2013年5月13日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第11戦 Bojangles' Southern 500

開催日:5月11日

"トヨタ カムリ"両レース1-2でダーリントン完全勝利
マット・ケンゼスが今季3勝目
復帰戦のデニー・ハムリンが2位

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今季3勝目を挙げたマット・ケンゼス

 5月11日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第11戦「Bojangles' Southern 500」が開催された。
 1周1.366マイルのダーリントンは、60年以上の歴史を持つ伝統のコース。ターン1−2とターン3−4の曲率が異なり、バンク角もアウトに行くほど深くなるなど、難コースとして知られる。壁との接触が多く、コースのアウト側壁にはタイヤの擦った後が多く付き、車両についたキズと共に「ダーリントン・ストライプ」と称される。
 トヨタ勢では2008年にカイル・ブッシュ、2010年にデニー・ハムリンが勝利。そのハムリンは、今レースよりフルレースでの復帰を果たす。

 10日(金)練習走行に続き午後5時10分より予選が行われ、カイル・ブッシュが3番手、マーティン・トゥルークス・Jr.が5番手、本格復帰戦となったハムリンが6番手、マット・ケンゼスが7番手に続き、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 11日(土)翌日が母の日ということもあり、恒例のドライバーの母親達によるコールでエンジンに火が入れられ、午後7時5分、1.366マイルオーバルを367周(501.322マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。3番手スタートのKy.ブッシュはすぐに2位にポジションを上げ、首位を行く実兄のカート・ブッシュ(シボレー)と首位争いを展開。
 前半戦はイエローコーションが出ず、50周目過ぎからの初のピット作業はグリーン下となった。
 2位につけていたKy.ブッシュは、ピット作業後ハイペースで差を詰めていき、73周目に首位を奪取すると、その後は圧倒的な速さでレースを支配、それをチームメイトのマット・ケンゼスが追う展開となった。125周目のこの日初のイエローコーション時には、復帰戦のハムリンが、他がタイヤを4本交換するところ、タイヤ2本交換作戦に出て一気に2位へとポジションアップ。
 その後は300周を過ぎるまでイエローコーションが出ず、一時は首位と同一周回の車両がわずか9台という状況となったが、303周目にようやくこの日2度目のイエローコーション。Ky.ブッシュを含む3台の首位グループが、後続を10秒以上引き離していたが、その差は帳消しに。このピット作業では、それまで4位を走行していたケンゼスが2位へとポジションを上げた。
 329周目、デイビッド・ロイティマンが突然スピンした他車を避けられず接触、イエローコーション。上位勢は全車残り30周あまりの最後の戦いへ向けピットへ向かい、このピット作業でハムリンが3位に浮上。首位Ky.ブッシュ、4位ケンゼスと共に、トップ4台のうち3台を"トヨタ カムリ"を占め、残り35周で再スタート。
 この再スタート直後は、Ky.ブッシュと最前列で並んだケイシー・ケイン(シボレー)がサイド・バイ・サイドでの激しい首位争いを展開。抜きつ抜かれつの激しいバトルの末に、ケインが壁にヒット。再びイエローコーション。
 これで、Ky.ブッシュ、ケンゼス、ハムリンと"トヨタ カムリ"がトップ3を占めて残り30周での再スタートとなった。
 この日素晴らしい速さを見せてレースを支配していたKy.ブッシュが得意の再スタートを決め、首位をキープしたが、残り16周を切ったあたりから若干ペースが落ち、一気に差を詰めたケンゼスが、残り13周でKy.ブッシュをパス。
 右リアタイヤのパンクに見舞われていたKy.ブッシュは、後続の猛追を抑えることができず、無念のポジションダウン。
 最後はKy.ブッシュをかわしたケンゼスとハムリンが逃げ切り、1-2フィニッシュ。ケンゼスは今季3勝目で、ランキングも3位に浮上。前日のネイションワイド・シリーズに続き、トヨタはこの週末のダーリントン戦を、2レース共に1−2フィニッシュという強さで制することとなった。全367周中265周にわたって首位を走行したKy.ブッシュは6位でチェッカーを受けた。

 来週末は米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでオールスターレースが行われ、シリーズ戦は同じシャーロットで、次戦第12戦が5月26日(日)に行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「このレースで勝つのが夢だった。私のキャリアの中でも、この勝利は格別だ。当初はオーバーステア症状が厳しく、せいぜい5番目か6番目程度の速さだったのだが、最後の2回の調整が非常に効を奏し、カイル(ブッシュ)と戦うことが出来た。彼とデニー(ハムリン)は素晴らしいチームメイトで、我がチームは良いコンビネーションで戦えている」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 7 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 367
2 6 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 367
3 8 24 ジェフ・ゴードン シボレー 367
6 3 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 367
11 13 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 367
12 5 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 367
23 28 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 364
25 22 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 363
26 23 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 363
31 43 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 359
36 33 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 327
40 39 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 230
43 38 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 18
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 423
2 カール・エドワーズ フォード 379
3 マット・ケンゼス トヨタ 364
5 クリント・ボウヤー トヨタ 349
8 カイル・ブッシュ トヨタ 325
14 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 301
24 マーク・マーティン トヨタ 226
27 デニー・ハムリン トヨタ 197
29 ボビー・ラボンテ トヨタ 195
33 デイビッド・ストレミー トヨタ 150
34 デイビッド・ロイティマン トヨタ 149
36 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 127
40 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 63
45 ブライアン・ケゼロウスキー トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 74
2 トヨタ 72
3 フォード 56

