カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、マット・ケンゼスの3名が
タイトルを争うプレーオフ"チェイス"に進出
シーズン終盤の10戦でタイトルを争うプレーオフ"チェイス"前最後のレースとなったリッチモンドでは、クリント・ボウヤーが3位フィニッシュを果たすも、7ポイント及ばず"チェイス"入りならず。トヨタ勢では、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、マット・ケンゼスの3名が"チェイス"に進出し、タイトルを争うこととなった。ネイションワイド・シリーズでは、ポールポジションのカイル・ブッシュが一度も首位の座を譲ることなくレースを支配し、今季4勝目を挙げた。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第26戦 Federated Auto Parts 400
開催日:9月6日
トヨタドライバー3人が"チェイス"進出
クリント・ボウヤーは3位フィニッシュも"チェイス"入りならず
3位でフィニッシュしたが惜しくも"チェイス"入りを逃したクリント・ボウヤー(#15)
9月6日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイNASCARスプリント・カップ・シリーズ第26戦「Federated Auto Parts 400」が開催された。
いよいよ"チェイス"前のレギュラーシーズン最後のレースを迎えた。トヨタ勢では今季1勝を挙げているカイル・ブッシュ、デニー・ハムリンと、未勝利ながらポイントランキングで3位につけるマット・ケンゼスの3名が既に"チェイス"入りを確実なものとしている。
"チェイス"入りの可能性を残すのは、ランキング12位ながら未勝利のクリント・ボウヤーとランキング18位のブライアン・ヴィッカーズ。特にボウヤーは23ポイント差で"チェイス"ランキング17位につけており、このポイント差を逆転するか、ヴィッカーズ共に今レースに勝利すれば"チェイス"入りが決まる。
1周0.75マイルのリッチモンドでのトヨタは、2009年に初勝利を挙げて以来、過去11戦中7勝と得意にしている。また、2012年のチェイス前の大会ではボウヤーが勝利を挙げており、ボウヤーの逆転"チェイス"入りなるかに注目が集まった。
5日(金)2度の練習走行に続き、午後5時45分より予選開始。ボウヤーが3列目6番手。ハムリンが11番手、ケンゼスが16番手。練習走行でパンクによりクラッシュし、バックアップカーに乗り換えたヴィッカーズは18番手、Ky.ブッシュが20番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
6日(土)午後7時48分、0.75マイルショートオーバルを400周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
6番手グリッドのボウヤーは、スタート直後こそひとつ順位を落としたものの、徐々に追い上げ、20周目にトップ5、33周目には4位へとポジションアップ。
50周目にコンペティション・コーションが出され、全車ピットへ。ここで好ピット作業を見せたボウヤーは2位へ、コーション時に11位まで順位を上げていたケンゼスも7位へとジャンプアップを果たした。
57周目に再スタートが切られ、ボウヤーはトップ3をキープ。ケンゼスが苦戦し10位前後まで順位を落とす一方で、調子を上げたハムリンが75周目には7位へ。
イエローコーションの出ない展開の中、11位前後まで順位を落としていたケンゼスが、121周目に壁にヒット。ダメージはサスペンションに及んでおり、ケンゼスはガレージでの長い修復を余儀なくされてしまった。
直後にイエローコーションとなり、全車ピットへ。ボウヤー5位、ハムリン10位、Ky.ブッシュ13位で再スタート。
再びイエローコーションの出ない長いグリーンランの展開となり、ボウヤーは4位をキープする一方で、ハムリンとKy.ブッシュは徐々にポジションダウン。代わって、序盤は20位以下に沈んでいたヴィッカーズがトップ10圏内を狙える位置まで順位を上げてきた。
217周目にKy.ブッシュがライバルより若干早めのグリーンピット。その後、上位勢も続々とグリーンピットしていき、全車がピットを終えた233周目には、ボウヤーが3位、早めのピット作戦が功を奏したKy.ブッシュは7位、ヴィッカーズが10位。ハムリンは逆にピットを引っ張った作戦が裏目に出て周回遅れの18位へと後退。
262周目、コース上の異物によりこの日3度目のイエローコーションが出されたが、ハムリンは惜しくも"ラッキー・ドッグ"を獲得出来ず。全車ピットに向かい、3位でピットアウトしたボウヤーは、再スタートで好ダッシュを決め、2位へと順位を上げた。
