"トヨタ カムリ"今季初勝利!
デニー・ハムリンが得意のショートオーバルを制す
1周僅か800mほどのショートオーバル、マーティンズビルで開催されたスプリント・カップ・シリーズ第6戦で、バージニア出身でマーティンズビルを得意とするデニー・ハムリンが今季初勝利。マット・ケンゼスとデイビッド・レーガンが4,5位に入った。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズではディフェンディングチャンピオンのマット・クラフトンと18歳のエリック・ジョーンズが最後まで激しい首位争いを展開したが、惜しくも2位、3位に終わった。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第6戦 STP 500
開催日:3月29日
"トヨタ カムリ"今季初勝利!
デニー・ハムリンが得意のショートオーバルを制す
今季初勝利を挙げたデニー・ハムリン
3月29日(日)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第6戦「STP 500」が開催された。
1周0.526マイルと、カップ・シリーズ開催コース中最短のマーティンズビルは、バンク角も浅く、ロードコースのヘアピンコーナーを2つ組み合わせたようなコースで、その形状から「ペーパークリップ」の愛称を持つ。
このコースでは、"チェイス"中を含む年間2戦カップ戦が開催されるが、"トヨタ カムリ"は過去4勝。その4勝全てをバージニア州出身のデニー・ハムリンが挙げている。
27日(金)は朝方雨に見舞われ、予定されていた練習走行は2時間ほど遅れて実施。その後、午後4時45分より予選が行われ、マット・ケンゼスが8番手、カール・エドワーズが11番手。ハムリンが15番手、療養中のカイル・ブッシュに代わって18号車を駆るデイビッド・レーガンが20番手につけ、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
29日(日)午後1時20分、0.526マイルショートオーバルを500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタートした。
"トヨタ カムリ"勢は序盤から順調にポジションを上げ、ケンゼス、エドワーズ、そしてハムリンもトップ10圏内へ浮上。ケンゼスは他車との接触でやや順位を下げたが、代わってハムリンがポジションアップ。41周目には2位に浮上した。
序盤からスピンなどによるイエローコーションが多発する展開の中、上位を争っていたハムリンは、148周目にこの日初めて首位浮上。しかし、続いて164周目にスピン車両によって発生した6度目のイエローコーション時、ピットで交換したタイヤの管理不備によりペナルティ。首位と同一周回最後尾、27位まで順位を落としてしまった。
再スタート後、ケンゼスとエドワーズがトップ10圏内をキープする一方で、ハムリンも着実に順位を取り戻していった。再び短い間隔でのイエローコーションが頻発する中、ピット作業にも助けられ、ポジションを上げていったハムリンは、レースが折り返しとなる250周目にはついにトップ10まで復帰。30番手スタートから追い上げていたクリント・ボウヤーもトップ10に入ってきた。
269周目、クラッシュ車両によりこの日11回目のイエローコーション。全車ピットへ向かい、ここで好ピット作業を見せたエドワーズが首位に浮上。ケンゼス4位、ハムリン5位、ボウヤー7位、レーガン8位と、5台の"トヨタ カムリ"がトップ8に入っての後半戦となった。
再スタート直後に再びクラッシュがありコーションとなったが、その後は長いグリーンランに。エドワーズは先行を許すも首位争いは続行。好調なハムリンがじりじりと順位を上げていき、315周目にこの日2度目となる首位を奪取した。
その後、周回遅れに阻まれポジションを落としたハムリンだったが、残り約100周となった399周目に首位を奪い返すと、ケンゼスもこれに続き"トヨタ カムリ"が1-2体制に。レーガン5位、エドワーズ6位と上位を占める形となったが、434周目、エドワーズは右リアタイヤのパンクに見舞われスピン。イエローコーション。
全車ピットへ向かい、ここでケンゼスが首位浮上。ハムリンは5位へ後退。しかし再スタート後ハムリンは再びポジションを上げ、2位のケンゼスに続く3位へ。
460周目にこの日16度目となるイエローコーションが出されると、2台がコース上に残り、ピットへ向かったケンゼスが3位、ハムリン5位で再スタート。好スタートで2位、3位に上がったケンゼスとハムリンは、470周目に更に先行車をかわし、1-2体制に。翌周には勢いで勝るハムリンがケンゼスをかわしてこの日4度目となる首位に立った。
その後はコーションが出ず、現れた周回遅れをかわしながらのバトルとなり、ケンゼスをかわしたブラッド・ケゼロウスキー(フォード)がハムリンを猛追。2台はテール・トゥ・ノーズのまま周回を重ね、ファイナルラップへ。
度重なるケゼロウスキーからのプッシュを受けながらも耐えたハムリンは、最終コーナーでスライドしながらも、首位の座をキープ。0.186秒差で逃げ切り、今季初勝利を挙げた。ハムリンだけでなく、トヨタにとっても今季初勝利。
ハムリンはマーティンズビルで6勝目。カップ・シリーズの通算勝利数も25へと伸ばした。この勝利で、ハムリンは今季の"チェイス"入りをほぼ確実なものとした。
