3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ
トラック・シリーズでは"トヨタ タンドラ"が1-2
スプリント・カップ・シリーズが"トリッキー・トライアングル"ポコノで開催され、マット・ケンゼスが6位、カイル・ブッシュ9位、デニー・ハムリン10位で3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ。テキサスでのキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは、首位独走のエリック・ジョーンズがバッテリートラブルで後退、ベテラン マット・クラフトンと若手のダニエル・サレスが首位を争ったがクラフトンがこれを制し今季3勝目。"トヨタ タンドラ"は1-2フィニッシュを飾った。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第14戦 Axalta 'We Paint Winners' 400
開催日:6月7日
3台の"トヨタ カムリ"がトップ10フィニッシュ
マット・ケンゼスが6位
トヨタ勢最上位の6位フィニッシュを果たしたマット・ケンゼス(#20)
6月7日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第14戦「Axalta 'We Paint Winners' 400」が開催された。
1周2.5マイル(約4km)、独特の3角形をしたポコノのオーバルコースは、3つのコーナー全てが異なる特徴を持ち、"トリッキー・トライアングル"の愛称を持つ難コース。1周に要する時間が50秒程と長く、グリーンピットでも周回遅れになりにくいため、戦略等でロードコースに近いとも言われる。
このコースでは、トヨタは過去に3勝。うち2勝をデニー・ハムリンが挙げている。ハムリンはトヨタ移籍以前を含めると通算4勝を挙げており、ポコノを得意としている。
また、今季のシリーズ戦復帰3戦目となるカイル・ブッシュも過去2回の2位など、4割近いトップ10フィニッシュ率を誇っており、トヨタ勢4人目の"チェイス"入りを目指し活躍に期待がかかった。
5日(金)正午からの練習走行を経て、午後4時45分より予選開始。前々戦シャーロットでトヨタ移籍後初勝利を挙げたカール・エドワーズが最前列2番手グリッドを確保。ハムリンが8番手、カイル・ブッシュ10番手。マット・ケンゼスが19番手で続き、9台の"トヨタ カムリ"が決勝へと進んだ。
7日(日)午後1時21分、2.5マイルトライアングルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。最前列2番手のエドワーズは好スタートで首位を奪うと、14周にわたって首位を走行した。
序盤はイエローコーションが出ない展開に。1周の長いポコノでは、燃料をフルに入れて、およそ30周強周回が可能となっているが、ハンドリングに苦しむカイル・ブッシュは9位走行中の23周目、やや早めにグリーンピット。給油、タイヤ交換とともに調整を行った
続いて他の車両も次々にグリーンピット。ここで、ややタイミングを遅らせ、30周目にピットに向かったケンゼスが、痛恨のピットロードスピード違反ペナルティを受けてしまった。
全車がグリーンピットを終えた時点で、エドワーズが4位、ハムリン7位、カイル・ブッシュ9位、ペナルティを受けたケンゼスは、上位勢から大きく離されたものの、かろうじて周回遅れにはならず、25位を走行。
49周目、コース上の異物によりこの日最初のイエローコーションが出されると、全車ピットへ。首位と同一周回に留まっていたケンゼスは、上位グループとの差を詰めての再スタートとなった。
再スタート後、15周でスピン車両によるイエローコーションが出されると、ピット戦略が分かれた。トヨタ勢ではカイル・ブッシュのみがピットへ。コース上に残ったエドワーズが3位、ハムリン5位、セッティング調整が当たり、追い上げていたケンゼスもここで6位に浮上。カイル・ブッシュは20位へ後退。しかし、73周目に再スタートが切られると、新品タイヤの優位性を活かしたカイル・ブッシュが一気に順位を取り戻していった。
レースが折り返しを過ぎた87周目、タイヤパンク車両によりこの日3度目のイエローコーション。ここで数台がピットに向かわず、タイヤ2本交換としたカイル・ブッシュは7位へジャンプアップ。タイヤを4本交換したエドワーズ、ケンゼス、ハムリンはそれぞれ15位、18位、20位で再スタート。
3ワイド、時に4ワイドでの激しい再スタートバトルとなる中、トヨタ勢は着実にポジションアップを果たしていった。
残り39周でクラッシュ車両によりイエローコーション。燃料を給油して、最後まで走り切れるぎりぎりのタイミングでのコーションとなった。トヨタ勢は全車タイヤを4本交換。カイル・ブッシュ6位、ケンゼス8位、ハムリン14位、エドワーズ18位で、残り35周での再スタート。
その後は、再スタート後数周でクラッシュによりイエロー、という展開が3回に渡って繰り返されることとなったが、カイル・ブッシュ、ケンゼス、ハムリンらトップ10圏内の上位勢はピットインせず。エドワーズはピットへ向かい、充分な給油と新しいタイヤで最後の逆転を狙った。
しかし、残り16周での再スタート後は、1列の隊列になると大きな順位の変動は無いままチェッカー。ケンゼスがトヨタ勢最上位の6位。カイル・ブッシュが9位で今季初のトップ10フィニッシュ。ハムリンが10位で、"トヨタ カムリ"は3台がトップ10フィニッシュを果たした。
トヨタ勢4人目の"チェイス"入りを目指すカイル・ブッシュは、ランキングで一つポジションを上げ39位へ。"チェイス"入りの条件の一つであるランキング30位とは、現時点で151ポイント差となっている。
