2015年3月 4日(水)配信

"トヨタ カムリ"苦戦。"トヨタ タンドラ"は今季初勝利

 シーズン2戦目を迎えたNASCARはジョージア州アトランタで3カテゴリーが開催。スプリント・カップ・シリーズでは上位を争う"トヨタ カムリ"勢が次々に不運に見舞われる中、粘り強く走り抜いたマット・ケンゼスが5位フィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズは土曜日にダブルヘッダーで開催。エクスフィニティ・シリーズは長いグリーンランの展開となる中、ケンゼスが8位フィニッシュ。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズもイエローコーションの少ない展開となったが、ディフェンディングチャンピオンのマット・クラフトンが後半を支配し独走勝利。土曜日2戦連続出場のエリック・ジョーンズ、ダニエル・サレスら若手陣が予選上位を独占し、決勝でもトップ10フィニッシュを果たした。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第2戦 Folds of Honor QuikTrip 500

開催日:3月1日

マット・ケンゼス5位。
スポット参戦のルーキー、ブレット・モフィットが8位

 3月1日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第2戦「Folds of Honor QuikTrip 500」が開催された。
 最高出力や車重、空力など多くの変更が実施された今シーズン、開幕戦デイトナはリストリクター・プレートを装着していたため、新規定フルパワー下でのレースは今大会が最初となる。
 アトランタは2008年にカイル・ブッシュが"トヨタ カムリ"にカップ・シリーズ初勝利をもたらした記念すべきコース。2012年秋にはデニー・ハムリン、2013年秋にはKy.ブッシュが再び勝利。また、今季よりトヨタへ移籍したカール・エドワーズも移籍前に3勝を挙げている。

 2月26日(木)にテスト走行、27日(金)に練習走行を行った後、午後5時45分より予選が行われ、ハムリンが2列目4番手、エドワーズが5番手。前週エクスフィニティ・シリーズ戦で負傷したKy.ブッシュは今週末も欠場となり、代わりに18号車を駆るデビッド・レーガンが17番手。ケンゼスは36番手からのスタートとなった。

