2014年3月31日(月)配信

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第6戦 STP 500

開催日:3月30日

マット・ケンゼスが周回遅れから追い上げ6位フィニッシュ

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一旦は周回遅れとなるも追い上げ、6位フィニッシュを果たしたマット・ケンゼス(#20)

 3月30日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第6戦「STP 500」が開催された。
 その形状から"ペーパークリップ"の愛称を持つマーティンズビルは、1948年のNASCAR創設当初から使用されている、伝統のコース。カップ・シリーズは年間2戦開催されており、地元バージニア州出身のデニー・ハムリンが4勝を挙げている。
 ハムリンは前戦フォンタナで、目に異常を訴え決勝レースを欠場したが、その後治療により回復し、今大会には無事出場することとなった。復帰戦となるハムリンは、地元での今季初勝利を誓って臨んだ。

 28日(金)、予選を前に、正午から行われた練習走行ではハムリンがトップタイム。続いて午後4時40分から行われた予選では、ただ一人19秒を切るタイムをマークしたカイル・ブッシュがマーティンズビルでは自身初、キャリア通算14回目となるポールポジションを獲得。わずか0.024秒差でハムリンが続き、"トヨタ カムリ"が最前列グリッドを独占した。マット・ケンゼスが6番手、クリント・ボウヤーが12番手、ブライアン・ヴィッカーズが13番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後1時17分、カップ・シリーズが開催されるコースの中では最も1周が短い0.526マイルショートオーバルを500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュは序盤首位を守ったが、16周目に、6番手スタートから順位を上げてきたケンゼスがこれをパスし、首位を奪取。一方で、2番手スタートのハムリンはハンドリングに苦しみ、ポジションダウン。
 50周目過ぎにはKy.ブッシュとケンゼスが1-2体制で順位を入れ替えながら首位を争う状況となったが、周回遅れが現れる中、Ky.ブッシュはハンドリングに異常をきたし、徐々に後退。103周目にこの日3度目のイエローコーションが出されると、ピットで大きなセッティング変更を行ったKy.ブッシュは26位へとポジションを落としてしまった。
 この再スタートでは、ケンゼスが再び首位を奪取。しかし、200周目過ぎから短い間隔でイエローコーションが連発し、各車ピット戦略が分かれたため、順位は大きく入れ替わり、他車と異なる戦略を採ったケンゼスは、不運にも周回遅れとなってしまった。
 これに代わって順位を上げてきたのが、12、13番手スタートのボウヤーとヴィッカーズ。一時は20位前後まで順位を落としていたが、レース中盤にトップ10圏内に浮上すると、284周目にはついにボウヤーが首位を奪取した。
 周回遅れながらも懸命な追い上げを続けたケンゼスは、341周目のこの日11回目のイエローコーションで"ラッキー・ドッグ"を獲得。首位と同一周回に復帰した。
 414周目には、この日13回目のイエローコーションで全車ピットへ。大混乱のピットロードで、自分のピットエリアへ入ろうとしたケンゼスに、ピットアウトしようとした車両が接触し、ケンゼスはスピン。しかし、ケンゼスは180度スピンしながらもどこにもぶつかることなく、完全に後を向いた状態でぴったり自分のピットエリアへと車両を収めた。後ろ向きのままピット作業を終えたケンゼスは、ピットレーンでUターンし、23位で再スタート。終盤に入ってスピードを取り戻したケンゼスは、中盤戦の不運を振り払うかのようにポジションを上げていった。
 後半に入って常にトップ5圏内につけていたボウヤーは、首位争いを繰り広げ、450周目に3度目となる首位浮上。今季初勝利へ向け、快調に後続を引き離していったが、458周目に他車のスピンによりイエローコーション。ここで全車最後のピットへ向かったが、ボウヤーは右リアタイヤの交換に手間取り、10位へと痛恨の後退。
 残り35周での再スタートが切られると、11位まで順位を上げていたケンゼスがボウヤー、ヴィッカーズもかわし、6位へ浮上。一方で、6位で再スタートしたヴィッカーズは、タイヤの異常振動に見舞われペースダウン。
 波乱のレースで周回遅れからの追い上げを見せたケンゼスがトヨタ勢最上位となる6位でフィニッシュ。ボウヤーは9位でレースを終えた。

