デニー・ハムリンが5位/4位フィニッシュ
3戦目のNASCARは西海岸へ舞台を移しラスベガスで開催。スプリント・カップ・シリーズでは上位を争っていたカール・エドワーズがクラッシュするも、デニー・ハムリンが5位、マット・ケンゼスが9位フィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズでは、18歳のエリック・ジョーンズがレースを通して首位を争うも終盤痛恨のクラッシュ。ハムリンが4位。ルーキーのメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが自身初のトップ10フィニッシュを果たした。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第3戦 Kobalt 400
開催日:3月8日
デニー・ハムリン5位、マット・ケンゼス9位。
上位を争ったカール・エドワーズは痛恨のクラッシュ
3月8日(日)、米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第3戦「Kobalt 400」が開催された。
シリーズ3戦目を迎えたNASCARは、米国東側で行われた序盤2戦から、舞台を大きく移動し、ラスベガス、フェニックス、フォンタナと米国西側での3連戦を迎える。
年1戦開催のラスベガスでは、2009年にカイル・ブッシュ、2013年にマット・ケンゼスが勝利を挙げている。しかし、地元ラスベガス出身のカイル・ブッシュはエクスフィニティ・シリーズ第1戦での負傷により、今大会も欠場。18号車は前戦に引き続き、デイビッド・レーガンがドライブする。
6日(金)正午からの練習走行のあと、午後4時50分より予選が行われ、ケンゼスが3列目6番手、レーガンが13番手、カール・エドワーズが14番手、デニー・ハムリンが19番手、クリント・ボウヤーが20番手グリッド。病気療養のため序盤2戦を欠場していたブライアン・ヴィッカーズが今大会より復帰し、28番手グリッド。8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
なお、レーガンは予選後7日(土)の練習走行でクラッシュを喫し、バックアップカーに乗り換えることになったため、決勝は最後尾グリッドへと後退してのスタートとなる。
8日(日)午後0時49分に1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
序盤からハムリンとエドワーズが好走を見せトップ10へ浮上。25周目にコンペティション・コーションが出され、全車ピットへ向かうと、タイヤ2本交換としたハムリンが好位置でピットアウトしたが、ピットアウト時に他の車両と軽く接触。大きなダメージには至らず、ハムリンは6位で再スタートを切った。
序盤タイヤのグリップ不足に苦しみポジションを落としていたケンゼスは、ピットでタイヤを4本交換、セッティングも大きく変更したのが効を奏し、24番手の再スタートから徐々にポジションアップ。75周目には、6位のハムリン、8位のエドワーズに続く9位でトップ10へと浮上した。
75周目あたりからグリーンピットが始まり、ピットタイミングを遅らせたエドワーズとケンゼスはそれぞれ77,79周目に首位に浮上。リードラップボーナスを獲得。全車ピット作業を終えた直後にコース上の異物によりこの日2度目のイエローコーションが出され、周回遅れとなっていたヴィッカーズが"ラッキー・ドッグ"で首位と同一周回に復帰した。
87周目の再スタート後も、再び50周以上に渡ってイエローコーションが出ず、130周目前後にグリーンピット。首位と同一周回は僅か16台となる中、ハムリン、エドワーズ、ケンゼスの3台はトップ10をキープ。
138周目、この日3度目のイエローコーションで全車ピットに向かい、11位で再スタートを切ったケンゼスは、スタートをミスした前走車に阻まれ16位へ後退。しかし、ケンゼスは徐々にポジションを戻して行き、172周目のイエローコーション時、ピットの好作業で一気にトップ10へと返り咲いた。
再スタート後、僅か9周で再びクラッシュ車両によりイエローコーション。193周目にイン側3列目の5位から再スタートを切ったエドワーズは、接触しながらのサイド・バイ・サイドでの激しい2位争いを繰り広げたが、3ワイドの中でバランスを崩しスピン、イン側の壁にクラッシュ。この日常にトップ10圏内での好走を見せていたエドワーズだったが、ガレージでの長い修復を余儀なくされ、上位争いから脱落してしまった。
この接触ではハムリンも若干のダメージを負ったが、順位を落とすことなくレースを続行。
199周目の再スタート後はイエローコーションが出ないまま、ハムリンは3位争いを展開。230周目前後から最後の給油のためにグリーンピットが開始。ピットを遅らせる戦略の車両もあり、順位が入れ替わる中、ハンドリングに不調をきたしながらもハムリンはポジションを守り、5位でチェッカー。4位に入った開幕戦デイトナに続き、今季2度目のトップ5フィニッシュを果たした。
