2014年4月28日(月)配信

リッチモンド戦でカイル・ブッシュが両レース3位フィニッシュ

バージニア州リッチモンドの3/4マイルオーバルでスプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズが開催。カップ・シリーズ戦ではチェッカー目前までマット・ケンゼスが首位を争ったがポジションを守りきれず5位。これを最後のバトルでかわしたカイル・ブッシュが3位に入った。Ky.ブッシュはネイションワイド・シリーズ戦でも3位フィニッシュを果たし、開幕からの8戦連続トップ4フィニッシュを続けている。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第9戦 Toyota Owners 400

開催日:4月26日

2台の"トヨタ カムリ"がトップ5フィニッシュ
終盤首位を争ったマット・ケンゼスは惜しくも5位

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3位フィニッシュを果たしたカイル・ブッシュ(#18)と5位に入ったマット・ケンゼス(#20)

 4月26日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第9戦「Toyota Owners 400」が開催された。
 1周4分の3マイル(約1.2km)というショートオーバルのリッチモンドでは、カップ・シリーズ戦は年2戦開催。トヨタは2009年からの10戦で7勝と得意にしているが、昨年は未勝利。地元バージニア州出身で過去2勝を挙げているデニー・ハムリン、リッチモンド4勝のカイル・ブッシュらが、トヨタが大会冠スポンサーを務める今大会での勝利を目指した。

 25日(金)昼を挟んでの2回の練習走行を経て、午後5時10分より予選が予定されていたが、降雨のために予選はキャンセル。規則に則り、1回目の練習走行のタイムにより決勝レースのグリッドが決定され、クリント・ボウヤーが3番手、ブライアン・ヴィッカーズが6番手、ルーキーのライアン・トゥルークスが8番手。マット・ケンゼスが12番手、Ky.ブッシュは19番手、ハムリンは28番手と後方からのスタートとなり、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 午後7時16分、"トヨタ カムリ ハイブリッド"ペースカーによる先導の下、0.75マイルオーバルを400周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。
 スタートしてすぐにボウヤーが首位争いの中で他車と接触しイエローコーション。しかしボウヤーはポジションを失うことなく、再スタート後に2位に上がるなど上位争いを展開。チームメイトのヴィッカーズも一時トップ5に浮上したが、40周目からのコンペティション・コーションでピットインした際にやや遅れ、13位へと後退。
 このコンペティション・コーションの後は50周から60周ごとにイエローコーションが出される展開。序盤上位を争っていたボウヤーはタイヤトラブルの他、この日他車でも多発した右前ホイール付近からの出火に見舞われ、戦線離脱を余儀なくされてしまった。
 一方、この日序盤は後方で苦戦を強いられた、Ky.ブッシュ、ケンゼス、ハムリンのジョー・ギブズ・レーシングの3台は、ピットのたびに調整を加え、少しずつポジションをアップ。レースが折り返しを過ぎる頃には、3台共にトップ10圏内へと浮上して見せた。
 終盤戦に入ると、Ky.ブッシュとハムリンがやはりハンドリングの問題でやや順位を落とす中、ケンゼスが着実な走りで354周目には2位浮上。361周目についに首位に立った。
 レースが残り40周を切ると、イエローコーションが連発。376周目に再スタートが切られた直後には、6位のヴィッカーズ、8位のハムリン、10位のKy.ブッシュがポジション争いのバトルで接触し、ハムリンがスピン。大きく順位を落としてしまった。
 385周目にもイエローコーションが出され、レースは残り9周での争いに。ここで、上位勢がコース上に残ったのに対し、10位につけていたKy.ブッシュはピットへ向かい、タイヤを4本交換する作戦に出た。
 ケンゼスが首位、Ky.ブッシュは16位まで後退して再スタート。ケンゼスはスタートで首位のポジションを守ると、後続からの激しい追撃を必死にブロック。ケンゼスを含むトップ4台によるサイド・バイ・サイド、テール・トゥ・ノーズの超接近戦が繰り広げられたが、396周目、競り合うトップ3台がアウトにはらんだ隙を突かれ、首位の座を奪われてしまった。
 この首位争いの後方につけていたKy.ブッシュもこの隙を逃さずポジションアップを果たし、Ky.ブッシュは3位でチェッカー。ケンゼスは5位で2台の"トヨタ カムリ"がトップ5フィニッシュを果たした。ヴィッカーズは12位、ハムリンは22位に終わった。
 惜しくも今季初勝利を逃したケンゼスであったが、今季これまでの9戦中トップ10フィニッシュ7回、残る2戦も13位以内と、高い安定感を誇っており、ランキングは2位をキープ。3戦連続のトップ10フィニッシュとなったKy.ブッシュはランキング4位へと一つポジションを上げた。

 次戦第10戦は5月4日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「勝てなかったのは残念だ。最後は出来る限りの全てを尽くした。首位に立って最初とその次の再スタートは上手く行ったのだが、3度目の時はもうタイヤがついてこなかった。首位のポジションを守りたかったが、叶わなかった」

ドライバー カイル・ブッシュ:
「とんでもないレースだった。今日はセッティングに苦しんだのは確かだ。ベストな仕上がりではなかったが、最後の10周はどうなるか分からなかった。16番手で再スタートを切って、3位でフィニッシュ出来た、それだけだ。私の前で上位を争っていた車両は本当に速く、彼らの終盤のバトルは見物だった。頑張ってくれたクルーチーフやスタッフには感謝しているし、チームにとっては悪くない結果だった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 17 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 400
2 25 24 ジェフ・ゴードン シボレー 400
3 19 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 400
5 12 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 400
12 6 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 400
22 28 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
28 24 23 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 398
31 8 83 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 396
37 41 66 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 391
41 40 26 コール・ウィット トヨタ カムリ 367
43 3 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 159
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジェフ・ゴードン シボレー 341
2 マット・ケンゼス トヨタ 336
3 カール・エドワーズ フォード 313
4 カイル・ブッシュ トヨタ 310
10 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 256
14 デニー・ハムリン トヨタ 245
21 クリント・ボウヤー トヨタ 220
33 アレックス・ボウマン トヨタ 116
35 コール・ウィット トヨタ 108
38 ライアン・トゥルークス トヨタ 64
39 パーカー・クリガーマン トヨタ 54
43 ジェフ・バートン トヨタ 27
47 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 4
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 403
2 フォード 389
3 トヨタ 362