次戦第15戦は6月14日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー マット・ケンゼス:
「我々の"トヨタ カムリ"は本当に速かった。6位フィニッシュを果たした車両としては、私のキャリア史上最速の車両だっただろう。結果以上に好調で、トップ3が狙えたと思う。上位の2台は別格だったが、それ以外のライバルとは互角に戦うことが出来たのは、良い兆候だと思う。ここポコノは私個人ではあまり得意ではないだけに、今日は素晴らしい"トヨタ カムリ"に助けられた」
ドライバー カイル・ブッシュ:
「スタート時は望み通りの仕上がりとは言えなかったが、クルーチーフが何度かの調整で良い調子にしてくれた。このコースでは走行しているポジションが非常に重要だが、クルーチーフによる2本タイヤ交換の好判断で、いくつかポジションを上げ、それを守り切ることが出来た。最後の2回のコーションは我々には逆風だった。次戦ミシガンでは更に上を狙う」
ドライバー デニー・ハムリン:
「今日はレースの大半を5位から10位くらいの間で、着実に走れたと思う。コース上でのポジションが重要なコースだが、ピット戦略で何台かに先行され、追い上げを余儀なくされた。何とかトップ10フィニッシュできたが、あと4つか5つ上のポジションは狙えたはずだ。とはいえ、全体的に見ればまずまずの一日だった。今週は大きなトラブル無く戦うことが出来たので、来週以降へ向けたプログラムは更に進化させられるはずだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 3 | 78 | マーティン・トゥルークス・Jr. | シボレー | 160 | ||
2 | 5 | 4 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 160 | ||
3 | 9 | 48 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 160 | ||
6 | 19 | 20 | マット・ケンゼス | トヨタ カムリ | 160 | ||
9 | 10 | 18 | カイル・ブッシュ | トヨタ カムリ | 160 | ||
10 | 8 | 11 | デニー・ハムリン | トヨタ カムリ | 160 | ||
15 | 2 | 19 | カール・エドワーズ | トヨタ カムリ | 160 | ||
22 | 23 | 15 | クリント・ボウヤー | トヨタ カムリ | 160 | ||
23 | 21 | 55 | デイビッド・レーガン | トヨタ カムリ | 160 | ||
32 | 41 | 83 | マット・ディベネデット | トヨタ カムリ | 158 | ||
33 | 40 | 26 | ジェブ・バートン | トヨタ カムリ | 158 | ||
36 | 37 | 23 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 155 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第7戦 WinStar World Casino 400
開催日:6月5日
ベテランと若手の首位争い。
マット・クラフトンが3勝目。ダニエル・サレスは2戦連続2位
今季3勝目を挙げたマット・クラフトン
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第7戦「WinStar World Casino 400」が6月5日(金)に米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
この週末、スプリント・カップ・シリーズは離れたポコノでの開催。トラック・シリーズは単独開催で、シリーズレギュラーと若手スポット参戦のドライバーで競われた。トヨタでは、今季よりエクスフィニティ・シリーズにレギュラー参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスがカイル・ブッシュ・モータースポーツの51号車をドライブする。サレスは今季のトラック・シリーズで、7戦中6戦に出走し、全レースでトップ10フィニッシュ。前戦ドーバーでは2位に入っており、初勝利に期待をかけての参戦となった。
年に2回シリーズ戦が行われるテキサスでは、トヨタはこれまでに13勝。2012年の2戦はジョニー・ソーターが連勝。昨年6月の大会では、2年連続シリーズチャンピオンのマット・クラフトンが勝利を挙げている。
4日(木)の2回の練習走行を経て、5日(金)決勝を前に、午後5時15分から予選が行われ、今季シリーズにフル参戦している、19歳になったばかりのエリック・ジョーンズが今季2度目となるポールポジションを獲得。クラフトンが2番手、サレスが3番手、ソーターが4番手で続き、"トヨタ タンドラ"が予選トップ4を独占。ティモシー・ピーターズが7番手、18歳のカナダ人ドライバー、キャメロン・ヘイリーが8番手で続き、8台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選に続き、午後8時19分、1.5マイルオーバルを167周(250.5マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタートした。序盤からエリック・ジョーンズとクラフトンが激しく首位を争ったが、10周目にエリック・ジョーンズが首位を奪い返すと、その後は後続との差を広げ独走態勢に。