ケンゼスも9位に入り今季2度目のトップ10フィニッシュ。これにより、ハムリンとケンゼスはドライバーズランキングでも8位、10位とトップ10圏内につけている。
復帰戦で今季初出場となったヴィッカーズは周回遅れ最上位の15位でフィニッシュした。
次戦第4戦は3月15日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「チームは素晴らしい仕事をしてくれた。デイトナで4位に入り、前戦アトランタでもクラッシュするまでは4位か5位あたりを走っていたはずだ。我々のプログラムは順調に進んでいると思う。まだもう少しスピードが必要だが、そうすれば上位争いが出来るだろう。次戦フェニックスは昨年終盤の"チェイス"中での戦いで、2度にわたって周回遅れになりながらも追い上げて5位フィニッシュを果たした。今年も"チェイス"に入りタイトルを争うためにも、あのコースで良いパフォーマンスを見せることが必要だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 18 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 267 | ||
2 | 8 | 78 | マーティン・トゥルークス・Jr. | シボレー | 267 | ||
3 | 7 | 31 | ライアン・ニューマン | シボレー | 267 | ||
5 | 19 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 267 | ||
9 | 6 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 267 | ||
15 | 28 | 55 | ブライアン・ヴィッカーズ | トヨタ カムリ | 266 | ||
21 | 20 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 265 | ||
22 | 13 | 18 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 265 | ||
36 | 40 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 260 | ||
40 | 41 | 26 | ジェブ・バートン | トヨタ カムリ | 254 | ||
42 | 14 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 227 | ||
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NASCAR XFINITY SERIES
第3戦 Boyd Gaming 300
開催日:3月7日
デニー・ハムリンが4位。
ダニエル・サレスが自身初のトップ10フィニッシュ
3月7日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第3戦「Boyd Gaming 300」がラスベガス・モーター・スピードウェイで開催された。
ラスベガスでのトヨタは、カップ・シリーズとトラック・シリーズでは勝利を挙げているが、エクスフィニティ・シリーズのみ未勝利。初勝利を目指し挑んだ。
地元ラスベガス出身のカイル・ブッシュは開幕戦での負傷により今大会も欠場。54号車の"トヨタ カムリ"はデニー・ハムリンがドライブすることとなった。
6日(金)に2度の練習走行を行い、7日(土)午前9時45分から予選開始。シリーズ6戦目の出場となる18歳のエリック・ジョーンズが3番手グリッド。ハムリンが11番手。今季より同シリーズにフル参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが15番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後1時17分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。2列目3番手グリッドのジョーンズは、前を行く車両がエンジントラブルで大きく出遅れたため、これに阻まれる形で後退。13位までポジションを落としてしまった。
このスタートの混乱で、ハムリン、サレスらも若干ポジションダウン。14周目には、17番手スタートから20位前後を走行していたマイク・ブリスがターン2の壁に激しくクラッシュ。この日最初のイエローコーションが出された。
このコーションでは、ハムリン、ジョーンズら上位勢はピットインせず。サレスは給油のみのピット作業。ハムリン7位、ジョーンズ9位で22周目に再スタートが切られると、2台は揃ってポジションアップ。ハムリンが4位、ジョーンズが7位まで上がった46周目にコース上の異物でこの日2度目のイエローコーション。
このコーションで全車ピットへ。4位につけていたハムリンは、ピット作業時に車体を持ち上げるジャッキが外れ、大きくタイムロス,16位へ後退。16位までポジションを上げていたサレスも、ピットロードスピード違反を取られ25位へポジションを落としてしまった。