 3月1日(日)は朝から雨に見舞われた。レーススタートを控えた正午過ぎには雨は止んだが、コース路面はまだ濡れており、ジェットドライヤーカーで乾燥させる作業により、予定より30分ほど遅れてレースカーがコースイン。
 ペースラップ中も霧雨があり、予定よりも長い周回を経て、午後2時13分に1.54マイルオーバルを325周(500.5マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタートした。
 2列目4番手グリッドから好スタートダッシュを決めたハムリンが2位に浮上。5番手スタートからポジションを守るエドワーズと共に首位を追う一方で、36番手とほぼ最後尾近くからのスタートを余儀なくされたケンゼスが序盤から猛烈な追い上げを見せ、10周目にはトップ15入り。
 27周目にコンペティション・コーションが出され、全車ピットへ向かうと、好ピット作業に助けられ、ハムリン2位、エドワーズ4位、レーガンが5位、ケンゼスは9位と、4台の"トヨタ カムリ"がトップ10圏内で再スタートとなり、首位争いを続けた。
 スピン車両などによる3度のイエローコーションを経て、100周目の再スタート後は長いグリーン走行に。ここでレーガンはリアタイヤの摩耗に苦しみ徐々に後退。
 140周目前後からグリーンピットが始まり、全車がピット作業を終えた時点でケンゼスが首位に浮上。しかし、168周目にケンゼスが2度目のグリーンピットを追えた直後、173周目にイエローコーションが出され、ケンゼスは一旦は周回遅れに。コーション時のウェイブアラウンド(首位グループがピットイン中に一周する)で首位と同一周回へと戻ったものの、20位へと大きく順位を落としてしまった。
 一方で、ピットを引っ張ったハムリンはこのコーション下のピットで首位に浮上。エドワーズも6位で続いた。
 その後再び長いグリーンランとなり、220周目過ぎから各車グリーンピット。全車ピットを終えた時点でエドワーズが5位、ハムリン7位とトップ10圏内をキープしていたが、16位まで順位を上げていたケンゼスは245周目に周回遅れに。しかし、252周目にコース上の異物でこの日7度目のイエローコーションが出され、ケンゼスは"ラッキー・ドッグ"を獲得。
 エドワーズが5位、ハムリン7位でイン側の3,4列目に続いて残り69周での再スタート。しかし、直後の第2ターンでハムリンがコントロールを失いスピン。後続が突っ込み、多重クラッシュとなってしまった。
 ハムリンは車両にダメージを負い、ガレージでの修復を余儀なくされた。エドワーズは3位、ケンゼスはこの混乱を上手く切り抜け、12位で再スタートを切ると、一気にトップ10へとジャンプアップ。25番手スタートから徐々に順位を上げてきていたクリント・ボウヤーもここでトップ10へ。また、療養中のブライアン・ヴィッカーズに代わり55号車をドライブしているブレット・モフィットもこのコーションで"ラッキー・ドッグ"を獲得した。
 残り63周で再スタート。この日ここまで常にトップ10圏内をキープしたエドワーズは、3位で再スタートを切り、"トヨタ カムリ"勢最上位として上位争いを繰り広げていたが、272周目に突然左リアタイヤのパンクに見舞われスローダウン。イエローコーションが出なかったため、グリーン下でのピット作業を強いられ、2周遅れの26位まで順位を落とすこととなってしまった。
 290周目を過ぎると、各車最後の給油のためグリーン下でピットへ。最後までピットインを引っ張ったボウヤーが295周目、ボウヤーがピットへ向かった翌周にはモフィットがそれぞれリードラップを獲得した。
 298周目にエンジンブロー車両によりこの日9度目のイエローコーション。パンクによりピットタイミングがずれ、1周遅れまで取り戻していたエドワーズは、ここで"ラッキー・ドッグ"を獲得し、首位と同一周回に復帰。このコーションでは、タイヤに厳しいここアトランタで最後のダッシュへ向け上位勢がピットへ向かう中、ケンゼス、ボウヤー、モフィットの3台の"トヨタ カムリ"がピットへ入らず、コース上へ残る判断。ケンゼス首位、ボウヤー、モフィットが2位、3位で続いての、残り20周での再スタートとなった。
 ケンゼスは好スタートを切ったが、モフィットがスタートをミス。ボウヤーはエンジントラブルに見舞われ、順位を落として行く中、第3ターンでボウヤーの直前の車両が接触し、クラッシュ。ボウヤーは避けるべくフルブレーキングしたが、後続車両が次々に突っ込み玉突き状態に。この多重クラッシュで、コース清掃のため9分間の赤旗中断となった。
 レースは残り14周で再スタート。ケンゼスが首位を争う一方、12位からの再スタートとなったモフィットが好走を見せポジションアップ。
 ケンゼスはトヨタ勢最上位の5位でフィニッシュ。2歳のモフィットは8位に入り、カップ・シリーズでのキャリア8戦目にして初めてのトップ10フィニッシュを果たした。苦しみながらも首位と同一周回へ復帰し走り切ったエドワーズは12位でチェッカーを受けた。

 次戦第3戦は3月8日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「今日の状況を考えれば5位は良い結果だ。苦しんだが、チーム全員が最後まで諦めず、素晴らしい仕事をしてくれた。最後はポジションを考え若干ギャンブルせざるを得なかった、何とかポジションを守って最後まで走り切ることが出来た」

ドライバー ブレット・モフィット:
「本当に信じられない。我々の"トヨタ カムリ"は週末を通して速かった。タイヤが新しいときのペースが上げられず、レース中も調整を続けた。再スタートでもっとアグレッシブに攻めることなど、まだまだ学んでいる最中だ。この機会を与えてくれたチームやトヨタ、スポンサーに感謝している」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 37 48 ジミー・ジョンソン シボレー 325
2 2 4 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 325
3 9 88 デイル・アーンハート・Jr. シボレー 325
5 36 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 325
8 22 55 ブレット・モフィット トヨタ カムリ 325
12 5 19 カール・エドワーズ トヨタ カムリ 325
18 17 18 デイビッド・レーガン トヨタ カムリ 323
24 25 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 321
34 30 23 J.J.イェリー トヨタ カムリ 316
35 40 26 ジェブ・バートン トヨタ カムリ 316
38 4 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 284
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ジョーイ・ロガーノ フォード 88
2 ジミー・ジョンソン シボレー 87
3 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 86
10 クリント・ボウヤー トヨタ 58
14 カール・エドワーズ トヨタ 54
18 マット・ケンゼス トヨタ 49
19 デニー・ハムリン トヨタ 48
24 ブレット・モフィット トヨタ 37
34 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 18
40 マイク・ウォレス トヨタ 8
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 89
2 フォード 88
3 トヨタ 81

