"トヨタ カムリ"は首位を争うも2位/2位
ニューハンプシャー州ロードンでスプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズが行われ、共にトヨタ勢は首位を争ったが届かず、カイル・ブッシュが両レース2位フィニッシュ。アイオワで行われたキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは18歳のエリック・ジョーンズがキャリア2勝目を挙げた。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第19戦 Camping World RV Sales 301
開催日:7月13日
トヨタ勢首位を争うもカイル・ブッシュが2位。
"トヨタ カムリ"4台がトップ10フィニッシュ
首位を争い、2位フィニッシュのカイル・ブッシュ(#18)と8位に終わったデニー・ハムリン(#11)
7月13日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第19戦「Camping World RV Sales 301」が開催された。
ロードンではこの夏の大会と、"チェイス"の1戦として開催される秋の大会、年に2戦行われているが、トヨタは2012年秋がデニー・ハムリン、2013年夏はブライアン・ヴィッカーズ、2013年秋はマット・ケンゼスと直近の3戦で勝利を挙げている。また、カイル・ブッシュはトヨタでは未勝利ながら、昨年は2戦共に2位フィニッシュ。調子を取り戻してきたトヨタ勢の、得意なコースでの巻き返しに期待がかかった。
11日(金)午後4時40分から予選が行われ、Ky.ブッシュが今季2度目となるポールポジションを獲得。ハムリンが3番手、クリント・ボウヤーが8番手、ケンゼスが15番手、ヴィッカーズが17番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選後、12日(土)の2回の練習走行を経て、13日(日)午後1時17分に1.058マイルオーバルを301周(318.485マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュは順当に首位をキープ。6周目には3番手スタートのハムリンも2位へ浮上し、序盤から"トヨタ カムリ"の1-2体制となった。
60周目には15番手スタートから徐々に順位を上げていたケンゼスがトップ5入り、62周目にはハムリンがこの日スタートから一度も首位を譲っていなかったKy.ブッシュをかわし、首位に立った。
このロードンでは燃料をフルに入れて約75周前後走行出来る。序盤のコーションでは上位勢はほとんどピットに向かわなかったため、74周目あたりからグリーンピット開始。全車がピット作業を終えた時点で、ハムリンが再び首位に復帰。Ky.ブッシュが2位、ケンゼスが4位でこれに続いた。
しかしこの日速さを見せたブラッド・ケゼロウスキー(フォード)が猛追。トヨタ勢をかわして首位に立つと、ハムリン、Ky.ブッシュ、ケンゼスは2-3-4位でこれを追う形となった。
レースが折り返した直後の153周目にこの日3度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ。ここで、トップ10のやや後方につけていたボウヤーとヴィッカーズを含む中断グループ9台ほどがタイヤ2本交換作戦に出た。Ky.ブッシュらは4本交換としたため、順位が大きく入れ替わり、ボウヤー3位、ヴィッカーズ4位、Ky.ブッシュ8位、ケンゼス12位、ハムリン13位で再スタート。
この再スタートでは、イン側最前列の車両がバランスを崩し、そこに後続が詰まったところを上手くすり抜けたボウヤーが首位に浮上。Ky.ブッシュも素晴らしい追い上げを見せ、、わずか8周ほどでボウヤーに次ぐ2位へとポジションを上げた。
177周目にこの日4度目のイエローコーションとなったが、ぎりぎりあと1回の給油で最後まで走り切れる計算の上位勢はピットインせず。再スタート後は、フォードの2台が好ダッシュを見せ、ボウヤー、Ky.ブッシュ、ハムリン、ケンゼスと4台のトヨタがそれに続いた。
211周目、2位走行中のジョーイ・ロガーノ(フォード)が、今大会スポット出場でNASCARスプリント・カップ・シリーズの最高齢決勝出場記録を更新した72歳のモーガン・シェファード(シボレー)と接触しクラッシュ。この日5度目のイエローコーション。コーションラップを含めても残り80周以上と、最後まで走り切るには厳しい周回でのコーションとなったが、上位勢はピットへ。
多くの車両が2本タイヤ交換作戦とし、ボウヤーが首位でピットアウト。ジョー・ギブズ・レーシングの3台は4本交換とし、ハムリンが13位、Ky.ブッシュ15位、ケンゼス17位で再スタートが切られると、4ワイドの激しいバトルで順位を上げていった。
249周目にこの日6度目のイエローコーション。ここで給油すれば燃料の心配はなくなるが、ハムリンとKy.ブッシュを含む6台がピットに向かわず、最後まで走り切る作戦に出た。
ケンゼスは給油のみ、ボウヤーは2本タイヤ交換と給油で1-2位でピットアウト。ハムリン2位、Ky.ブッシュ4位、ケンゼス7位、ボウヤー8位で再スタート。
