2013年7月29日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第20戦 Samuel Deeds 400 at Brickyard

開催日:7月28日

「ブリックヤード」でマット・ケンゼスが5位

写真
「ブリックヤード」で5位に入ったマット・ケンゼス(#20)

 7月28日(日)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第20戦「Samuel Deeds 400 at Brickyard」が開催された。
 「インディ500」の開催地として有名な、伝統の同コースは、黎明期レンガ敷きだったことから「ブリックヤード」と呼ばれ、今もスタート/フィニッシュラインにレンガが埋め込まれている。オーバルコースの一部を利用したロードコースでは、F1や二輪のモトGPも開催される、モータースポーツの聖地の一つ。NASCARカップ・シリーズ戦の開催は今年記念すべき20回目となる。
 トヨタはカップ・シリーズではまだ未勝利のコースだが、昨年はカイル・ブッシュが2位フィニッシュを果たしており、今年は念願のブリックヤード初勝利を狙う。

 26日(金)と27日(土)の午前中に練習走行を行い、午後2時10分から予選開始。デニー・ハムリンが4番手。マット・ケンゼスが13番手、クリント・ボウヤー17番手、カイル・ブッシュが19番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 28日(日)午後1時24分、2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタートした。
 4番手スタートのハムリンは序盤、オーバーステア症状に見舞われポジションダウン。かわってケンゼスとKy.ブッシュがトップ10圏内へと浮上。
 前半はイエローコーションが出ない展開で、26周目に先陣を切ってハムリンがグリーン下でピットへ。続いて各車グリーン下でのピット作業を行った。
 その後もイエローコーションが出ず、55周目あたりから2度目のグリーンピットが始まったが、ケンゼスとKy.ブッシュがピットに入らず引っ張っていた59周目にこの日初めてのイエローコーション。この2台はコーション下でピットへ向かい、7位、9位で再スタート。
 大きな順位の変動は無いまま、レースが折り返しを過ぎた81周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、全車ピットへ向かい、85周目に再スタート。7位、8位のケンゼス、Ky.ブッシュは再スタート直後の激しい順位争いを繰り広げたが、ジャンプアップは果たせず。
 その後もまたイエローコーションが出ないまま、110周目あたりから3度目のグリーンピットが開始され、ピットを引っ張る車両とで順位が入れ替わっていく中、114周目にこの日3度目のイエローコーションとなった。
 一時は周回遅れの20位以下まで後退していたハムリンが、ここでは最後までピットインを粘り、コーション発生時には2位までポジションアップ。コーション下でピットへ向かったため順位は落としたものの、12位で再スタート。コース上に残ったケンゼスが7位、トゥルークス・Jr.が9位へと浮上。Ky.ブッシュは再度ピットへ向かい、ピット作業でもタイムをロスしたために22位まで後退してしまった。
 118周目に再スタート。残り40周強のため、最低もう一回の給油が必要となる。そのため、給油すれば最後まで走り切れる周回となった130周目あたりから、この日4度目となる、グリーン下でのピット作業が始まり、順位は激しく入れ替わった。
 ここでもピットを遅らせたハムリンは141周目に首位浮上も、143周目にピットイン。この日苦戦を強いられていたクリント・ボウヤーが、得意の燃費走行で147周目まで粘り一旦は首位に立つも、翌周ピットへ。
 結局後半イエローコーションは出ないままレースはチェッカー。着実なレースを戦ったケンゼスが5位。Ky.ブッシュが10位。38番手スタートから追い上げたトゥルークス・Jr.が11位。ハムリン18位、ボウヤーが20位でフィニッシュした。

