2013年5月28日(火)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第12戦 Coca-Cola 600

開催日:5月26日

デニー・ハムリンが復帰後2戦連続のトップ5フィニッシュ

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4位に入り2戦連続のトップ5フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)

 5月26日(日)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第12戦「Coca-Cola 600」が開催された。
 シャーロットはNASCARのチームや関連企業の多くが本拠地を構え、デイトナと共にNASCARの聖地と呼ばれる。今大会はNASCARのレースでは最長となる600マイル(約960km)で争われるロングレース。
 前日同じコースで行われたネイションワイド・シリーズ戦でカイル・ブッシュが勝利を挙げており、先週末のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ戦に続き、シャーロットでのNASCARトップ3シリーズ戦2連勝を飾った。また、Ky.ブッシュはスプリント・カップ・シリーズでもシャーロットの過去11戦中10戦でトップ8フィニッシュ(2位2回、3位4回)を果たすなど得意としているが、未勝利。シャーロットでのカップ初勝利と3シリーズ制覇に期待がかかった。

 23日(木)に練習走行に続き午後7時10分から予選が行われ、レース復帰からシリーズ戦2戦目となるデニー・ハムリンがコースレコードを更新する速さでポールポジションを獲得。ハムリンにとってシャーロットでのポールポジションは自身2度目。
 3番手にマット・ケンゼス、4番手にマーク・マーティン、5番手にクリント・ボウヤーとトップ5のうち4台を"トヨタ カムリ"が独占。Ky.ブッシュが8番手グリッドを確保し、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 26日(日)午後6時23分、1.5マイルオーバルを400周して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのハムリンが首位をキープしたが、3番手スタートから順位を上げたケンゼスが6周目にハムリンをパス。その後方にはボウヤー、マーティン、Ky.ブッシュらが続き、トヨタ勢はトップ7のうち5台を占める速さで序盤戦のバトルを繰り広げた。
 75周目、この日初めてのイエローコーションからの再スタートでKy.ブッシュが首位を奪取。快走するKy.ブッシュに、123周目、予期せぬトラブルが襲った。TV撮影で使われる、空中を移動する遠隔操作カメラ用のケーブルが切れて脱落。Ky.ブッシュとマーティンらがこのケーブルをひっかけ、車両にダメージを負ってしまった。
 このアクシデントにより、レースは30分程赤旗中断。Ky.ブッシュ、マーティン共にピットでの修復作業を行い、レース再開後、Ky.ブッシュは首位で再スタートを切った。
 178周目、この日2度目となったグリーン下でのピット作業を全車終えた時点で、ケンゼスがKy.ブッシュを逆転し首位に再浮上。ハムリンと共にトップ5圏内をキープしていたKy.ブッシュだったが、257周目に突然エンジントラブルに見舞われスローダウン。惜しくもレースを終えることとなってしまった。
 2位を走行していたケンゼスは、301周目にグリーンピットを行った直後にイエローコーションが出されるという不運で周回遅れに。グリーンピットを行っていなかったマーティン・トゥルークス・Jr.が3位、ハムリンが5位に浮上する一方で、ケンゼスとボウヤーはコーションで周回遅れからは復帰したものの13、14位へ後退。
 326周目、7台が絡む多重クラッシュが発生。マーティンとボビー・ラボンテが巻き込まれてしまった。このクラッシュによるコース清掃のために再び赤旗中断。9分あまりの中断の末にレースが再開された。
 再スタート後10位から順位を上げ、更にポジションアップを狙っていたケンゼスだったが、335周目、トゥルークス・Jr.とサイド・バイ・サイドで7位を争っていたジミー・ジョンソン(シボレー)がスピン。直後にいたケンゼスはこれを避けられず、後続からも追突され、壁にクラッシュ。修復のためのピット作業を余儀なくされ、大きく順位を落としてしまった。
 その後はハムリンとボウヤーがトップ10圏内をキープ。386周目に出されたこの日11度目のイエローコーションでの最後のピットで、ハムリンはピットクルーの素晴らしい作業に助けられ一気に4つ順位を上げると、そのまま4位でフィニッシュ。負傷欠場からの復帰戦となった前戦ダーリントン(2位)に続き、2戦連続でのトップ5フィニッシュを飾った。
 ボウヤーが8位、トゥルークス・Jr.が9位でトップ10フィニッシュを果たし、ランキングでもボウヤーは4位へ、トゥルークス・Jr.も9位と順位を上げた。

 次戦第13戦は6月2日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「一度も接触することなくレースを走り切れた。レース中トップ5争いからは離されてしまったが、ピットクルーの素晴らしい仕事のおかげで、ピットロードでもいくつか順位を上げられた。ポールポジションも獲得できたし、ダーリントンに続き着実なレースを戦えて良い気分だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 15 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 400
2 6 5 ケイシー・ケイン シボレー 400
3 2 78 カート・ブッシュ シボレー 400
4 1 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
8 5 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 400
9 17 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 400
15 3 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 398
21 38 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 396
24 34 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 394
32 39 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 326
34 4 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 324
38 8 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 257
40 28 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 253
41 41 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 213
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 445
2 カール・エドワーズ フォード 413
3 マット・ケンゼス トヨタ 394
4 クリント・ボウヤー トヨタ 385
9 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 336
11 カイル・ブッシュ トヨタ 332
24 デニー・ハムリン トヨタ 238
25 マーク・マーティン トヨタ 236
28 ボビー・ラボンテ トヨタ 215
33 デイビッド・ロイティマン トヨタ 172
34 デイビッド・ストレミー トヨタ 162
35 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 131
39 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 63
44 ブライアン・ケゼロウスキー トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 83
2 トヨタ 78
3 フォード 60

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第10戦 History 300

開催日:5月25日

カイル・ブッシュが記録更新の今季6勝目!

