18歳エリック・ジョーンズがエクスフィニティ・シリーズで初勝利
NASCARはテキサスのハイバンクオーバルで金・土曜日の開催。スプリント・カップ・シリーズでは一時2位まで上がったカール・エドワーズが終盤の戦略でポジションを落としたものの、今季初となるトップ10フィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズでは、18歳のルーキー、エリック・ジョーンズがシリーズ参戦9戦目にして初勝利を挙げた。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第7戦 Duck Commander 500
開催日:4月11日
カール・エドワーズとデニー・ハムリンが10/11位フィニッシュ
今季初のトップ10フィニッシュを果たしたカール・エドワーズ(#19)
4月11日(土)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第7戦「Duck Commander 500」が開催された。
NASCARでは中間的な1.5マイルオーバルながら最大24度というハイバンクを持ち、高速コースとして知られるテキサスでは、カップ・シリーズ戦は年2回開催。トヨタ勢では、デニー・ハムリンが2010年の2戦、カイル・ブッシュが2013年春の大会で勝利を挙げている。しかし、カイル・ブッシュはエクスフィニティ・シリーズ開幕戦での負傷により、今大会も欠場。デイビッド・レーガンが18号車をドライブする。また、カール・エドワーズとマット・ケンゼスもトヨタへの移籍以前に2勝を挙げている。前戦マーティンズビルで今季初勝利を挙げたトヨタ勢の巻き返しに期待がかかった。
10日(金)午前、午後2回の練習走行を経て、午後5時45分より予選が行われ、エドワーズ16番手、ケンゼス17番手、ハムリン18番手。8台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
11日(土)午後6時48分、1.5マイルオーバルを334周(500マイル;約800km)して競われる、今季初めての土曜開催ナイトレースのスタートが切られた。
中団グループからのスタートとなったトヨタ勢だが、18番手グリッドのハムリンはコーナリング中のハンドリングに苦戦し、徐々にポジションダウン。一方でケンゼスが8周目に12位まで順位を上げた。
32周目にこの日最初のイエローコーションが出され、全車ピットへ向かうと、ピットでポジションを上げたケンゼスが、再スタートも好ダッシュを決め、トップ10圏内に浮上。30番手スタートのレーガンも着実に順位を上げ、トップ10をうかがえる位置につけた。
一回のグリーンピットを経て、109周目のイエローコーションで全車ピットへ。ここで、ハムリンが3台分を超えるピットボックスを通過してしまったとしてドライブスルーペナルティ。首位と同一周回最後尾の22位まで後退。
再スタートでは17番手のエドワーズが好ダッシュを見せジャンプアップ。ケンゼス、レーガンが続いた。エドワーズは130周目にはトップ10へ。
その後、この日2度目となるグリーンピットとなり、全車がピットを終え、レースが折り返した162周目には、エドワーズは8位へと順位を上げた。
今回もグリーンピットの少し後、172周目にコース上の異物によりイエローコーションとなり、トヨタ勢はこのピット作業でもポジションアップ。エドワーズが5位、ケンゼス11位、レーガン12位、そしてハムリンも17位へと4つポジションを上げた。
この頃には日は完全に落ち、スタート時とは全く変化したコンディションにあわせるべく、各チームピットでのセッティングの変更が重要となった。
220周目過ぎにこの日3度目となるグリーンピット。素晴らしいピット作業でレーガンが5位へ。全車がピットを終えた228周目、11位を走行していたケンゼスがターン4でハーフスピン。かろうじてスピンや壁へのクラッシュは免れたが、イエローコーションとなった。
このコーションで全車ピットへ。エドワーズは5位、ハムリンが好ピットで9位へ。レーガン10位、ケンゼス11位と、4台がトップ10を狙える位置で、残り100周での再スタート。
しかし、再スタート後、レーガンは酷いオーバーステア症状に悩まされ後退。15周ほどを走行したところでクラッシュ車両によりイエローコーションが出され、ここで戦略が分かれた。エドワーズはタイヤを交換すべくピットへ。ケンゼス、ハムリン、レーガンはコース上に残り、4,5,6位へ浮上。
ここで13位まで後退したエドワーズだったが、再スタート後、3ワイドでのバトルの末に一気に7位へとポジションアップ。トヨタのチームメイトもかわし、残り50周の時点で5位へ。ハムリン8位、ケンゼス9位、レーガン10位で、4台揃ってトップ10で終盤戦を迎えた。
残り40周となった295周目、10位を走行していたケンゼスが壁に軽くヒット。大きなダメージには至らなかったが、ここでイエローコーションが出され、全車ピットへ。ダメージを修復したケンゼスは12位へポジションダウン。ケンゼスは3位で再スタートを切ると、直後に2位へ。4台による、激しい2位争いを繰り広げた。
