2015年3月24日(火)配信

"トヨタ カムリ"首位を争うもカール・エドワーズが13位

 カリフォルニア州フォンタナの2マイルオーバルで行われたNASCARスプリント・カップ・シリーズ第5戦は、マット・ケンゼスとデニー・ハムリンがレースの約半分で首位を走るなど速さを見せたが、終盤不運に見舞われ後退。カール・エドワーズが13位でフィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズでは、18歳のエリック・ジョーンズがレースを通して上位を争い、自身最上位フィニッシュとなる3位に入った。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第5戦 Auto Club 400

開催日:3月22日

"トヨタ カムリ"首位を争うもカール・エドワーズが13位

荒れた最後の
荒れた最後の"グリーン・ホワイト・チェッカー"で順位を上げ
13位でフィニッシュしたカール・エドワーズ(#19)

 3月22日(日)、米国西部カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第5戦「Auto Club 400」が開催された。
 1周2マイルでコース幅の広いフォンタナでは、昨年、一昨年とカイル・ブッシュが連勝中。しかし、今大会もカイル・ブッシュは療養のため欠場となり、デイビッド・レーガンが18号車をドライブする。
 フォンタナではマット・ケンゼスがトヨタ移籍以前に3勝。カール・エドワーズも1勝を挙げている。

 20日(金)正午からの練習走行に続き、午後4時50分に予選開始。ケンゼスが3番手、レーガンが4番手で2列目に並び、ハムリンは6番手、クリント・ボウヤーが10番手、エドワーズが15番手で続き、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 22日(土)午後0時52分、2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。直後にレーガンが3位に浮上したが、すぐにケンゼスが抜き返し、ハムリンと共に3-4位をキープ。やや順位を落とし、7位を走行していたレーガンは、22周目に他車とのバトルの中でスピン。この日最初のイエローコーション。
 全車ピットへ向かい、3-4位につけていたケンゼスとハムリンが好ピットにより1-2位へ浮上。エドワーズも16位から11位へとポジションを上げた。
 再スタート後、3周でハムリンがケンゼスから首位を奪うと、30周にわたってその座をキープ。後続との差を広げていった。
 その後はイエローコーションが出ず、60周目過ぎにグリーン下でのピットとなったが、全車がピット作業を終えた時点で再びハムリンは首位に復帰。ハムリンは快調なペースで周回を重ね、一時2位以下との差は3秒以上にまで広がった。
 87周目にこの日2度目のイエローコーションが出され、全車揃ってピットへ向かうと、今度も素晴らしいピット作業により4位につけていたケンゼスが首位へ。再スタート後、首位の座は譲ることとなったが、ハムリンと共にトップ10圏内をキープし上位争いを続けた。
 137周目あたりからこの日2度目となるグリーンピットを経て、残り50周を切った153周目に、コース上の異物によりイエローコーション。3位につけていたケンゼスは、このピットでも2つポジションを上げ、この日3度目となる首位浮上。ハムリンも6位、エドワーズ11位で、残り周回は燃料がぎりぎりの42周で再スタート。
 首位のケンゼスは、後続からの激しい追撃を受けながらもトップをキープ。6位、7位あたりを走行するハムリンは、ハンドリングに苦しみ、壁に軽くヒットしながらも,更に上位を狙って走行を続けた。
 ケンゼスは30周にわたって首位走行を続けたが、185周目、残り15周というところでコース上の異物によりイエローコーション。燃料が厳しいこともあり、全車ピットへ。ここでも最速のピット作業を見せたケンゼスは、トップでピットアウトしたが、その直後に駆動系のトラブルに見舞われスローダウン。翌周再度のピット作業を強いられることに。ピットクルーの素晴らしい働きで、駆動系を修理し周回遅れになることなくレースに復帰したケンゼスだったが、31位へ後退。
 一方、2位でピットアウトしたハムリンも、ピット作業時のタイヤ管理でペナルティを受けることとなり、こちらも30位へとポジションダウンを余儀なくされてしまった。
 これでトヨタ勢最上位は12位のエドワーズ。レースは再スタート後、チェッカー目前の198周目にコース上の異物でイエローコーションが出され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"に。
 最後の追い上げ目指しピットに向かったエドワーズだったが、ここで痛恨のピットレーンスピード違反のペナルティ。ハムリン、ケンゼスらと共に30位近くまで順位を落とすこととなってしまった。
 203周目に再スタートとなったが、直後にイエローコーション。208周目に2度目の"グリーン・ホワイト・チェッカー"の再スタートが切られ、後続グループが3ワイド、4ワイドと広がってのバトルとなる中、ファイナルラップに入った直後に中団でクラッシュが発生。しかしイエローコーションは出ず。26位につけていたエドワーズは見事なダッシュでポジションを上げ、13位でチェッカー。序盤のスピンで一時は2周遅れになりながらも追い上げを見せたレーガンが18位でトップ20フィニッシュとなった。
 "トヨタ カムリ"はハムリンとケンゼスがそれぞれ56周、43周のリードラップ獲得。2人あわせるとレースのほぼ半分で首位を走行しながらも不運に泣き、ハムリンが28位、ケンゼスが31位に終わった。

