NASCAR SPRINT CUP SERIES
第28戦 Sylvania 300
開催日:9月22日
マット・ケンゼスが今季7勝目
カイル・ブッシュが続き2戦連続の1-2!
通算500戦目を記念したスペシャルカラーの"トヨタ カムリ"で
勝利を祝う"バーンナウト"を披露するマット・ケンゼス(#20)
9月22日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第28戦「Sylvania 300」が開催された。
同コースでは今季、7月に第19戦としてレースが行われており、ブライアン・ヴィッカーズが勝利、カイル・ブッシュが2位に入っている。ヴィッカーズはレギュラー出場しているネイションワイド・シリーズのレースが遠く離れたケンタッキーで開催されているが、カップ・シリーズ戦も掛け持ちするため、非常に忙しい週末を過ごすこととなった。
また、今大会は、前戦今季6勝目を挙げ、現在ランキングリーダーのマット・ケンゼスにとって、カップ・シリーズでのキャリア通算500戦目という記念すべきレースとなる。ケンゼスは500戦出場にちなんだスペシャルカラーリングの"トヨタ カムリ"で今大会に臨んだ。
20日(金)午後3時40分より予選が行われ、マーティン・トゥルークス・Jr.が5番手、ケンゼスが9番手、Ky.ブッシュが12番手、昨年秋大会の覇者、デニー・ハムリンが14番手、クリント・ボウヤーが16番手で続き、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
尚、ネイションワイド・シリーズと掛け持ちしているヴィッカーズの55号車は、ケニー・ウォレスが予選をドライブし、29番手につけたが、決勝レースではヴィッカーズにドライバーチェンジするため、最後尾へとグリッド後退してのスタートとなる。
22日(日)午後2時17分、1.058マイルオーバルを300周(317.4マイル:約510km)して競われる決勝レースがスタートした。
5番手スタートのトゥルークス・Jr.は、徐々に順位を上げ、3位で迎えた30周目の最初のイエローコーションでは、タイヤ2本交換を選択。2位からの再スタートで首位に立った。
その後2回連続してクラッシュでのイエローコーションが出されるも、トゥルークス・Jr.は首位をキープ。59周目の再スタート後は100周以上に渡ってイエローコーションが出ず、ピット戦略を変えた車両による順位変動はあったものの、結局全車グリーンピットを経ることとなり、129周目には再びトゥルークス・Jr.が首位へ。
その後、調子を上げてきたケンゼスが徐々にトゥルークス・Jr.との差を詰めていき、151周目に逆転。ケンゼスがこの日初めて首位に立った。
164周目にこの日4度目のイエローコーションが出されると、全車ピットへ。ここでヴィッカーズを含む5台が2本タイヤ交換作戦を採り、ヴィッカーズは2位浮上。4本交換したトゥルークス・Jr.が5位、ケンゼスが6位で再スタートとなった。
200周目のイエローコーションでもほとんどの車両がピットへと向かったが、それまで13位前後を走行、燃費戦を得意とするボウヤーがここでコース上に残り、首位に浮上。ケンゼスが4位、トゥルークス・Jr.が5位、Ky.ブッシュが8位で再スタート。
再スタートしてまもない207周目にケンゼスがボウヤーをかわし、首位を奪還したが、ボウヤーもトップ5をキープしながらイエローコーション発生を待った。
しかしイエローコーションはなかなか出ず、244周目、ついにボウヤーがグリーンピットへ。
不運なことに、ボウヤーがピットアウトした直後の246周目にエンジンブロー車両によりイエローコーション。周回遅れとなっていたボウヤーは"ラッキー・ドッグ"で首位と同一周回には復帰したものの、26位へと大きく順位を落としてしまった。
このコーションで、上位勢はピットに向かい、最後の給油とタイヤ交換。ケンゼスが首位、トゥルークス・Jr.が2位、Ky.ブッシュが4位で残り50周での終盤戦を迎えた。
この再スタートでは、Ky.ブッシュが好ダッシュを見せ、トゥルークス・Jr.をかわしてケンゼスに続く2位に浮上。252周目にもイエローコーションとなり、ケンゼス、Ky.ブッシュは最前列からポジションを守ったが、トゥルークス・Jr.は3ワイドでの激しいバトルの中で、前走車がスピンしかけたためにこれを避けようとしてポジションを落としてしまった。
最後は40周あまりに渡ってイエローコーションが出ないまま、ケンゼスが首位を快走。2位で追うKy.ブッシュとの2台の"トヨタ カムリ"が後続を大きく引き離し、1−2体制のままチェッカー。
前戦シカゴランドに続き、ケンゼス、Ky.ブッシュが2戦連続での1-2フィニッシュを果たした。ヴィッカーズが7位、トゥルークス・Jr.が10位、ハムリンが12位、ボウヤーは17位まで順位を上げてチェッカーを受けた。ケンゼスの、通算500戦目での勝利は史上2人目。
"チェイス"2連勝のケンゼスは、今大会も300周中106周にわたって首位を走行し、最多リードラップボーナスを獲得。2戦連続での最大ボーナスポイント獲得で、ランキング2位のKy.ブッシュに14ポイント差をつけ、ランキング首位を守っている。
また、この連勝により、トヨタはマニュファクチャラーランキングでも、同点首位に立った。