309周目にもタイヤバースト車両によりイエローコーションが出され、全車ピットへ。ここで4台がタイヤ2本交換作戦。4本交換としたエドワーズは7位へ後退。ハムリンが10位、レーガン12位、ケンゼスは車両のダメージ修復のためタイムをロスし、26位へ後退。
残り21周で再スタート。チェッカーへ向け3ワイドでの激戦が繰り広げられる中、再スタートで若干遅れたエドワーズとハムリンがトップ10圏内を争い、エドワーズが10位、ハムリンが11位、レーガンが13位でフィニッシュした。
次戦第8戦は4月19日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー カール・エドワーズ:
「良いレースが出来た。最後の再スタートでややポジションを落としてしまったが、子供達の応援も受け、最高の時間が過ごせたと思う。勝てなかったが、我々にとっては今季初めてのトップ10フィニッシュであり、これまで続けてきた懸命な努力が報われた。好きなコースでレースを楽しむことが出来た」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 5 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 334 | ||
2 | 2 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 334 | ||
3 | 25 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 334 | ||
10 | 16 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 334 | ||
11 | 18 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 334 | ||
13 | 30 | 18 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 334 | ||
22 | 27 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 334 | ||
23 | 17 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 334 | ||
29 | 36 | 55 | ブレット・モフィット | トヨタ カムリ | 333 | ||
34 | 42 | 83 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 330 | ||
43 | 41 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 13 | ||
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NASCAR XFINITY SERIES
第6戦 O'Reilly Auto Parts 350
開催日:4月10日
18歳ルーキー エリック・ジョーンズがシリーズ初優勝!
エクスフィニティ・シリーズ9戦目にして初勝利を挙げたエリック・ジョーンズ
4月10日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第6戦「O'Reilly Auto Parts 350」がテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
年2回シリーズ戦が行われているテキサスでは、トヨタ勢ではこれまでに7勝。その全てをカイル・ブッシュが挙げている。しかし、カイル・ブッシュは開幕戦での負傷により今大会も欠場。54号車の"トヨタ カムリ"はデニー・ハムリンがドライブする。
9日(木)に2度の練習走行をこなし、10日(金)決勝を前に午後3時45分より予選開始。今季よりキャンピング・ワールド・トラック・シリーズにフル参戦し、エクスフィニティ・シリーズにもスポットで参戦している18歳のエリック・ジョーンズが、前戦フォンタナに続き、2戦連続のポールポジションを獲得。今季からエクスフィニティ・シリーズにフル参戦している23歳メキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが4番手。ハムリンが11番手につけ、10台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後7時46分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのジョーンズは順当なスタートで首位をキープ。2列目4番手のサレスはスタートダッシュで出遅れた前走車に阻まれ後退。
2周目にして早くもイエローコーション。6周目の再スタートで、ジョーンズは最前列に並んだデイル・アーンハート・Jr.(シボレー)の先行を許すこととなったが、離されることなく、数周にわたってテール・トゥ・ノーズでの首位争いを繰り広げた。
