NASCAR SPRINT CUP SERIES
第21戦 GoBowling.com 400
開催日:8月4日
「トリッキー・トライアングル」で苦戦。カイル・ブッシュが8位
8位でフィニッシュしたカイル・ブッシュ(#18)
8月4日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第21戦「GoBowling.com 400」が開催された。
今季2回目の開催となるポコノは3本のストレートを3つのコーナーで結んだ、特徴的な三角形のオーバル。比較的浅い3つのコーナーのバンク角は全て異なり、シフトダウンも必要となる難コースで、「トリッキー・トライアングル」の愛称を持つ。
2日(金)練習走行の後、午後3時10分から予選が行われ、カイル・ブッシュが最前列2番手、ポコノでは過去4勝を挙げているデニー・ハムリンが9番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。3日(土)は降雨に見舞われ、午前中2度にわたって予定されていた練習走行はキャンセル。このため、決勝レースでは20周目にコンペティション・コーションが出されることとなった。
4日(日)は好天に恵まれ、午後1時23分に2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。1周目に、元F1ドライバーのファン・モントーヤ(シボレー)が他車と接触して壁にクラッシュ。24番手スタートから、この直後を走行していたマット・ケンゼスは避けられず、2台に突っ込む形となり、車両にダメージを負ってしまった。
9番手スタートながらハンドリングに苦しみ、予定されているコンペティション・コーションでのセッティング変更を待っていたハムリンは、13周目にターン3で壁にヒット。車両のダメージは大きく、無念の戦線離脱を余儀なくされた。
このイエローコーションがコンペティション・コーションも兼ねることとなり、多くの車両がピットへと向かったが、首位を争っていたKy.ブッシュを含む数台はコース上に残り、ピット戦略が分かれた。
その後はイエローコーションが出ず、35周目前後から、先のコーションでピットに入らなかった車両からグリーンピット。めまぐるしく順位が入れ替わり、44周目には序盤のクラッシュで順位を落としていたケンゼスが首位に立ったが、残る車両もグリーンピットを行わざるを得ない周回となり、ほぼ全車グリーンピットを消化し、順位は元に戻った。
53周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、再びピット戦略が分かれた。ここまで、"トヨタ カムリ"勢の最上位でトップ5圏内をキープしていたKy.ブッシュはピットへ。16番手スタートからトップ10圏内へと浮上していたクリント・ボウヤーもここでピットに向かい、ボウヤーは2本タイヤ、Ky.ブッシュは4本タイヤ交換を選択。11台がコース上に残り、ボウヤーが14位、Ky.ブッシュは16位での再スタートとなった。
レース折り返しを目前にして、またしてもグリーンピットを消化している最中にイエローコーションとなり、順位はシャッフル。Ky.ブッシュが6位、ボウヤーが13位で再スタートを切り、広いポコノのコースならではの、3ワイド、4ワイドでのバトルを展開。ボウヤーはトップ10圏内へと復帰した。
95周目にデイビッド・ストレミーがパンクにより壁にヒット。イエローコーションとなり、ほぼ全車がピットへ向かったが、ここで唯一コース上に残ったマーティン・トゥルークス・Jr.が首位に立った。7位を走行していたKy.ブッシュはタイヤ2本交換を選択し、4位へとポジションアップ。得意の再スタートを決めたKy.ブッシュは、トゥルークス・Jr.に続く2位へと浮上した。
再スタートが切られて僅か2周で、他車のクラッシュでイエローコーション。トゥルークス・Jr.はピットへ向かい後退。コース上に残ったKy.ブッシュが2位、ボウヤー8位、マーク・マーティンが11位で再スタートを切ったが、Ky.ブッシュはハンドリングの不調に見舞われ、徐々にポジションダウン。
給油すれば最後まで走り切れる周回となる、130周目前後に各車グリーン下でピットへ向かい、多くの車両が2本タイヤ交換を行ったが、ハンドリング不調のKy.ブッシュは4本交換。全車がグリーンピットを終えた時点で、Ky.ブッシュは8位へと後退。
残り12周でこの日8度目のコーションが出されたが、8位のKy.ブッシュ、15位のケンゼスはピットに入らず、11位のボウヤー、17,18位のマーティンとトゥルークス・Jr.は逆転を狙い、タイヤ交換のためにピットイン。
残り8周で再スタート。ケンゼスはタイヤを交換した後続に飲み込まれ、ポジションダウン。20位まで後退したケンゼスは残り5周というところでスピンを喫してしまった。
これによりイエローコーションとなり、レースは最後の2周で再スタート。"トヨタ カムリ"勢は追い上げを図ったが叶わず、Ky.ブッシュが8位、ボウヤーが14位、トゥルークス・Jr.が15位、マーティンが18位、ボビー・ラボンテが19位、ケンゼスが22位という結果に終わった。
次戦第22戦は8月11日(日)、米国東部ニューヨーク州ワトキンス・グレン・インターナショナルのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「再スタートと、その直後の数周は好調だったのだが、ロングランではその調子を維持することが出来なかった。それが今日の我々の全てだ。クルーチーフを始め、スタッフはハードワークで支えてくれて、厳しい状況ながらもトップ10フィニッシュを果たすことが出来た」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 18 | 5 | ケイシー・ケイン | シボレー | 160 | ||
2 | 22 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 160 | ||
3 | 5 | 78 | カート・ブッシュ | シボレー | 160 | ||
8 | 2 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 160 | ||
14 | 16 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 160 | ||
15 | 26 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 160 | ||
18 | 28 | 55 | マーク・マーティン | トヨタ カムリ | 160 | ||