注目を集める"チェイス"争いでは、ボウヤーと16番目のスポットを争うグレッグ・ビッフル(フォード)が周回遅れの21位を走行しており、この時点でのポイント差はわずか4点。
逆転を目指すボウヤーは、再び長いグリーンランとなり、多くの周回遅れが出てくる中でも、大きく離されることなく首位を追った。
330周目、観客がコース脇のフェンスに登るというアクシデントが発生。安全のためにこの日4度目のイエローコーション。全車最後となるピットへ向かい、ボウヤー3位、ヴィッカーズ12位、Ky.ブッシュ14位で再スタート。
最後まで諦めずに首位を追い続けたボウヤーだったが、逆転は叶わず、3位でチェッカー。ライバルのビッフルが19位でフィニッシュしたため、惜しくも7ポイント届かず、"チェイス"入りはならなかった。
しかし、トヨタ勢では、Ky.ブッシュが8位、ハムリンが9位、ケンゼスが14位で正式に"チェイス"入り。"チェイス"に入った16名は、ポイントを2000点にリセット。これに勝利数×3ポイントを加え、終盤10戦で行われるプレーオフに挑む。今季より、"チェイス"はシステムが変わり、10戦のうち最初の3戦を終えた時点のポイントで下位4名が脱落。その後も3戦ごとに4名が脱落し、最後まで残った4名が最終戦でタイトルを賭けて戦うこととなる。
いよいよ"チェイス"が開始される次戦第27戦は9月14日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで行われる。
ドライバー クリント・ボウヤー:
「"チェイス"に進出し、タイトルを争いたかったが、叶わなかった。今夜見せられたように、我々の調子は上がってきている。それだけに、"チェイス"に進出出来なかったのは確かに残念だ。我々は今季まだ勝利を挙げていないが、このチームはシーズン中に必ず勝てると思っている。今日は良いレースだった。2号車(ブラッド・ケゼロウスキー:フォード)と24号車(ジェフ・ゴードン:シボレー)はシーズンを通して速さを示している。我々は全力を尽くし、その結果が3位だった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 400 | ||
2 | 2 | 24 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 400 | ||
3 | 6 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 400 | ||
13 | 18 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 400 | ||
14 | 20 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 400 | ||
21 | 11 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 398 | ||
30 | 35 | 26 | コール・ウィット | トヨタ カムリ | 394 | ||
38 | 25 | 23 | アレックス・ボウマン | トヨタ カムリ | 391 | ||
40 | 41 | 66 | ジョー・ネメチェク | トヨタ カムリ | 388 | ||
41 | 16 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 330 | ||
42 | 43 | 83 | ライアン・トゥルークス | トヨタ カムリ | 313 | ||
43 | 38 | 93 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 31 | ||
|
|
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第25戦 Virginia529 College Savings 250
開催日:9月5日
カイル・ブッシュが一度も首位を譲らず今季4勝目
レースを支配し今季4勝目を挙げたカイル・ブッシュ(#54)
9月5日(金)にNASCARネイションワイド・シリーズの第25戦「Virginia529 College Savings 250」がリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催された。
リッチモンドを得意としているカイル・ブッシュは、同シリーズで過去4勝(うちトヨタで2勝)。また、ポール・トゥ・ウィンを2回果たしているのはKy.ブッシュのみ。Ky.ブッシュはトヨタでリッチモンドのレースに10戦出場しているが、その全戦でトップ10フィニッシュを果たしており、今年春の大会でも3位に入っている。
4日(木)に2度の練習走行を行ったが、2回目の終了前に雨が降り始めセッションは早期終了。その後も降り続いた雨によりパドックが冠水するアクシデントもあった。