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第8戦 ToyotaCare 250

開催日:4月25日

深夜のバトルでカイル・ブッシュが3位フィニッシュ
8戦連続トップ4でオーナーズランキング首位キープ

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3位に入り8戦連続トップ4フィニッシュのカイル・ブッシュ(#54)と
終盤追い上げ6位に入ったエリオット・サドラー(#11)

 4月25日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第8戦「ToyotaCare 250」がリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催された。
 "トヨタ カムリ"は同シリーズのリッチモンド戦でこれまでに5勝を挙げている。

 24日(木)に2回の練習走行を経て、25日(金)決勝を前に午後3時10分より予選が行われ、Ky.ブッシュが8番手、今大会でネイションワイド・シリーズにデビューする22歳のメキシコ人、ダニエル・サレスが12番手、シリーズランキング3位につけるエリオット・サドラーが13番手、ジェイムズ・ブッシャーが15番手につけ、9人の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 ネイションワイド・シリーズの予選後に雨が降り始め、併催のスプリント・カップシリーズの予選はキャンセルに。続いて午後7時から予定されていた決勝スタートの時間になっても雨は止まず、スタートは順延。雨が止むのを待ち、路面の乾燥作業が続けられた。
 予定よりも3時間以上も遅れてようやくレーススタートの進行が開始され、午後10時26分に0.75マイルオーバルを250周(187.5マイル:約300km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 雨により路面のラバーが洗い流され、前日の練習走行時よりもかなり低い路面温度というコンディションの中での序盤戦となり、各車様子を見ながら、40周目にタイヤのチェックを行うためのコンペティション・コーション。ピットで調整を行い、サドラーが7位、Ky.ブッシュが9位で再スタート。その後2台は徐々に順位を上げていった。
 その後は100周あまりにわたってイエローコーションが出ず、上位勢は120周を過ぎたあたりからグリーンピットを開始。最後までピットを引っ張ったサドラーは、133周目に首位に立ち、ピットへと向かった。
 13位前後を走行していたサレスは、右前タイヤのトラブルに見舞われ若干早めにピットへと向かったが、この際に規定外のラインを通過したとしてペナルティ。4周遅れの30位前後まで後退してしまった。
 151周目と189周目に出されたイエローコーションで、サレスは1周遅れの21位まで復帰。サドラーが3位、Ky.ブッシュが5位で再スタートが切られたが、その直後に3ワイドのバトルの中でサドラーがスピン。大きなクラッシュにはならなかったものの、ダメージを負ったサドラーはピットインを強いられ、18位に後退。
 残り47周で再スタートが切られ、4位のKy.ブッシュは一つポジションを上げると、前を逃げる2台を追ったが、届かず3位でチェッカー。終盤見事な追い上げを見せたサドラーが6位。ブッシャーが10位に入りトップ10フィニッシュを果たした。午後10時過ぎにスタートした深夜のレースは日をまたぎ、終了したのは午前0時過ぎとなった。
 ルーキーのサレスは終盤、"ラッキー・ドッグ"獲得を目指したがイエローコーションが出ず、それでもライバルを数台パスし、19位でデビューレースを終えた。
 Ky.ブッシュはこれで開幕から8戦連続のトップ4フィニッシュ。Ky.ブッシュはカップ・シリーズのレギュラードライバーのため、ドライバーズポイントは得られないが、彼がドライブする"トヨタ カムリ"54号車はオーナーズポイントランキングで2位に19ポイント差の首位を守っている。

 次戦第9戦は5月3日(土)、タラデガ・スーパースピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「タフなレースだった。タイヤの状態が予想していたものと全く異なっており、摩耗が酷かった。しかし、全体的に見れば、クルーチーフやスタッフが良くやってくれたおかげで、3位という結果を得られて満足している」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 9 5 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 250
2 4 9 チェイス・エリオット シボレー 250
3 8 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 250
6 13 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 250
10 15 99 ジェイムズ・ブッシャー トヨタ カムリ 250
16 18 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 249
19 12 20 ダニエル・サレス トヨタ カムリ 249
21 27 44 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 248
29 32 14 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 245
34 38 13 デレック・ホワイト トヨタ カムリ 58
38 36 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 5
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 チェイス・エリオット シボレー 313
2 リーガン・スミス シボレー 294
3 エリオット・サドラー トヨタ 290
8 ジェイムズ・ブッシャー トヨタ 229
11 マイク・ブリス トヨタ 193
18 エリック・マクルーア トヨタ 141
24 ブレイク・コッホ トヨタ 91
26 デイビッド・スター トヨタ 78
33 ウィル・キンメル3世 トヨタ 33
35 ルーベン・ガルシア・メテオス トヨタ 30
37 ダニエル・サレス トヨタ 25
38 ジェイソン・ホワイト トヨタ 25
39 ジェフ・グリーン トヨタ 19
40 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 18
42 ライアン・エリス トヨタ 16
47 ケリー・アドミラール トヨタ 9
48 マット・カーター トヨタ 8
49 ハリソン・ローズ トヨタ 5
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 364
2 トヨタ 349
3 フォード 327
4 ダッジ 207