NASCAR SPRINT CUP SERIES
第29戦 AAA 400
開催日:9月29日
カイル・ブッシュは"チェイス"3戦連続トップ5
マット・ケンゼスは7位でランキング首位堅守
3戦連続5位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ(#18)と
7位に入りランキング首位を守ったマット・ケンゼス(#20)
9月29日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第29戦「AAA 400」が開催された。
1周1マイル(約1.6km)のドーバーは「モンスター・マイル」と呼ばれ、24度バンクのコーナーと、コンクリート舗装の路面を持つ難コース。トヨタ勢では2008年と2010年にカイル・ブッシュが勝利を飾っている。
"チェイス"は3戦目を迎えたが、これまでの2戦はマット・ケンゼスが連勝。Ky.ブッシュが2戦共に2位で続いている。"チェイス"が始まって以来3連勝は果たされておらず、ケンゼスはこの記録に挑むこととなった。
27日(金)午前中からの練習走行に続き、午後3時10分から予選が行われ、ケンゼスが最前列2番手。マーティン・トゥルークス・Jr.が10番手、Ky.ブッシュは14番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
29日(日)午後2時21分、好天の下で1マイルオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。
ケンゼスが2位のポジションをキープする一方で、14番手グリッドのKy.ブッシュが好スタートで1周目にしてトップ10圏内へと浮上した。
37周目にコース上の異物でこの日最初のイエローコーション。上位勢は一斉にピットへと向かい、タイヤ2本交換を選択したKy.ブッシュが首位に浮上。4本交換のケンゼスは9位に後退。一方で、23番手スタートから16位までポジションを上げていたクリント・ボウヤーは、タイヤ無交換作戦に出て、8位へとジャンプアップした。
首位で再スタートしたKy.ブッシュは、一時は2位に2秒以上の差を付けたが、イエローコーションが出ず、長いスティントとなったため、2本交換のKy.ブッシュは4本交換組にかわされ、徐々にポジションを落としてしまった。
115周目あたりからグリーン下でのピット作業が始まり、順位が変動。全車がピット作業を終えた時点で、ケンゼスが2位、Ky.ブッシュが5位、ボウヤーが7位。"チェイス"を争う13人のドライバー全員がトップ16に入るという堅実なレースが続いた。
165周目にこの日2度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ向かうと、ケンゼスが首位に立ち、30周にわたってポジションをキープ。レース折り返しを目前にしてその座を奪われたものの、首位争いを続けた。
228周目、この日3度目のイエローコーションで全車ピットへ向かったが、残り周回はもう1回の給油で走りきるにはぎりぎりの周回数。ケンゼス、Ky.ブッシュ、ボウヤーがトップ10圏内をキープし、終盤でのポジションアップのチャンスを伺った。
310周過ぎからグリーンピットが始まったが、燃費レースを得意とするボウヤーは最後までピットインを引っ張り、315周目に首位に立った直後にピットへ。このグリーンピットでは、18位スタートからトップ10を伺える位置までポジションを上げていたデニー・ハムリンがピットロードでの速度違反ペナルティを受けることとなり、20位へと後退してしまった。
全車がピットを終え、ケンゼスが2位、Ky.ブッシュが5位、ボウヤーが10位で終盤戦へ。上位を争うチームが最後まで走りきるには燃料不足で苦しい戦いとなる中、ボウヤーに勝機が出てきたかと思われた。
しかし、残り30周となった370周目にコース上の異物でこの日4回目のイエローコーション。全車ピットへ向かい、残り26周でのスプリント勝負となった。
ケンゼスが3位、Ky.ブッシュが5位、ボウヤーが9位で再スタート。しかし、再スタートでケンゼスがやや出遅れ、Ky.ブッシュとの5位争いに。これを制し、5位に上がったKy.ブッシュは終盤更に前を追ったが届かず、5位でチェッカー。ケンゼスは7位、ボウヤーが10位でフィニッシュした。
トップ10フィニッシュは全車"チェイス"ドライバーが占め"チェイス"争いは激戦が続いている。そんな中で7位でレースを終えたケンゼスだが、ランキング首位はキープ。"チェイス"開始からの3戦連続トップ5フィニッシュを果たしたKy.ブッシュは、今大会勝利したジミー・ジョンソン(シボレー)にかわされ3位へと後退したが、首位ケンゼスとの差は12ポイントへと若干詰めることに。ボウヤーも8位へと2つ順位を上げた。
次戦第30戦は10月6日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日の我々の"トヨタ カムリ"は5番目から7番目くらいの速さだったと思う。それを考えれば5位フィニッシュはまずまずの結果だ。最後の再スタートでアウト側のラインが取れれば3位でフィニッシュ出来たと思うが、それは叶わなかった。あの状況で前走車をパスするのは困難だった。5位という結果には不満が残るが、"チェイス"の初戦3戦を連続トップ5フィニッシュ出来たと考えれば悪くない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 8 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 400 | ||
2 | 1 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 400 | ||
3 | 11 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 400 | ||
5 | 14 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 400 | ||
7 | 2 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 400 | ||
10 | 23 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 400 | ||
12 | 22 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 400 | ||
15 | 10 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 399 | ||
20 | 18 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 397 | ||
26 | 17 | 47 | AJ.アルメンディンガー | トヨタ カムリ | 395 | ||
27 | 33 | 30 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 394 | ||
28 | 39 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 394 | ||