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今季6勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#54)

 5月25日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第10戦「History 300」がシャーロット・モーター・スピードウェイで開催された。

 22日(水)と23日(木)に練習走行が行われ、24日(金)は走行はなし。25日(土)午前11時5分から予選が行われた。今季これまでの8戦で5勝と強さを見せるカイル・ブッシュが最前列2番手グリッド。ブライアン・ヴィッカーズが3番手、パーカー・クリガーマンが5番手、ルーキータイトル争いを繰り広げているアレックス・ボウマンが8番手、マット・ケンゼスが9番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き、午後3時2分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 2番手スタートのKy.ブッシュは2周目には早くも首位を奪取。15周目には3番手スタートのヴィッカーズが2位に浮上し、"トヨタ カムリ"がトップ2を独占。Ky.ブッシュは快走を見せ、前半戦3度にわたるイエローコーション後も首位をキープした。
 140周目あたりから始まったグリーンピットを全車終えた時点では、2位に4秒近い差を付けていたKy.ブッシュだったが、その直後にイエローコーションが出されマージンは帳消しに。このコーションではほとんどの車両がコース上に残る一方で、4位につけていたヴィッカーズはピットへ向かい、15位まで後退。
 再スタート後、一旦は首位を明け渡したKy.ブッシュだったが、すぐに奪還し、再び独走。166周目と179周目、185周目と終盤クラッシュによるコーションが連発したが、順位を落とせないKy.ブッシュと、それを追うライバル勢はコース上に残り、古いタイヤのまま最後の13周でのバトルとなった。
 同じカップ・シリーズのトップドライバーであるケイシー・ケイン(シボレー)の猛追を受けたKy.ブッシュだったが逃げ切り、トップでチェッカー。全200周中186周で首位をキープする速さで、今季出走9戦で6勝目を挙げた。Ky.ブッシュは自身の持つシリーズ最多記録を伸ばす57勝目。また、ネイションワイド・シリーズでのシャーロットの勝利記録でも、マーク・マーティンが持つ最多記録を破る7勝目となった。
 マット・ケンゼスが8位、パーカー・クリガーマンが9位、ヴィッカーズは11位でフィニッシュ。ランキングでは今大会13位のサドラーが4位、ヴィッカーズが5位、クリガーマンが6位。ルーキーのアレックス・ボウマンは今大会20位に終わったがランキング10位につけている。

 次戦第11戦は6月1日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「この勝利は特別だ。多くの勝利を重ねてきたが、シャーロットは大好きなトラックの一つであり、ここで勝つのは特に嬉しい。我々の"トヨタ カムリ"は今シーズン本当に速く、これだけの結果が達成できるとは思っていなかった。自分がタイ記録を持っていたら、それを破ろうと望むものだが、その記録保持者がマーク・マーティンやジャック・イングラムといったこのスポーツでの偉大な先達であれば、その記録を破ることは特別だ。もちろんそれは決して簡単なことではない。しかし、我々の"トヨタ カムリ"は素晴らしい速さを持ち、良いポジションをキープできたし、今日の結果は本当に誇らしく思う」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
2 11 5 ケイシー・ケイン シボレー 200
3 6 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 200
8 9 18 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 200
9 5 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 200
11 3 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 200
13 20 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 200
19 15 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 200
20 8 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 200
23 36 44 ハル・マーティン トヨタ カムリ 197
29 27 29 ケニー・ウォレス トヨタ カムリ 188
30 32 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 186
32 31 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 174
35 26 25 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ カムリ 160
39 37 24 ジェイソン・ホワイト トヨタ カムリ 110
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リーガン・スミス シボレー 376
2 サム・ホーニッシュ・Jr. フォード 347
3 ジャスティン・アルゲイヤー シボレー 336
4 エリオット・サドラー トヨタ 331
5 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 327
6 パーカー・クリガーマン トヨタ 322
10 アレックス・ボウマン トヨタ 282
12 マイク・ブリス トヨタ 271
16 ジョー・ネメチェク トヨタ 187
18 エリック・マクルーア トヨタ 181
19 ハル・マーティン トヨタ 163
20 ブレイク・コッホ トヨタ 161
28 ジェイソン・ホワイト トヨタ 117
35 ジェフ・グリーン トヨタ 50
45 トニー・レインズ トヨタ 23
53 ケニー・ウォレス トヨタ 12
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 72
2 フォード 62
3 シボレー 56
4 ダッジ 6