NASCAR SPRINT CUP SERIES
第6戦 STP GAS BOOSTER 500
開催日:4月7日
クラッシュをはねのけクリント・ボウヤーが2位
クラッシュに巻き込まれながらも2位フィニッシュを果たしたクリント・ボウヤー(#15)
4月7日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第6戦「STP GAS BOOSTER 500」が開催された。
先週末はイースターの週末だったためNASCARのレースは行われず、2週間ぶりの開催となる。マーティンズビルは1周0.526マイル(約850m)と、同シリーズが開催されるコースでは最短。その形状から"ペーパークリップ"の愛称を持ち、毎周スロットル全開とフルブレーキングが繰り返されるタフなサーキットである。
このコースは地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが過去4勝と得意にしているが、ハムリンは前戦ファイナルラップのクラッシュにより背骨を痛め、休養。11号車は今大会、かわりにマーク・マーティンがドライブすることとなった。
5日(金)正午からの練習走行に続き、午後3時40分から予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが3番手、マット・ケンゼスが8番手、カイル・ブッシュが11番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が12番手、クリント・ボウヤーが15番手グリッドを確保。急遽異なるチームからの出走となったマーティンは、35番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
7日(日)好天の下、午後1時17分に0.526マイルショートオーバルを500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタート。
序盤はヴィッカーズ、ケンゼスに順位を上げたKy.ブッシュが加わり、3台はトップ5圏内で上位争いを展開。89周目にはKy.ブッシュが首位に立った。
180周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタート時、密集状態で多重クラッシュが発生。6位につけていたボウヤーに、チームメイトのトゥルークス・Jr.が追突し、トゥルークス・Jr.の車両は前部を大きく破損し、ガレージでの修復を余儀なくされてしまった。
同じくこの多重クラッシュで車両にダメージを負ったヴィッカーズとボウヤーは、共にピットでの修復を繰り返したが、クルーの懸命な作業で首位と同一周回には留まり、それぞれ19位、20位でレースに復帰。
ケンゼスとKy.ブッシュが順位を入れ替えながら首位争いを繰り広げる一方で、ヴィッカーズとボウヤーは着実に順位を挽回。320周目にはトップ10圏内まで浮上した。
残り140周を切った362周目にこの日9度目のイエローコーション。再スタート後はなかなかイエローコーションが出ない展開となり、ぎりぎり最後まで燃料は持つ計算ながら、タイヤの摩耗が厳しいこのコースで、各車ピットストップのタイミングをにらむ状況となった。
449周目、9位につけていたヴィッカーズが左リアタイヤのバーストに見舞われスピン。イエローコーションとなり、ヴィッカーズは周回遅れの24位に後退。しかし、すぐに周回遅れの最上位へと順位を上げたヴィッカーズは、残り30周で出されたイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"を獲得。首位と同一周回に復帰。
一方でボウヤーは、車両右前部をテープで修復した状態ながら見事な走りを見せ、ケンゼスとKy.ブッシュもかわして2位に浮上。
486周目、エンジンから出火した車両によりレースは6分ほどにわたって赤旗中断。この再開時のイエローコーションで、ボウヤー、Ky.ブッシュを含む上位5台はコース上に残ったが、ケンゼスらがピットへ向かい、タイヤを4本交換して逆転を狙う作戦に出た。
ボウヤーが2位、Ky.ブッシュが4位、マーティンが10位、ヴィッカーズが14位、ピットインしたケンゼスは15位で、残り8周で再スタート。
ボウヤーは懸命に首位を追ったが届かず、そのまま2位でフィニッシュ。Ky.ブッシュは5位に入り4戦連続のトップ5フィニッシュ。ピンチヒッターのマーティンは10位、ヴィッカーズが11位。ケンゼスはポジションアップならず14位でチェッカーを受けた。
今大会の結果、ドライバーズランキングではKy.ブッシュが2つ順位を上げ4位に。ボウヤーとケンゼスもトップ10へと浮上した。
次戦第7戦は4月13日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー クリント・ボウヤー:
「我々の"トヨタ カムリ"は週末を通して非常に速く、グランドファーザー・クロック(『大きな古時計』の歌に出てくるようなマーティンズビル独特の優勝トロフィー)を持ち帰ることが出来ると思っていた。クラッシュから復帰し2位でフィニッシュ出来たというのは悪くない結果だが、悔しいのも確かだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 500 | ||
2 | 15 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 500 | ||
3 | 6 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 500 | ||
5 | 11 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 500 | ||
10 | 35 | 11 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 500 | ||
11 | 3 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 500 | ||
14 | 8 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 500 | ||
21 | 31 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 500 | ||
34 | 43 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 491 | ||
36 | 24 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 485 | ||
38 | 40 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 457 | ||
39 | 25 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 436 | ||
40 | 12 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 385 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第2戦 Kroger 250
開催日:4月6日
ジョニー・ソーターが開幕2連勝!