 次戦第21戦は8月4日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「容易なレースなどないものだが、今日は特に難しいレースだった。チームは素晴らしいピット作業でポジションアップを助けてくれたし、クルーチーフの判断も的確だった。5位でフィニッシュ出来たことには満足している。この週末、セッティングに苦しんできたが、今日の調整は上手く行った。チームは良くやってくれたが、勝つにはスピードが若干足りなかった。来年に向けての課題も少し見えた。来週はもっと良いレースが出来ればと思っている。全体的に見れば良い一日だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 39 ライアン・ニューマン シボレー 160
2 2 48 ジミー・ジョンソン シボレー 160
3 7 5 ケイシー・ケイン シボレー 160
5 13 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 160
10 19 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 160
11 38 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 160
18 4 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 160
20 17 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 160
23 26 55 マーク・マーティン トヨタ カムリ 160
29 31 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 158
31 22 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 158
36 34 47 ボビー・ラボンテ トヨタ カムリ 157
40 37 30 デイビッド・ストレミー トヨタ カムリ 151
41 40 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 146
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジミー・ジョンソン シボレー 740
2 クリント・ボウヤー トヨタ 665
3 カール・エドワーズ フォード 655
6 マット・ケンゼス トヨタ 615
7 カイル・ブッシュ トヨタ 610
12 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 554
25 デニー・ハムリン トヨタ 388
29 マーク・マーティン トヨタ 335
30 ボビー・ラボンテ トヨタ 303
31 デイビッド・ロイティマン トヨタ 294
34 デイビッド・ストレミー トヨタ 271
35 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 253
38 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 102
48 トミー・ドリッシ トヨタ 6
49 ブライアン・ケゼロウスキー トヨタ 4
50 アレックス・ケネディ トヨタ 4
52 ジェイソン・リフラー トヨタ 1
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 143
2 トヨタ 131
3 フォード 99

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第19戦 Indiana 250

開催日:7月27日

カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィン。
前年の雪辱を果たし今季8勝目!

写真
ポール・トゥ・ウィンで「ブリックヤード」での勝利を挙げたカイル・ブッシュ(#54)

 7月27日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第19戦「Indiana 250」がインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された。
 2011年までネイションワイド・シリーズでは近接するショートオーバル、ルーカス・オイル・レースウェイでシリーズ戦が開催されていたが、昨年よりカップ・シリーズと同じ伝統の2.5マイルオーバルへと舞台が移された。シリーズ初レースとなった昨年は、カイル・ブッシュが中盤戦を支配するもアクシデントで無念の後退を余儀なくされており、今年こそ勝利を目指しての参戦となった。

 27日(土)決勝を前に午後12時5分から予選が行われ、Ky.ブッシュがコースレコードを更新するタイムで今季5度目のポールポジションを獲得。エリオット・サドラーが4番手、パーカー・クリガーマンが5番手、ブライアン・ヴィッカーズが6番手、マット・ケンゼスが9番手につけ、14台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 併催のスプリント・カップ・シリーズ戦予選を経て、午後4時50分、2.5マイルオーバルを100周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
 ポールポジションのKy.ブッシュは順当に首位をキープ。2列目4番手スタートのサドラーが2位へとジャンプアップを果たしたが、サドラーは徐々に順位を落とすこととなり、かわって9番手スタートのケンゼスが4位へ浮上。ヴィッカーズがこれに続く形となった。
 Ky.ブッシュは独走状態で首位を逃げ、イエローコーションが出ない中での30周目前後からのグリーンピットでも、最速のピット作業でコースへ復帰。一時は2位に6秒もの大差を付けた。
 レースが折り返しとなる50周目にこの日最初のイエローコーション。ここで戦略が分かれた。このコーション後、無給油で最後まで走りきるのは難しく、いずれにせよ最低もう一回ピット作業が必要となるため、Ky.ブッシュとケンゼスらはコース上に残ったのに対し、ヴィッカーズらはピットへ。Ky.ブッシュがトップ、ケンゼスが2位、ヴィッカーズは5位で再スタートが切られた。
 得意の再スタートを決めたKy.ブッシュは再び2位以下との差を大きく広げていったが、一方で2位にいたケンゼスは再スタートで失敗し3位に後退。
 最後まで走り切れる周回となった64周目にケンゼス、翌周にはKy.ブッシュもグリーン下でピットへ。これでヴィッカーズが首位に立ち、Ky.ブッシュは11位、ケンゼスは15位に後退。
 このKy.ブッシュがピット作業を行っている間に、この日2度目のイエローコーションが出されたため、ヴィッカーズらも最後のピットへ。コース上に残ったKy.ブッシュが首位に復帰し、ケンゼスが4位、ヴィッカーズが6位で再スタートとなった。
 Ky.ブッシュは首位をキープしたが、同じカップ・シリーズのレギュラーであるジョーイ・ロガーノ(フォード)とのマッチレース状態に。
 84周目にコース上の異物によりこの日3度目のイエローコーションが出されたが、上位勢はピットへ向かわずコース上にステイアウト。
 再スタート直後、中団グループでの横に5台、6台もが並ぶような激しいポジション争いの中で接触が起き、イエローコーション。レースは最後の6周での再スタートとなった。
 Ky.ブッシュは首位をキープしていたものの、再スタートでのダッシュで若干出遅れ、ロガーノとブライアン・スコット(シボレー)の先行を許し3位に後退。しかしKy.ブッシュはすぐにロガーノをパスすると、スコットを猛追。ハイスピードな超接近戦での首位争いは数周にわたって続き、残り3周となったターン1立ち上がりでついにKy.ブッシュが首位を奪還。その後は一気に差を広げ、逃げ切ってトップチェッカー。
 全100周中92周で首位を走行し、レースの大半を支配したKy.ブッシュが、シリーズ記録を更新する1シーズン5度目のポール・トゥ・ウィンで、今季8勝目を挙げた。Ky.ブッシュは自身の持つシリーズ最多記録を更新する59勝目を、念願のインディアナポリスで挙げ、昨年の雪辱を果たした。
 ヴィッカーズが4位、ケンゼスが7位でフィニッシュ。サドラーは13位に入り、サドラーとヴィッカーズはそれぞれ3位、5位へとシリーズランキングで一つずつ順位を上げた。3位のサドラーは首位と13点差と、シリーズ争いは激しさを増している。

