NASCAR SPRINT CUP SERIES
第16戦 Toyota/Save Mart 350
開催日:6月23日
マーティン・トゥルークス・Jr.が218戦ぶりの勝利
優勝トロフィーを掲げるマーティン・トゥルークス・Jr.(中央)と
チームオーナーのマイケル・ウォルトリップ(左)
6月23日(日)、米国西部カリフォルニア州ソノマのロードコース、ソノマ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第16戦「Toyota/Save Mart 350」が開催された。
ソノマはカリフォルニアワインで有名なナパ・バレーの丘陵地帯に位置する、1周1.99マイル(約3.2km)のロードコースで、スプリント・カップ・シリーズで年に2戦開催されるロードコース戦の一つ。重いNASCARの車両で戦われるロードコース戦は、オーバルとは異なる魅力を持つ。
戦略面でも、オーバルに比べ平均速度が低く、1周にかかる時間が長いことと、レース中に必要な給油が最低2回と少ないため、給油ピット戦略が重要となる。
ソノマでは2008年にカイル・ブッシュ、昨年はクリント・ボウヤーが"トヨタ カムリ"で勝利を飾っている。
21日(金)に2回の練習走行を行い、22日(土)午前11時5分から予選開始。通常のオーバルで行われる、1台ずつ2周アタックの予選とは異なり、グループで分けられた車両が同時に走行してグリッドを競った。
昨年の覇者ボウヤーが5番手、マット・ケンゼスが6番手、カイル・ブッシュが9番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。尚、ジェイソン・ボウルズが予選アタックし、34番手グリッドとなった55号車は、この週末遠く離れたロードアメリカで開催されるネイションワイド・シリーズ戦とかけもちするブライアン・ヴィッカーズが決勝ではドライブする。
23日(日)は練習走行や予選の時の、曇って気温の低かったコンディションとは一転して好天に恵まれ、午後12時30分、1.99マイルロードコースを110周(218.9マイル:約350km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
4周目、8位を走行していたKy.ブッシュが、ヘアピンで元F1ドライバーのファン・モントーヤ(シボレー)に後方から接触されスピン。イエローコーションは出ず、Ky.ブッシュもコースへ復帰したが、27位へと後退してしまった。
5番手スタートのボウヤーと6番手スタートのマット・ケンゼスは序盤、トップ10圏内をキープ。後方では、ドライバー後退のためにグリッドダウンを強いられたブライアン・ヴィッカーズが徐々にポジションを上げていった。
25周目に、降雨のためにこの日2度目のイエローコーションが出されると、上位勢はコース上に残ったが、トゥルークス・Jr.、ヴィッカーズら中団以降の車両はピットへ。このピットでは、今大会カップ・シリーズに初出場となったアレックス・ケネディが、後方から追突され玉突き状態で前車に突っ込み、車両前部にダメージを負ってしまった。
雨はまもなく止み、30周目に再スタートが切られたが、32周目にデイビッド・ロイティマンが後続から接触されてスピン。3回目のコーションが出されると、上位勢がピットへ向かった。
先にピットに入っていたトゥルークス・Jr.、ヴィッカーズらはコース上に残り、ポジションアップ。トゥルークスが8位、ヴィッカーズが10位で再スタートを切ると、素晴らしいダッシュでポジションを上げていき、41周目にはトゥルークス・Jr.が首位を奪取。ヴィッカーズがそれに続き、"トヨタ カムリ"が1−2体制となった。
一方、このピットでは、Ky.ブッシュとデニー・ハムリンがピットロードスピード違反でポジションダウン。
62周目、トゥルークス・Jr.がグリーン下でピットへ向かい、ピットアウトした直後にこの日4回目のイエローコーション。上位勢がピットへ向かい、再スタートが切られたが、その後2回立て続けにイエローコーションとなり、ピット作業で順位が大きく入れ替わった。
燃料をフルに入れて40周弱の走行が可能なここソノマで、ぎりぎりのタイミングとなる給油のみのピット作業を行ったトゥルークス・Jr.は、ピットアウト時にエンジンストールを喫し、若干タイムをロスしたものの、10位で再スタート。
ライバルが後半のイエローコーションで最後の給油ピットインを行う中、トゥルークス・Jr.はコース上に残り、83周目のコーション中に首位に復帰した。
86周目に再スタートが切られた後は、イエローコーションが出ず、トゥルークス・Jr.は独走。最後は2位に7秒以上の大差を付け、トップでチェッカー。今季初勝利を挙げた。
トゥルークス・Jr.にとっては、218戦ぶりとなる、自身のカップ・シリーズでの2勝目であり、トヨタに移籍して、そしてロードコースでは初勝利。自らのチームのメインスポンサーの本拠地であり、米国トヨタの本拠にも近く、トヨタが冠スポンサーをつとめる大会での嬉しい勝利となった。
チームメイトのトゥルークス・Jr.と共に速さを見せたボウヤーが5位でフィニッシュ。
トゥルークス・Jr.はこの勝利により、ドライバーズランキングで10位に浮上した。