31 | 30 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 392 | ||
39 | 41 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 168 | ||
|
|
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第28戦 5-hour ENERGY 200
開催日:9月28日
イエローコーションわずか2回。160周のグリーンラン
ブライアン・ヴィッカーズが4位
4位フィニッシュのブライアン・ヴィッカーズ(#20)と5位のエリオット・サドラー(#11)
9月28日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第28戦「5-hour ENERGY 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
28日(土)決勝レースを前に午後12時5分より予選が行われ、ルーキーのアレックス・ボウマンが2列目4番手。カイル・ブッシュとマイク・ブリスが5,6番手で続き、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後3時56分にコンクリート舗装の1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
5番手スタートのKy.ブッシュは、序盤から好調に順位を上げていき、18周目に首位を奪取。25周目にスピン車両によりこの日初めてのイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。Ky.ブッシュは首位を守って再スタートを切った。
36周目にもクラッシュ車両でイエローコーションとなったが、無給油で70周以上走れるドーバーで、首位のKy.ブッシュはここでもコース上に残る選択。しかし、続く上位勢の数台がピットへ向かい、戦略が分かれた。
序盤の40周で2回のアクシデントが発生したが、その後はイエローコーションが出ない展開。首位を快走し、一時は2位に6秒以上もの大差をつけていたKy.ブッシュだったが、88周目にグリーン下でピットイン。周回遅れの23位まで後退してしまった。
イエローコーションの出ない状況はその後も続き、先のコーションでピットインしていた車両も110周を過ぎたあたりからグリーンピットを開始。121周目にはKy.ブッシュが再び首位に返り咲いた。
しかし、Ky.ブッシュは必ずもう一回給油のピットインを行わなくてはならないのに対し、ブライアン・ヴィッカーズやエリオット・サドラーを含む、2回目のコーションでピットインしていた車両は、ぎりぎり最後まで走り切れる計算。後半戦は燃費戦の様相を呈してきた。
Ky.ブッシュは175周目にグリーン下でピットインし、周回遅れの15位へと後退。この時点で、長いグリーンランにより、首位と同一周回走行車両は、わずか6台となっていた。
首位と同一周回の5位、6位につけていたヴィッカーズとサドラーだったが、後方には首位の車両が迫っており、サドラーはまもなく周回遅れに。
その後、ピットインした車両があったため、ヴィッカーズが4位、サドラーが5位へとポジションを上げ、そのままチェッカー。パーカー・クリガーマンが7位。終盤追い上げたKy.ブッシュが8位。ブリスが10位でフィニッシュし、"トヨタ カムリ"は5台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第29戦は10月5日(土)、カンザス・スピードウェイで行われる。
ドライバー ブライアン・ヴィッカーズ:
「残り30周くらいで、首位の22号車(ジョーイ・ロガーノ:フォード)が後に来ており、周回遅れ目前だったことは分かっていたので、フィニッシュラインを越えたときにチームから4位だと聞いて驚いた。しかし、チームが本当によくやってくれて、我々の"トヨタ カムリ"も速かった。最初のピットインの時に調整の方向を若干誤ったのと、我々がタイヤを2本交換したのに対し、22号車が4本交換したことで、差を広げられてしまった。次のピットストップで調整し、4本タイヤを交換した後は好調だったが、周回遅れの多いコースでは、良いポジションをキープしておくことが重要だった。最後の3,40周では、首位の車両が後方に迫ってきたが、彼らよりも私の方が若干速く、引き離すことが出来た。もう少し良いペースで走りたかったが、今日のようにトップ5フィニッシュを続けていくことが、チャンピオンシップを戦うためには必要だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 200 | ||
2 | 17 | 32 | カイル・ラーソン | シボレー | 200 | ||
3 | 8 | 33 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 200 | ||
4 | 11 | 20 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 200 | ||
5 | 12 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 199 | ||
7 | 9 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 199 | ||
8 | 5 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 199 | ||
10 | 6 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 199 | ||
16 | 19 | 44 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 198 | ||
18 | 4 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 197 | ||
23 | 24 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 196 | ||
26 | 31 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 189 | ||
30 | 25 | 0 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 85 | ||
32 | 30 | 24 | ライアン・エリス | トヨタ カムリ | 60 | ||
33 | 39 | 70 | ブラッド・ティーグ | トヨタ カムリ | 58 | ||
35 | 28 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 13 | ||
|
|
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第17戦 Smith's 350
開催日:9月28日
ティモシー・ペターズが今季2勝目!