 次戦第20戦は8月3日(土)、米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「インディアナポリスで勝てて本当に嬉しい。NASCARだけではなくスポーツカーやF1、モトGP他様々なカテゴリーのレースが行われてきたここで勝利を挙げ、歴史の一員に加われるのは格別だ。昨年ここに立っているはずだったのに、自分のミスでそれを失い、今日も危うく同じミスを犯すところだった。強力な"トヨタ カムリ"と、それを仕上げてくれたチーム、スポンサーに感謝したい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 100
2 11 2 ブライアン・スコット シボレー 100
3 13 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 100
4 6 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 100
7 9 18 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 100
13 4 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 100
15 38 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 100
17 22 44 コール・ウィット トヨタ カムリ 100
18 5 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 100
23 24 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 100
29 27 17 ターナー・ベリーヒル トヨタ カムリ 98
31 36 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 95
32 35 24 ケン・バトラー トヨタ カムリ 90
36 21 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 41
38 40 0 デイビッド・グリーン トヨタ カムリ 6
40 33 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 オースティン・ディロン シボレー 656
2 リーガン・スミス シボレー 650
3 エリオット・サドラー トヨタ 643
5 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 628
10 パーカー・クリガーマン トヨタ 589
11 アレックス・ボウマン トヨタ 516
13 マイク・ブリス トヨタ 480
17 エリック・マクルーア トヨタ 343
19 ジョー・ネメチェク トヨタ 313
24 ブレイク・コッホ トヨタ 229
27 コール・ウィット トヨタ 189
30 ハル・マーティン トヨタ 163
34 ジェイソン・ホワイト トヨタ 138
37 ジェフ・グリーン トヨタ 108
42 ケン・バトラー トヨタ 66
45 ケニー・ウォレス トヨタ 54
49 トニー・レインズ トヨタ 47
51 オーウェン・ケリー トヨタ 41
53 ドリュー・ヘリング トヨタ 33
55 ターナー・ベリーヒル トヨタ 30
71 デレック・ホワイト トヨタ 8
72 ブレット・バトラー トヨタ 8
73 デイビッド・グリーン トヨタ 6
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 129
2 フォード 123
3 シボレー 109
4 ダッジ 18

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第10戦 The CarCash Mudsummer Classic