次戦第17戦は6月29日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われる。
ドライバー マーティン・トゥルークス・Jr.:
「何と言っていいかわからない。共に戦ってきてくれた全ての人々に感謝したい。スポンサー、トヨタ、チームのクルー、チームオーナー、クルーチーフ、全ての人に、どれだけの言葉をあげても足りない。我々の"トヨタ カムリ"は、ずっと素晴らしい速さを見せてきたが、なかなか運に恵まれなかった。でもそれもレースだと思っていた。勝てる時期は近いといつも感じていたが、ようやく勝てて、本当に感無量だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 14 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 110 | ||
2 | 10 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 110 | ||
3 | 3 | 99 | カール・エドワーズ | フォード | 110 | ||
5 | 5 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 110 | ||
13 | 34 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 110 | ||
17 | 33 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 110 | ||
19 | 6 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 110 | ||
23 | 17 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 110 | ||
26 | 38 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 110 | ||
35 | 9 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 109 | ||
36 | 28 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 109 | ||
38 | 41 | 87 | トミー・ドリッシ | トヨタ カムリ | 108 | ||
40 | 39 | 19 | アレックス・ケネディ | トヨタ カムリ | 30 | ||
43 | 20 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 0 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第14戦 Johnsonville Sausage 200
開催日:6月22日
接触、スピン多発の大乱戦 パーカー・クリガーマンが3位フィニッシュ
波乱のレースで3位フィニッシュを果たしたパーカー・クリガーマン(#77)
6月22日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第14戦「Johnsonville Sausage 200」が米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで開催された。
ロードアメリカは50年以上の歴史を持つ伝統のロードコースであるが、NASCARはネイションワイド・シリーズのみが、2010年から開催されている。1周4.048マイル(約6.5km)は、NASCARのトップ3カテゴリーが行われるコースでは最も長い。
今週末は、スプリント・カップ・シリーズが西海岸のソノマで開催されるため、カップ・ドライバーの出場はなく、ロードコースならではの、「ロードコース・スペシャリスト」のスポット参戦が目立った。そんな中、ブライアン・ヴィッカーズは2戦をかけもち。飛行機で移動しながらの、忙しい週末を過ごすこととなった。
21日(金)の練習走行は、雷雨のためにスタートが遅れ、走行時間も45分間ほど短縮。セッション前半はロードコースならではの、レインタイヤやワイパー、デフロスターを装備しての、珍しいNASCARのウエット走行が見られたが、天候は回復し、その後は通常通り、スリックタイヤでの走行となった。
22日(土)午前11時5分から予選が行われ、今大会スポットで参戦するロードコーススペシャリスト、オーストラリア人のオーウェン・ケリーが2番手、パーカー・クリガーマンがキャリアベストタイの3番手、マイケル・マクドウェルが5番手、ロードアメリカでの初レースとなったヴィッカーズが9番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後4時25分、4.048マイルロードコースを50周(202.4マイル:約325km)して競われる決勝レースがスタート。
4周目、5番手スタートのマクドウェルが電装系のトラブルでコース上にストップしてしまったために出されたイエローコーションで、セッティングの不調を訴えていたクリガーマンは早くもピットへ向かって調整を行い、27位に後退。ヴィッカーズもこのコーションでピットに向かった。