19 | 33 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 160 | ||
22 | 24 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 160 | ||
26 | 23 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 160 | ||
30 | 31 | 30 | デイビッド・ストレミー | トヨタ カムリ | 151 | ||
31 | 35 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 141 | ||
37 | 39 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 55 | ||
42 | 42 | 19 | アレックス・ケネディ | トヨタ カムリ | 22 | ||
43 | 9 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 14 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第20戦 U.S. Cellular 250
開催日:8月3日
首位を争ったブライアン・ヴィッカーズが3位フィニッシュ
首位を争い、3位でチェッカーを受けたブライアン・ヴィッカーズ(#20)
8月3日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第20戦「U.S. Cellular 250」が米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
この週末はポコノでカップ・シリーズとトラック・シリーズが開催されているため、掛け持ちのドライバーはほとんどおらず、シリーズレギュラーとスポット参戦のドライバーにより争われることとなった。
3日(土)決勝を前に午後4時5分から予選が行われ、カイル・ブッシュ・モータースポーツから今季2戦目の出場となるドリュー・ヘリングが自身初となるポールポジションを獲得。ルーキーのアレックス・ボウマンが2列目3番手、ブライアン・ヴィッカーズが6番手、エリオット・サドラーが10番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、日が大きく傾きかけた午後7時17分に0.875マイルオーバルを250周(218.75マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのヘリングは首位をキープ。追いすがるシリーズレギュラー勢のプレッシャーを受けながらも、20周以上にわたって首位を走行した。
ヘリングは周回遅れが出始めた26周目に、ライバルの先行を許すこととなったが、その後もトップ5圏内をキープ。しかし、54周目に痛恨の単独スピン。どこにもヒットすることはなかったものの、13位へと後退。
これによりこの日最初のイエローコーションが出され、全車ピットへ。ヴィッカーズが好ピット作業で2位へとジャンプアップを果たした。
中盤、日が沈んでコンディションが変わっていく中で、ヴィッカーズとサドラーがトップ10圏内でのバトルを展開。20番手スタートのパーカー・クリガーマンも徐々に順位を上げ、トップ10圏内へと浮上した。
199周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、ヴィッカーズとサドラーは共にタイヤ2本交換作戦を採り、一気に2位、3位へとポジションアップ。再スタートが切られると、ヴィッカーズは激しく首位争いを展開し、207周目についに首位に立った。
しかし、215周目、今大会唯一カップ・シリーズと掛け持ち出場している、昨年のカップ・シリーズチャンピオンのブラッド・ケゼロウスキー(フォード)がヴィッカーズをパス。ヴィッカーズとサドラーは2位、3位でケゼロウスキーを追った。
223周目にスピン車両によりこの日4度目のイエローコーション。上位はピットに入らず、ヴィッカーズ2位、サドラー3位、クリガーマンが7位で再スタート。クリガーマンは激しいオーバーステア症状に見舞われ一気にポジションダウン。変わって、先のコーションでピットインし、タイヤを交換していたヘリングとボウマンが、3ワイドでの激しいバトルでポジションアップ。サドラーもかわし、それぞれ6位、7位へと順位を上げた。
タイヤの厳しいヴィッカーズは1台にかわされるも、最後まで上位争いを展開し、3位でチェッカー。ヘリングが6位、ボウマンが7位、サドラーが8位でトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第21戦は8月10日(土)、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 250 | ||
2 | 14 | 12 | サム・ホーニッシュ・Jr. | フォード | 250 | ||
3 | 6 | 20 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 250 | ||
6 | 1 | 54 | ドリュー・ヘリング | トヨタ カムリ | 250 | ||
7 | 3 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 250 | ||
8 | 10 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 250 | ||
16 | 20 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 250 | ||
18 | 24 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 248 | ||
20 | 16 | 44 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 247 | ||
22 | 12 | 29 | ケニー・ウォレス | トヨタ カムリ | 246 | ||
23 | 26 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 246 | ||
30 | 36 | 87 | トラヴィス・ソーター | トヨタ カムリ | 238 | ||