終盤はハムリンが2位で、首位のケゼロウスキーを追っていたが、残り3周というところでクラッシュが発生しイエローコーション。レースは4周延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
ぎりぎりの燃料作戦を採っていたKy.ブッシュとハムリンだったが、首位を追っていたハムリンは給油のためにピットイン。燃料をセーブしていたKy.ブッシュはここでもピットに入らず、最後まで走ることを選択。
Ky.ブッシュと同じく、先の2回のコーション共に入らず、最後まで走り切る作戦で3位につけていたジェフ・ゴードン(シボレー)がコーションラップ中の301周目に燃料切れに見舞われ後退。これで、ボウヤー3位、Ky.ブッシュ4位、ケンゼス5位、ピットインしたハムリンは16位で最後の2周スプリントを迎えた。
2列目のイン側にボウヤー、アウト側にKy.ブッシュという隊列で迎えた"グリーン・ホワイト・チェッカー"の再スタートでは、スタート/フィニッシュラインを超える直前に、同じく無給油作戦を採っていた、最前列イン側のケヴィン・ハーヴィック(シボレー)が燃料切れに見舞われスローダウン。これに影響を受け、直後に続いていたボウヤーとケンゼスも若干ダッシュが遅れたところで、アウト側のKy.ブッシュは得意のスタートダッシュを決め、2位に浮上した。
Ky.ブッシュは最後まで首位を追い続けるも届かず、2位でフィニッシュ。Ky.ブッシュはロードンで3戦連続の2位フィニッシュとなった。
ケンゼスが4位、ボウヤーが6位、最後のわずか2周で8台もパスしたハムリンが8位に入り、"トヨタ カムリ"は4台がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第20戦は7月27日(日)、米国中部インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日チームは素晴らしい仕事をしてくれた。我々の"トヨタ カムリ"は好調だった。4位から6位くらいにつけていたと思うが、最後は無給油という果敢な作戦で走り切った。チェッカーを受けた直後に燃料切れとなった。完璧な作戦だった。チームの努力のおかげだ。上位チームを倒すためには、まだやらなくてはならないことがあるのは分かっているが、全体的に見れば、今日の2位という結果は悪くない。今日はデニー(ハムリン)が我々3台の中で最速だったが、それでも前を行くフォードの2台は捕まえられなかった。最後はチャンスだったが、彼は給油ピットインしなくてはならなかったのが残念だ。今年は去年ほどの強さを見せられていないが、シーズン序盤よりは良くなってきている。9月にはチェイスの1戦として再びここで戦うことになるが、今日も前半はレースを支配出来たし、更に良い走りが出来ることを願っている」
ドライバー マット・ケンゼス:
「80周を走ったタイヤで"グリーン・ホワイト・チェッカー"に挑むのはいつもエキサイティングだ。ターン1から2で良いラインを取り、カイル(ラーソン)と3位争いになった。クラッシュしない範囲で可能な限りハードに攻め、彼にパスされてしまったことを除けば、楽しいバトルだった。全体的に見れば良い一日だった。今日は我がチームの3台共にトップ5の速さを持っており、正しい方向に進んでいると思う。」
ドライバー クリント・ボウヤー:
「残念なレースだった。今年は何故か全てが上手くかみ合わない。トップ5入りし、着実に再スタートを切ろうと思ったのに、目の前の4号車(ケヴィン・ハーヴィック:シボレー)が燃料切れに見舞われ、引っかかったために、後続にかわされてしまった。我々は勝つためにここに来ているが、まだ果たせていない。ライバル勢を捕らえるためには、まだやるべきことがある。着実に上を目指していく」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 7 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 305 | ||
2 | 1 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 305 | ||
3 | 13 | 42 | カイル・ラーソン | シボレー | 305 | ||
4 | 15 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 305 | ||
6 | 8 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 305 | ||
8 | 3 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 305 | ||
20 | 30 | 66 | ジェフ・バートン | トヨタ カムリ | 305 | ||
21 | 17 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 305 | ||