5日(金)は午後3時45分より予定通り予選が行われたが、2セグメントに分けて行われる予選の1セグメント中に降雨があり、2度にわたって中断。2セグメント目は行わず、1セグメント目の結果のみで決勝グリッドを決定。
練習走行2回目でもトップタイムをマークしていたKy.ブッシュが今季6度目、リッチモンドでは4度目となるポールポジションを獲得。マット・ケンゼスが6番手、シリーズレギュラーのエリオット・サドラーは16番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後7時46分、0.75マイルショートオーバルを250周(187.5マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションのKy.ブッシュは順調なスタート。直後に後続のクラッシュでイエローコーションが出されたものの、再スタート後も首位を守り、序盤から後続を引き離していった。
73周目にこの日2度目のイエローコーションが出され全車ピットへ。Ky.ブッシュは首位をキープ。ケンゼスが4位、サドラーは6位。その後、84周目、91周目と連続して発生したコーションからの再スタートでも大きな順位変更はなかったが、ケンゼスはオーバーステア症状に見舞われ、サドラーにかわされ6位に。
再び60周以上に渡ってイエローコーションが出ず、Ky.ブッシュは2位以下に4秒以上の大差をつけ首位をリードした。
166周目にこの日5度目のイエローコーション。Ky.ブッシュは首位をキープ、5位につけていたサドラーが好ピットで2位へとジャンプアップ。ケンゼス5位で再スタート。
2位へと順位を上げたサドラーだったが、再スタート後はライバルの先行を許し、5位へ後退。Ky.ブッシュは2位以下との差を3秒以上に広げたが、残り24周でイエローコーション。燃料的にはピットインの必要はなかったが、50周以上を走行したタイヤを交換すべく、全車ピットへ。ここでもKy.ブッシュは首位を守り、残り18周で再スタート。
このスタートダッシュも決めたKy.ブッシュは、後続との差を広げていき、最後は2位に1.3秒差をつけトップチェッカー。一度も首位の座を譲ることなく、ポール・トゥ・ウィンで今季4勝目を挙げた。Ky.ブッシュにとって、全ラップリードでの勝利は2011年の第2戦フェニックス以来。
最後の再スタートでやや順位を落としたサドラーは8位、ケンゼスは12位でレースを終えた。
次戦第26戦は9月13日(土)、シカゴランド・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「良い車両、良いクルーチーフの判断、そして良いレース運びが達成出来た夜だった。我々の"トヨタ カムリ"は好調だった。ここ数戦の結果(5戦連続トップ5も未勝利)から、今回こそ違う結果を得なくてはならないと分かっていた。それだけに再びヴィクトリーレーンに戻ることは悲願だったし、戻れて良かった。トヨタ、チーム、スポンサー、そしてファンに感謝したい。ここで再び勝つために戦うのは楽しかった」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 54 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 250 | ||
2 | 3 | 9 | チェイス・エリオット | シボレー | 250 | ||
3 | 15 | 5 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 250 | ||
8 | 16 | 11 | エリオット・サドラー | トヨタ カムリ | 250 | ||
12 | 6 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 250 | ||
19 | 20 | 99 | ジェイムズ・ブッシャー | トヨタ カムリ | 248 | ||
20 | 18 | 10 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 248 | ||
22 | 27 | 29 | ケリー・アドミラール | トヨタ カムリ | 247 | ||
25 | 32 | 44 | ウィル・キンメル3世 | トヨタ カムリ | 247 | ||
27 | 33 | 19 | ハーミー・サドラー | トヨタ カムリ | 245 | ||
30 | 24 | 14 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 192 | ||
38 | 28 | 91 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 4 | ||
|
|