2013年5月19日(日)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
Sprint Showdown & NASCAR Sprint All-Star Race

開催日:5月18日

5台の"トヨタ カムリ"がオールスター戦出場
2セグメント制覇のカイル・ブッシュが惜しくも3位

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序盤首位を争ったカイル・ブッシュ(#18)とクリント・ボウヤー(#15)

 5月18日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARのオールスター戦、「NASCAR Sprint All-Star Race」と、その出場権をかけたレース「Sprint Showdown」が開催された。
 オールスター戦はシリーズポイントのかからないエギジビションレースだが、優勝者には百万ドル(約1億円)の賞金がかけられている大イベント。
 オールスター戦への出場権は、今季及び昨年のシリーズ戦での優勝ドライバー及び過去10年のシリーズチャンピオン、過去10年のオールスター戦勝者となっており、トヨタ勢ではカイル・ブッシュ、マット・ケンゼス、デニー・ハムリンとクリント・ボウヤー、マーク・マーティンの5名がこれに該当。
 加えて、オールスター戦の前に開催されるショーダウンでトップ2フィニッシュを果たしたドライバーと、ファンからの投票で選ばれたドライバー1人が出場する。

 17日(金)に各レースの予選が行われ、ショーダウンではマーティン・トゥルークス・Jr.がポールポジションを獲得。トゥルークス・Jr.は2010年のショーダウンを制し、オールスター戦でも2位入賞を果たしている。
 オールスターの予選は、通常のタイムアタックとは異なり、3周のラップタイムとピットでのタイヤ4本交換のタイムも加える形でグリッドが決定され、Ky.ブッシュが4番手、ボウヤーが6番手、ハムリンが7番手、マーティンが8番手につけた。

 18日(土)は降雨に見舞われたが、レース開始時刻には止み、ジェットドライヤーカーで路面を乾燥させ、午後8時7分に1.5マイルオーバルを20周×2セグメントの形式の「Sprint Showdown」がスタートした。
 ポールポジションのトゥルークス・Jr.はスタートでライバルの先行を許したが2位をキープ。セグメント1を2位で終えたが、セグメント間のコーション中、ピットでタイヤを4本交換。ピットインしなかった車両と2本交換組の先行を許し、5位で再スタートとなった。
 タイヤ4本交換の優位性を活かし逆転を狙ったトゥルークス・Jr.だったが、激しく順位を入れ替える混戦の中で何度か壁にヒットするなど苦戦。一時はオールスター出場目前の3位までポジションを上げたがそれ以上のポジションアップは叶わず、5位でチェッカー。オールスター戦出場はならなかった。

 続いて行われた「NASCAR Sprint All-Star Race」は、セグメント1から4が20周ずつ、最後のセグメント5は10周で争われる。各セグメント間にはコーションラップが5周あり、ピットストップを行うか、コース上に残るかの戦略は自由。最後のセグメント5のみ、それまでの4つのセグメントでの順位を平均して順位を入れ替えてピットへ向かい、義務付けられたタイヤ4本交換を行った後、最後の10周に臨むこととなる。
 午後9時39分に1.5マイルオーバルをトータル90周(135マイル:約220km)で争われる「NASCAR Sprint All-Star Race」がスタート。3番手スタートのKy.ブッシュが2位に上がった8周目に、降雨のためにイエローコーション。その後雨は強くなり、レースは赤旗中断となった。
 まもなく雨は止み、コースを乾燥させ、40分ほどの中断の後、レースは再開。セグメント1は最後の5周での争いとなったが、Ky.ブッシュが2位、ボウヤーが3位、ハムリンが8位となった。
 セグメント1後のコーションでは、上位8台がコース上に残り、後続がピットへ。セグメント2は再スタート直後の3ワイドバトルから、ボウヤーとKy.ブッシュの首位争いとなり、ボウヤーが首位を奪ったが、25周目にマーティンが他車に接触されスピン。イエローコーションが出され、再スタートしてまもなくボウヤーをかわしたKy.ブッシュが首位に立ち、そのままセグメント2を制した。
 セグメント2後のコーションでは、ボウヤー、マーティンを含む3台がコースに残り、ボウヤー首位、マーティン3位、ピットイン組最上位のKy.ブッシュが4位で再スタート。
 マーティンは再スタート時にミスし大きくポジションダウン。ボウヤーは首位を守ったが、タイヤの新しいKy.ブッシュの追撃を凌ぎきれず、45周目にKy.ブッシュが首位に。その後はセグメント2同様にKy.ブッシュが逃げ切りセグメント3も制することとなった。
 セグメント3の後は全車ピットへ向かったが、ここでKy.ブッシュは痛恨のピット作業タイムロスで、逆に4位へとポジションを上げたハムリンに続く5位に後退。再スタートでもバランスを崩し、一時は8位まで順位を落としてしまった。
 その後追い上げ、Ky.ブッシュはセグメント4を4位でフィニッシュ。4セグメントでの平均順位では2位となり、順位を入れ替えて各車一斉に最後のピットへ。
 激しいピット争いを終えて、Ky.ブッシュは3位、ハムリンが7位、ケンゼスが10位、ボウヤーが11位で最後の10周スプリントへと臨んだ。
 再スタートで4位に落ちたKy.ブッシュは、3位を奪い返し、懸命に前を追ったが惜しくも届かず、3位でフィニッシュ。ハムリンが6位、ケンゼスが9位でレースを終えた。