NASCAR XFINITY SERIES
第2戦 Hisense 250

開催日:2月28日

首位と同一周回フィニッシュ10台。
マット・ケンゼスが8位

 2月28日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第2戦「Hisense 250」がアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
 トヨタは同シリーズのアトランタ戦で未勝利。シリーズ初勝利を目指し臨んだ。

 27日(金)に2回の練習走行を経て、28日(土)午前9時10分から予選開始。マット・ケンゼスが5番手。前週負傷したKy.ブッシュに代わり、トラック・シリーズにフル参戦している18歳のエリック・ジョーンズが54号車を駆り、12番手。ダニエル・サレスが21番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
 この週末のアトランタは、28日(土)にエクスフィニティ・シリーズ戦とトラック・シリーズ戦の決勝が行われるダブルヘッダー。両レースに出場するジョーンズ,サレスらは忙しい一日を過ごすこととなった。

 予選後、トラック・シリーズの予選、カップ・シリーズの最終練習走行を経て、午後2時17分に1.54マイルオーバルを163周(251.02マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。
 5番手スタートのケンゼスが序盤から猛ダッシュを見せ、7周目には2位に浮上。8周目にスピン車両によりこの日最初のイエローコーションが出された後は、70周以上に渡ってグリーンランとなり、50周目前後に各車グリーンピット。ケンゼスは一旦首位に立つも、全車がピットを終えた時点で3位につけた。
 長いグリーンランで、首位と同一周回がわずか9台となった86周目にこの日2度目のイエローコーション。全車ピットへ。ここで周回遅れながら14位につけていたジョーンズはピットクルーが規定よりも早いタイミングでピットロードに出てしまい、ペナルティで後退。トヨタ勢ではケンゼスが唯一の首位と同一周回3位、1周遅れのサレスが14位、ジョーンズが18位で再スタート。
 その後もイエローコーションの出ない展開となり、3位をキープしていたケンゼスは、132周目ににグリーン下でピットイン。しかし、翌々周の134周目にイエローコーションが出され、周回遅れとなっていたケンゼスはラッキー・ドッグ"で首位と同一周回に復帰すると、9位で残り24周の再スタート。
 ケンゼスはすぐに8位に上がると、激しい7位争いを繰り広げたが届かず、8位でフィニッシュ。イエローコーションわずか3回、首位と同一周回フィニッシュが10台という難しいレースとなったが、スポット参戦のジョーンズが13位、ルーキーのサレスも14位でフィニッシュした。

 次戦第3戦は3月7日(土)、ラスベガス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー マット・ケンゼス:
「今日の我々の"トヨタ カムリ"はレースを通してトップ3の速さを持っていた。しかし、何故か分からないが、ここアトランタでは経験したことがないほど追い抜きが難しかった。グリーンピットの直後にコーションが出されるという不運に見舞われ、ラッキー・ドッグで同一周回最後尾からのスタートを余儀なくされた。もっと上位を狙いたかったが、本当にパスは困難だった」

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「長いレースだった。最初はアンダーステア症状が厳しかったが、最後は好調になった。周回遅れにならず、リードラップに留まっていられたらもっと良い戦いが出来たはずだ。我々の"トヨタ カムリ"は結果以上の速さがあったが、今日はそれが結果に結びつかなかったということだ。レースではこういうこともある。しかし我々は必ず次回もっと強くなって戻ってくる」

ドライバー ダニエル・サレス:
「これまでで最もきついレースだった。本当に難しいコースだ。とはいえ、今日のレースにチャレンジし、14位という悪くない結果を得られたことは、将来へ向けて楽しみだ。勿論、まだ更に学び、戦い続けなくてはならない。日々チームとの信頼感が増している。今日の結果には満足している」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 8 88 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 163
2 1 22 ジョーイ・ロガーノ フォード 163
3 17 3 タイ・ディロン シボレー 163
8 5 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 163
13 12 54 エリック・ジョーンズ トヨタ カムリ 161
14 21 18 ダニエル・サレス トヨタ カムリ 161
19 15 28 J.J.イェリー トヨタ カムリ 160
22 25 8 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 160
25 16 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 159
26 30 44 デイビッド・スター トヨタ カムリ 159
28 29 24 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 156
35 24 14 ケール・コンリー トヨタ カムリ 128
39 39 40 ケール・コンリー トヨタ カムリ 19
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 クリス・ブッシャー フォード 83
2 タイ・ディロン シボレー 83
3 ライアン・リード フォード 75
6 デイビッド・スター トヨタ 56
13 ブレイク・コッホ トヨタ 46
15 エリック・マクルーア トヨタ 43
16 J.J.イェリー トヨタ 42
20 ダニエル・サレス トヨタ 35
26 ケール・コンリー トヨタ 23
31 ジャスティン・マークス トヨタ 10
33 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 7
35 カール・ロング トヨタ 5
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 フォード 90
2 シボレー 90
3 トヨタ 75
4 ダッジ 35

