NASCAR SPRINT CUP SERIES
第17戦 Quaker State 400
開催日:6月30日
マット・ケンゼスが今季4勝目!
今季4勝目を挙げたマット・ケンゼス
6月30日(日)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第17戦「Quaker State 400」が開催された。
ショートオーバルと2マイル以上のスーパースピードウェイの中間的なサイズとなる、1.5マイルオーバルでのレースは、今季これまで4戦が行われているが、そのうち3戦で"トヨタ カムリ"が勝利を挙げている。また、ケンタッキーでのカップ・シリーズ戦は2011年に初めて行われたが、この時の勝者は"トヨタ カムリ"を駆るカイル・ブッシュ。今大会も勝利の期待が高まった。
28日(金)午後5時10分より予選が行われ、カイル・ブッシュが2列目4番手、その後方3列目6番手にデニー・ハムリン、ブライアン・ヴィッカーズが9番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
決勝レースは29日(土)にナイトレースとして予定されていたが、降雨のため、翌日30日(日)の昼間へと順延。30日(日)午後12時6分に1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
雲はあるものの、日差しも顔を出す天候の下、ナイトレースへ向けてセッティングしていた各車は、序盤戦で調整を続けた。前夜の雨でコース上が洗い流されたこともあり、30周目にコンペティション・コーションが設けられ、各車最初のピットへ。
ピット作業後、7位でコースに復帰したハムリンだったが、右フロントタイヤのパンクに見舞われ、再度ピットへ。コーション中だったため周回遅れにはならなかったものの、37位に後退。
37周目にコース上の異物で2度目のイエローコーションとなり、再スタートが切られた直後に、5位を走行していたKy.ブッシュが単独スピン。幸運にもどこにもヒットせず、後続車両も避けたため、車両自体のダメージはなかったが、タイヤを交換するためピットへと向かい、36位と大きく後退してしまった。
このイエローコーションからの再スタートでは、スピンした車両に後続が次々と突っ込み、7台が絡む多重クラッシュが発生。車両排除のため、20分弱の赤旗中断となった。トヨタ勢ではトラヴィス・クヴァピルが巻き込まれ、ここでレースを終えてしまった。
大荒れの序盤戦となったが、連続するイエローコーションと再スタートで、着実に順位を上げてきたのが、16番手スタートのマット・ケンゼス。赤旗からのレース再開後の再スタートを4位で切ると、52周目には2位に浮上。
その後はイエローコーションが出ず、このコースでは約50周ごとの給油が必要となるため、80周を過ぎたあたりから各車グリーン下でのピット作業を開始。その途中の88周目にイエローコーションが出されたため、ピットに入っていなかった車両との間で順位が入れ替わった。
ピットに入っていなかったケンゼスが2位、クリント・ボウヤーが3位、素晴らしい追い上げを見せたKy.ブッシュが4位、ハムリンが9位、ブライアン・ヴィッカーズが11位とポジションをアップ。一方でコーションの直前にピットインしていたマーティン・トゥルークス・Jr.は25位へ後退。
再スタート後、ケンゼスが首位を奪取。しかし、再びすぐにイエローコーションとなり、ここでケンゼスはピットへ。他の上位勢はコース上に残り、ケンゼスは11位で再スタート。
再びイエローコーションが出ないまま40周以上が経過し、数台がグリーン下でのピットを開始した148周目、6位を走行していたハムリンが、右フロントタイヤのバーストに見舞われ壁に激しくヒット。ハムリンは無事だったが車両のダメージは大きく、痛恨の戦線離脱となってしまった。
後半戦はケンゼス、ボウヤー、Ky.ブッシュ、ヴィッカーズ、そして追い上げてきたトゥルークス・Jr.らがトップ10圏内で上位争いを展開。チームの素晴らしいピット作業にも助けられ、200周目には2位に浮上したヴィッカーズだったが、241周目、タイヤのバーストに見舞われ壁にヒット。こちらもレースを終えることとなった。
このイエローコーション中に各車最後のピットへと向かったが、タイヤ無交換作戦を採ったケンゼスが首位に浮上。再スタート直後には、それまで後半戦を支配していたジミー・ジョンソン(シボレー)がスピンしイエローコーション。首位のケンゼスにボウヤー、Ky.ブッシュが続き、"トヨタ カムリ"が1−2−3体制で、残り17周で再スタート。
ケンゼスは首位、ボウヤーも2位をキープしたが、Ky.ブッシュは得意の再スタートで遅れ、6位に後退。
最後は逃げ切ったケンゼスがトップでチェッカー。今季最多勝となる4勝目を挙げた。ボウヤーが3位、Ky.ブッシュは5位、トゥルークス・Jr.が7位でフィニッシュ。
この週末、ケンタッキーでの3レース全てに出場したKy.ブッシュは、その全レースでトップ5フィニッシュを果たした。
ランキングではボウヤーの3位、ケンゼスの5位は変わらず、Ky.ブッシュが7位、トゥルークス・Jr.が8位へと順位を上げた。
次戦第18戦は7月6日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー マット・ケンゼス:
「最後のタイヤ無交換というギャンブルは信じられなかったが、クルーチーフの素晴らしい判断だった。彼と、チームやトヨタ、スポンサーのおかげで勝つことが出来た。4勝目を挙げられるなんて夢のようだ。この勢いが続くことを祈っている。降雨で延期となったレースにもかかわらず、今日も来てくれた多くのファンに本当に感謝している」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 16 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 267 | ||
2 | 23 | 1 | ジェイミー・マクマーレイ | シボレー | 267 | ||
3 | 15 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 267 | ||
5 | 4 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 267 | ||
7 | 19 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 267 | ||