開催日:7月24日

シリーズ初、NASCARで43年ぶりのダートレース
"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10フィニッシュ

写真
初のダート戦でティモシー・ペターズ(#17)、ジョーイ・コールター(#18)、マット・クラフトン(#88)、ダレル・ウォレス・Jr.(#54)、ケン・シュレーダー(#52)らが5ワイドバトルで上位を争った

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第10戦「The CarCash Mudsummer Classic」が7月24日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催された。
 今大会は、トラック・シリーズでは初、NASCARのトップシリーズでは43年ぶりとなる、ダートレースとして開催。このため、タイヤはやや幅が狭く、径も若干小さい、溝付きを使用。車両もグリルのカバーなど、通常とは異なる装備を施された。
 アメリカでは各地にダートオーバルコースがあり、ミジェットやスプリントカー、シルバークラウン、モデファイド、レイトモデルなど数多くのカテゴリーでダートレースが行われ人気を博している。
 NASCARを戦うドライバーにもダートレース上がりや、現役でダートレースにスポット参戦しているドライバーは多いが、今大会はダートのスペシャリストも多く参戦。舗装路よりもはるかに滑りやすい路面でのNASCARレースに注目が集まり、早くからチケットは売り切れとなった。

 23日(火)に2度、24日(水)も午前11時半からの計3回にわたって練習走行が行われたが、スピンや壁へのヒットが続出する波乱のセッションとなった。
 続いて、決勝レースへ向けて行われた予選も、通常とは異なるフォーマットで実施。まず午後5時5分から通常通り、1台ずつ2周でのタイムアタックの後、その順位で5グループに分け、7台ずつ、グリーンフラッグ周回のみカウントする8周での予選レースを実施。各予選レースの上位5台、計25台が決勝へ。残った10台による、15周でのラストチャンスレースで残りのグリッドが決定された。
 この結果、ダートでの経験も豊富なスポット参戦のベテラン、ケン・シュレーダーがポールポジションを獲得。58歳のシュレーダーによるポールポジション獲得は、NASCARトップ3カテゴリーでの最高齢記録を更新した。
 前大会アイオワで優勝を飾り勢いに乗るティモシー・ペターズが、10年前のゴーカート以来というダートレースながら予選第3ヒートで見事トップチェッカーを受け3番手グリッド。ネイションワイド・シリーズに出場しているケニー・ウォレスが第4ヒートを制し4番手。シリーズランキング首位につけるマット・クラフトンも第2ヒート2位の7番手で続き、11台の"トヨタ タンドラ"が決勝レースへと進んだ。