"トヨタ タンドラ"が1-2フィニッシュ
今季2勝目を挙げたティモシー・ペターズ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第17戦「Smith's 350」が9月28日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。
この週末、ネイションワイド・シリーズとカップ・シリーズは米国東海岸側のドーバーでレースが行われているが、トラック・シリーズ戦のみ、米国西側のラスベガスで、ネイションワイド・シリーズ戦と同日の開催となっており、このため、掛け持ちのドライバーはなく、シリーズレギュラーとスポット参戦ドライバーによってレースが競われた。
同シリーズでは、マット・クラフトンが今季これまでの16戦全戦でトップ10フィニッシュを果たすという安定した戦いを続け、2位に41ポイントもの大差をつけてランキング首位を守っており、残り6戦となったシーズンで、タイトル獲得へ向けた終盤の戦いぶりに期待がかかった。
今大会は、走行セッションが全て28日(土)の一日で行われるワン・デイ・イベント。午前中の練習走行に続き、午後3時15分から予選が行われ、クラフトンが5番手、今大会がトラック・シリーズデビュー4戦目となる21歳のルーキー、チャド・ハッケンブラートが10番手。9台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選の後、日が傾いてきてコースの半分を影が覆うようになった午後5時53分、1.5マイルオーバルを146周(219マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。すぐに5番手スタートのクラフトンが3位へとポジションアップし、12番手スタートのティモシー・ペターズもトップ10圏内へ。
14周目にスピン車両によりこの日最初のイエローコーションが出され、1台を除いて全車ピットへ。このピット作業でポジションを上げたクラフトンが、再スタートで好ダッシュを決め、首位に立った。
しかし、その後は10周から15周毎にスピンでのイエローコーションが連発。各車ピット戦略が分かれ、順位がめまぐるしく入れ替わった。中盤には、17番手スタートのダレル・ウォレス・Jr.も2度にわたって首位を走行。
しかし、無給油で走り切れる残り50周が見えてきた92周目にスピン車両により6度目のイエローコーションが出されると、全車ピットへ。終盤戦へ向け、順位がリセットされた。
ウォレス・Jr.が2位、クラフトンが4位、ジョーイ・コールターが5位、ペターズ8位、ハッケンブラート9位で再スタートが一旦切られたが、すぐにクラッシュが発生し、再びイエローコーション。103周目の再スタートでは、ウォレス・Jr.が首位を奪うが、すぐにそれをクラフトンがかわし首位に立った。
しかし、109周目にはハッケンブラートがスピン。このコーションでは誰もピットインせず、首位のまま再スタートを切ったクラフトンだったが、120周目に突然酷いオーバーステア症状に見舞われペースダウン。徐々に順位を落とすこととなってしまった。
レースを通しトップ10圏内をキープし続けたペターズが残り40周を切ったあたりからプッシュを開始しポジションアップ。122周目にクラフトンをかわすと、2位に浮上した。
残り8周でのクラッシュ発生によりこの日9度目のイエローコーション。ほとんどの車両はコース上に残ったが、クラフトンはピットへ向かい、15位へ後退。
首位の車両がアウト側を選択したため、最前列2番手、イン側からの再スタートとなったペターズは、残り2周での再スタートで素晴らしいダッシュを決め、これに3列目5位から上手く集団を抜け出したソーターが続くと、2台の"トヨタ タンドラ"はそのまま1-2フィニッシュ。ペターズが今季2勝目を挙げた。
3ワイドの集団戦となった後続勢では、ウォレス・Jr.が5位、タウンリーが7位でフィニッシュ。クラフトンも11位まで追い上げてチェッカーを受けた。
クラフトンの連続トップ10フィニッシュ記録は16で途切れることとなったが、今大会、クラフトンは最多リードラップボーナスも獲得。ランキング2位との差は41ポイントのまま保った。
次戦第18戦は10月19日(土)に米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで開催される。
ドライバー ティモシー・ペターズ:
「我々の"トヨタ タンドラ"はコースに持ち込んだときから好調だった。予選もまずまずだったが、決勝では他車の乱気流に巻き込まれると非常にドライブが難しくなるだけに、とにかくポジション取りが重要だった。クルーチーフの素晴らしい判断と、ピットクルーの素早い作業で好ポジションに着け、勝つことが出来た。今季17戦目で17度目の開催となるラスベガス戦、ゼッケン17の私にとって通算7勝目と、7の多く並ぶレースとなって、この街(ラスベガス)らしい勝利だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 12 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 146 | ||
2 | 16 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 146 | ||
3 | 7 | 32 | ミゲル・パルド | シボレー | 146 | ||
5 | 17 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 146 | ||
7 | 18 | 7 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 146 | ||
11 | 5 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 146 | ||
13 | 14 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ タンドラ | 146 | ||
17 | 10 | 51 | チャド・ハッケンブラート | トヨタ タンドラ | 146 | ||
21 | 19 | 77 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 146 | ||
28 | 26 | 7 | カレブ・ローク | トヨタ タンドラ | 4 | ||
|
|