2014年6月 2日(月)配信

"モンスター・マイル"で"トヨタ カムリ"3-4-5位フィニッシュ
2カテゴリー勝利のカイル・ブッシュ、週末完全制覇ならず

"モンスター・マイル"の愛称を持つ難コース、ドーバーでNASCARトップ3カテゴリーが開幕戦以来となる同一週末開催。トラック・シリーズとネイションワイド・シリーズでカイル・ブッシュが勝利を挙げ、4年ぶりに、Ky.ブッシュのみしか成し遂げていない同一週末完全制覇の再現なるかと期待されたが、カップ・シリーズでは痛恨のクラッシュ。マット・ケンゼス、クリント・ボウヤー、デニー・ハムリンの3台が上位を争い3-4-5位フィニッシュを果たした。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第13戦 FedEx 400

開催日:6月1日

"モンスター・マイル"で"トヨタ カムリ"3-4-5位フィニッシュ
カイル・ブッシュの「ドーバー・スイープ」ならず

写真
3位でフィニッシュしたマット・ケンゼス(#20)と4位のクリント・ボウヤー(#15)

 6月1日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第13戦「FedEx 400」が開催された。
 ドーバーはコンクリート舗装の路面と狭いコース、高いバンク角を持つ1マイルオーバルで、"モンスター・マイル"の愛称を持つ難コース。トヨタ勢では2008年と2010年にカイル・ブッシュが勝利を挙げている。年2回開催で、秋のレースは"チェイス"の1戦として行われるため、秋へ向けてのデータ収集においても重要なレースとなる。

 5月30日(金)、午前中の練習走行に続き午後3時40分から予選が行われ、Ky.ブッシュが最前列2番手、デニー・ハムリンが7番手、ブライアン・ヴィッカーズとクリント・ボウヤーが9,10番手で5列目に並び、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 6月1日(日)午後1時18分、1マイルオーバルを400周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手グリッドのKy.ブッシュは好スタートを切り、首位を奪取。Ky.ブッシュは5月30日(金)、31日(土)に行われたキャンピングワールド・トラック・シリーズ戦とネイションワイド・シリーズ戦で連勝を飾っており、2010年のブリストル以来となる、同一週末のトップ3カテゴリー完全制覇に向け、順調なスタートを切った。
 序盤はイエローコーションが出ない展開の中、Ky.ブッシュは首位を快走。28周目には、自身のカップ・シリーズにおける通算リードラップ数が10000を突破。NASCARで史上15人目となるカップ・シリーズ10000リードラップ獲得ドライバーとなった。
 長いグリーンランで周回遅れが出てくる中、Ky.ブッシュの快走は止まらず、一時は2位に2秒以上の差をつけての独走状態に。
 65周目、周回遅れとなっていたアレックス・ボウマンが右前タイヤのパンクに見舞われ壁にヒット。この日初のイエローコーションとなった。
 全車ピットに向かい、Ky.ブッシュは首位でピットアウト。一方で、コーション前までは 6位につけていたハムリンがピットロードスピード違反を取られ、首位と同一周回最後尾の25位まで後退。
 71周目に再スタートが切られ、Ky.ブッシュは再び首位をキープ。12位で再スタートを切ったヴィッカーズは、73周目に突然スローダウン。そのままガレージへと向かい、レースを終えることとなってしまった。
 首位を行くKy。ブッシュだったが、徐々にリアのグリップ不足に苦しみ、81周目に 2位、85周目には3位に後退。4位、5位につけるボウヤー、ケンゼスらとの3位争いとなった。
 125周目、ペースの上がらないKy.ブッシュをパスしたボウヤーとKy.ブッシュが接触し、Ky.ブッシュは壁にクラッシュ。Ky.ブッシュはヒットした車両右前のダメージが大きく、ガレージへと向かったが、修復ならずそのままリタイア。ドーバーの週末完全制覇の夢は潰えてしまった。
 このコーション下のピット作業で、ケンゼスは3位に浮上。ボウヤーは車両修復のために23位まで後退。
 再スタート後、134周目には5台が絡む激しいクラッシュが発生し、コース清掃のために6分あまりの赤旗中断となった。
 レース再開後、159周目にはコース上のコンクリート舗装が破損し、その破片で車両がクラッシュするアクシデントが発生、コース修復のために再び22分ほどの赤旗中断となった。この中断直前のイエローコーションでタイヤ2本交換としたハムリンが11位から3位へとジャンプアップ。ケンゼスも2位へとひとつポジションを上げ再スタート。
 再スタート直後、首位の車両がタイヤのパンクに見舞われたためにケンゼスが首位、ハムリンが2位へと上がり、"トヨタ カムリ"の1-2体制に。
 しかし、この日の中盤戦以降圧倒的な速さを見せたジミー・ジョンソン(シボレー)の追撃を抑えきることが出来ず、先行を許してしまった。その後もケンゼス、ハムリンはトップ5圏内につけ、再逆転のチャンスを伺った。
 レースは246周目の再スタートの後、100周以上に渡ってイエローコーションの出ない展開に。そんな中、接触により20位以下まで後退していたボウヤーが徐々にポジションを回復。277周目にはトップ10圏内まで返り咲いた。
 320修繕後には、最後まで走りきるにはぎりぎりというタイミングで各車グリーンピット。最後は燃費戦になるかと思われた。
 しかし、316周目にコース上の異物によりイエローコーション。全車ピットへ向かい、ここで唯一タイヤ2本交換としたボウヤーが首位に浮上したが、再スタートでは4本交換の後続の逆転を許し、ケンゼス2位、ボウヤー4位、ハムリン6位で終盤戦へ。
 残り8周というところで、パンクした車両から出た破片によりイエローコーション。2位のケンゼス、4位のボウヤーを含む7台がコース上に残ったのに対し、ハムリンらはピットへ向かい、2本タイヤを交換して最後の逆転に賭ける作戦に出た。ハムリンはトップでピットアウトし、8位で再スタート。
 残り4周での再スタートが切られたが、アウト側最前列のケンゼスはホイールをスピンさせてしまいスタートダッシュをミス。その直後にいたボウヤーも影響を受け、、イン側の2台を逃がす形となってしまった。
 ケンゼス、ボウヤーは懸命に前の2台を追ったが届かず、ケンゼスが3位、ボウヤー4位、8位での再スタートからポジションを上げたハムリンが5位でチェッカーを受けることとなった。
 ケンゼスは2戦連続の3位フィニッシュとなり、ポイントランキングでは首位に浮上した。