19周目にこの日最初のイエローコーションで全車ピットへ。このピットでクラフトンが前に出たが、再スタートでエリック・ジョーンズが首位を奪還した。
31周目、クラッシュ車両によりイエローコーションが出されたが、上位勢はピットに入らず。最前列に並んだエリック・ジョーンズとクラフトンは、再スタート後、3周にわたってサイド・バイ・サイドでの首位争いを展開。このバトルもエリック・ジョーンズが制すると、再び後続との差を広げていった。
序盤の2度のコーションのあとはなかなかコーションが出ず、燃料をフルに入れた状態から約54周ほど走れる同コースで、2度目のコーションでピットインしなかった上位勢が、75周目あたりからピットイン。全車がグリーンピットを終えた79周目に、エリック・ジョーンズは首位に復帰し、その時点で2位との差は5秒以上に広がっていた。
レース折り返しを目前にした82周目にこの日3度目のイエローコーション。グリーンピットから間もないため、ほとんどの車両がピットに向かわず、コース上に残る中、首位独走中だったエリック・ジョーンズが、バッテリー電圧降下のトラブルに見舞われ、バッテリーを交換するためピットイン。交換作業に時間を取られ、周回遅れの16位に後退してしまった。
首位を独走していたエリック・ジョーンズが大きく後退してしまったことで、再スタート後の上位争いはクラフトンと、それを追うサレスの2台に絞られた。
120周目過ぎからこの日2度目となるグリーンピット開始。周回遅れの最上位、"ラッキー・ドッグ"のポジションにつけていたエリック・ジョーンズは、イエローコーションを待ち、ピットインを粘ったがコーションは出ず、エリック・ジョーンズも130周目にグリーンピット。しかし、コースに戻ってすぐに不調を感じ、再びバッテリーを交換するためにピットへ。これで3周遅れとなってしまった。
残り20周、5位を走行していたピーターズがエンジントラブルで無念のリタイア。コーションが出されると、全車最後の争いへ向けピットへ。
クラフトンとサレスが最前列に並び、残り14周で再スタートが切られると、2台はサイド・バイ・サイドでの激しい首位争いを展開。ややクラフトンが先行したかと思われたが、残り6周でスピン車両によりイエローコーションとなり、レースは最後の2周スプリントに。
この最後の2周も、クラフトンとサレスのサイド・バイ・サイドバトルとなったが、最後は0.569秒差でサレスを抑えきったクラフトンがトップチェッカー。今季3勝目を挙げた。
サレスは2戦連続の2位フィニッシュ。ソーターが4位、ヘイリーが7位、カイル・ブッシュ・モータースポーツから出場している25歳、ジャスティン・ボストンが8位で今季4度目のトップ10フィニッシュ。23歳のベン・ケネディも10位で今季3度目のトップ10フィニッシュとなった。エリック・ジョーンズは2州遅れの15位フィニッシュとなった。
次戦第8戦は6月13日(土)に米国中部イリノイ州マディソンのゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイで開催される。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー マット・クラフトン:
「再スタートは心配だった。その前の再スタートで盛大にタイヤをスピンさせてしまった。チームメイトのジョニー・ソーターに感謝したい。最後の一つ前の再スタートで後方から良いプッシュをしてくれて、おかげで最後の再スタートでは上手く言った。長いサイド・バイ・サイドのバトルになったが、チームが諦めずに素晴らしい"トヨタ タンドラ"を仕上げてくれたおかげで勝てた。今季3勝目を挙げることが出来て本当に嬉しいが、満足はしていない。本当に満足するのは、最終戦ホームステッドでしかるべき場所にいられたときだ」
ドライバー ダニエル・サレス:
「再スタートで他に何か出来たかは分からない。チームオーナーのカイル(ブッシュ)から、レースをもっとハードに戦うためのアドバイスをもらわなければならないだろう。我々の"トヨタ タンドラ"は非常に速かったが、イン側のラインでは若干オーバーステア気味だった。新しいタイヤではサイド・バイ・サイドで数周のバトルが出来たが、タイヤが摩耗してくるとクラッシュの可能性が増し、何度か危なかった。クラッシュは望んでいなかったので、2位という結果には満足している。しかし、本当に勝利はすぐ手の届くところに来ていると感じている。もうすぐ得られるはずだ」
リザルト
決勝結果 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 2 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 167 | ||
2 | 3 | 51 | ダニエル・サレス | トヨタ タンドラ | 167 | ||
3 | 5 | 5 | ジョン・ウェス・タウンリー | シボレー | 167 | ||
4 | 4 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 167 | ||
7 | 8 | 13 | キャメロン・ヘイリー | トヨタ タンドラ | 167 | ||
8 | 11 | 54 | ジャスティン・ボストン | トヨタ タンドラ | 167 | ||
10 | 12 | 11 | ベン・ケネディ | トヨタ タンドラ | 167 | ||
15 | 1 | 4 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 165 | ||
21 | 7 | 17 | ティモシー・ピーターズ | トヨタ タンドラ | 147 | ||
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