2013年4月 8日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第6戦 STP GAS BOOSTER 500

開催日:4月7日

クラッシュをはねのけクリント・ボウヤーが2位

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クラッシュに巻き込まれながらも2位フィニッシュを果たしたクリント・ボウヤー(#15)

 4月7日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第6戦「STP GAS BOOSTER 500」が開催された。
 先週末はイースターの週末だったためNASCARのレースは行われず、2週間ぶりの開催となる。マーティンズビルは1周0.526マイル(約850m)と、同シリーズが開催されるコースでは最短。その形状から"ペーパークリップ"の愛称を持ち、毎周スロットル全開とフルブレーキングが繰り返されるタフなサーキットである。
 このコースは地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが過去4勝と得意にしているが、ハムリンは前戦ファイナルラップのクラッシュにより背骨を痛め、休養。11号車は今大会、かわりにマーク・マーティンがドライブすることとなった。

 5日(金)正午からの練習走行に続き、午後3時40分から予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが3番手、マット・ケンゼスが8番手、カイル・ブッシュが11番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が12番手、クリント・ボウヤーが15番手グリッドを確保。急遽異なるチームからの出走となったマーティンは、35番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 7日(日)好天の下、午後1時17分に0.526マイルショートオーバルを500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタート。
 序盤はヴィッカーズ、ケンゼスに順位を上げたKy.ブッシュが加わり、3台はトップ5圏内で上位争いを展開。89周目にはKy.ブッシュが首位に立った。
 180周目、この日3度目のイエローコーションからの再スタート時、密集状態で多重クラッシュが発生。6位につけていたボウヤーに、チームメイトのトゥルークス・Jr.が追突し、トゥルークス・Jr.の車両は前部を大きく破損し、ガレージでの修復を余儀なくされてしまった。
 同じくこの多重クラッシュで車両にダメージを負ったヴィッカーズとボウヤーは、共にピットでの修復を繰り返したが、クルーの懸命な作業で首位と同一周回には留まり、それぞれ19位、20位でレースに復帰。
 ケンゼスとKy.ブッシュが順位を入れ替えながら首位争いを繰り広げる一方で、ヴィッカーズとボウヤーは着実に順位を挽回。320周目にはトップ10圏内まで浮上した。
 残り140周を切った362周目にこの日9度目のイエローコーション。再スタート後はなかなかイエローコーションが出ない展開となり、ぎりぎり最後まで燃料は持つ計算ながら、タイヤの摩耗が厳しいこのコースで、各車ピットストップのタイミングをにらむ状況となった。
 449周目、9位につけていたヴィッカーズが左リアタイヤのバーストに見舞われスピン。イエローコーションとなり、ヴィッカーズは周回遅れの24位に後退。しかし、すぐに周回遅れの最上位へと順位を上げたヴィッカーズは、残り30周で出されたイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"を獲得。首位と同一周回に復帰。
 一方でボウヤーは、車両右前部をテープで修復した状態ながら見事な走りを見せ、ケンゼスとKy.ブッシュもかわして2位に浮上。
 486周目、エンジンから出火した車両によりレースは6分ほどにわたって赤旗中断。この再開時のイエローコーションで、ボウヤー、Ky.ブッシュを含む上位5台はコース上に残ったが、ケンゼスらがピットへ向かい、タイヤを4本交換して逆転を狙う作戦に出た。
 ボウヤーが2位、Ky.ブッシュが4位、マーティンが10位、ヴィッカーズが14位、ピットインしたケンゼスは15位で、残り8周で再スタート。
 ボウヤーは懸命に首位を追ったが届かず、そのまま2位でフィニッシュ。Ky.ブッシュは5位に入り4戦連続のトップ5フィニッシュ。ピンチヒッターのマーティンは10位、ヴィッカーズが11位。ケンゼスはポジションアップならず14位でチェッカーを受けた。
 今大会の結果、ドライバーズランキングではKy.ブッシュが2つ順位を上げ4位に。ボウヤーとケンゼスもトップ10へと浮上した。

 次戦第7戦は4月13日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー クリント・ボウヤー:
「我々の"トヨタ カムリ"は週末を通して非常に速く、グランドファーザー・クロック(『大きな古時計』の歌に出てくるようなマーティンズビル独特の優勝トロフィー)を持ち帰ることが出来ると思っていた。クラッシュから復帰し2位でフィニッシュ出来たというのは悪くない結果だが、悔しいのも確かだ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 48 ジミー・ジョンソン シボレー 500
2 15 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 500
3 6 24 ジェフ・ゴードン シボレー 500
5 11 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 500
10 35 11 マーク・マーティン トヨタ カムリ 500
11 3 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 500
14 8 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 500
21 31 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 500
34 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 491
36 24 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 485
38 40 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 457
39 25 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 436
40 12 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 385
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 231
2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 225
3 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 219
4 カイル・ブッシュ トヨタ 203
8 クリント・ボウヤー トヨタ 179
10 マット・ケンゼス トヨタ 172
18 デニー・ハムリン トヨタ 145
21 マーク・マーティン トヨタ 136
25 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 126
28 ボビー・ラボンテ トヨタ 105
33 デイビッド・ロイティマン トヨタ 80
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 71
36 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 63
42 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 23
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 45
2 トヨタ 40
3 フォード 29