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第9戦 VFW Sport Clips Help a Hero 200

開催日:5月10日

"トヨタ カムリ"1-2-3-5フィニッシュ!
カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィンで今季5勝目

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ポール・トゥ・ウィンで今季5勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#54)

 5月10日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第9戦「VFW Sport Clips Help a Hero 200」がダーリントン・レースウェイで開催された。
 ダーリントンでの同シリーズ戦は、2008年以来、トヨタが5年で4勝、過去3年連続勝利と圧倒的な強さを見せている。

 10日(金)午前中の練習走行を経て、午後3時35分から予選が行われ、カイル・ブッシュが今季3度目のポールポジションを獲得。エリオット・サドラーが2番手、マット・ケンゼスが3番手、ブライアン・ヴィッカーズが4番手と、"トヨタ カムリ"勢がトップ4グリッドを占め、16台が決勝へと進んだ。

 予選に続き、午後7時47分、1.366マイルオーバルを147周(200.8マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュが首位をキープし、サドラー、ケンゼス、ヴィッカーズが上位を固めてのレースが展開された。
 51周目、2位走行中のサドラーが単独スピン。かろうじてどこにも接触せずにコースに戻ったが、イエローコーションとなり、全車ピットへ。このピット作業で、Ky.ブッシュがタイムをロスし、6位に後退。サドラーも11位へと順位を落としてしまった。
 再スタートでは2位につけていたケンゼスが首位を奪ったが、この日速さを見せたKy.ブッシュはすぐに順位を取り戻し、81周目に首位復帰。ケンゼス、ヴィッカーズと共に再び"トヨタ カムリ"勢が1−2−3体制となった。
 一度のグリーンフラッグストップを経て、120周目にこの日4度目のイエローコーション。ほぼ全車が残り20周あまりのためにピットへ向かったが、2台がコース上に残ったため、サドラーが3位、Ky.ブッシュが4位、ケンゼスが5位、ヴィッカーズが6位で再スタート。
 一旦首位を明け渡した"トヨタ カムリ"勢だったが、交換したタイヤの優位性とその速さを活かし、まもなく首位を奪還。最後は、Ky.ブッシュ、サドラー、ヴィッカーズがトップ3を占めてチェッカー。ケンゼスも5位に入り、"トヨタ カムリ"は1−2−3−5フィニッシュを果たした。
 Ky.ブッシュは今季シリーズ5勝目。同一チームの4台がトップ5フィニッシュを果たすのはシリーズ初めて。トヨタはダーリントンのネイションワイド・シリーズ戦で4年連続勝利を挙げることとなった。

 次戦第10戦は5月25日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「レースの序盤から中盤にかけてはオーバーステア症状が厳しく、多くの調整を必要としたが、クルーによる多くの調整が効を奏し、後半はレースを楽しむことが出来た。支えてくれたチームやトヨタ、ファンに感謝したい。素晴らしい夜だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 147
2 2 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 147
3 4 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 147
5 3 18 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 147
15 12 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 147
17 13 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 147
19 19 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 146
22 24 0 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 146
24 28 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 146
26 37 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 144
29 34 44 ハル・マーティン トヨタ カムリ 143
33 39 70 トニー・レインズ トヨタ カムリ 139
35 40 52 ケヴィン・リペイジ トヨタ カムリ 27
36 36 24 ブライアン・サイラス トヨタ カムリ 21
37 31 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 16
40 29 17 ターナー・ベリーヒル トヨタ カムリ 3
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リーガン・スミス シボレー 342
2 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 314
3 エリオット・サドラー トヨタ 300
5 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 293
7 パーカー・クリガーマン トヨタ 287
9 アレックス・ボウマン トヨタ 258
11 マイク・ブリス トヨタ 246
16 ジョー・ネメチェク トヨタ 175
17 エリック・マクルーア トヨタ 167
19 ブレイク・コッホ トヨタ 161
21 ハル・マーティン トヨタ 142
27 ジェイソン・ホワイト トヨタ 112
35 ジェフ・グリーン トヨタ 50
49 トニー・レインズ トヨタ 12
53 ケニー・ウォレス トヨタ 8
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 63
2 フォード 58
3 シボレー 50
4 ダッジ 6