2014年4月14日(月)配信

伝統のダーリントンでマット・ケンゼスが4位/3位フィニッシュ

60年以上の歴史を持つダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズのレースが行われ、カップ・シリーズ戦ではマット・ケンゼスが4位、カイル・ブッシュが6位フィニッシュ。ネイションワイド・シリーズ戦ではシリーズレギュラーのエリオット・サドラーが最後まで首位を争うも惜しくも2位。ケンゼス、Ky.ブッシュが続き、"トヨタ カムリ"は2-3-4位フィニッシュとなった。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第8戦 Bojangles' Southern 500

開催日:4月12日

マット・ケンゼスが4位、カイル・ブッシュ6位

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25番手スタートから4位フィニッシュを果たしたマット・ケンゼス(#20)

 4月12日(土)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第8戦「Bojangles' Southern 500」が開催された。
 ダーリントンは1950年開設と非常に長い歴史を持つコース。1周1.366マイル(約2.2km)のこのコースは、ターン1,2とターン3,4で曲率、バンク角が異なるなどの特徴を持ち、難コースとして知られる。壁への接触が頻発し、その際に出来た車両及びコース壁の接触痕は「ダーリントン・ストライプ」と呼ばれる。
 現在カップ・シリーズ戦は年に1回開催されており、2008年にカイル・ブッシュ、2010年にデニー・ハムリン、昨年はマット・ケンゼスが"トヨタ カムリ"で勝利を飾っている。今季は昨年までよりも1ヶ月ほど早い開催となった。

 11日(金)、昼間に2度の練習走行を行い、午後6時10分より予選開始。Ky.ブッシュが8番手、ハムリンが10番手、ブライアン・ヴィッカーズが14番手、クリント・ボウヤーが16番手。10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 12日(土)午後6時47分、1.366マイルオーバルを367周(501.3マイル:約800km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 序盤は、8番手スタートのKy.ブッシュが着実に順位を上げていき、18周目に3位浮上。一方、25番手と後方からのスタートとなったケンゼスも、目覚ましい追い上げを見せ、30周目にはハムリン、ヴィッカーズに続く12位へ。
 41周目、39番手スタートから周回遅れとなっていたルーキーのライアン・トゥルークスが壁にヒットし、この日最初のイエローコーション。全車ピットへ向かい、Ky.ブッシュは3位、ハムリン8位、ケンゼス10位へとそれぞれポジションを上げた。
 このピット作業で、不調だったハンドリングを調整したハムリン、ケンゼスは再スタート後に更にポジションを上げると、続く59周目のイエローコーション時、他の車両がタイヤを4本交換したのに対し、2本交換作戦を採り、ハムリンが首位、ケンゼスが2位へとジャンプアップ。前半戦はKy.ブッシュを含めた3台の"トヨタ カムリ"が上位争いを続けた。
 100周が過ぎると日が落ち、コンディションも変化。レース折り返しを目前にした180周目前後には、この日最初のグリーン下でのピット作業となったが、ここで8位前後を走行していたハムリンがピットに入りそびれるミス。12位へと後退。代わって前半、トップ10圏内に届かなかったボウヤーとヴィッカーズがポジションを上げてきた。
 222周目のイエローコーションでは、ヴィッカーズが2本タイヤ交換作戦で一気に首位浮上。30周あまりにわたって首位を走行した。
 247周目、この日7度目のイエローコーション時には、壁の接触でセッティングの狂ったKy.ブッシュが修正のためにタイムロスし、23位へと後退。しかし、Ky.ブッシュは続く272周目のコーションで2本タイヤ交換とし、一気に3位へと返り咲いて見せた。
 残り100周弱での再スタートが切られた後は、80周にわたってコーションが出ず、残り50周ほどで各車グリーンピットを開始。ここで、後半戦トップ10圏内での上位争いを繰り広げていたヴィッカーズが、ピットイン直前のタイヤトラブルでスピン。かろうじてどこにも接触せずにピットへ向かったものの、ペナルティを科され、大きく後退。
 長いグリーンランで首位と同一周回が僅か15台となった終盤戦、残り20周を切ったところで、トラブル車両によるイエローコーションが出され、各車最後のピットへ。ここでケンゼスら上位勢の多くは2本タイヤ交換としたのに対し、Ky.ブッシュは4本交換し、8位。ハムリンはここでピットレーンでの速度違反を取られ、15位へと後退してしまった。
 ケンゼスは3位をキープし、残り6周での再スタート。すぐにコース上の異物で再びコーションが出され、レースは"グリーン・ホワイト・チェッカー(GWC)"となった。このGWCでの再スタート直後にも11位走行中のボウヤーと接触した車両がクラッシュしたことで2度目のGWCに。ケンゼスは最後まで首位を追ったが届かず、4位でチェッカー。Ky.ブッシュが6位、ボウヤーは12位、ハムリンが19位に終わった。

 次週は久しぶりにレースのない週末となり、次戦第9戦は4月26日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「考えていたよりも良い結果でフィニッシュ出来、満足している。レースを通して好調な4,5台がレースを支配し、そこに自分は加われなかった。しかし、チームは良い調整を加えてくれたし、ピット作業も良かった。我々はピットで多くの調整を行い、最終的に上位フィニッシュを果たすことが出来た。最後は2本タイヤ交換作戦を採り、一つでも上位でのフィニッシュを目指した。クルーチーフの好判断が良い結果に繋がったのだと思う」