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第2戦 Kroger 250

開催日:4月6日

ジョニー・ソーターが開幕2連勝!
"トヨタ タンドラ"2戦連続1-2フィニッシュ

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大逆転で開幕2連勝を飾ったジョニー・ソーター

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第2戦「Kroger 250」が4月6日(土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。
 同シリーズは開幕戦のデイトナ以来、1ヶ月以上のインターバルをおいて第2戦目の開催。今大会はカップ・シリーズ戦との併催ながら、カップ・ドライバーはあまり出場せず、主にシリーズのレギュラーと若手ドライバーにより争われた。中でも、カイル・ブッシュ・モータースポーツから"トヨタ タンドラ"でシリーズデビューすることとなったエリック・ジョーンズは16歳。同シリーズでは、2001年終盤に18歳以下の出場が制限されたが、その規則が改正され、1.1マイル以下のオーバルコースに限って16歳から出場が可能になった。2001年、規則変更の直前まで出場していた16歳のドライバーはKy.ブッシュ。以来12年ぶりとなる16歳のドライバー出場に注目が集まった。

 5日(金)朝9時から2度にわたる練習走行を経て、午後5時から予選開始。19歳ルーキーのダレル・ウォレス・Jr.が2番手、地元バージニア州出身のティモシー・ペターズが3番手、ジョニー・ソーターが4番手、ジャーマン・キロガが5番手、マット・クラフトンが7番手につけ、12台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 6日(土)午後1時47分、0.526マイルショートオーバルを250周(131.5マイル:約210km)して競われる決勝レースがスタート。前半戦はペターズ、ソーターらが上位争いを展開した。
 レースが動いたのは143周目、この日7度目のイエローコーションが出されると、残り100周あまりとなったこのコーションで作戦が分かれた。ここでピットインすれば、燃料は最後まで持つもののタイヤに厳しい残り周回数。コースに残る車両とピットインする車両とで、大きく順位が入れ替わった。
 コース上に残ったボダインが3位、D.ウォレス・Jr.4位、ジョーンズが5位と上位に浮上。一方でピットに入ったペターズは14位、クラフトン17位、ソーター19位で再スタート。160周目にはD.ウォレス・Jr.が首位を奪取した。
 その後はイエローコーションが連発する展開となったが、ペターズとソーター、クラフトンは次々に前走車をパスし、ポジションアップ。D.ウォレス・Jr.と共に上位グループを形成した。
 226周目、7位走行中のボダインが後続から追突されスピン。この日11回目のイエローコーションとなり、ついに2位に浮上したソーターにD.ウォレス・Jr.、ペターズ、クラフトンが続き、残り17周で再スタートが切られた。
 アウト側から見事なダッシュを見せたソーターがこの日初めて首位を奪うと、チームメイトのクラフトンも見事な走りでポジションを上げていき、残り5周で2位へ。そのままソーターとクラフトンが1−2でチェッカーを受け、ソーターは開幕戦に続き2連勝を飾った。
 クラフトンが2位、地元ペターズが4位、ルーキーのD.ウォレス・Jr.が5位で続き、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ5フィニッシュを果たした。注目の16歳ルーキー、ジョーンズは9位でチェッカーを受け、デビュー戦で見事トップ10フィニッシュを果たした。
 ソーターが達成した開幕2連勝は、2006年のマーク・マーティン(当時フォード)以来、シリーズ2人目の記録となる。

 次戦第3戦は4月14日(日)に米国東南部ノースカロライナ州のロッキンガム・スピードウェイで開催される。

ドライバー ジョニー・ソーター:
「これまでここマーティンズビルで戦ってきた経験以上に、タイヤマネージメントが重要になるということが、金曜日の練習走行の時点で分かっていた。レースの前半は80%の力で、コース上の順位を大きく落とさないようにしながら、できるだけ速く走るよう心がけた。セーブしながら後続を抑えるのは本当に大変だった。残り45周か50周を切ったところでスパートをかけ、ライバルをパスしていった。長い一日だったが、今の気分は最高だ。2連勝出来たなんて信じられない」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 250
2 7 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 250
3 1 4 ジェブ・バートン シボレー 250
4 3 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 250
5 2 54 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ タンドラ 250
9 19 51 エリック・ジョーンズ トヨタ タンドラ 250
11 23 13 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 250
13 22 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 250
15 15 18 ジョーイ・コールター トヨタ タンドラ 250
26 32 93 ケニー・ハブル トヨタ タンドラ 245
27 31 7 グラント・ギャロウェイ トヨタ タンドラ 243
29 5 77 ジャーマン・キロガ トヨタ タンドラ 241
32 17 7 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 205
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョニー・ソーター トヨタ 94
2 ジェブ・バートン シボレー 82
3 マット・クラフトン トヨタ 77
5 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 72
7 トッド・ボダイン トヨタ 67
13 ティモシー・ペターズ トヨタ 58
15 ジョーイ・コールター トヨタ 51
18 デイビッド・スター トヨタ 44
23 エリック・ジョーンズ トヨタ 35
24 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 35
26 ジャーマン・キロガ トヨタ 34
27 クリス・クックラム トヨタ 29
35 グラント・ギャロウェイ トヨタ 17
39 クリス・フォンテイン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 18
2 シボレー 12
3 フォード 8
4 RAM 6