16周目、スピン車両によりこの日2度目のイエローコーションが出され、上位勢はピットへ。ジョーンズは好ピットで、ピットインした中ではトップでコースへ。2台がピットに入らなかったため、3位となったが、再スタート後は再び首位争いを繰り広げた。
40周目過ぎには、最後尾近くでのスタートから追い上げてきた、カップ・シリーズのトップドライバーであるブラッド・ケゼロウスキー(フォード)との首位争いに。ケゼロウスキーの先行を許すも、63周目のコーション時の好ピットに助けられ、再びジョーンズが首位に立った。
79周目にもコーションが出されたがジョーンズは首位をキープ。その後は長いグリーンランとなり、ケゼロウスキーに首位を奪われるも、ジョーンズは2位で首位を追った。
120周目あたりからグリーンピットが始まり、上位勢はほとんどがピットインを終えたのに対し、3台ほどがピットを引っ張り上位に残っていた128周目にイエローコーション。この3台と共に、ジョーンズの前にいたケゼロウスキーも、フロントグリルに付着した異物を排除するためにピットへ。これでジョーンズがこの日5度目の首位に浮上した。
138周目の再スタート後は、再びジョーンズとアーンハート・Jr.の首位争いに。スタートダッシュで先行されたジョーンズだったが、151周目に首位を奪還。この頃には、一時後退していたケゼロウスキーもポジションを戻し、ジョーンズ、アーンハート・Jr.、ケゼロウスキーの3台が4位以下を大きく引き離しての首位争いとなった。
168周目、周回遅れの27位を走行していたケール・コンリーがコントロールを失い、他車と激しくクラッシュ。残り32周でのイエローコーション。全車最後のピットへ。
ここでも好ピットを見せたジョーンズはトップでピットアウト。首位で残り26周の再スタートを切ったジョーンズは、好ダッシュを決めると、追うカップのトップドライバー達を引き離して行き、最後は1.6秒もの大差をつけてトップチェッカー。シリーズ参戦9戦目にして念願の初勝利を挙げた。
ジョーンズはシリーズ3戦連続のトップ5フィニッシュ。18歳と10ヶ月での勝利は、シリーズ史上4番目の若さとなる。この勝利はトヨタにとってもエクスフィニティ・シリーズでの今季初であり、2007年の参戦開始以来、同シリーズでの"トヨタ カムリ"の通算99勝目となった。
次戦第7戦は4月18日(土)、ブリストル・モーター・スピードウェイで行われる。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「何と言っていいか分からない。現実感がないよ。エクスフィニティ・シリーズのテキサスでヴィクトリーレーンに立てたなんて、信じられない。ずっと自分が成長し続けていることを信じてきたし、この勝利が自分にとってものすごい自信になるのは間違いない。我々の"トヨタ カムリ"は速かった。ただ、彼(デイル・アーンハート・Jr.:シボレー)と激しいレースを戦うことになった。彼のようなトップドライバーとバトルが出来て楽しかったし、彼らとのサイド・バイ・サイドのバトルで多くを学んだ。カップ・シリーズのトップドライバーを破って勝てたのは本当に凄いことだし、素晴らしいチームのおかげだ。エクスフィニティ・シリーズのこれほど早い時期に勝てて本当に嬉しい。残りのシーズンを戦うのが待ちきれない。更に勝利が重ねられればと思っている」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 20 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 200 | ||
2 | 2 | 22 | ブラッド・ケゼロウスキー | フォード | 200 | ||
3 | 5 | 88 | デイル・アーンハート・Jr. | シボレー | 200 | ||
7 | 11 | 54 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 200 | ||
18 | 4 | 18 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 199 | ||
19 | 20 | 28 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 199 | ||
23 | 31 | 44 | デイビッド・スター | トヨタ カムリ | 198 | ||
24 | 23 | 19 | マイク・ブリス | トヨタ カムリ | 197 | ||
29 | 27 | 24 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 192 | ||
32 | 24 | 8 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 182 | ||
34 | 28 | 14 | ケール・コンリー | トヨタ カムリ | 165 | ||
38 | 35 | 10 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 10 | ||
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