NASCAR SPRINT CUP SERIES
第34戦 AAA Texas 500
開催日:11月3日
マット・ケンゼスが4位フィニッシュ
ランキングは首位と7ポイント差の2位に
4位フィニッシュを果たしたマット・ケンゼス(#20)
11月3日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第34戦「AAA Texas 500」が開催された。
"チェイス"も残り3戦。同点首位につけるマット・ケンゼスはここテキサスで過去2勝を挙げている。ランキング5位のカイル・ブッシュも、今年春のテキサス戦をポール・トゥ・ウィンで制しており、タイトル獲得へ向け、好成績が期待された。
1日(金)午後3時40分より予選が行われ、Ky.ブッシュが5番手、ケンゼスが6番手。"トヨタ カムリ"勢で"チェイス"進出を果たしたもう一台のクリント・ボウヤーは26番手と後方からのスタート。"トヨタ カムリ"は11台が決勝へと進んだ。
3日(日)午後2時19分、24度のバンク角を持つ1.5マイルオーバルを334周(501マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。Ky.ブッシュとケンゼスは序盤好走を見せ、スタートしてすぐに3,4位へ浮上。49周目には2位、3位で首位を追う体制となった。
しかし、58周目に2位を走行していたKy.ブッシュのタイヤが突然バースト。Ky.ブッシュはスローダウンしながらアウト側の壁にヒットし、イエローコーションとなった。
幸いにもダメージはそれほど大きくなかったが、Ky.ブッシュは修復のため、首位と同一周回最後尾の29位まで順位を落としてしまった。また、このコーション中のピットで、ケンゼスもホイールナットを落とす作業トラブルに見舞われタイムロス。6位へ後退。
75周目には、ランキング3位につけていたジェフ・ゴードン(シボレー)が壁に激しくクラッシュするなど、序盤から波乱の展開となった。
しかしその後はイエローコーションが出ず、2度にわたってグリーン下でのピット作業となった。120周目過ぎから始まったグリーンストップでは、ケンゼスが最後までピットインを粘り、貴重なリードラップボーナスを獲得。また、Ky.ブッシュも130周目にトップ10圏内まで復帰した。
この間も2位をキープし、170周目過ぎからのグリーンピットでも最後までピットインを引っ張ったケンゼスだったが、ピットロードで痛恨のスピード違反。ペナルティによる再度ピットロード通過を余儀なくされ、首位と同一周回最後尾の16位まで後退してしまった。
このロングランの間に目覚ましい追い上げを見せたKy.ブッシュは、ピット作業と戦略にも助けられ、2度のグリーンピットを終えた時点で2位へと大躍進。しかし、200周を過ぎたところでフロントグリルを異物がふさぎ、水温が上昇するトラブルに。ペースを落としたKy.ブッシュは、抜いていったライバルとの空力影響を利用し、ピットインすることなくこの異物を取り除くことに成功。4位で再び追い上げを開始した。
257周目にこの日5度目のイエローコーション。Ky.ブッシュが2位、追い上げてきたケンゼスが4位、デニー・ハムリンが7位、ボウヤーが8位で再スタート。Ky.ブッシュとケンゼスが再び上位争いを繰り広げた。
残り40周を切って、各車最後の給油とタイヤ交換のためにグリーン下でのピットへ。ここで、今度は3位を走行していたKy.ブッシュがピットロードスピード違反。周回遅れになることはかろうじて免れたものの、15位へと後退。
終盤ポジションアップを狙ったケンゼスだったが果たせず、4位でチェッカー。ハムリンが7位、ボウヤーが10位。Ky.ブッシュは13位でフィニッシュした。
今大会はケンゼスとタイトルを争っているジミー・ジョンソン(シボレー)が優勝、最多リードラップも含める最高得点をマークしたため、2位ケンゼスとの差は7ポイントまで広がった。Ky.ブッシュは首位と52ポイント差の4位。ボウヤーは69ポイント差の7位につけ、"チェイス"最後の2戦へと臨む。
次戦第35戦は11月10日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー マット・ケンゼス:
「ピットロードスピード違反は、ちょっと攻めすぎてしまった。このペナルティが結果にどう影響したのかはわからないが、我がチームはこの週末を通して非常に好調だった。ランキングでは2位になったが、まだポイント差は小さい。戦略は明確であり、それは"チェイス"の初戦から最終戦まで変わらない。勝利を目指し、ライバルよりも上位でフィニッシュすることだ。我がチームはそれが可能だと分かっているし、自信はある。次戦の舞台となるフェニックスは春の大会でも好調だったし、楽しみにしている」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 3 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 334 | ||
2 | 7 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 334 | ||
3 | 12 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 334 | ||
4 | 6 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 334 | ||
7 | 14 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 334 | ||
10 | 26 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 334 | ||
13 | 5 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 334 | ||
14 | 15 | 56 | マーティン・トゥルークス・Jr. | トヨタ カムリ | 334 | ||
18 | 23 | 30 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 332 | ||
19 | 25 | 55 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 331 | ||
28 | 39 | 83 | デイビッド・ロイティマン | トヨタ カムリ | 330 | ||
32 | 38 | 93 | トラヴィス・クヴァピル | トヨタ カムリ | 329 | ||
36 | 41 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 190 | ||
