィッカーズは53周目にトラブルに見舞われ戦列を去ることとなってしまった。
 110周目に周回遅れのジェイソン・ホワイトがスピン。イエローコーションが出されると一台を除く全車がピットへ向かい、最後まで走りきるだけの燃料を給油。Ky.ブッシュは3位で再スタートを切った。
 じりじりと前走車との差を詰め、再び首位争いを繰り広げたKy.ブッシュは、125周目にホーニッシュ・Jr.をかわし、この日7度目の首位浮上。その後方では、カイル・ブッシュ・モータースポーツから今季ネイションワイド・シリーズにステップアップしたクリガーマンが3位と好位置でのバトルを展開した。
 首位に立ったKy.ブッシュは、終盤後続を引き離し、トップでチェッカー。今季3勝目を挙げ、自身の持つネイションワイド・シリーズ通算勝利記録を54へと伸ばした。また、この勝利により、トヨタとジョー・ギブズ・レーシングはフォンタナでのネイションワイド・シリーズ戦9連勝。
 クリガーマンは自身キャリア最高位となる4位でフィニッシュ。サドラーが7位に入り、それぞれランキングで8位、9位へと順位を上げた。

 次戦第6戦は4月12日(金)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「コースに着くまで、連勝記録のことは知らなかった。レースが始まってから、連勝記録が維持できればと考えるようになった。我々も良い走りが出来たし、チームは3台の速い"トヨタ カムリ"を持っていた。20号車(ブライアン・ヴィッカーズ)は序盤私のすぐ後にいたし、11号車(エリオット・サドラー)もスタートしてすぐに私をパスしていき、彼は本当に速かった。しかしその後は12号車(サム・ホーニッシュ・Jr.)が非常に強く、彼と戦うことになった。ジョー・ギブズ・レーシングとトヨタと共に、9連勝を飾れたことは本当に素晴らしい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 150
2 7 12 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 150
3 16 7 リーガン・スミス シボレー 150
4 8 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 150
7 2 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 150
12 6 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 150
14 22 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 150
18 10 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 150
24 34 44 ハル・マーティン トヨタ カムリ 148
27 37 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 147
32 33 24 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 130
33 35 0 ジェイソン・ホワイト トヨタ カムリ 107
34 3 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 53
36 30 27 マイケル・マクドウェル トヨタ カムリ 19
37 20 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 18
40 32 52 ジョーイ・ゲイス トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 210
2 リーガン・スミス シボレー 182
3 ブライアン・スコット シボレー 179
8 パーカー・クリガーマン トヨタ 154
9 エリオット・サドラー トヨタ 154
10 アレックス・ボウマン トヨタ 152
11 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 147
13 マイク・ブリス トヨタ 136
16 ジョー・ネメチェク トヨタ 102
17 エリック・マクルーア トヨタ 96
18 ハル・マーティン トヨタ 90
19 ブレイク・コッホ トヨタ 88
23 ジェイソン・ホワイト トヨタ 76
35 ジェフ・グリーン トヨタ 31
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 37
2 フォード 31
3 シボレー 27
4 ダッジ 3