 次戦第14戦は6月8日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「良いレースだったが、48号車(ジミー・ジョンソン:シボレー)と4号車(ケヴィン・ハーヴィック:シボレー)が強すぎた。その他にも数台速い車両がいたし、我々の"トヨタ カムリ"はトップ5くらいの速さだったと思う。最後の再スタートでは、タイヤをスピンさせ過ぎてしまうという、ひどいミスをしてしまった。ピット作業はいつも通りとても良かったし、結果はまずまずと言える。しかし、もっと状況を改善していかなくてはならない」

ドライバー クリント・ボウヤー:
「最後は燃費戦を考えて戦略を立て、自信もあったのだが、残念ながらコーションが出てしまった。最後の再スタートでは、彼(前にいたマット・ケンゼス)を助けられればと思っていたが、彼はホイールスピンが止まらず、私は後ろで詰まってしまい、そのまま彼を押したらクラッシュさせてしまう状況だった。厳しい一日だった」

ドライバー デニー・ハムリン:
「最後はあれ以上順位を上げるには周回数が足りず、車両のバランスも完全ではなかった。今日の我々の"トヨタ カムリ"はずっとトップ3からトップ5くらいの速さだったので、順当な結果だと思う。少なくとも、上位でのフィニッシュが果たせたことは良かった。開幕からの3ヶ月ほどの間、我々は満足のいく結果が得られないことが多かった。今日は私にとってリストリクタープレートレース以外で今季初めてのトップ5フィニッシュであり、シーズンを考えるとちょっと遅すぎる結果だ。更に上位でフィニッシュしたライバルチームとの差を詰める必要がある」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 48 ジミー・ジョンソン シボレー 400
2 1 2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 400
3 21 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 400
4 10 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 400
5 7 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 400
22 18 66 ブレット・モフィット トヨタ カムリ 396
27 31 26 コール・ウィット トヨタ カムリ 394
32 41 83 ライアン・トゥルークス トヨタ カムリ 387
40 35 23 アレックス・ボウマン トヨタ カムリ 208
42 2 18 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 125
43 9 55 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ カムリ 73
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 マット・ケンゼス トヨタ 463
2 ジェフ・ゴードン シボレー 461
3 カール・エドワーズ フォード 438
7 カイル・ブッシュ トヨタ 411
9 デニー・ハムリン トヨタ 379
13 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 366
17 クリント・ボウヤー トヨタ 350
31 コール・ウィット トヨタ 181
35 アレックス・ボウマン トヨタ 156
37 ライアン・トゥルークス トヨタ 96
40 パーカー・クリガーマン トヨタ 54
45 ジェフ・バートン トヨタ 27
46 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 23
47 ブレット・モフィット トヨタ 22
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 585
2 フォード 558
3 トヨタ 528