レースを通し上位を争ったケンゼスが4位、レーガンが5位フィニッシュ。今季序盤不運もあり苦戦を強いられてきたトヨタ勢だったが、今季初勝利と共にトップ5に3台が入る活躍を見せた。
来週末はNASCARレースは開催されず、次戦第7戦は4月11日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「素晴らしいチームが最高の"トヨタ カムリ"を用意してくれたおかげで、最後まで強力な後続の追撃を凌ぎきることが出来た。機械的なトラブルなど様々な要因で、ずいぶんこのグランドファーザー・クロック(マーティンズビル独特の優勝トロフィー)から遠ざかっていたように感じる。我々の"トヨタ カムリ"は非常に速かったので、ピットのトラブルなどで順位を落としてしまったが、順位を取り戻せた。最後の再スタートでイン側のラインを取れたのは幸運だったし、あれが勝利の鍵になった。およそ1年ぶりとなったが、チーム、トヨタにとって、私自身にとっても非常に大きな勝利だ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 15 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 500 | ||
2 | 12 | 2 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 500 | ||
3 | 1 | 22 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 500 | ||
4 | 8 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 500 | ||
5 | 20 | 18 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 500 | ||
13 | 30 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 500 | ||
17 | 11 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 500 | ||
26 | 42 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 497 | ||
28 | 33 | 55 | ブレット・モフィット | トヨタ カムリ | 496 | ||
29 | 32 | 26 | ジェブ・バートン | トヨタ カムリ | 495 | ||
31 | 43 | 83 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 494 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第3戦 Kroger 250
開催日:3月28日
ショートトラックでの終盤の大激戦
"トヨタ タンドラ"2-3-4フィニッシュ
最後まで首位を争ったが惜しくも2位、3位に終わったマット・クラフトン(#88:右)とエリック・ジョーンズ(#4:左)
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第3戦「Kroger 250」が3月28日(土)にマーティンズビル・スピードウェイで開催された。
同シリーズ戦は第2戦アトランタから約1ヶ月のインターバルを経ての、久しぶりの開催。マーティンズビルでは年間2戦トラック・シリーズ戦が行われているが、トヨタは過去12勝を挙げ、ここ直近の5戦で5連勝中。昨年春のマーティンズビル戦は、"トヨタ タンドラ"で2年連続のシリーズチャンピオンに輝いているマット・クラフトンが勝利を挙げている。
27日(金)は雨に見舞われ、午前10時から3回の練習走行が予定されていたが、午後3時から2時間半の1回のみとなった。
28日(土)は天候も回復。決勝を前に、午前11時15分より予選が行われ、18歳のカナダ人ドライバー、キャメロン・ヘイリーが3番手。同じく18歳のエリック・ジョーンズが4番手で2列目に並んだ。ジョニー・ソーターが9番手、ダニエル・サレスが11番手、クラフトンが13番手と続き、10台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
午後2時48分、0.526マイルショートオーバルを250周(131.5マイル:約210km)して競われる決勝レースがスタート。2列目アウト側のジョーンズがヘイリーをかわし3位へ。
34周目にスピン車両によりこの日最初のイエローコーションが出されると、ほぼ全車がピットへ。ここでソーター、クラフトン、サレスらがポジションを上げ、6,7,8位へ。再スタート後、クラフトンとソーターは見事なダッシュで2位ジョーンズに続く3位、4位へと順位を上げた。
54周目にこの日2度目のイエローコーションが出された後は長いグリーンランとなり、2位に上がったクラフトンが、首位のジョーイ・ロガーノ(フォード)と一騎打ち状態での首位争い。その後方では、やや離れながらもジョーンズ、ソーター、サレス、ヘイリーと"トヨタ タンドラ"が続いた。
バトルを続けていたクラフトンは、111周目についに首位を奪取。120周目にはジョーンズもロガーノをかわし、"トヨタ タンドラ"が1-2体制となった。