再スタートが切られてすぐに15位を走行していたブレイク・コッホがクラッシュ。再びイエローコーション。好ダッシュで2位に浮上したジョーンズは、再スタート後も首位を追った。
その後はイエローコーションが出ない展開となる中、ジョーズンは2位をキープ。ハムリンも着実に順位を上げていき、100周目には4位までポジションを戻して見せた。
105周目あたりからグリーンピットが始まり、107周目にサレスがリードラップを獲得。110周目、全車がピットを終えた時点で、ジョーンズが僅差の首位に立ったが、この日圧倒的な速さを見せたオースティン・ディロン:シボレー)にまもなくかわされ2位に後退。
長いグリーン下での走行は100周以上に及び、残り周回と燃料を睨みながらのぎりぎりの戦略で、各車150周目過ぎからグリーンピット開始。3位のジョーンズと2位のハムリンがピットを終えた159周目にスピン車両によりイエロ−コーション。周回遅れの13位につけながらピットインを引き延ばしていたサレスはこのコーションでピットに向かい、首位と同一周回の9位でコースに復帰した。
167周目の再スタート後、すぐに接触によるイエローコーション。この混乱もあり、ジョーンズは6位に後退。残り28周での再スタートが切られると、3列目アウト側のジョーンズは好スタートを切ったが、3位争いのサイド・バイ・サイドの中で、イン側の車両がバランスを崩し、ジョーンズの後部に接触。ジョーンズはスピンを喫し、アウト側にクラッシュ。レースの大半で首位を争いながらも、無念の戦線離脱となってしまった。
残り21周で、ハムリン4位、サレス10位で再スタート。ハムリンは3位を争ったが届かず、4位、サレスが10位でチェッカーを受けた。サレスにとって、キャリア5戦目にして初のトップ10フィニッシュ。前戦アトランタでの14位フィニッシュに続き、2周連続で自身のベストフィニッシュ記録を更新することとなった。
次戦第4戦は3月14日(土)、フェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「最後はアンダーステア症状に見舞われてしまったが、チームを誇りに思う。ただ33号車(オースティン・ディロン:シボレー)と戦うには僅かに速さが足りなかった。一日中ショートランで苦しみ、再スタートでポジションアップが果たせなかった」
ドライバー ダニエル・サレス:
「良いレースだった。全体的に見れば、難しい週末だった。昨日は体調が優れず、私自身が100%で無かったにもかかわらず、チームが素晴らしい仕事をしてくれた。レースではバランスも良かった。私はいくつかのミスを犯してしまった。ルーキーがよく犯すような、ピットロードでのスピンやスピード違反などだ。しかし我々は諦めることなく戦い続けた。それがトップ10フィニッシュという結果で報われた。我々は確かに進化を続けている。全てについて学び、レース毎に自信を深めている。次戦フェニックスでは更なる強さを見せられると思う」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 33 | オースティン・ディロン | シボレー | 200 | ||
2 | 4 | 22 | ライアン・ブレイニー | フォード | 200 | ||
3 | 7 | 7 | リーガン・スミス | シボレー | 200 | ||
4 | 11 | 54 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 200 | ||
10 | 15 | 18 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 200 | ||
16 | 27 | 28 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 199 | ||
17 | 31 | 44 | デイビッド・スター | トヨタ カムリ | 198 | ||
23 | 24 | 24 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 196 | ||
25 | 28 | 14 | ケール・コンリー | トヨタ カムリ | 195 | ||
28 | 33 | 13 | デレック・ホワイト | トヨタ カムリ | 175 | ||
29 | 3 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 172 | ||
35 | 19 | 8 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 52 | ||
39 | 17 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 12 | ||
40 | 34 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 3 | ||
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