NASCAR SPRINT CUP SERIES
第4戦 Food City 500
開催日:3月16日
雨に翻弄されたレースでデニー・ハムリンが6位
6位フィニッシュを果たしたデニー・ハムリン(#11)と
首位を争ったが13位に終わったマット・ケンゼス(#20)
3月16日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第4戦「Food City 500」が開催された。
"世界最速のハーフマイル"の愛称で呼ばれ、50年以上の歴史を持つブリストルでは、カップ・シリーズ戦は年2回開催。トヨタはこれまでに6勝。このうちカイル・ブッシュが4勝を占め、2010年夏の大会では、3カテゴリー全てで勝利を挙げる"ブリストル・スイープ"を達成している。また、昨年夏の大会ではマット・ケンゼスが勝利を飾っており、"トヨタ カムリ"の今季初勝利に期待がかかった。
14日(金)午後4時40分から予選が行われ、デニー・ハムリンがこれまでのレコードを更新するタイムで今季初、シリーズ通算18回目となるポールポジションを獲得。ハムリンは昨年夏のブリストル戦でもポールポジションを獲得しており、ブリストルでの連続ポール獲得となった。
マット・ケンゼスが2列目3番手、カイル・ブッシュが7番手、クリント・ボウヤーが15番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
16日(日)はあいにくの雨模様となり、午後1時過ぎから予定されていた決勝レースのスタートは順延。2時間ほどのディレイの末、午後2時57分に0.533マイルショートオーバルを500周(266.5マイル:約430km)して競われる決勝レースがスタートした。
ポールポジションのハムリンはスタートしてまもなく首位の座を譲ることとなったが、ケンゼス、Ky.ブッシュと共にトップ10圏内でのバトルを展開。
ショートオーバルならではの、次々に発生する周回遅れをかいくぐりながらも、好調な走りを見せたケンゼスが、98周目に首位に立った。
125周目、再び雨が降り始めたためにレースは赤旗中断。雨が止み、コースを乾燥させてレースを再開させるまでに3時間強の時間を要し、コースを闇が包んだ午後7時過ぎに再スタートが切られた。
ケンゼスは先頭で再スタートを切り、その後も首位争いを続けたが、156周目、周回遅れのコール・ウィットがスピンを喫し、壁にクラッシュ。これを避けようとスローダウンしたケンゼスに他車が追突。ケンゼスの車両は後部にダメージを負い、修復のために30位近くまで大きく順位を落とすこととななってしまった。
後退したケンゼスにかわり首位争いに加わったのがKy.ブッシュ。Ky.ブッシュは194周目に首位を奪うと、70周あまりにわたって首位をキープ。一方で、ケンゼスも猛烈な勢いでの追い上げを見せ、214周目にはトップ10へ復帰、249周目に3位へ上がると、周回遅れの処理に苦しむ首位Ky.ブッシュとの差を詰め、激しい首位争いを展開した。
首位を逃げるKy.ブッシュは、267周目に突然不調を訴えピットイン。その直後にイエローコーションが出されるという不運も重なり、周回遅れとなってしまった。
このコーションから2位で再スタートを切ったケンゼスは100周以上に渡って首位を快走。しかし、398周目に周回遅れからの脱出を目指し走行を続けていたKy.ブッシュが単独スピンを喫し、イエローコーション。ここでピットに入ったケンゼスは、先のクラッシュでの影響もあり、ピット作業で若干のロス。3位で再スタートを切ったが、再スタート後、不調に見舞われ壁にヒット。タイヤをパンクし、15位まで後退。
451周目にこの日11度目となるイエローコーションが出され、上位勢はコース上に残ったが、ハムリンはピットへ。最後の逆転を目指し、7位で再スタート。また、この日38番手と後方からのスタートを強いられたブライアン・ヴィッカーズも、徐々に順位を上げ、この時点でトップ10圏内まで浮上してきた。
再スタート後、ハムリンは6位、ヴィッカーズは9位をキープ。ファイナルラップを目前にして、突然のイエローコーションが出されたため、レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されると思われた。しかし、グリーンフラッグを待つフォーメーションラップ中に再び雨が降り始め、レースはイエローコーションのまま終了。ハムリンは6位、ヴィッカーズが9位でフィニッシュとなった。ケンゼスは13位、ボウヤーが15位。Ky.ブッシュは29位に終わった。
次戦第5戦は3月23日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「チームは素晴らしい仕事をしてくれて、ピットのたびにいくつか順位を上げることが出来た。しかし、再スタートでミスをして順位を落としてしまった。それを除けば堅実な一日であったが、勝つか、そうでないかしか考えていなかったので、我々の望んだ結果とは言えない」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 12 | 99 | カール・エドワーズ | フォード | 503 | ||
2 | 21 | 17 | リッキー・ステンハウス・Jr. | フォード | 503 | ||
3 | 23 | 43 | アリック・アルミローラ | フォード | 503 | ||
6 | 1 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 503 | ||
9 | 38 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 503 | ||
13 | 3 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 503 | ||
15 | 15 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 503 | ||
29 | 7 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 496 | ||
32 | 33 | 23 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 493 | ||
34 | 41 | 30 | パーカー・クリガーマン | トヨタ カムリ | 487 | ||
40 | 18 | 26 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 430 | ||
41 | 42 | 66 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 322 | ||
42 | 40 | 83 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 271 | ||
|
|
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第4戦 Drive to Stop Diabetes 300
開催日:3月15日
カイル・ブッシュが今季2勝目
ブリストル通算16勝目で新記録達成!