その後、短い間隔でイエローコーションが連発。再スタートでロガーノに先行されるも、クラフトンが抜き返すという展開が繰り返された。
レースが100周を過ぎてからの大半で首位を走行し続けたクラフトンだったが、205周目にインをつかれ首位陥落。2台の首位争いにぴたりとつけチャンスを待っていたジョーンズもクラフトンをかわし、2位に浮上した。
215周目にスピン車両によりこの日8度目のイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。残り30周での再スタートが切られると、クラフトンがジョーンズをかわして2位へ。再びクラフトンとロガーノの首位争いとなった。
残り6周、クラフトンが前のロガーノをプッシュし、インをこじ開けるようにコーナーで前へ。サイド・バイ・サイドのまま2台がスライドしながらコーナーを立ち上がると、その隙を突いてイン側から17歳のコール・カスター(シボレー)が一気に首位を奪取。観客は総立ちとなった。
カスターにかわされ2位に落ちたクラフトンだったが、翌々周にカスターの後ろにぴったりとつけると、コーナー進入でインに並んで立ち上がりでパス。カスターはたまらずスピンを喫し、残り2周でイエローコーション。レースは延長され、"グリーン・ホワイト・チェッカー"で決されることとなった。
クラフトンとジョーンズが最前列に並んでの再スタート。イン側から3位のロガーノが好スタートを切り、3台は並んだままターン1へ。立ち上がりで前に出たロガーノを、クラフトンとジョーンズが追ったが、1マイルに満たない残り周回では届かず、クラフトンが2位、ジョーンズが3位でのフィニッシュとなった。
ソーターが4位、サレスが6位。19歳のルーキー、マット・ティフトが21番手スタートから後半はトップ10圏内を走行し、9位フィニッシュ。デビュー5戦で2度目のトップ10フィニッシュを果たした。
ジャスティン・ボストンが10位、ヘイリーは11位。"トヨタ タンドラ"は決勝に出走した10台全車がトップ20フィニッシュとなった。
次戦第4戦は5月8日(金)に米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで開催される。
ドライバー マット・クラフトン:
「我々の"トヨタ タンドラ"は好調だったが、本当の調子が出るのは再スタート後数周してからだった。中盤以降レースをリードしたが、その後4号車(エリック・ジョーンズ)と29号車(ジョーイ・ロガーノ:フォード)にかわされてしまった。ショートランでは速さが足りなかった。(ロガーノとの)サイド・バイ・サイドでのバトルでは若干のオーバーステア症状が出てしまい、00号車(コール・カスター:シボレー)にインに入られてしまった。レースの前半は皆クリーンな戦いをしていたが、後半になるとバンパーを当ててのバトルになった。残り10周を切ったあたりからは特に激しくなったが、クラッシュは避けようと努力した。最後の再スタートでは、29号車が一気に追いついてきて、なにもできなかった。あそこでイン側を閉めたらクラッシュしていただろう」
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「最後は88号車との優勝争いを楽しみにしていたが、彼(ロガーノ)にやられてしまった。タイヤの摩耗も厳しく、オーバーステア症状にも見舞われた。とはいえ我々にとって、全体的に見れば良い一日だった。次戦カンザスで勝利を目指す。マーティンズビルに戻ってこられたのは嬉しいし、多くを学べた。今回は、過去に何度か戦ったのとは若干異なる、新しいパッケージを持ち込んだ。この試みは上手く行き、新たなアイデアも出たので、秋に再びここで戦うのが楽しみだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 29 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 258 | ||
2 | 13 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 258 | ||
3 | 4 | 4 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 258 | ||
4 | 9 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 258 | ||
6 | 11 | 51 | ダニエル・サレス | トヨタ タンドラ | 258 | ||
9 | 19 | 25 | マット・ティフト | トヨタ タンドラ | 258 | ||
10 | 21 | 54 | ジャスティン・ボストン | トヨタ タンドラ | 258 | ||
11 | 3 | 13 | キャメロン・ヘイリー | トヨタ タンドラ | 258 | ||
17 | 12 | 7 | グレイ・ゴールディング | トヨタ タンドラ | 257 | ||
18 | 17 | 17 | ティモシー・ピーターズ | トヨタ タンドラ | 257 | ||
19 | 22 | 11 | ベン・ケネディ | トヨタ タンドラ | 257 | ||
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