28 | 35 | 26 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 304 | ||
31 | 36 | 23 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 303 | ||
36 | 38 | 83 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 300 | ||
41 | 42 | 87 | ティミー・ヒル | トヨタ カムリ | 76 | ||
43 | 41 | 93 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 6 | ||
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NASCAR NATIONWIDE SERIES
第17戦 Sta-Green 200
開催日:7月12日
カイル・ブッシュとマット・ケンゼスが2-3位
終盤、カイル・ブッシュ(#54:黒)が首位争い、マット・ケンゼス(#20:白/緑)が3位争いを繰り広げ、2位、3位でフィニッシュした
7月12日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第17戦「Sta-Green 200」がニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。
ここロードンでのネイションワイド・シリーズ戦は、トヨタが2008年から4連勝を挙げており、昨年2013年もカイル・ブッシュが勝利。Ky.ブッシュは直近の5年で4勝と得意にしている。
11日(金)に2回の練習走行を行い、12日(土)決勝を前に午前10時10分より予選開始。カイル・ブッシュが最前列2番手、マット・ケンゼスが3番手、シリーズレギュラーでランキング上位を争っているのエリオット・サドラーが16番手につけ、8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選の後、スプリント・カップ・シリーズの練習走行を経て、午後3時46分に1.058マイルオーバルを200周(211.6マイル:約340km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
最前列2番手グリッドのKy.ブッシュはスタートダッシュを決め、1周目にして首位奪取。その後、5周目、13周目と序盤にイエローコーションが連続したが、Ky.ブッシュは首位をキープした。
3番手スタートのケンゼスも一旦順位を落としたものの、まもなく3位へ復帰。しかし、首位Ky.ブッシュと、それを追うポールシッターのブラッド・ケゼロウスキー(フォード)の2台は3位以降を引き離し、首位争いを繰り広げた。
首位を行くKy.ブッシュは30周を過ぎるとタイヤのグリップ低下に苦しみ、ケゼロウスキーが接近。2台は33周目にサイド・バイ・サイド状態となり、そのまま数周にわたってつばぜり合いを繰り広げたが、Ky.ブッシュが周回遅れに引っかかった35周目に、ケゼロウスキーに首位を奪われてしまった。
イエローコーションが出ないまま、80周目過ぎからグリーンピット開始。83周目には首位を争うKy.ブッシュとケゼロウスキーが同時にピットへ。大きく後続を引き離していた2台は、そのまま首位争いに復帰した。
長いグリーンランにより、その時点で首位と同一周回はわずか9台。更に1台が周回遅れとなった91周目、コース上の異物により、この日3度目のイエローコーションが出された。
上位勢はピットに入らなかったが、首位と同一周回の7位につけていたサドラーはピットへ。タイヤ4本の交換と調整を行った。
再スタートではKy.ブッシュがやや出遅れ、3位に後退。Ky.ブッシュは大きくスライドしてさらにポジションを落とし、レース折り返しの100周目には、ケンゼスが3位、ピットインが功を奏したサドラーが4位、Ky.ブッシュは5位でこれに続くことに。
再スタート後わずか5周の102周目にもクラッシュでイエローコーション。やはり上位勢はピットに入らなかったが、Ky.ブッシュはピットへ。タイヤ交換と調整を行い、8位へ後退。
107周目、ケンゼス3位、サドラー4位で2列目に並んで再スタート。しかし、ターン1の進入で、後続車がサドラーに軽くヒット。サドラーはスピンを余儀なくされ、接触した車両もスピン。これを避けようとした後続が次々に突っ込み、多重クラッシュとなった。
サドラー自身はアウト側で360度のスピンを喫したのみで、幸運にもどこにも接触せず、ピットインし、首位と同一周回を保って7位でレース復帰。
ケンゼス3位、クラッシュを上手く切り抜けたKy.ブッシュが4位での再スタートでは、Ky.ブッシュが2位に浮上し、再びケゼロウスキーとのバトルとなった。
140周目にコース上の異物でイエローコーションが出され、各車最後の給油へ向けピットイン。コース上に1台残ったため、Ky.ブッシュ3位、ケンゼス4位、サドラー8位で再スタート。
最後は55周にわたってグリーンのままの周回が続けられたが、Ky.ブッシュとケゼロウスキーの首位争いと、そこから少し離れてのケンゼスとカイル・ラーソン(シボレー)による3位争いが終盤まで続いた。
