2013年10月 7日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第30戦 Hollywood Casino 400

開催日:10月6日

大荒れのカンザスでカイル・ブッシュは痛恨のクラッシュ。
マット・ケンゼスは11位もランキング首位キープ

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11位でフィニッシュし、ランキング首位を守ったマット・ケンゼス(#20)

 10月6日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第30戦「Hollywood Casino 400」が開催された。
 4戦目を迎えた"チェイス"は、マット・ケンゼスがランキング首位をキープしている。そのケンゼスは、今大会の行われるカンザスを得意としており、昨年秋と今年春の大会を連勝中。また、前日行われたネイションワイド・シリーズ戦も制している。
 それに対し、カイル・ブッシュはこれまでカンザスのカップ・シリーズ戦で未勝利。過去12戦中トップ10が2回のみ、直近の2戦は共にクラッシュに終わっている。

 4日(金)午後4時10分から予選が行われ、ケンゼスが7番手、デニー・ハムリンが10番手。"チェイス"を争うKy.ブッシュは18番手、クリント・ボウヤーが22番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
 尚、Ky.ブッシュは5日(土)の練習走行でクラッシュを喫し、バックアップカーに乗り換えるため、決勝レースは最後尾グリッドからスタートを切ることとなった。

 6日(日)午後1時21分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタートした。
 1周目の第2ターンで、いきなり後方集団による多重クラッシュが発生。最後尾スタートのKy.ブッシュはかろうじてこれを避けたが、コースオフしたため車両下部を確認するためにピットイン。このクラッシュにはコール・ウィットとデイビッド・ロイティマンが巻き込まれ、波乱のレースを予感させる幕開けとなった。
 再スタート後は、ケンゼスと11番手スタートのヴィッカーズがトップ10圏内を走行。Ky.ブッシュも最後尾から徐々にポジションを上げていった。
 85周目あたりから、上位勢がグリーンピットを開始したが、その直後にイエローコーション。ここで順位が大きく入れ替わった。ピットに入っていなかったケンゼスは2位へ。ハムリンが8位、ヴィッカーズ9位で再スタート。再スタートで好ダッシュを見せたケンゼスが首位を奪った。
 111周目、ジョー・ネメチェクがエンジンブローを喫しイエローコーション。このピットでケンゼスは2位へ後退したが、ハムリンが4位へとポジションアップを果たした。
 118周目に再スタートが切られたが、すぐに他車のスピンでイエローコーション。その後も、短い間隔でスピンやクラッシュによるイエローコーションが多発する、波乱の展開となり、各車ピット戦略が分かれ、順位が激しく入れ替わることとなった。
 136周目のイエローコーション時には、徐々に順位を上げてきたKy.ブッシュがコース上に残り、2位へと浮上、上位争いを繰り広げた。
 しかし、Ky.ブッシュは187周目、元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤとのバトルの中で後方から接触され、スピン。この時はどこにもヒットすることなく、レースに復帰。
 ポジションは落としたものの、首位と同一周回には留まり、追い上げを狙ったKy.ブッシュだったが、この日12回目のイエローコーションからの再スタートが切られた200周目、中団グループの混乱の中でヴィッカーズと接触しスピン。壁に激しくヒットし、車両前部を大破。痛恨のリタイアとなってしまった。
 5周に満たないグリーンフラッグランでコーションが多発する展開が続いたが、このイエローコーションの後は20周以上に渡ってイエローコーションが出ず、上位につけていたハムリンやケンゼスらはグリーン下でピットイン。しかし、その直後の228周目にイエローコーションが出され、ケンゼスらは首位と同一周回には戻ったものの、大きく順位を落としての再スタートとなってしまった。
 233周目、首位と同一周回最後尾の30位から再スタートを切ったケンゼスは、素晴らしい追い上げで一気に順位を上げ、僅か10周で15位までポジションアップ。
 243周目、直前まで14位を走行していたヴィッカーズが単独スピンから壁に激しくクラッシュ。ヴィッカーズもここでレースを終えることとなった。
 残り19周での再スタートが切られると、15位につけていたケンゼスは懸命な追い上げでポジションアップを図ったが、11位でチェッカー。ハンドリングに苦しみながらもポジションをキープしたボウヤーが14位に入った。
 今大会は新記録となる15回のものイエローコーションが発生する大荒れのレースとなった。
 今大会の結果、若干ポイント差は詰められたものの、ケンゼスはランキング首位の座をキープ。34位に終わったKy.ブッシュはランキング5位へと後退。ボウヤーは9位につけている。

 次戦第31戦は10月12日(土)、米国東南部ノースカロライナ州コンコードのシャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「今日はずっと苦戦を強いられた。今年はこれまでずっと好調で、こんな状況になったことはなかった。オーバーステア症状が酷く、いつクラッシュしてもおかしくないレースだった。最後の調整が効を奏し、何とか11位まで順位を戻してフィニッシュできた。毎週この結果では困るが、クラッシュしなかっただけでも幸運だったし、ランキング首位を守れたことで良しとしなくてはならない。更に努力を続け、来週のレースに挑む」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 29 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 267
2 19 78 カート・ブッシュ シボレー 267
3 14 24 ジェフ・ゴードン シボレー 267
11 7 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 267
14 22 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 267
19 13 56 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ カムリ 267
20 28 47 AJ.アルメンディンガー トヨタ カムリ 267
23 10 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 267
26 36 93 トラヴィス・クヴァピル トヨタ カムリ 267
31 30 30 コール・ウィット トヨタ カムリ 260
32 11 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 242
34 18 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 199
37 27 83 デイビッド・ロイティマン トヨタ カムリ 157
41 39 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 107
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マット・ケンゼス トヨタ 2183
2 ジミー・ジョンソン シボレー 2180
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 2158
5 カイル・ブッシュ トヨタ 2148
9 クリント・ボウヤー トヨタ 2128
16 マーティン・トゥルークス・Jr. トヨタ 806
25 デニー・ハムリン トヨタ 573
31 トラヴィス・クヴァピル トヨタ 420
32 AJ.アルメンディンガー トヨタ 402
33 デイビッド・ロイティマン トヨタ 402
35 デイビッド・ストレミー トヨタ 362
36 ボビー・ラボンテ トヨタ 347
39 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 102
45 アレックス・ケネディ トヨタ 21
49 ブライアン・ケゼロウスキー トヨタ 9
50 トミー・ドリッシ トヨタ 8
52 ジェイソン・リフラー トヨタ 1
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 206
2 トヨタ 196
3 フォード 161