40 | 22 | 47 | ボビー・ラボンテ | トヨタ カムリ | 144 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第31戦 O'Reilly Auto Parts Challenge
開催日:11月2日
デニー・ハムリンとマット・ケンゼスが2位/4位
スポット参戦のレースで2位/4位に入ったデニー・ハムリン(#20)とマット・ケンゼス(#18)
11月2日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第31戦「O'Reilly Auto Parts Challenge」がテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
テキサスでの同シリーズ戦では、カイル・ブッシュが過去6勝。今年春の大会でも勝利を挙げている。
2日(土)決勝を前に午前11時5分から予選が行われ、20歳のルーキー、アレックス・ボウマンが唯一平均時速186マイル(約299km)を超える好タイムを叩きだし、今季2度目となるポールポジションを獲得。ボウマンは春のテキサス戦に続く、連続ポールポジションとなった。
今週末のテキサスでカップ・シリーズとの掛け持ち出場となるKy.ブッシュが6番手、マット・ケンゼスが13番手、デニー・ハムリンが18番手につけ、14台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後2時51分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのボウマンはスタートから3周は首位をキープしたが、徐々に後退。代わってKy.ブッシュが3位に浮上した。
序盤はイエローコーションが出ないままの展開となったが、ケンゼスとハムリンも徐々にポジションを上げ、50周目過ぎからのグリーンピットを終えた時点で、Ky.ブッシュが2位、ケンゼスが3位、ハムリンが7位に浮上。首位と同一周回はわずか11台にまでなった70周目にようやくこの日初めてのイエローコーションとなった。
2本タイヤ交換のKy.ブッシュが2位、タイヤを4本交換したハムリンとケンゼスはそれぞれ6,7位で再スタート。好ダッシュを見せたハムリンが一気に3位にジャンプアップを果たすと、Ky.ブッシュもかわし、80周目に首位に立った。
4本タイヤ交換の優位性を活かしたハムリンとケンゼスが1−2体制に。Ky.ブッシュは逆に8位までポジションを落としてしまった。
"トヨタ カムリ"2台による首位争いは続き、94周目にはケンゼスが首位に。一方で、ずるずると順位を落とし、10位前後を走行していたKy.ブッシュは、110周目に右リアタイヤのバーストに見舞われクラッシュ。この日2度目のイエローコーションとなった。
全車ピットへ向かい、ハムリンとケンゼスが1−2を守ったまま再スタート。Ky.ブッシュは破損した車両後部の修復のために時間を費やし、3周遅れとなってしまった。
130周目にはケンゼスがハムリンをかわし首位に。ここに追い上げてきた、同じカップ・シリーズのレギュラーであるブラッド・ケゼロウスキー(フォード)が加わり、三つ巴での首位争いとなった。
155周目にケゼロウスキーの先行を許すも、177周目のイエローコーションからの再スタートではハムリンが前に。2台のバトルは最後まで続いたが、ハムリンの最後の追い上げは僅かに届かず、2位でチェッカー。ケンゼスは4位でフィニッシュした。
シリーズレギュラーでランキング5位につけるエリオット・サドラーが7位。この結果、サドラーはランキング4位へと一つ順位を上げた。
次戦第32戦は11月9日(土)、フェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「我々の"トヨタ カムリ"は最前列でのスピードが若干足りなかった。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。私のこのクルマへの理解がもう少し深ければ、更なるセッティングの改良も出来たと思うが、最後のひと伸びが足りなかった。しかし、悪いレースではなかった。今回のレースを戦うチャンスと、素晴らしい"トヨタ カムリ"を用意してくれたチームに感謝している」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 200 | ||
2 | 18 | 20 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 200 | ||
3 | 3 | 12 | サム・ホーニッシュ・Jr. | フォード | 200 | ||
4 | 13 | 18 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 200 | ||
7 | 19 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 200 | ||
13 | 14 | 77 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 200 | ||
18 | 1 | 99 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 199 | ||
20 | 12 | 44 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 198 | ||
23 | 20 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 198 | ||
26 | 6 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 196 | ||
27 | 34 | 14 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 196 | ||
30 | 37 | 52 | ジョーイ・ゲイス | トヨタ カムリ | 190 | ||
33 | 28 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 166 | ||
35 | 29 | 24 | ライアン・エリス | トヨタ カムリ | 87 | ||
36 | 33 | 0 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 79 | ||
40 | 24 | 10 | マイケル・マクドウェル | トヨタ カムリ | 4 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第20戦 WinStar World Casino 350
開催日:11月1日
ジョニー・ソーターが2位フィニッシュ
マット・クラフトンがタイトル獲得に大手!