次戦第29戦は9月29日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー マット・ケンゼス:
「ここロードンにヴィクトリーレーンがあったなんて知らなかった。私にとってロードンは、様々な理由で、相性の良いコースとは言い難かった。しかし、私のチームとカイル(ブッシュ)とデニー(ハムリン)、そして彼らのチームが本当によくやってくれた。週末を通して3台の素晴らしい"トヨタ カムリ"で戦うことが出来た。正直なところ、ここ(ヴィクトリーレーン)に立っているというのが信じられない。今私は世界一の幸せ者だと感じている。この思いと共にドーバーへと向かい、残り8戦も同様に戦って行きたい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 9 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 300 | ||
2 | 12 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 300 | ||
3 | 10 | 16 | グレッグ・ビッフル | フォード | 300 | ||
7 | 29 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 300 | ||
10 | 5 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 300 | ||
12 | 14 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 300 | ||
17 | 16 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 300 | ||
26 | 35 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 300 | ||
28 | 30 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 300 | ||
35 | 36 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 296 | ||
38 | 33 | 30 | ケヴィン・スウィンデル | トヨタ カムリ | 244 | ||
40 | 28 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 161 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第27戦 Kentucky 300
開催日:9月21日
4台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ
今季2度目のトップ5フィニッシュを果たしたルーキーのアレックス・ボウマン(#99)
9月21日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第27戦「Kentucky 300」が米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催された。
年に2回シリーズ戦が開催されるケンタッキー。6月の大会は雨で途中終了となった。昨年の秋大会では、シリーズ初出場のドリュー・ヘリングが、デビュー戦にもかかわらず4位という好結果を残している。
今大会は、今季最後となる、ネイションワイド・シリーズ単独開催イベント。カップ・シリーズ戦は遠く離れたニューハンプシャー州ロードンでの開催のため、ブライアン・ヴィッカーズ1人を除いて掛け持ちのドライバーはおらず、シリーズレギュラーと若手ドライバーに加え、この週末レースのない、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズのドライバーも多くスポット参戦した。
20日(金)に2回予定されていた練習走行は、降雨のため1回目が途中終了、2回目がキャンセルとなった。このため、あまり練習走行の機会がないまま、21日(土)午後4時35分から予選が行われ、トラック・シリーズのレギュラーであるジョーイ・コールターが6番手、ヘリングが7番手、ヴィッカーズが10番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後7時53分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
予選後に規定外の調整を行ったとして後方スタートを強いられたコールターにかわり、ヘリング、ヴィッカーズ、サドラーに11番手スタートのパーカー・クリガーマンが加わり、トップ10圏内を走行。
前夜の降雨もあり、25周目に設定されていたコンペティション・コーションで全車ピットへ向かうと、2本タイヤ交換作戦を採ったヴィッカーズとヘリング、サドラーの3台は3,4,5位へポジションアップを果たした。
20番手スタートのルーキー、アレックス・ボウマンもトップ10圏内を伺う位置まで浮上。前半戦はイエローコーションが多発する中で、各チーム様々なピット戦略を採り、順位が大きく入れ替わった。