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第12戦 Buckle Up 200

開催日:5月31日

カイル・ブッシュがドーバー2カテゴリー制覇 今季シリーズ3勝目を挙げる

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今季3戦目の出場で2位フィニッシュを果たしたサム・ホーニッシュ・Jr.(#20)と
4位に入ったカイル・ブッシュ(#54)

 5月31日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第12戦「Buckle Up 200」がドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
 ネイションワイド・シリーズもドーバー戦は年に2回行われているが、トヨタは2008年以来6勝。うち3勝をカイル・ブッシュが挙げている。

 30日(金)の2回の練習走行を経て、31日(土)決勝を前に午前10時40分より予選開始。Ky.ブッシュが4番手、マット・ケンゼスが6番手、シリーズレギュラーでランキング上位を争うエリオット・サドラーが9番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選の後、カップ・シリーズの練習走行を経た午後2時16分、1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタートした。
 17周目にエンジンブロー車両により最初のイエローコーション。3台がコース上に残り、他はピットへ。2本タイヤ交換のサドラーがトップでピットアウト。コースに出たオイルの清掃のためにやや長くかかったコーションから、26周目にサドラー4位、Ky.ブッシュ8位、ケンゼス11位で再スタートが切られた。
 サドラーのペースが上がらず順位を落とす一方でKy.ブッシュは48周目に2位へ浮上。ケンゼスも59周目にトップ5へとポジションを上げた。
 74周目、コース上の異物でこの日2度目のイエローコーション。全車ピットへ向かい、Ky.ブッシュは好ピット作業に助けられ首位浮上。
 80周目の再スタートで、アウトサイドを選択したKy.ブッシュは得意のダッシュを決めると、4位でKy.ブッシュの後方につけていたケンゼスもこれに続き、"トヨタ カムリ"が1-2体制となった。
 ケンゼスが2位争いのバトルを繰り広げる一方で,ky.ブッシュは首位を独走。60周にわたったグリーン下での走行で、2位に4秒以上の大差をつけ、首位と同一周回はわずか12台に。
 140周目、コース上の異物によりこの日3度目のイエローコーション。Ky.ブッシュ首位、ケンゼス2位のまま切られた145周目の再スタート直後には、Ky.ブッシュが首位を逃げる後方で、ケンゼスを含む4台が一団となった激しい2位争いが繰り広げられた。
 150周目にはクラッシュ車両によるこの日4度目のイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。
 残り42周で再スタートが切られ、Ky.ブッシュは首位を堅守。しかし、今度は独走とはならず、周回遅れが出てくる中で、ライバルのハイペースな追い上げを必死に凌ぐ展開となった。
 しかし、最後はその差も1秒近くまで広がり、トップでチェッカーを受けたKy.ブッシュが今季3勝目を挙げた。Ky.ブッシュは前日のトラック・シリーズに続く勝利で、ドーバーでの同一週末のトラック・シリーズ戦とネイションワイド・シリーズ戦両制覇を果たした初のドライバーとなった。
 ケンゼスは4位、サドラーは9位でフィニッシュ。苦しみながらもトップ10圏内を守り続けたサドラーは、タイトルを争うライバルの一つ上の順位でフィニッシュし、ランキング2位は変わらないものの、首位との差を4ポイントと1ポイント詰めることとなった。