2位フィニッシュを果たし、ランキング4位に浮上したジョニー・ソーター(#98)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第20戦「WinStar World Casino 350」が11月1日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
今大会は、NASCARの終盤3戦連続で行われる、トップ3カテゴリー併催、トリプルヘッダーの1戦目となる。テキサスの3連戦では、カイル・ブッシュがその全てに出場する。
テキサスでのトラック・シリーズ戦では、2009年、2010年の秋の大会をKy.ブッシュが制しており、昨年はジョニー・ソーターが両大会で勝利を挙げている。
1日(金)午後2時10分より予選が行われ、ソーターが8番手、ティモシー・ペターズが9番手。Ky.ブッシュが11番手、ランキング首位につけるマット・クラフトンが14番手。前戦初勝利を飾ったルーキーのダレル・ウォレス・Jr.が17番手につけ、9台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選の後、日はすっかり落ちてコース上をカクテルライトが照らし出した午後7時49分、1.5マイルオーバルを147周(220.5マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタートした。
5列目11番手から好スタートを切り、3ワイドバトルとなった序盤から猛攻を見せたKy.ブッシュは、3周目に4位、10周目には2位に浮上。
29周目、この日最初のイエローコーションからの再スタートで一旦首位を奪ったKy.ブッシュだったが、フロントグリルが異物でふさがれ、オーバーヒート症状に見舞われたため、これを取り除くべくグリーン下でピットイン。周回遅れの26位までポジションを落としてしまった。
中盤戦は、ソーターが好走を見せ、91周目には2位に浮上。ロングランで開いていた首位との差をじりじりと詰めていた99周目、Ky.ブッシュがエンジンブローに見舞われイエローコーション。これでKy.ブッシュはレースを終えることとなってしまった。
全車ピットに向かったが、ここで、20番手スタートからトップ10圏内にまでポジションを上げていたジャーマン・キロガがピットロードスピード違反を取られ、21位に後退。
ソーターが2位を守る一方で、チームメイトであり、タイトル獲得目前のクラフトンは苦戦。ハンドリング不調が改善せず、15位前後を走行。この3回目のイエローコーションで思い切ったセッティング変更を行い、19位で再スタートとなった。
再スタートでライバルの先行を許し、4位まで順位を落としたソーターだったが、着実にポジションを取り戻し、2位へと復帰。しかし、この日圧倒的な速さを見せていたタイ・ディロン(シボレー)は遙か前を逃げており、追い上げもそこまで。ソーターは2位でチェッカーを受けた。ソーターはこの結果、ランキングでも4位に浮上した。
レースを通してトップ10圏内をキープしたウォレス・Jr.が7位。ジョン・ウェス・タウンリーが9位。クラフトンは最後のピットでのセッティング変更が効を奏し、10位までポジションを上げてフィニッシュした。
クラフトンはランキング2位との差を若干詰められたものの、その差は46ポイントあり、次戦フェニックスを終えた時点で2位以下に49ポイント以上の差をつけるか、クラフトン自身が18位以上でフィニッシュすれば、最終戦を待たずして今季のシリーズチャンピオンが確定する。
また、今大会7位に入ったウォレス・Jr.はルーキータイトルを争っており、2戦連続のトップ10フィニッシュで首位と6ポイント差の2位へ浮上。残り2戦での逆転タイトル獲得に期待がかかる。
次戦第21戦は11月8日(金)にフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催される。
ドライバー ジョニー・ソーター:
「我々の"トヨタ タンドラ"は、スタート直後こそ若干アンダーステア症状が出ていたが、ロングランで非常に良かった。最後のピットでは調整は行わなかった程だ。2位は満足のいく結果であり、チームやトヨタ、エンジンチューナーに感謝している。夏の間、苦しいレースが続いただけに、ポイントランキングで4位に上がれたというのは本当に驚くべきことだ。我々は本来の調子を取り戻せた。私はここテキサスでは勝利を挙げているし、最後はこれまでにないペースでハードに攻めたんだが追い着かなかった。彼(タイ・ディロン:シボレー)のトラックは速すぎた」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 3 | 3 | タイ・ディロン | シボレー | 147 | ||
2 | 8 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 147 | ||
3 | 10 | 9 | ロン・ホーナディ・Jr. | シボレー | 147 | ||
7 | 17 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 147 | ||
9 | 23 | 7 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 147 | ||
10 | 14 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 147 | ||
12 | 19 | 18 | ジョーイ・コールター | トヨタ タンドラ | 147 | ||
14 | 20 | 77 | ジャーマン・キロガ | トヨタ タンドラ | 147 | ||
16 | 9 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 147 | ||
23 | 27 | 81 | デイビッド・スター | トヨタ タンドラ | 144 | ||
28 | 11 | 51 | カイル・ブッシュ | トヨタ タンドラ | 96 | ||
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