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第2戦 Hyundai Construction Equipment 200

開催日:2月28日

マット・クラフトンがレースを支配しアトランタ初勝利!
6台の"トヨタ タンドラ"がトップ10フィニッシュ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第2戦「Hyundai Construction Equipment 200」が2月28日(土)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催された。
 アトランタでのトラック・シリーズ戦は、2012年以来の開催。それ以前はトヨタがタンドラで参戦を開始した2004年から行われており、トヨタは通算4勝を挙げている。

 27日(金)に3時間の練習走行をこなし、28日(土)午前10時40分より予選開始。開幕戦デイトナでも予選6位と速さを見せた、23歳のベン・ケネディがキャリア初となるポールポジションを獲得。18歳のエリック・ジョーンズが2番手、18歳のカナダ人ドライバー、キャメロン・ヘイリーが3番手、23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが4番手と"トヨタ タンドラ"を駆る若手ドライバーが予選2列目までを独占。
 ジャスティン・ボストンが6番手で続き、8台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。

 予選後、エクスフィニティ・シリーズの決勝レースを経て、午後5時30分に1.54マイルオーバルを130周(200.2マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。エクスフィニティ・シリーズ戦にも出場したサレス、ジョーンズらはこの日2戦目の出走となった。
 スタートダッシュでジョーンズが先行し、ケネディ、サレスが追う展開。11周目、18周目と連続でコーションが出され、2度目のコーションで上位勢はピットへ。ここで8位につけていたヘイリーがピットロードスピード違反を取られ後退。このコーションでは、カップ・シリーズのトップドライバーであるブラッド・ケゼロウスキー(フォード)がピットに入らずコース上に残り、16番手スタートのティモシー・ピーターズがタイヤ2本交換作戦を採ったため、4本交換したジョーンズは3位、15番手スタートからジャンプアップした2年連続シリーズチャンピオンのクラフトンが5位、サレス6位で再スタート。すぐにジョーンズが首位を奪還した
 その後方ではサレスとクラフトンも速さを見せ、まもなく2位、3位へ順位を上げ"トヨタ タンドラ"の1-2-3体制に。クラフトンの速さは止まらず、周回遅れが出始めた40周目過ぎには、ジョーンズとサイド・バイ・サイドでの首位争いに。このバトルを制し、44周目についにクラフトンが首位に立った。
 50周目にこの日3度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ。直前まで7位を走行していたピーターズはタイヤのパンクに見舞われスローダウン。20位以下に順位を落としてしまった。
 上位勢も一斉にピットへ向かったが、2位につけていたジョーンズは自身のピットエリアを行き過ぎてしまい、大きくタイムロス。10位に後退。クラフトン首位、サレス2位、ケネディ4位で再スタート。
 ピットでのタイムロスで10位に落ちたジョーンズだったが、再スタート後に目覚ましい追い上げを見せ、僅か3周でクラフトン、サレスに次ぐ3位に浮上。
 サレス、ジョーンズ、ケネディらが激しく2位争いを繰り広げる一方で、首位を逃げるクラフトンは2位以下との差をどんどん広げていった。
 日が沈み、コースコンディションが代わっていく中、イエローコーションが出ないままレースが続き、クラフトンが独走。
 残りが35周を切る、95周目過ぎから各車グリーンピットを開始。クラフトンとサレスは最後までピットを引っ張り、101周目、グリーン下でピットインしたクラフトンは首位の座を譲ることなくコースへと復帰した。
 このグリーンピットで、直前まで3位につけていたジョーンズは、ピットアウトしようとした隣のピットエリアの車両と接触しそうになり、再びピットボックスを行き過ぎてタイムロス。7位へ後退。
 グリーンピットを経ても首位を行くクラフトンの勢いは衰えず、周回毎に後続との差を広げていった。最後はややペースを抑えたものの、それでも2位に8秒以上の大差をつけトップチェッカー。今季初勝利を挙げた。10年以上のキャリアを持つクラフトンだが、アトランタでの勝利は初。
 ケネディは自身最高位タイとなる3位フィニッシュ。サレスもデビュー3戦目にしてキャリア最高位となる4位でトップ5フィニッシュを果たした。
 ジョニー・ソーターが6位、ジョーンズが7位。フィニッシュ時に首位と同一周回はわずか7台だった。