22 | 17 | 47 | AJ.アルメンディンガー | トヨタ カムリ | 267 | ||
25 | 28 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 267 | ||
27 | 36 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 263 | ||
31 | 9 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 240 | ||
35 | 6 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 147 | ||
37 | 41 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 95 | ||
41 | 39 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 57 | ||
42 | 40 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 47 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第15戦 Feed the Children 300
開催日:6月28日
降雨により短縮終了。
エリオット・サドラーが2位
首位争いを展開し、2位でフィニッシュしたエリオット・サドラー(#11)と
5位フィニッシュのカイル・ブッシュ(#54)
6月28日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第15戦「Feed the Children 300」がケンタッキー・スピードウェイで開催された。
ネイションワイド・シリーズではケンタッキー戦が2001年から開催されており、昨年からは年に2回開催。これまでに"トヨタ カムリ"は3勝を挙げている。
27日(木)夕方と28日(金)朝の練習走行を経て、午後3時35分から予選が行われ、カイル・ブッシュが5番手、エリオット・サドラーが6番手、コール・ウィットが9番手、ルーキーのアレックス・ボウマンが10番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
28日(金)予選に続き、午後7時47分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。スタート直後はサドラーが先行したが、まもなくKy.ブッシュが順位を上げ、19周目に首位を奪取。後続を引き離していった。
Ky.ブッシュは2位以下との差を7秒以上にまで広げ、独走。イエローコーションが出ないまま51周目にグリーン下でピット作業を終え、コースに復帰したが、53周目にジョー・ネメチェクがトラブルに見舞われイエローコーション。
これでKy.ブッシュのリードは帳消しとなったが、60周目に再スタートが切られると、再び独走を開始した。しかし、今度は中団スタートから追い上げてきた、昨年のカップ・シリーズのチャンピオンであるブラッド・ケゼロウスキー(フォード)がKy.ブッシュに食らいつき、トップドライバーによる激しい首位争いが展開。3位以下を10秒以上も引き離しての首位争いは、2度目のグリーンピットを経ても続いた。
125周目から3回連続してのイエローコーションとなり、143周目に上位勢が一斉にピットイン。ここで、Ky.ブッシュはピットでの停止スペースを僅かに行き過ぎてしまい、押し戻すためにタイムロス。13位へとポジションダウン。
サドラーが2位、ヴィッカーズが4位で再スタート。146周目にはサドラーが首位を奪ったが、ケゼロウスキーの猛追は凌ぎきれず、155周目に2位に後退。
後方ではKy.ブッシュも追い上げを見せていたが、164周目に雨が降り始め、イエローコーション。
その後数周にわたってコーション下での走行が続いたが、170周目についに赤旗が出され、レースはその時点で終了。サドラーが2位、ヴィッカーズが4位、Ky.ブッシュが5位、ルーキーのボウマンが10位でフィニッシュとなった。
次戦第16戦は7月5日(金)、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー エリオット・サドラー:
「再スタートが切れるなら最後まで走りたかったし、まして勝利の可能性があっただけに、短縮終了は残念だ。昨夜から、今日の午前中の練習走行の時点では苦戦を強いられていたが、クルーチーフと共に今日の練習走行で大きな変更を行い、我々の"トヨタ カムリ"は決勝レースでは良い走りが出来た。チームにとって良い一日だったし、週末を通して素晴らしい仕事をしてくれたスタッフを誇りに思う」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 19 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 170 | ||
2 | 6 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 170 | ||
3 | 8 | 33 | マット・クラフトン | シボレー | 170 | ||
4 | 11 | 20 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 170 | ||
5 | 5 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 170 | ||
10 | 10 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 170 | ||
16 | 12 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 170 | ||
19 | 24 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 169 | ||
23 | 39 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 167 | ||
24 | 29 | 24 | ケン・バトラー | トヨタ カムリ | 167 | ||