"トヨタ タンドラ"2戦連続1-2フィニッシュ
大逆転で開幕2連勝を飾ったジョニー・ソーター
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第2戦「Kroger 250」が4月6日(土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。
同シリーズは開幕戦のデイトナ以来、1ヶ月以上のインターバルをおいて第2戦目の開催。今大会はカップ・シリーズ戦との併催ながら、カップ・ドライバーはあまり出場せず、主にシリーズのレギュラーと若手ドライバーにより争われた。中でも、カイル・ブッシュ・モータースポーツから"トヨタ タンドラ"でシリーズデビューすることとなったエリック・ジョーンズは16歳。同シリーズでは、2001年終盤に18歳以下の出場が制限されたが、その規則が改正され、1.1マイル以下のオーバルコースに限って16歳から出場が可能になった。2001年、規則変更の直前まで出場していた16歳のドライバーはKy.ブッシュ。以来12年ぶりとなる16歳のドライバー出場に注目が集まった。
5日(金)朝9時から2度にわたる練習走行を経て、午後5時から予選開始。19歳ルーキーのダレル・ウォレス・Jr.が2番手、地元バージニア州出身のティモシー・ペターズが3番手、ジョニー・ソーターが4番手、ジャーマン・キロガが5番手、マット・クラフトンが7番手につけ、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
6日(土)午後1時47分、0.526マイルショートオーバルを250周(131.5マイル:約210km)して競われる決勝レースがスタート。前半戦はペターズ、ソーターらが上位争いを展開した。
レースが動いたのは143周目、この日7度目のイエローコーションが出されると、残り100周あまりとなったこのコーションで作戦が分かれた。ここでピットインすれば、燃料は最後まで持つもののタイヤに厳しい残り周回数。コースに残る車両とピットインする車両とで、大きく順位が入れ替わった。
コース上に残ったボダインが3位、D.ウォレス・Jr.4位、ジョーンズが5位と上位に浮上。一方でピットに入ったペターズは14位、クラフトン17位、ソーター19位で再スタート。160周目にはD.ウォレス・Jr.が首位を奪取した。
その後はイエローコーションが連発する展開となったが、ペターズとソーター、クラフトンは次々に前走車をパスし、ポジションアップ。D.ウォレス・Jr.と共に上位グループを形成した。
226周目、7位走行中のボダインが後続から追突されスピン。この日11回目のイエローコーションとなり、ついに2位に浮上したソーターにD.ウォレス・Jr.、ペターズ、クラフトンが続き、残り17周で再スタートが切られた。
アウト側から見事なダッシュを見せたソーターがこの日初めて首位を奪うと、チームメイトのクラフトンも見事な走りでポジションを上げていき、残り5周で2位へ。そのままソーターとクラフトンが1−2でチェッカーを受け、ソーターは開幕戦に続き2連勝を飾った。
クラフトンが2位、地元ペターズが4位、ルーキーのD.ウォレス・Jr.が5位で続き、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ5フィニッシュを果たした。注目の16歳ルーキー、ジョーンズは9位でチェッカーを受け、デビュー戦で見事トップ10フィニッシュを果たした。
ソーターが達成した開幕2連勝は、2006年のマーク・マーティン(当時フォード)以来、シリーズ2人目の記録となる。
次戦第3戦は4月14日(日)に米国東南部ノースカロライナ州のロッキンガム・スピードウェイで開催される。
ドライバー ジョニー・ソーター:
「これまでここマーティンズビルで戦ってきた経験以上に、タイヤマネージメントが重要になるということが、金曜日の練習走行の時点で分かっていた。レースの前半は80%の力で、コース上の順位を大きく落とさないようにしながら、できるだけ速く走るよう心がけた。セーブしながら後続を抑えるのは本当に大変だった。残り45周か50周を切ったところでスパートをかけ、ライバルをパスしていった。長い一日だったが、今の気分は最高だ。2連勝出来たなんて信じられない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 4 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 250 | ||
2 | 7 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 250 | ||
3 | 1 | 4 | ジェブ・バートン | シボレー | 250 | ||
4 | 3 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 250 | ||
5 | 2 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 250 | ||
9 | 19 | 51 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 250 | ||
11 | 23 | 13 | トッド・ボダイン | トヨタ タンドラ | 250 | ||
13 | 22 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 250 | ||
15 | 15 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ タンドラ | 250 | ||
26 | 32 | 93 | ケニー・ハブル | トヨタ タンドラ | 245 | ||
27 | 31 | 7 | グラント・ギャロウェイ | トヨタ タンドラ | 243 | ||
29 | 5 | 77 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 241 | ||
32 | 17 | 7 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 205 | ||
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