Ky.ブッシュは最後まで1秒以内の差でケゼロウスキーを追い続けたが届かず、2位でフィニッシュ。ラーソンの追い上げを受けたケンゼスはポジションを守り切り、3位。サドラーも6位でチェッカーを受けた。
次戦第18戦は7月19日(土)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日は我々の"トヨタ カムリ"の全てを出し切った。この週末、まずトップ5にはつけられ、2位は狙えるだろうと感じていたが、最終的にその通りになった。ポイントの面でも良い一日だった。勝てればもちろん良かったが、今日はその日ではなかった。クルーチーフは一日を通して調整を続けてくれて、我々は最後までハードに戦ったが、届かなかった」
ドライバー マット・ケンゼス:
「まずまずの週末だった。トップ5の速さはあると思っていたが、間違っていなかった。我々は3番手で予選を通過し、3位でフィニッシュした。予選の1番手、2番手が決勝レースでも1位、2位となった。前を走っていた2台は速く、捕まえることは叶わなかった。42号車(カイル・ラーソン:シボレー/4位)はショートランで我々よりも若干速く、我々はロングランでやや彼よりも良かった。それで最後は逃げ切ることが出来た。何度か調整を試み、少しずつ改善はしていったが、前を行く22号車(ブラッド・ケゼロウスキー:フォード)と54号車(カイル・ブッシュ)の2台とバトルをするには足りなかった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 200 | ||
2 | 2 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 200 | ||
3 | 3 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 200 | ||
6 | 16 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 200 | ||
22 | 17 | 99 | ジェイムズ・ブッシャー | トヨタ カムリ | 197 | ||
25 | 36 | 44 | マット・フラーム | トヨタ カムリ | 195 | ||
26 | 25 | 14 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 195 | ||
32 | 21 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 121 | ||
39 | 29 | 10 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 4 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第9戦 American Ethanol 200
開催日:7月11日
18歳エリック・ジョーンズがキャリア2勝目!
"トヨタ タンドラ"開幕9連勝
参戦9戦目にしてキャリア2勝目を挙げたエリック・ジョーンズ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第9戦「American Ethanol 200」が7月11日(金)に米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
この週末はスプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズが遠く離れたロードンで開催されているため、シリーズレギュラーと若手を中心とするスポット参戦組によりレースが行われた。
アイオワでのトラック・シリーズ戦は2009年から。2012年からは年に2回開催され、2012年、2013年共に夏の大会はティモシー・ペターズが勝利を飾っている。
今大会は11日(金)に全ての走行セッションが行われるワン・デイ・イベント。午前中に練習走行を行い、午後4時40分より2セグメント、グループ走行での予選開始。
上位12台が進出したセグメント2では、今季4戦目のシリーズ出場となる18歳のエリック・ジョーンズがセッション前半にトップタイムをマーク。キャリア初のポールポジション獲得なるかと思われたが、セッション終盤、ジョーンズのチームメイトであり、直近の2戦で1勝、2位1回と勢いに乗る20歳のダレル・ウォレス・Jr.が逆転。ウォレス・Jr.が今季2度目のポールポジションを獲得した。ジョーンズは2番手、ペターズが3番手で続き、"トヨタ タンドラ"がトップ3を独占。マット・クラフトンが6番手、昨年の夏大会でポールポジションを獲得しているジャーマン・キロガ・Jr.が10番手で続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後7時42分、0.875マイルオーバルを200周(175マイル:約280km)して競われる決勝レースがスタート。3番手グリッドのペターズは若干出遅れたが、最前列のジョーンズとウォレス・Jr.は1-2体制をキープ。7周目には6番手スタートのクラフトンが3位へ浮上し、"トヨタ タンドラ"がトップ3を占めての序盤戦となった。