 次戦第6戦は3月29日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カール・エドワーズ:
「ハードな戦いだった。ピットレーンでのスピード違反ペナルティを取られ、ポジションを落としたが、そこから13位まで巻き返せた。チームの素晴らしい努力のおかげだ。終盤の再スタートは大変だった。家に戻ったらリプレイをじっくり見たい。クレイジーだったがとても楽しかった」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 8 2 ブラッド・ケゼロウスキー フォード 209
2 2 4 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 209
3 1 41 カート・ブッシュ シボレー 209
13 15 19 カール・エドワーズ トヨタ カムリ 209
18 4 18 デイビッド・レーガン トヨタ カムリ 209
22 30 55 ブレット・モフィット トヨタ カムリ 209
28 6 11 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 209
30 10 15 クリント・ボウヤー トヨタ カムリ 209
31 3 20 マット・ケンゼス トヨタ カムリ 209
37 41 23 J.J.イェリー トヨタ カムリ 206
39 34 26 ジェブ・バートン トヨタ カムリ 205
42 42 83 マット・ディベネデット トヨタ カムリ 203
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 225
2 ジョーイ・ロガーノ フォード 197
3 マーティン・トゥルークス・Jr. シボレー 192
13 マット・ケンゼス トヨタ 127
14 デニー・ハムリン トヨタ 125
17 カール・エドワーズ トヨタ 120
20 クリント・ボウヤー トヨタ 115
37 ブライアン・ヴィッカーズ トヨタ 32
38 ジェブ・バートン トヨタ 28
41 マイケル・ウォルトリップ トヨタ 18
43 マット・ディベネデット トヨタ 11
44 マイク・ウォレス トヨタ 8
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 228
2 フォード 212
3 トヨタ 183

NASCAR XFINITY SERIES
第5戦 Drive4Clots.com 300

開催日:3月21日

18歳エリック・ジョーンズが連続自己最高位更新の3位

自己最高となる3位フィニッシュを果たしたエリック・ジョーンズ(#20)
自己最高となる3位フィニッシュを果たしたエリック・ジョーンズ(#20)

 3月21日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第5戦「Drive4Clots.com 300」がオートクラブ・スピードウェイで開催された。
 同コースでは、2010年までは年間2戦、その後は年間1戦が行われているが、トヨタは2013年まで9連勝。そのうち6勝をカイル・ブッシュが挙げている。そのカイル・ブッシュは開幕戦での負傷療養中のため今大会も欠場。54号車の"トヨタ カムリ"はデニー・ハムリンがドライブする。

 20日(金)に2度の練習走行を経て、21日(土)決勝を前に午前9時45分より予選開始。今季キャンピング・ワールド・トラック・シリーズにフル参戦し、エクスフィニティ・シリーズにもスポット参戦している期待の18歳、エリック・ジョーンズがシリーズ出場8戦目にして自身初となるポールポジションを獲得。
 ハムリンが3番手。今季シリーズフル参戦を果たした23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが9番手につけ、11台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。