33 | 25 | 24 | ブレット・バトラー | トヨタ カムリ | 74 | ||
38 | 31 | 0 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 5 | ||
40 | 29 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第11戦 Pocono Mountains 125
開催日:8月3日
4台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ
激しいバトルの末に3位、4位に入ったジャーマン・キロガ(#77:右)と
ジョーイ・コールター(#18:左)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第11戦「Pocono Mountains 125」が8月3日(土)にポコノ・レースウェイで開催された。
2日(金)に練習走行が行われ、3日(土)は決勝を前に午前10時から予選が予定されていたが、降雨のためにキャンセル。規定に則り、練習走行のタイムで決勝グリッドが決定され、ジャーマン・キロガが4番手、ダレル・ウォレス・Jr.が5番手、マット・クラフトンが9番手、ジョーイ・コールターが10番手につけ、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
雨でキャンセルされた予選の後、天候は回復。濡れた路面を乾かすために、決勝のスタートは若干遅れたが、晴れ渡った空の下、午後1時49分に2.5マイルオーバルを50周(125マイル:約200km)して競われる決勝レースがスタートした。
1周目、今大会がシリーズデビュー戦となったリッキー・アーゴットがスピンし、壁にヒット。イエローコーションとなった。ここで、5番手スタートのD.ウォレス・Jr.が、スタート前に車線変更を行ったとしてペナルティを科され、30位以下へと大きく後退してしまった。
再スタート後は、D.ウォレス・Jr.が激しく追い上げる一方で、キロガとコールターがサイド・バイ・サイドで5位争いを展開。クラフトンもトップ10圏内をキープした。
50周と短いレースながら、最低1回の給油は必要な今大会、イエローコーションが出ないまま、レース中盤になるとグリーン下でのピット作業が始まった。順位が入れ替わっていき、ピット作業を引っ張ったコールターが27周目に、そしてペナルティから追い上げてきたD.ウォレス・Jr.も29周目に首位に立ち、リードラップボーナスを獲得。
全車がピットを終えた時点でキロガが4位、コールターが7位、13番手スタートから着実な走りを見せるジョニー・ソーターが8位、クラフトンが9位のポジション。D.ウォレス・Jr.もまもなくトップ10へと浮上した。
レースが残り10周を切った42周目、コース上の異物によりこの日2度目のイエローコーション。キロガ、ソーター、クラフトン、D.ウォレス・Jr.を含む上位勢はコース上に残ったが、コールターを先頭に後続勢は最後の逆転を狙いピットへ。
残り4周での再スタートでは、3ワイドでの激しい上位争いの中で接触からスピン車両が発生し、レースは延長、"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。
再スタートでキロガが首位に立った直後、後方では4ワイドのバトルの中で接触が発生。8位を走行していたソーターは、壁に押しつけられる形で逃げ場を失いクラッシュ。2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
キロガを先頭に再スタートが切られたが、後続も4ワイドで大きく広がり、ターン進入でキロガをパス。キロガとコールターがサイド・バイ・サイドで上位2台を追ったが届かず、キロガが自己最高位タイとなる3位、コールターが4位でフィニッシュ。D.ウォレス・Jr.が7位、クラフトンが8位に入り、"トヨタ タンドラ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第12戦は8月17日(土)に米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催される。
ドライバー ジャーマン・キロガ:
「素晴らしいレースだった。クルーチーフは最高の"トヨタ タンドラ"を仕上げてくれた。私はただ運転すれば良かった。いくつかポジションを落としたこともあったが、すぐに取り戻して上位で戦えた。チームを誇りに思う。ここポコノで走るのは初めてだったが、本当に楽しく、大好きなコースだ。今日の結果には本当に満足しているが、そう遠くないうちに、我々の"トヨタ タンドラ"と共にヴィクトリーレーンに上がれることを願っている」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 6 | 29 | ライアン・ブレイニー | フォード | 54 | ||
2 | 1 | 32 | ミゲル・パルド | シボレー | 54 | ||
3 | 4 | 77 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 54 | ||
4 | 10 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ タンドラ | 54 | ||
7 | 5 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 54 | ||
8 | 9 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 54 | ||
14 | 18 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 54 | ||
15 | 15 | 51 | チャド・ハッケンブラート | トヨタ タンドラ | 54 | ||
17 | 12 | 7 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 54 | ||
19 | 13 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 54 | ||
33 | 24 | 7 | J.J.イェリー | トヨタ タンドラ | 9 | ||
36 | 26 | 81 | リッキー・アーゴット | トヨタ タンドラ | 2 | ||
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