 次戦第7戦は4月6日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「浮き沈みの激しい一日だったが、上位でフィニッシュ出来て良かった。終盤は少し良くなったが、中盤戦は苦しんだ。アウト側のラインでいくつか順位を落としてしまい、どうすることも出来なかった。終盤は車両の調子を改善出来たので、イン側から順位を上げられた。レース序盤は上位争いが出来ると思っていたが、中盤順位を落としたことでそれが叶わなかったのは残念だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 22 41 カート・ブッシュ シボレー 500
2 4 48 ジミー・ジョンソン シボレー 500
3 26 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 500
6 6 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 500
9 12 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 500
14 1 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 500
16 13 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 500
19 2 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 500
29 35 26 コール・ウィット トヨタ カムリ 497
30 38 83 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 496
36 19 23 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 488
41 41 30 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 408
43 43 66 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 310
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 227
2 マット・ケンゼス トヨタ 218
3 カール・エドワーズ フォード 217
6 カイル・ブッシュ トヨタ 189
12 デニー・ハムリン トヨタ 165
13 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 165
17 クリント・ボウヤー トヨタ 150
32 コール・ウィット トヨタ 86
35 アレックス・ボウマン トヨタ 73
37 ライアン・トゥルークス トヨタ 47
39 パーカー・クリガーマン トヨタ 36
41 ジェフ・バートン トヨタ 27
47 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 311
2 フォード 302
3 トヨタ 280

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第2戦 Kroger 250

開催日:3月30日

マット・クラフトンが今季初勝利!
"トヨタ タンドラ"1-2フィニッシュで開幕2連勝

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マーティンズビルならではの柱時計トロフィーを獲得し今季初勝利を喜ぶマット・クラフトン

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第2戦「Kroger 250」が3月30日(日)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。
 トラック・シリーズは開幕戦デイトナ以来、約1ヶ月ぶりでの第2戦開催。開幕戦では"トヨタ タンドラ"が1-2-3フィニッシュを果たしている。また、ここマーティンズビルでも"トヨタ タンドラ"は通算11勝、現在3連勝中と強さを見せている。

 28日(金)に2度の練習走行を行い、29日(土)午前11時10分より予選が行われる予定であったが、降雨のために予選はキャンセル。規則に則り、2回の練習走行のベストタイムにより決勝のグリッドが決定された。この結果、昨年秋のマーティンズビル戦を制しているダレル・ウォレス・Jr.がポールポジションを獲得。ティモシー・ペターズが3番手、エリック・ジョーンズが4番手で2列目に並び、ブライアン・イックラーが7番手、ジャーマン・キロガ・Jr.8番手、昨年のシリーズチャンピオンのマット・クラフトンが10番手で続き、11台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選の後、午後2時半から決勝レースが予定されていたが、雨は止まず、スタートは順延。"トヨタ タンドラ"が牽引する新しいコース路面乾燥システムの「エア・タイタン2.0」でコースを乾燥させながら、ナイトレース設備のないマーティンズビルでレースが行えるぎりぎりのタイミングまで待ったが、結局天候の回復はならず、この日の走行は全てキャンセル。トラック・シリーズの決勝レースは翌日30日(日)の、スプリント・カップ・シリーズ決勝の後に順延されて行われることとなった。