 次戦第3戦は3月28日(土)に米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催される。

ドライバー マット・クラフトン:
「我々の"トヨタ タンドラ"は本当に速かった。予選は残念な結果だったが、決勝のグリーンフラッグが振られて3周もしたらその速さがわかった。ここアトランタはお気に入りのコースであり、ここで勝てたのは信じられない気分だ。全ては支えてくれたチームスタッフのおかげだ。皆諦めず私を信じてくれた。ここ(ヴィクトリーレーン)に戻れて本当に嬉しい。何度も近づいたことはあったが、やっとたどり着けた。周回遅れに阻まれたこともあったし、何度か自分でもペースを抑えたりしたが、我々の"トヨタ タンドラ"の速さは示せたはずだ」

ドライバー ベン・ケネディ:
「良い走りが出来た。特にロングランが良かった。この週末、私は本当に多くのことを学んだ。アトランタに来たのも、走ったのも初めてだ。全く経験の無いコースに来て走り、学べるのは最高だ。先週のデイトナでは2度もアクシデントに巻き込まれレースを終えているだけに、3位フィニッシュは嬉しい。ポールポジション獲得も、当初2番手だと思っていたところ、プレスコンファレンスでポールを告げられ、記念写真を撮影することになって本当に嬉しかった。記録的には昨年の開幕戦でポールポジションを得ているが、あれは雨天で予選が流れての結果であり、今回は実力で勝ち取った初めてのポールだ。次戦のマーティンズビルは大好きなコースであり、本当に楽しみだ」

ドライバー ダニエル・サレス:
「この結果は本当に嬉しい。今日はエクスフィニティ・シリーズとトラック・シリーズのレースを戦い、素晴らしい一日だった。友人であるベン・ケネディと好バトルが出来たのも良かったし、楽しかった。サイドドラフトなど、空力の点でも多くのことを学んだ。更に経験を重ねて行きたい。素晴らしい仕事で支えてくれるチームやトヨタに感謝している。」

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「望み通りの結果とは言えない。我々の"トヨタ タンドラ"は速く、勝てる感触があった。しかし残念ながら上手く行かなかった。私はまだまだ1.5マイルオーバルを学んでいる最中だ。また、レース中に昼から夜へコンディションが変わっていくなど、今日2レース戦い、多くの周回を走ったことで、素晴らしい経験を積んだ。エクスフィニティ・シリーズではトラフィックの中での戦い方や正しい車両調整について学び、トラック・シリーズでも活かせた。ピットストップでのアクシデントが無ければ勝利を争えていただろう。その点では本当に残念だが、我々の"トヨタ タンドラ"が速かったことは間違いない」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 15 88 マット・クラフトン トヨタ タンドラ 130
2 14 33 タイ・ディロン シボレー 130
3 1 11 ベン・ケネディ トヨタ タンドラ 130
4 4 51 ダニエル・サレス トヨタ タンドラ 130
6 13 98 ジョニー・ソーター トヨタ タンドラ 130
7 2 4 エリック・ジョーンズ トヨタ タンドラ 130
9 16 17 ティモシー・ピーターズ トヨタ タンドラ 129
14 3 13 キャメロン・ヘイリー トヨタ タンドラ 129
16 6 54 ジャスティン・ボストン トヨタ タンドラ 129
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 タイラー・レディック フォード 87
2 マット・クラフトン トヨタ 85
3 エリック・ジョーンズ トヨタ 80
4 ジョニー・ソーター トヨタ 72
7 ベン・ケネディ トヨタ 58
11 ティモシー・ピーターズ トヨタ 55
15 キャメロン・ヘイリー トヨタ 51
18 ジャスティン・ボストン トヨタ 43
24 マット・ティフト トヨタ 25
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 トヨタ 90
2 フォード 87
3 シボレー 83