16周目に2度目のイエローコーションが出され、多くの車両がピットへ向かう中、追い上げていたクリガーマンはコース上に残り、首位に浮上。O.ケリーが2位で続いた。ピットへ向かったヴィッカーズは6位でコースへ戻ったが、タイヤを停めるナットの締め忘れがあり、再びピットへ向かい、19位へ後退。
再スタートで、最前列に並んだO.ケリーとクリガーマンは激しく首位を争ったが、コーナーで接触し、クリガーマンはグラベルトラップへとコースオフ。翌周ピットへ向かい、35位へと大きく順位を落としてしまった。
これで首位に立ったO.ケリーだったが、30周目にまさかの燃料切れ。セーフティ・トラックに押される形でピットへと戻ってきたO.ケリーは、長いコースにも助けられ、周回遅れになることなく、32位でレースに復帰した。
その後もスピンやクラッシュでイエローコーションが多発する中、O.ケリーとクリガーマンは見事な追い上げを見せ、上位争いに復帰。レースは残り2周で再スタートが切られ、その時点で10位以下につけていたクリガーマンは、見事な再スタートで、4位に浮上。ファイナルラップを示すホワイトフラッグが振られる直前に、コースオフした車両のためにイエローコーションが出され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
50周目、後半戦トップ5をキープしたヴィッカーズが3位、クリガーマンが4位、コール・ウィットが8位、O.ケリーが9位で再スタート。クリガーマンはヴィッカーズをパスし、3位に。しかし、またしてもホワイトフラッグの前にコースオフした車両が発生し、2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。
8度にわたるイエローコーションで大荒れとなったレースは、合計で5周延長され、燃料も心配されたが、クリガーマンは上位を追う勢いで走りきり、3位でフィニッシュ。スポット参戦のO.ケリーが4位。ヴィッカーズが6位、ウィットが8位、エリオット・サドラーが9位に入り、"トヨタ カムリ"は大荒れのレースで5台がトップ10フィニッシュを果たした。
ドライバーズランキングでは、クリガーマンが2つ上げて6位、ヴィッカーズも9位へと一つ順位を上げた。
次戦第15戦は6月28日(金)、ケンタッキー・スピードウェイで行われる。
ドライバー パーカー・クリガーマン:
「不運なアクシデントもあったが、3位でフィニッシュできた。チームに感謝したい。後方にポジションを落としてからは、ひたすら上位目指して追い上げた。全ての再スタートで良いバトルが出来、後方ポジションからトップ3へと復帰できた。勝てるかも知れないとも考えたが、AJ(アルメンディンガー)を最後に追い詰めるまでには至らなかった。トヨタやスポンサー、そして、全てのファンに感謝したい。信じられないほどの観客を目の当たりにし、レースの最後には、彼らの歓声が聞こえて、本当に感激した」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 22 | AJ.アルメンディンガー | フォード | 55 | ||
2 | 4 | 31 | ジャスティン・アルゲイヤー | シボレー | 55 | ||
3 | 3 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 55 | ||
4 | 2 | 54 | オーウェン・ケリー | トヨタ カムリ | 55 | ||
6 | 9 | 20 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 55 | ||
8 | 17 | 44 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 55 | ||
9 | 22 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 55 | ||
18 | 28 | 75 | ケニー・ハブル | トヨタ カムリ | 55 | ||
24 | 15 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 55 | ||
27 | 35 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 55 | ||
33 | 23 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 53 | ||
34 | 5 | 18 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 52 | ||
36 | 38 | 24 | デレック・ホワイト | トヨタ カムリ | 37 | ||
38 | 39 | 70 | トニー・レインズ | トヨタ カムリ | 20 | ||
40 | 36 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 2 | ||
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