 30日(日)はダブルヘッダー開催となり、スプリント・カップ・シリーズの決勝レースが終わってからわずか30分ほどしか経っていない午後5時33分、0.526マイルショートオーバルを250周(131.5マイル:約210km)して競われる決勝レースがスタートした。
 ポールポジションのウォレス・Jr.は首位をキープ。3番手スタートのペターズがすぐに2位に上がると、16周目、この日最初のイエローコーションからの再スタートでペターズが首位に立った。しかし、ウォレス・Jr.も28周目にその座を奪還。序盤から"トヨタ タンドラ"同士による激しい首位争いが繰り広げられた。
 その後、一旦はライバルに首位の座を譲ったものの、99周目に再びウォレス・Jr.が首位に立つと、これに14番手スタートからポジションを上げてきたジョニー・ソーターが加わり、ペターズと三つ巴の首位争いとなった。
 その後方にはジョーンズ、ジョン・ウェス・タウンリー、クラフトンが続き、"トヨタ タンドラ"がトップ6を占めてレースは折り返しを経過。
 中盤戦は、昨年春のマーティンズビル戦を制したソーターが首位をキープ。170周目にこれをペターズがかわすが、終盤に入ると、クラフトンが調子を上げ、この首位争いに加わった。
 残り8周というところでスピン車両によりイエローコーションが出され、レースは"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。クラフトンとペターズが最前列に並んで250周目に再スタートが切られたが、その直後、この日常にトップ5圏内につけ好調だったジョーンズが痛恨のスピン。2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"となった。
 この再スタートではクラフトンが首位をキープ。アウト側最前列2番手のペターズは1,2コーナーではクラフトンに並んでいたが、最終コーナーでアウトにスライドし後退。
 イン側2列目のウォレス・Jr.はクラフトンの後方から逆転を狙ってファイナルラップに入ったが、その直後、スピン車両が発生しイエローコーション。順位はその時点で凍結され、クラフトンが今季初勝利を飾った。ウォレス・Jr.が2位、ソーターが4位、ペターズが6位、キロガ・Jr.が7位、イックラーが10位で続き、"トヨタ タンドラ"は6台がトップ10フィニッシュ。開幕戦デイトナでの1-2-3フィニッシュに続き、2戦連続での1−2フィニッシュとなった。

 次戦第3戦は再び1ヶ月ほどのインターバルを経て、5月9日(金)に米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで開催される。

ドライバー マット・クラフトン:
「レース序盤は酷い状態だったので、勝てるとは思ってもいなかった。しかし、チームは決して諦めなかった。様々なセッティング変更を試み続け、最終的にそれが効を奏した。ついにこの素晴らしいトロフィー(マーティンズビルでの優勝トロフィーは『大きな古時計』で歌われるような柱時計)を手に入れることが出来て本当に嬉しい」

ドライバー ダレル・ウォレス・Jr.:
「2位という結果は非常に残念だ。我々の"トヨタ タンドラ"は本当に好調だったが、トップチェッカーは叶わなかった。とはいえ、我がチームは開幕戦デイトナで2位に入っているし、ポイントの面では良い結果だ。マット・クラフトンとトヨタ・レーシングには祝福の言葉を送りたい。トヨタのチームメイトが勝つのを見るのは素晴らしい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 10 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 256
2 1 54 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ タンドラ 256
3 6 31 ベン・ケネディ シボレー 256
4 14 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 256
6 3 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 256
7 8 77 ジャーマン・キロガ・Jr. トヨタ タンドラ 256
10 7 7 ブライアン・イックラー トヨタ タンドラ 256
11 20 8 ジョン・ハンター・ネメチェク トヨタ タンドラ 256
18 4 51 エリック・ジョーンズ トヨタ タンドラ 256
20 16 5 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 255
21 22 13 ジェブ・バートン トヨタ タンドラ 255
29 19 35 マンソン・ミングス トヨタ タンドラ 216
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ティモシー・ペターズ トヨタ 82
2 ジョニー・ソーター トヨタ 82
3 マット・クラフトン トヨタ 78
7 ジャーマン・キロガ・Jr. トヨタ 71
8 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 61
9 ジェブ・バートン トヨタ 60
11 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 54
13 ブライアン・イックラー トヨタ 45
23 ジョン・ハンター・ネメチェク トヨタ 33
26 マンソン・ミングス トヨタ 31
28 エリック・ジョーンズ トヨタ 26
29 クリス・フォンテイン トヨタ 25
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 94
2 シボレー 81
3 フォード 78
4 RAM 17