39周目にスピン車両によりこの日最初のイエローコーション。全車ピットへ向かい、ピット作業でジョーンズが先行。再スタート後はジョーンズとウォレス・Jr.がサイド・バイ・サイドで首位を争った。
62周目、6位走行中のペターズが後続から接触されスピン。壁にクラッシュし、車体にダメージを負ってしまった。
これにより出されたイエローコーションからの再スタート後は、首位ジョーンズから若干離されたウォレス・Jr.を、こちらもフォード期待の若手、20歳のライアン・ブレイニー(フォード)がパス。ジョーンズへと迫った。
周回遅れが現れる中、103周目にジョーンズはブレイニーの先行を許し、2位に後退。
最初のイエローコーションから80周が過ぎ、続くコーションで給油しなかった車両の燃料が厳しくなってきた123周目、4位を走行していたウォレス・Jr.がグリーン下でピットイン。
しかし、このピット作業中であった125周目に、スピン車両によりこの日4度目のイエローコーション。最後まで走り切れる残り周回のため、全車ピットへ。ここでジョーンズは好ピット作業に助けられ首位復帰。ウォレス・Jr.は周回遅れの22位まで後退してしまった。
ジョーンズは再スタートを決め、首位をキープ。2位ブレイニーに、キロガ・Jr.、クラフトンが続き、この4台が後続を引き離していった。
首位ジョーンズと2位ブレイニーの差は、一時は1秒以上に広がったが、残り40周を切ったあたりからブレイニーが猛追。3位以下を大きく引き離し、完全なマッチレースとなった。
終盤はイエローコーションが出ないままの長いグリーンランとなり、次々と現れる周回遅れをかわしながら、逃げるジョーンズと追うブレイニーは、お互い一瞬のミスも許されない首位争いを展開。残りが20周を切ると、スパートをかけたブレイニーがジョーンズに並びかけ、何度も2台はサイド・バイ・サイド状態に。
横に並んだまま周回遅れをかわし、狭いコースでの3ワイド状態で、軽く接触しながらも2台はバトルを継続。若い2人の緊迫したバトルは最後まで続いたが、最後はジョーンズが逃げ切り、トップチェッカー。今季4戦目の出場で初勝利。自身トラック・シリーズの参戦9戦目にしてキャリア2勝目を飾った。
3位には、終盤やはり激しいバトルを繰り広げ、これを制したクラフトンが入った。キロガ・Jr.が5位。10位には17歳のジョン・ハンター・ネメチェクが入り、ネメチェクは今季4戦目の出場で、全戦トップ15フィニッシュを果たしている。
これで"トヨタ タンドラ"は開幕から9戦全勝記録を継続。昨年末から続く、シリーズ連続勝利の記録も11へと伸ばした。
次戦第10戦は7月23日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催される。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「最高だ。本当にハードにレースを戦い、全てを出し尽くした。ライアン(ブレイニー:フォード)とのレースは素晴らしかった。彼は素晴らしいレーサーであり、最高のライバルだ。我々は激しいバトルをしたが、お互いに尊敬しあい、ずっとクリーンなレースだった。チームのためにも、この"トヨタ タンドラ"と共にヴィクトリーレーンに立てたことは嬉しい。クルーは素晴らしい仕事をしてくれた。チームだけでなく、スポンサー、ファンにも感謝したい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 51 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 200 | ||
2 | 4 | 29 | ライアン・ブレイニー | フォード | 200 | ||
3 | 6 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 200 | ||
5 | 10 | 77 | ジャーマン・キロガ・Jr. | トヨタ タンドラ | 200 | ||
10 | 14 | 8 | ジョン・ハンター・ネメチェク | トヨタ タンドラ | 200 | ||
13 | 1 | 54 | ダレル・ウォレス・Jr. | トヨタ タンドラ | 199 | ||
14 | 13 | 13 | ジェブ・バートン | トヨタ タンドラ | 198 | ||
16 | 23 | 35 | マンソン・ミングス | トヨタ タンドラ | 198 | ||
18 | 18 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 198 | ||
22 | 20 | 5 | ジョン・ウェス・タウンリー | トヨタ タンドラ | 197 | ||
31 | 3 | 17 | ティモシー・ペターズ | トヨタ タンドラ | 129 | ||
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