今季2勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#54)
3月15日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第4戦「Drive to Stop Diabetes 300」がブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。
同シリーズでのブリストル戦は、近年トヨタが圧倒的な強さを見せており、2010年の夏大会以来、7戦中6勝。そのうち5勝をカイル・ブッシュが挙げている。
14日(金)の2回の練習倉庫を経て、15日(土)午前10時10分より予選開始。Ky.ブッシュが最前列2番手、マット・ケンゼスが3番手、マイク・ブリスが10番手につけ、12台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後2時15分に0.533マイルショートオーバルを300周(159.9マイル:約260km)して競われる決勝レースがスタート。2周目に早くもKy.ブッシュが首位を奪い、これにケンゼスが続く形となった。
首位Ky.ブッシュにぴたりとつけていたケンゼスは29周目にKy.ブッシュをパスし、首位に浮上。好調なケンゼスは独走状態で、1周約16秒と短いブリストルのショートオーバルで周回遅れを量産。90周目過ぎには、首位と同一周回はわずか6台となっていた。
95周目に、コース上の異物によりこの日2度目のイエローコーション。ケンゼスは首位を守り、Ky.ブッシュが3位で再スタート。再スタート後の103周目には、Ky.ブッシュがライバルをかわし2位へ。"トヨタ カムリ"の1−2体制となった。
一方、シリーズレギュラーとしてランキング上位を争うエリオット・サドラーはこの時点でトップ10圏内につけていたものの、ホイールナットが緩むトラブルに見舞われたために予定外のグリーンピットを強いられ、後退。
135周目、16位を走行していたマイク・ブリスがスピンし、壁にヒットしてイエローコーション。再スタート後もケンゼスとKy.ブッシュの1−2体制は変わらず。首位ケンゼスと2位Ky.ブッシュの差は一時1.5秒程まで広がったが、周回遅れの影響もあり、200周目にはサイド・バイ・サイドのバトルに。209周目にはついにKy.ブッシュがケンゼスを逆転し、首位を奪還した。
最後の100周は、4回にわたってイエローコーションが出される展開となったが、Ky.ブッシュは首位をキープ。ケンゼスもトップ3をキープし、逆転のチャンスを待った。
288周目にこの日7度目のイエローコーションが出され、レースは残り9周で再スタート。Ky.ブッシュは再スタートも決め、首位をキープしたが、ケンゼスはイン側からの再スタートで出遅れ、痛恨のポジションダウン。
最後はKy.ブッシュが2位に1.441秒の差をつけトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。この日最多の178周にわたって首位を走行したケンゼスは5位。ケンゼスとKy.ブッシュの2人で300周中298周でリードを奪う圧倒的な速さで"トヨタ カムリ"がブリストルでの4連勝を飾った。
Ky.ブッシュはブリストル3連勝で、直近の8戦中6勝。また、ブリストルにおけるカップ・シリーズ、トラック・シリーズもあわせたトップ3カテゴリーでの合計勝利数が16となり、NASCAR史上、単一のコースで16勝を挙げた初のドライバーとなった。
Ky.ブッシュは自身の持つシリーズ最多勝利記録も65へと伸ばした。また、"トヨタ カムリ"にとって2007年の参戦開始以来、シリーズ通算90勝目となる記念すべき勝利ともなった。
次戦第5戦は3月22日(土)、オートクラブ・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「我々の"トヨタ カムリ"は最高だった。練習走行から好調で、決勝でもそれが再現出来た。それでも何台かとは僅差の戦いとなり、特に(マット)ケンゼスは素晴らしい速さで、彼を捕らえるのには苦労した。周回遅れをかわしながらの走行では、我々の方が若干速かったので、チャンスを待ち、彼が引っかかったところでパスした。私自身も同じような状況で、レーズ序盤に彼にかわされた。良くやってくれたクルーチーフ、スタッフと共にヴィクトリーレーンに上がることが出来、嬉しい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 300 | ||
2 | 1 | 42 | カイル・ラーソン | シボレー | 300 | ||
3 | 6 | 5 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 300 | ||
5 | 3 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 300 | ||
13 | 8 | 99 | ジェイムズ・ブッシャー | トヨタ カムリ | 299 | ||
17 | 18 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 297 | ||
19 | 34 | 87 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 297 | ||
22 | 22 | 44 | ウィル・キンメル3世 | トヨタ カムリ | 294 | ||
26 | 10 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 293 | ||
27 | 35 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 290 | ||
33 | 39 | 24 | ルーベン・ガルシア・メテオス | トヨタ カムリ | 214 | ||
35 | 27 | 29 | ケリー・アドミラール | トヨタ カムリ | 148 | ||
37 | 40 | 13 | マット・カーター | トヨタ カムリ | 18 | ||
40 | 24 | 10 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 5 | ||
|
|