 決勝レースは全150周ながら、60周、50周、40周の3つのセグメントに分け、各セグメント間に、ピット作業を行うイエローコーションが入れられる。
 ラストチャンスレースの後、決勝レース前のセレモニーを経て、午後9時35分に0.5マイルダートオーバルを3セグメント計150周で競われる決勝レースのスタートが切られた。
 フォーメーションラップは4列の隊列で周回を開始し、2列での隊列が整ったところでグリーンフラッグ。30台のレーシングトラックが土煙を上げ、テールを大きくスライドさせながら3ワイド、4ワイドで激しい接近戦を展開した。
 序盤はポールポジションのシュレーダーが首位をキープしたが、3番手スタートのペターズが10周目に2位に上がると、シュレーダーとラインを入れ換えながらの首位争いを展開。15周目に一気にインに飛び込んだペターズは、クロスラインからシュレーダーとサイド・バイ・サイドのバトルとなったが、そのまま抑えきり、首位に立った。
 30周を過ぎると周回遅れが発生し、かわしながらの混戦の中でペターズは惜しくも3位に後退。54周目にコース上の異物によりイエローコーションが出され、そのまま第1セグメントは終了した。
 全車ピットへ向かい、タイヤ交換と給油を行って開始された第2セグメント(50周)は、ペターズがスタートで出遅れ5位に後退。一方で、17位スタートから徐々に順位を上げてきていたダレル・ウォレス・Jr.が7位へと浮上。第2セグメントはペターズが6位、ウォレス・Jr.が8位。11位スタートから第1セグメントでは順位を落としていたものの、第2セグメントで追い上げたコールターが9位で最後の40周に臨むこととなった。
 最終第3セグメントのスタートが切られてまもなく、9位からポジションアップを狙ってバトルを繰り広げていたコールターとライバル車両がサイド・バイ・サイドで接触。コールターはそのまま走行を続けたが、相手がバランスを崩し、後続と更に接触し、スピン。その直後にいたジョニー・ソーターはこれを避けられず、クラッシュを喫し、惜しくも戦線離脱となってしまった。
 レースはこれでイエローコーションとなり、125周目に再スタート。ペターズが4位へとジャンプアップし、これにコールターが続いた。また、シュレーダー、クラフトン、D.ウォレス・Jr.もトップ10圏内で、3ワイド、4ワイドに渡る中団グループでの激しいバトルを展開。
 141周目、149周目にもコース上の異物でイエローコーションが出されたため、レースは3周延長され"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
 "トヨタ タンドラ"勢は4位で再スタートしたコールターがポジションを守り4位でチェッカー。今大会がシリーズ150戦目の出走となるペターズが6位。D.ウォレス・Jr.が7位、ベテランのマット・クラフトンが8位で続き、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10に入った。
 コールター、ペターズ、D.ウォレス・Jr.はダート経験が少ないながらも優れた順応性を見せ、上位でフィニッシュ。今大会の結果、クラフトンはシリーズランキングで2位との差を48ポイントと広げ、また、ペターズも5位と同ポイントに浮上。コールターとD.ウォレス・Jr.も一つずつ順位を上げた。

 次戦第11戦は8月3日(土)にポコノ・レースウェイで開催される。

ドライバー ティモシー・ペターズ:
「我々はレースをフィニッシュするためにここに来た。何周かのリードラップ獲得でボーナスポイントも得られた。レース終盤順位を落としてしまったが、なんとか最後までダートでのレースを走り抜くことが出来た。多くのファンが集まり、素晴らしい夜になった。スタートの直前、ストレートでエンジン音をもかき消すかのようなファンの歓声を聞いて感激した。チームは素晴らしい"トヨタ タンドラ"を用意してくれた。この勢いで次戦ポコノにも臨みたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 19 39 オースティン・ディロン シボレー 153
2 13 30 カイル・ラーソン シボレー 153
3 10 34 ライアン・ニューマン シボレー 153
4 11 18 ジョーイ・コールター トヨタ タンドラ 153
6 3 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 153
7 17 54 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ タンドラ 153
8 7 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 153
13 16 13 トレーシー・ハインズ トヨタ タンドラ 153
14 1 52 ケン・シュレーダー トヨタ タンドラ 153
17 4 81 ケニー・ウォレス トヨタ タンドラ 153
20 25 77 ジャーマン・キロガ トヨタ タンドラ 153
22 24 7 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 152
25 21 51 スコット・ブルンキスト トヨタ タンドラ 151
29 20 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 120
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マット・クラフトン トヨタ 393
2 ジェブ・バートン シボレー 345
3 ジェイムズ・ブッシャー シボレー 342
5 ジョニー・ソーター トヨタ 320
6 ティモシー・ペターズ トヨタ 320
9 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 309
12 ジョーイ・コールター トヨタ 295
14 ジャーマン・キロガ トヨタ 265
15 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 265
20 トッド・ボダイン トヨタ 181
22 デイビッド・スター トヨタ 179
28 エリック・ジョーンズ トヨタ 112
33 クリス・クックラム トヨタ 67
37 CJ.フェイソン トヨタ 39
40 トレーシー・ハインズ トヨタ 31
41 ブレット・モフィット トヨタ 30
44 フランク・キンメル トヨタ 23
48 ジミー・ウェラー3世 トヨタ 20
51 スコット・ブルンキスト トヨタ 19
53 チャド・ハッケンブラート トヨタ 18
54 グラント・ギャロウェイ トヨタ 17
59 タイラー・レディック トヨタ 14
62 クリス・フォンテイン トヨタ 10
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 74
2 シボレー 68
3 フォード 48
4 RAM 24