 次戦第12戦は5月26日(日)、オールスター戦が行われたのと同じシャーロット・モーター・スピードウェイでシリーズ最長の600マイルレース「COCA-COLA 600」として行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々の"トヨタ カムリ"は驚くべき速さだった。恐らく今夜最速の一台で、レースの大半で上位を争い、2つのセグメントを制することが出来た。4セグメントでの平均でも、カート(ブッシュ:シボレー)に続く2位だった。しかし、不運にも最後のピット作業で、一つポジションを落とし、最前列からスタートできなかった。しかしこれもレースだ。最高の車両での勝利のチャンスを逃してしまったのは残念だが、来週の600マイルレースでも、この速さが維持できることを期待している」

リザルト

Sprint Showdown 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 1 ジェイミー・マクマーレイ シボレー 40
2 4 17 リッキー・ステンハウス・Jr. フォード 40
3 6 31 ジェフ・バートン シボレー 40
5 1 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 40
8 18 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 40
11 16 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 40
12 11 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 40
15 22 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 40
17 17 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 40
18 21 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 40
19 23 52 ブライアン・ケゼロウスキー トヨタ カムリ 36
NASCAR Sprint All-Star Race 決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 18 48 ジミー・ジョンソン シボレー 90
2 5 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 90
3 4 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 90
6 7 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 90
9 16 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 90
18 6 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 90
21 8 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 87

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第5戦 North Carolina Education Lottery 200

開催日:5月17日

カイル・ブッシュが2年ぶりのシリーズ勝利

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約2年ぶりのシリーズ勝利を挙げたカイル・ブッシュ(#51)

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第5戦「North Carolina Education Lottery 200」が5月17日(金)にシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。
 同シリーズ戦は前戦カンザスより約一月ぶりの開催。トヨタは今季ジョニー・ソーターが開幕2連勝を果たし、前戦第4戦でもマット・クラフトンが勝利を挙げるなど、これまで"トヨタ タンドラ"が開幕からの4戦中3勝という速さを見せている。

 16日(木)に2回と、17日(金)午前中の練習走行を経て、午後4時から予選が行われ、ティモシー・ペターズが3番手、カイル・ブッシュが4番手と2列目に並び、ジャーマン・キロガが10番手につけ、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き、午後8時20分、1.5マイルオーバルを134周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。4番手スタートのKy.ブッシュが4周目には首位を奪取した。
 17周目にこの日初めてのイエローコーションとなり、ピット作業でKy.ブッシュは2位に後退したものの、再スタート後まもなく発生したイエローコーションからの再スタート後は再び首位を奪い、グリーンピットを含む、50周以上に渡って首位を独走。一時は2位以下に4秒以上の大差をつけた。
 84周目、この日4度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ。ここでKy.ブッシュは給油機が外れていない状態でピットアウトし、ドライブスルーペナルティ。首位と同一周回最後尾の19位まで後退してしまった。
 しかし、再スタート後Ky.ブッシュは猛烈な追い上げを開始。僅か数周でトップ10圏内に復帰すると、109周目の再スタートでも得意のダッシュを決め、一気に2位へとジャンプアップを果たした。
 一方、シリーズ開幕2連勝を果たし、この日も後半になってトップ10圏内へとポジションを上げてきたソーターが、115周目に3ワイドでのバトルの中で接触し、ペースが落ちたところに後続が追突、壁に激しくクラッシュ。リタイアとなってしまった。
 このクラッシュのイエローコーションからの再スタートで、Ky.ブッシュが首位を奪ったが、その直後、3位争いを繰り広げていたチームメイトのダレル・ウォレス・Jr.がサイド・バイ・サイドのバトルで接触し、スピン。好走を見せていたウォレス・Jr.もここでレースを終えることとなった。
 最後は残り8周で再スタート。首位のKy.ブッシュは、追いすがる若手を振り切り、見事トップでチェッカー。昨年同シリーズには3戦しか出場しなかったため、2011年の9月以来となるトラック・シリーズでの勝利を挙げることとなった。
 中盤大きく順位を下げたクラフトンが終盤見事な追い上げを見せ、4位フィニッシュ。ジョン・ウェス・タウンリーが8位に入った。クラフトンはシリーズランキング首位の座をキープ。ソーターが6位、ウォレス・Jr.が10位につけている。

 次戦第6戦は5月31日(金)に米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「昨日のテストセッションの状態では、勝てるとは思っていなかった。しかし、いくつかの調整とテストを行い、クルーの懸命な努力のおかげで、我々の"トヨタ カムリ"は今朝には全く別物に仕上がっていた。彼らには本当に感謝している。我々はレースをリードしたが、給油のトラブルで後方からの追い上げを強いられた。その時点では逆転できるかわからなかったが、終盤のコーションが我々に味方した。レースを楽しみ、勝つことが出来て嬉しい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 134
2 23 62 ブレンダン・ゴーアン シボレー 134
3 21 8 マックス・グレシャム シボレー 134
4 14 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 134
8 18 7 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 134
17 32 13 トッド・ボダイン トヨタ タンドラ 134
23 30 81 デイビッド・スター トヨタ タンドラ 132
26 3 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 122
27 13 54 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ タンドラ 121
28 16 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 115
32 17 18 ジョーイ・コールター トヨタ タンドラ 90
35 10 77 ジャーマン・キロガ トヨタ タンドラ 9
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マット・クラフトン トヨタ 202
2 ジェブ・バートン シボレー 180
3 タイ・ディロン シボレー 175
6 ジョニー・ソーター トヨタ 165
10 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 144
11 ジョーイ・コールター トヨタ 137
15 トッド・ボダイン トヨタ 129
16 ティモシー・ペターズ トヨタ 128
18 デイビッド・スター トヨタ 120
19 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 116
20 ジャーマン・キロガ トヨタ 102
27 エリック・ジョーンズ トヨタ 70
41 グラント・ギャロウェイ トヨタ 17
45 タイラー・レディック トヨタ 14
47 クリス・フォンテイン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 40
2 シボレー 31
3 フォード 24
4 RAM 12