31 | 9 | 44 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 107 | ||
33 | 22 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 52 | ||
34 | 30 | 0 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 16 | ||
40 | 26 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第8戦 UNOH 225
開催日:6月27日
カイル・ブッシュが3位フィニッシュ
3位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#51)と6位に入ったティモシー・ペターズ(#17)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第8戦「UNOH 225」が6月27日(木)にケンタッキー・スピードウェイで開催された。
27日(木)2回の練習走行に続き、午後5時5分から予選が行われ、練習走行でも1番手、2番手と好調のルーキー、ダレル・ウォレス・Jr.が最前列2番手、ジョン・ウェス・タウンリーが3番手、ジョーイ・コールターが5番手、カイル・ブッシュが6番手、以降マット・クラフトン、ジャーマン・キロガ、ティモシー・ペターズと続き、予選のトップ10中7台を占める速さを見せた"トヨタ タンドラ"は、10台が決勝に進んだ。
予選に続き、午後8時19分に、1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。17番手スタートのジョニー・ソーターは、フォーメーションラップ中に電装の操作ミスでエンジンストール。最後尾からの追い上げを余儀なくされることとなった。
最前列2番手、イン側からのスタートを切ったD.ウォレス・Jr.は、スタート直後こそ一旦前に出たが、首位をキープするには至らず、タウンリーとKy.ブッシュにも先行されてしまった。
Ky.ブッシュとタウンリーが激しく2位を争う後方に、ペターズも追い着き、D.ウォレス・Jr.を含む4台の"トヨタ タンドラ"が首位を追う展開に。
26周目にこの日初めてのイエローコーションが出されると、多くの車両がタイヤ4本交換を選択したのに対し、D.ウォレス・Jr.ら数台が2本交換。これで首位に立ったD.ウォレス・Jr.は、以降2度のイエローコーションを含む50周以上にわたって首位を快走した。48周目にはKy.ブッシュが2位に浮上し、2台の"トヨタ タンドラ"が3位以下を大きく引き離した。
80周目、10位を走行していたタウンリーがハーフスピン。見事な操作でどこにもぶつからずに立て直したが、イエローコーションが出された。
全車ピットへ向かい、今度はKy.ブッシュが首位に浮上。D.ウォレス・Jr.は6位へとポジションを落とし、再スタートを切ったが、86周目にサイド・バイ・サイドのバトルで接触し、壁にクラッシュ。ガレージでの修復を余儀なくされてしまった。
その後もKy.ブッシュは首位の座を守ったが、終盤に入ると強いオーバーステア症状に見舞われ、残り25周というところで、追い上げてきたタイ・ディロンの先行を許してしまった。
Ky.ブッシュは更に後方からの追撃を受け、ポジションを守るべく激しいバトルを展開。首位追い上げはならず、3位でチェッカーを受けた。
6位にペターズ、8位にキロガ、10位にクラフトン、11位タウンリー。12位に度重なるトラブルから追い上げたソーター、14位には今大会トラック・シリーズ戦にデビューを果たしたブレット・モフィットが入った。
ドライバーズランキングでは、着実にトップ10フィニッシュを果たしたクラフトンが、2位に22点差をつけて首位の座を守っている。
次戦第9戦は7月13日(土)に米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催される。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後のピットで2本タイヤ交換を行う前からオーバーステア症状が出ていたので、ピットで調整を行ったが、改善しなかった。原因は分からない。我々の"トヨタ タンドラ"は本当に速かったし、ダレル(ウォレス・Jr.)の"トヨタ タンドラ"は恐らく今日最速の一台だっただろう。それだけに彼のクラッシュは残念だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 22 | 3 | タイ・ディロン | シボレー | 150 | ||
2 | 12 | 19 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 150 | ||
3 | 6 | 51 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 150 | ||
6 | 9 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 150 | ||
8 | 8 | 77 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 150 | ||
10 | 7 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 150 | ||
11 | 3 | 7 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 150 | ||
12 | 17 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 150 | ||
14 | 34 | 13 | ブレット・モフィット | トヨタ タンドラ | 150 | ||
16 | 5 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ タンドラ | 149 | ||
19 | 25 | 81 | CJ.フェイソン | トヨタ タンドラ | 149 | ||
28 | 2 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 107 | ||
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