118周目にこの日5回目のイエローコーションが出された後は40周以上に渡ってイエローコーションが出ず、最後まで走り切れる周回となった160周目あたりからグリーン下でピットを行う車両が出始めた。9位走行中のサドラーがグリーンピットを終え、ピットアウトしようとした162周目にクラッシュ車両によりイエローコーション。
この車両から出火したため、処理のため長いイエローコーションとなり、その間にコースに残っていた上位勢が最後のピットへ。残り20周強へ向け、ポジションとタイヤ交換の難しい選択が迫られる中、後方スタートから追い上げていたコールターが、タイヤを交換しないギャンブルに出て、5位へと一気に6ポジションアップ。4本交換し、3つポジションを落としたヘリングが6位、2本交換のヴィッカーズとクリガーマンがそれぞれ7位、9位、4本交換のボウマンが10位で再スタートとなった。サドラーはピットに入った車両の後方につくこととなり、14位へ後退。
再スタート直後からフィニッシュに向けての激しいバトルが展開され、イエローコーションが連発。188周目には、3ワイドのバトルから、ポジションアップを狙ったクリガーマンが行き場を失い、壁に激しくクラッシュ。トップ10圏内を走行していたクリガーマンだったが、ここでレースを終えることとなってしまった。
このクラッシュで、レースは残り9周で再スタート。4位にボウマン、これにヘリング、ヴィッカーズが続き、最後のスプリントバトルが展開された。
順位変動の大きなレースながら、その大半でトップ10圏内を守った20歳のルーキー、ボウマンが"トヨタ カムリ"勢最上位となる5位でフィニッシュ。ボウマンにとっては開幕戦以来、今季2度目のトップ5フィニッシュとなった。
6位にヘリング、7位にヴィッカーズ、9位にコール・ウィットが入り、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第28戦は9月28日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー アレックス・ボウマン:
「レース前に、私が今夜トップ5フィニッシュを果たせると言っても誰も信じなかっただろう。しかし、クルーチーフの巧みな作戦もあり、"トヨタ カムリ"勢でも最上位フィニッシュを果たせた。クルーチーフはレース中もずっと良い方向へとセットアップを調整してくれて、ピットクルーも素早い作業でポジションを上げてくれた。今夜のレースは、素晴らしいドライバー達と、3ワイドでの接近戦を繰り広げることが出来、本当に楽しかった。来週はあまり経験のない"モンスター・マイル"ことドーバーでのレースとなるが、今日の勢いと経験は必ず活きてくるはずだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 22 | ライアン・ブレイニー | フォード | 200 | ||
2 | 3 | 3 | オースティン・ディロン | シボレー | 200 | ||
3 | 5 | 33 | マット・クラフトン | シボレー | 200 | ||
5 | 20 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 200 | ||
6 | 7 | 54 | ドリュー・ヘリング | トヨタ カムリ | 200 | ||
7 | 10 | 20 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 200 | ||
9 | 18 | 44 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 200 | ||
14 | 12 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 200 | ||
18 | 6 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ カムリ | 200 | ||
23 | 34 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 197 | ||
24 | 25 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 197 | ||
26 | 23 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 196 | ||
29 | 11 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 187 | ||
35 | 38 | 24 | ライアン・エリス | トヨタ カムリ | 31 | ||
39 | 33 | 0 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 4 | ||
40 | 27 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
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