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第29戦 Kansas Lottery 300

開催日:10月5日

マット・ケンゼスが今季2勝目

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今季2勝目を挙げたマット・ケンゼス

 10月5日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第29戦「Kansas Lottery 300」がカンザス・スピードウェイで開催された。

 4日(金)の2度の練習走行を経て、5日(土)午前11時5分から予選が行われ、エリオット・サドラーが3番手、パーカー・クリガーマンが7番手、最初の練習走行でトップタイムをマークしたルーキーのアレックス・ボウマンが11番手、カイル・ブッシュが12番手につけ、13台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選に続き、午後2時51分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。Ky.ブッシュは予選後にエンジンを交換したため、最後尾からのスタートとなった。
 7番手グリッドのクリガーマンが好スタートで4位へ浮上。3周目にハル・マーティンが壁にヒットし、イエローコーションが出されると、サドラーとクリガーマンが2列目3,4番手に並んでの再スタートとなった。
 好調なクリガーマンは前走車をかわしていき、20周目に首位を奪取。26周目にコンペティション・コーションが出され、全車ピットへ向かうと、5位へと後退したが、再スタート後も上位争いを続けた。
 16番手スタートのブライアン・ヴィッカーズは、クリガーマン、サドラーに続くトップ10圏内まで順位を上げていたが、サイド・バイ・サイドのバトルの中で36周目にスピン。幸運にもどこにも接触はしなかったものの、芝のエリアを突っ切る形となり、ピットイン。25位まで順位を落としてしまった。
 再スタート後もスピン車両によるイエローコーションが連発。そんな中で、17番手スタートのケンゼスがポジションを上げ、クリガーマンをかわして58周目に首位浮上。クリガーマンと共に首位争いを展開した。また、この時点でKy.ブッシュもトップ10圏内までポジションを上げてきた。
 85周目過ぎからグリーン下でのピット作業が始まり、一旦首位に立ったケンゼスも88周目にピットイン。トップ5圏内につけていたサドラーが翌周ピットインしたが、ピットアウト直後にスピンし、イエローコーション。この時点でピットインしていなかった車両が上位へ。ボウマンが4位、ヴィッカーズが6位へとポジションを上げたが、コーション発生時にピットインしていたKy.ブッシュはノーピット組に続く14位、クリガーマンが16位、ケンゼスが17位へと後退。
 再スタート後、Ky.ブッシュが8位、ケンゼス9位までポジションを取り戻したところで116周目にコース上の異物でイエローコーション。ケンゼスは車両前部にダメージを負っており、この修復とハンドリングの調整のために作業時間を取られ、22位へと再びポジションを落としてしまった。
 145周目、14位走行中のヴィッカーズがスピンした他車に接触され、壁にヒット。ガレージでの修復を余儀なくされ大きく後退。
 その前のイエローコーションでピットインし、ポジションを落としていたケンゼスは、ここでコース上に残り、2位にジャンプアップ。好ピット作業で順位を上げたKy.ブッシュが4位で続き、アウト側の1,2列目に並んで再スタート。
 2位のケンゼスは165周目に首位に立つと、そのまま逃げ切り、今季シリーズ2勝目を挙げた。
 Ky.ブッシュは2位につけていた残り6周での再スタートで若干遅れ、4位フィニッシュ。この日レースを通して好走を見せたクリガーマンが7位、サドラーが10位、ルーキーのボウマンが11位に入った。

 次戦第30戦は10月11日(金)、シャーロット・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「簡単なレースではなかったが、クルーチーフとスタッフがよくやってくれた。我々の"トヨタ カムリ"はコースに来たときから速かった。フロントグリルに穴が開いてしまい、ハンドリングにも影響が出て、修復のために大きくポジションを落としてしまった。ポジション取りが重要なこのコースで、我慢のレースを強いられたが、最後はクルーチーフの好判断で、燃料をもたせて勝つことが出来た。フル給油で走れる周回数よりも7周ほど多い計算だったが、コーションと、燃料セーブを上手くやったことで最後まで走りきり、勝つことが出来た。このようなレースで勝ててとても良い気分だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 17 18 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 200
2 4 33 ポール・メナード シボレー 200
3 5 7 リーガン・スミス シボレー 200
4 12 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
7 7 77 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 200
10 3 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 200
11 11 99 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 200
13 21 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 200
25 36 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 196
27 38 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 191
29 16 20 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 179
32 37 24 ケン・バトラー トヨタ カムリ 131
35 27 44 ハル・マーティン トヨタ カムリ 80
37 29 0 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 28
40 26 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 4
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
60 ライアン・エリス トヨタ 40
61 ブラッド・ティーグ トヨタ 38
62 ターナー・ベリーヒル トヨタ 37
68 ブレット・バトラー トヨタ 29
71 デレック・ホワイト トヨタ 27
79 トラヴィス・ソーター トヨタ 14
84 デイビッド・グリーン トヨタ 6
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 197
2 トヨタ 192
3 シボレー 162
4 ダッジ 45