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後の状況を考えれば、6位という結果には満足すべきだろう。4位には入れる手応えがあっただけに、今日の結果は少し残念だ。最後の再スタートで、前の車両がホイールスピンし、ポジションアップを果たせなかった。しかし、1週間の休暇を前に、トップ10フィニッシュで終えられたというのは悪くないと考えるべきだろう」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 4 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 374
2 15 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 374
3 26 48 ジミー・ジョンソン シボレー 374
4 25 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 374
6 8 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 374
12 16 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 374
19 10 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 374
26 14 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 371
29 34 23 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 369
30 38 30 パーカー・クリガーマン トヨタ カムリ 369
34 43 66 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 366
38 42 26 コール・ウィット トヨタ カムリ 301
40 39 83 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 274
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジェフ・ゴードン シボレー 297
2 マット・ケンゼス トヨタ 296
3 カール・エドワーズ フォード 278
6 カイル・ブッシュ トヨタ 269
13 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 224
15 デニー・ハムリン トヨタ 223
16 クリント・ボウヤー トヨタ 219
33 コール・ウィット トヨタ 105
35 アレックス・ボウマン トヨタ 100
38 パーカー・クリガーマン トヨタ 54
39 ライアン・トゥルークス トヨタ 51
42 ジェフ・バートン トヨタ 27
48 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 359
2 フォード 342
3 トヨタ 321

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第7戦 VFW Sport Clips Help A Hero 200

開催日:4月11日

エリオット・サドラーが首位を争うも惜しくも届かず "トヨタ カムリ"が2-3-4位フィニッシュ

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2位フィニッシュを果たしたエリオット・サドラー(#11)

 4月11日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第7戦「VFW Sport Clips Help A Hero 200」がダーリントン・レースウェイで開催された。
 ダーリントンでは2010年以来、"トヨタ カムリ"が4連勝を続けており、そのうちカイル・ブッシュが2勝。マット・ケンゼスもトヨタ移籍以前に3勝を挙げている。

 10日(木)に2回の練習走行を行い、11日(金)はスプリント・カップ・シリーズの練習走行と予選の合間を縫って午後4時10分よりネイションワイド・シリーズの予選開始。Ky.ブッシュが今季初のポールポジションを獲得。ケンゼスが3番手、シリーズランキング4位につけるエリオット・サドラーが9番手。10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後8時16分、1.366マイルオーバルを147周(200.8マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュは序盤の30周にわたって首位を走行したが、最初のイエローコーションでのピット後、ハンドリングに不調を訴え3位へと後退。3番手スタートのケンゼスも、当初はKy.ブッシュに続き1-2体制だったが、その後グリップ不足を訴えややポジションを落とすことに。
 59周目、この日2度目のイエローコーションが出されると一斉にピットへ。"トヨタ カムリ"勢は5位のKy.ブッシュに、ケンゼス、サドラーが続いて再スタート。
 その後もイエローコーションが連発。フル給油で最後までぎりぎり走り切れる周回数となった88周目のコーションでは全車ピットへ。このピット作業でKy.ブッシュは首位に復帰、ケンゼスが2位で続いた。
 再スタート後、ケンゼスは3位へと順位を落としたが、Ky.ブッシュは2位に2秒以上の差を付けて独走態勢に。レースは残り10周を切り、そのまま終わるかと思われた140周目に、スピン車両によりイエローコーション。残り僅かな周回でのバトルに備え、各車ピットへと向かった。
 ここで、サドラーが2本タイヤ交換のギャンブルに出て、首位浮上。前戦Ky.ブッシュと首位を争い初勝利を挙げた18歳ルーキーのチェイス・エリオット(シボレー)も2本タイヤ交換でサドラーに続く2位に。この2台の後方に、Ky.ブッシュとケンゼスが3,4位で並び、最後の2周での再スタートとなった。
 アウトサイドを選択したサドラーが首位を奪い、ファイナルラップに入ったが、ターン2立ち上がりで僅かにテールが滑り、タイムロス。この隙をエリオットに突かれ、無念の2位後退。サドラーは2位でチェッカー。ケンゼスが3位、Ky.ブッシュが4位で続き、"トヨタ カムリ"は2-3-4位フィニッシュとなった。
 今大会の結果、サドラーはドライバーズランキングで首位と20ポイント差の3位に浮上した。

 次戦第8戦は4月25日(金)、リッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー エリオット・サドラー:
「最後のピットでは、クルーチーフの素晴らしい判断と、ベストを尽くしてくれたピットクルーのおかげでトップに浮上出来た。今夜はずっとオーバーステア症状に苦しんでおり、それを解消しようと何度も試みたが、ターン1-2でどうしても症状を消すことが出来ず、最後はターン2でのスライドで勝利を逃してしまった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 2 9 チェイス・エリオット シボレー 147
2 9 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 147
3 3 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 147
4 1 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 147
16 20 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 147
21 30 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 147
25 22 99 ジェイムズ・ブッシャー トヨタ カムリ 144
35 24 44 デイビッド・スター トヨタ カムリ 67
36 37 13 マット・カーター トヨタ カムリ 30
39 38 91 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 6
40 40 10 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 2
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 チェイス・エリオット シボレー 271
2 リーガン・スミス シボレー 258
3 エリオット・サドラー トヨタ 251
9 ジェイムズ・ブッシャー トヨタ 195
11 マイク・ブリス トヨタ 165
16 エリック・マクルーア トヨタ 126
24 デイビッド・スター トヨタ 78
26 ブレイク・コッホ トヨタ 68
33 ウィル・キンメル3世 トヨタ 33
35 ルーベン・ガルシア・メテオス トヨタ 30
37 ジェイソン・ホワイト トヨタ 25
38 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 18
39 ライアン・エリス トヨタ 16
42 ジェフ・グリーン トヨタ 13
44 ケリー・アドミラール トヨタ 9
45 マット・カーター トヨタ 8
47 ハリソン・ローズ トヨタ 5
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 316
2 トヨタ 308
3 フォード 290
4 ダッジ 181