 次戦第13戦は6月14日(土)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「周回遅れをかわしながらの走行は厳しく、最後はオーバーステア症状が出て、後続の追撃を凌ぐのが精一杯だった。とはいえ、我々の"トヨタ カムリ"は驚くべき速さだった。練習走行や予選の時点では望み通りのスピードが得られず、若干不満があったが、決勝レース、特にロングランでは素晴らしい速さにチームが仕上げてくれた。チームやトヨタ、スポンサー、ファンの皆に感謝したい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 4 54 カイル・ブッシュ トヨタ カムリ 200
2 5 6 トレヴァー・ベイン フォード 200
3 1 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 200
4 6 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 200
9 9 11 エリオット・サドラー トヨタ カムリ 200
15 21 99 ジェイムズ・ブッシャー トヨタ カムリ 198
17 23 87 ジョー・ネメチェク トヨタ カムリ 198
18 25 14 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 198
19 22 44 パウリー・ハラッカ トヨタ カムリ 197
22 14 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 195
34 35 13 カール・ロング トヨタ カムリ 44
40 34 10 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 8
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 リーガン・スミス シボレー 448
2 エリオット・サドラー トヨタ 444
3 チェイス・エリオット シボレー 426
8 ジェイムズ・ブッシャー トヨタ 332
14 マイク・ブリス トヨタ 284
19 エリック・マクルーア トヨタ 203
22 デイビッド・スター トヨタ 134
27 ブレイク・コッホ トヨタ 99
30 サム・ホーニッシュ・Jr. トヨタ 87
34 ジェフ・グリーン トヨタ 56
38 ウィル・キンメル3世 トヨタ 33
40 ルーベン・ガルシア・メテオス トヨタ 30
43 ダニエル・サレス トヨタ 25
44 パウリー・ハラッカ トヨタ 25
45 ジェイソン・ホワイト トヨタ 25
48 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 18
49 ハル・マーティン トヨタ 18
57 ケリー・アドミラール トヨタ 9
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 535
2 トヨタ 535
3 フォード 498
4 ダッジ 313

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第5戦 Lucas Oil 200

開催日:5月30日

カイル・ブッシュが今季勝率100%の4勝目!
"トヨタ タンドラ"シリーズ開幕5連勝!

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今季4勝目を飾ったカイル・ブッシュ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第5戦「Lucas Oil 200」が5月30日(金)にドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催された。
 この週末は、開幕戦デイトナ以来、今季2度目となる、同じコースでNASCARトップ3カテゴリーが併催される。カイル・ブッシュはこの3レース全てに出場するため、忙しい週末を過ごすこととなった。
 ドーバーでのトラック・シリーズ戦は年1回開催だが、トヨタは2008年以来6連勝中。Ky.ブッシュは2011年と2013年に勝利を挙げている。

 29日(木)に2回の練習走行が予定されていたが、降雨のためにこの日の走行はキャンセルとなり、30日(金)に予定されていた予選の時間が練習走行に割り当てられた。このため、予選は行われず、規定に則って前戦までのオーナーズポイントで決勝のスターティンググリッドが決定。Ky.ブッシュがポールポジション、マット・クラフトンが2番手、ティモシー・ペターズが3番手、ジャーマン・キロガ・Jr.が4番手、ジョニー・ソーターが6番手と続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝に進んだ。