 予選の後、カップ・シリーズの最終練習走行を経て、午後1時17分、2マイルオーバルを150周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタートした。
 ポールポジションのジョーンズは、イン側2列目で続いたハムリンからのプッシュも受け好スタート。後方グループでは、広いコース幅をいっぱいに使った4ワイドでの激しいバトルとなった。
 ハムリンはスタート直後こそ5位に後退したものの、自在なライン取りでの速さを見せ、ポジションアップ。3周目にはジョーンズもかわし、首位に立った。
 33周目にこの日最初のイエローコーションが出され、全車ピットへ。ハムリンは首位をキープ。3位につけていたジョーンズもピットで順位を上げ、1-2体制で再スタート。
 3ワイドでの激しい首位争いとなり、ジョーンズとハムリンは2-3位に後退。10周で再びエンジンブロー車両によりイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。
 その後は長いグリーンランとなり、ジョーンズは3位、4位前後をキープしたが、ハムリンはハンドリング不調に見舞われ徐々にポジションダウン。75周目過ぎあたりからグリーンピットが始まった。
 2回目のイエローコーションの時にピットインしたグループは、10周ほどピットタイミングが遅くなったが、結局そちらもグリーンピットとなり、90周目にはジョーンズは再び2位へ浮上し、首位を追った。
 一方、車両に不調を感じながらもトップ10圏内を維持していたハムリンだったが、115周目、2度目となるグリーンピットへ向かった際、痛恨のピットロードスピード違反。その直後にこの日3度目のイエローコーションが出されたが、既に最後の給油のためのピットを終えていた上位勢はピットに向かわず、ハムリンは周回遅れとなってしまった。
 フォンタナならではの、3ワイド、4ワイドに大きく広がってのワイルドな再スタートで、2位につけていたジョーンズは4位に後退。しかし、その後追い上げ、3位でチェッカー。前戦の5位に続き、2戦連続のトップ5フィニッシュを果たした。ジョーンズにとっては、エクスフィニティ・シリーズでの自身最上位フィニッシュを2戦連続で更新することとなった。
 サレスが13位に入り、自身初めてのシリーズフル参戦となる今季の開幕5戦で、4戦連続のトップ15フィニッシュとなった。

 次戦第6戦は2週間の休戦を経て4月10日(金)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー エリック・ジョーンズ:
「我々の"トヨタ カムリ"は速かった。88号車(ケヴィン・ハーヴィック:シボレー)と22号車(ブラッド・ケゼロウスキー:フォード)も速かったが、引き離されることはなかった。3位という結果は素晴らしい。先週の自己最高記録を更に更新し、調子も上向いている。勝利も間近なはずだ。次のレースを楽しみにしている」

ドライバー デニー・ハムリン:
「我々の"トヨタ カムリ"は序盤非常に好調だったが、それを調整で維持出来なかった。コース状況が変わって行く中、どんどんオーバーステア症状がひどくなっていった。それを解消出来ず、最後はピットロードのスピード違反で我々のレースは終わってしまった。煙を感じたため、エンジンがブローしたのかと思い、そちらに気を取られスピード違反を犯してしまった。その後、ピットでグリルを清掃したことで車両の調子は戻ったが、既に遅かった。勝てる車両だっただけに残念だ」

リザルト

決勝結果
順位予選No.ドライバー名車種周回
1 6 88 ケヴィン・ハーヴィック シボレー 150
2 8 62 ブレンダン・ゴーアン シボレー 150
3 1 20 エリック・ジョーンズ トヨタ カムリ 150
13 9 18 ダニエル・サレス トヨタ カムリ 150
15 25 44 デイビッド・スター トヨタ カムリ 150
16 22 14 ケール・コンリー トヨタ カムリ 150
18 3 54 デニー・ハムリン トヨタ カムリ 149
19 21 8 ブレイク・コッホ トヨタ カムリ 149
22 23 28 J.J.イェリー トヨタ カムリ 149
26 30 19 マイク・ブリス トヨタ カムリ 146
33 39 13 デレック・ホワイト トヨタ カムリ 140
34 26 24 エリック・マクルーア トヨタ カムリ 114
40 33 10 ジェフ・グリーン トヨタ カムリ 2
ドライバーズポイント
順位ドライバー名メーカーポイント
1 タイ・ディロン シボレー 187
2 クリス・ブッシャー フォード 182
3 チェイス・エリオット シボレー 172
9 デイビッド・スター トヨタ 136
11 ダニエル・サレス トヨタ 134
14 J.J.イェリー トヨタ 112
17 ブレイク・コッホ トヨタ 99
19 ケール・コンリー トヨタ 92
20 エリック・マクルーア トヨタ 89
23 マイク・ブリス トヨタ 66
39 ジェフ・グリーン トヨタ 12
42 ジャスティン・マークス トヨタ 10
44 スコット・レガセイ・Jr. トヨタ 7
マニュファクチャラーズポイント
順位メーカーポイント
1 シボレー 227
2 フォード 220
3 トヨタ 201
4 ダッジ 69