 予選にかわって行われた練習走行の後、午後5時51分に1マイルオーバルを200周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 スタートダッシュではポールポジションのKy.ブッシュに、最前列2番手のクラフトンが並びかけ逆転を狙うが叶わず、Ky.ブッシュが首位をキープ。
 6周目、24番手スタートから20位へと順位を上げていたマンソン・ミングスが他車に接触されスピンを喫し、この日最初のイエローコーション。その後も短いスパンでコーションが連発する序盤戦となった。
 28周目、3回目のイエローコーションからの再スタートが切られた後は長いグリーンランとなり、首位を逃げるKy.ブッシュに、クラフトンだけがついて行く状況となった。
 15番手スタートから、40周目過ぎには6位まで順位を上げていたダレル・ウォレス・Jr.は、43周目にタイヤトラブルに見舞われグリーン下での予期せぬピットイン。3周遅れとなってしまった。
 74周目、2位のクラフトンに約2秒、3位以下には10秒近い差をつけて首位を独走していたKy.ブッシュがグリーン下でピットへ。その直後にスピン車両によるクラッシュが発生し、Ky.ブッシュにとっては不運なタイミングでのイエローコーションとなった。
 上位勢はピットへ向かい、クラフトンは首位をキープ。周回遅れに阻まれる形となったKy.ブッシュは8位へと後退して再スタートを切ることとなったが、得意のダッシュを決めてポジションアップ。3位に浮上し、首位争いに加わった。
 レースが折り返しとなる100周を過ぎると、増えてきた周回遅れの車両をかいくぐりながらの走行に。そんな中で107周目に2位へと上がったKy.ブッシュは。一時は2秒以上離れていた首位クラフトンとの差を詰めていき、120周目に首位を奪還した。
 134周目にこの日5度目のイエローコーションとなり、全車ピットへ。Ky.ブッシュ首位、クラフトンが2位、ソーターが3位と"トヨタ タンドラ"がトップ3を占めて再スタート。この時点で首位と同一周回はわずか7台となっていた。
 再スタート後、数周はクラフトンがKy.ブッシュに食らいついたものの、徐々にその差は開いていき、Ky.ブッシュの独走態勢に。首位を追っていたクラフトンだったが、157周目にターン2で激しくアウト側の壁にクラッシュ。クラフトンは無事だったが、レースはここで終えることとなり、2012年最終戦以来続いていた、首位と同一周回での連続完走記録は27で途切れてしまった。
 172周目にもクラッシュでイエローコーションが出され、レースは最後の20周で決されることに。Ky.ブッシュは得意の再スタートを決めるとトップのまま逃げ切り、今季4勝目を挙げた。"トヨタ タンドラ"は開幕5連勝。Ky.ブッシュは今季のトラックシリーズ出場4戦4勝で勝率100%を継続している。
 3位にソーター、6位にジョン・ハンター・ネメチェク。中盤のピットでスピード違反を取られ後退しながら追い上げたキロガ・Jr.は周回遅れながら9位。ペターズが10位で今季4度目のトップ10フィニッシュを果たし、ランキングではわずか1ポイントながらクラフトンを逆転し首位に立った。3位フィニッシュのソーターは、チームメイトのクラフトンと同ポイントの3位。キロガ・Jr.が4位につけ、トヨタ勢はランキングトップ4を占めている。

 次戦第6戦は6月6日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今年の新型"トヨタ タンドラ"は、昨年までのモデルと比べると空力的に若干敏感なところがあり、ドライブするのは楽しいが、チャレンジでもある。特にここドーバーでは空力的な影響も大きいし、路面へのラバー付着による変化も顕著だ。しかし、チームが良い仕事をしてくれたおかげで勝つことが出来た。不運なコーションタイミングで一旦は順位を落としたが、チームの良い調整もあり、すぐに上位に復帰出来た。しかし、それは3位までだった。前を行く2台は本当に速く、パッシングはハードだった。それだけに、88号車(マット・クラフトン)のクラッシュは残念だ。今日は我がチームの若手、エリック・ジョーンズの18歳の誕生日だ。次戦からの6戦中5戦を我がチームの"トヨタ タンドラ"で戦うジョーンズの誕生日を祝いたい」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 1 51 カイル・ブッシュ トヨタ タンドラ 200
2 14 29 ライアン・ブレイニー フォード 200
3 6 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 200
6 7 8 ジョン・ハンター・ネメチェク トヨタ タンドラ 200
9 4 77 ジャーマン・キロガ・Jr. トヨタ タンドラ 199
10 3 17 ティモシー・ペターズ トヨタ タンドラ 198
12 11 5 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ タンドラ 198
16 15 54 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ タンドラ 195
18 12 13 ジェブ・バートン トヨタ タンドラ 189
23 2 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 156
26 24 35 マンソン・ミングス トヨタ タンドラ 125
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ティモシー・ペターズ トヨタ 185
2 マット・クラフトン トヨタ 184
3 ジョニー・ソーター トヨタ 184
4 ジャーマン・キロガ・Jr. トヨタ 179
8 ジョン・ウェス・タウンリー トヨタ 159
9 ジェブ・バートン トヨタ 153
11 ダレル・ウォレス・Jr. トヨタ 136
16 マンソン・ミングス トヨタ 107
17 ジョー・ネメチェク トヨタ 105
21 ブライアン・イックラー トヨタ 83
23 ジョン・ハンター・ネメチェク トヨタ 71
37 エリック・ジョーンズ トヨタ 26
39 クリス・フォンテイン トヨタ 25
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 238
2 フォード 204
3 シボレー 200
4 RAM 41