19歳エリック・ジョーンズが週末を完全制覇!
この週末、スプリント・カップ・シリーズは開催されず、エクスフィニティ・シリーズがシカゴランド、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズがアイオワと離れたコースで開催され、この両レースに参戦した19歳のエリック・ジョーンズが共に優勝。週末完全制覇を果たした。
NASCAR XFINITY SERIES
第14戦 Owens Corning AttiCat 300
開催日:6月21日
エリックジョーンズが今季シリーズ2勝目!
エクスフィニティ・シリーズでの今季2勝目を挙げたエリック・ジョーンズ
6月21日(日)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第14戦「Owens Corning AttiCat 300」が米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイで開催された。
この週末はスプリント・カップ・シリーズは開催されず、エクスフィニティ・シリーズとキャンピング・ワールド・トラック・シリーズのみが、離れたシカゴランドとアイオワで開催。カップ・シリーズのレギュラードライバーはつかの間の休息をとり、スポット参戦はなく、シリーズレギュラーや若手によっての争いとなった。
19日(金)にアイオワでトラック、20日(土)にシカゴランドでのエクスフィニティというスケジュールのため、この2レースを掛け持ちするドライバーはほとんどいない中、今季よりトラック・シリーズにフル参戦しながら、他シリーズにも積極的に参戦している19歳のエリック・ジョーンズは両レースに出場。忙しい週末を過ごすこととなった。
19日(金)に2度の練習走行を経て、20日(土)決勝を前に午後4時15分より予選開始。カップ・シリーズのチャンピオン経験者であり、現在トヨタで"チェイス"入りを確実としているトップドライバーのマット・ケンゼスの実子である22歳のロス・ケンゼスが今大会、エクスフィニティ・シリーズにデビュー。予選第2ラウンドでトップタイムをマークするなど速さを見せ、トヨタ勢最上位の2番手グリッドを獲得した。
今季よりシリーズにフル参戦している23歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが7番手。前日の練習走行はトラック・シリーズ出場のためドリュー・ヘリングに託したエリック・ジョーンズは、予選からの搭乗ながら最終ラウンドまで進み11番手グリッドを確保。11台の"トヨタ カムリ"が決勝に進んだ。
予選の後、午後8時半過ぎより決勝レースが行われる予定であったが、スタート直前にコースは雷雨に見舞われ、レースは翌日に順延されることとなった。
明けての21日(日)は好天に恵まれ、午前11時19分、1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタートした。
最前列イン側から、父親で見慣れた、黄色い20号車の"トヨタ カムリ"を駆るロス・ケンゼスが好スタートを切り、1周目に首位を奪取。シリーズレギュラーの若手ドライバー達と首位争いを展開した。その後方では、11番手スタートのエリック・ジョーンズもジャンプアップを果たし、5周目にはトップ5入り。更にポジションを上げていき、16周目には2位へと浮上した。
前日の雨により、25周目にコンペティション・コーションが出され全車ピットへ。このピット作業でエリック・ジョーンズは若干手間取り5位に後退するも、再スタート後にはすぐに順位を取り戻し、38周目にこの日初めて首位に立った。
その後は長いグリーンランとなる中、エリック・ジョーンズは首位を堅守。ロス・ケンゼスとサレスもトップ10圏内での周回を続けた。
75周を過ぎたあたりからグリーンピット開始。順位が入れ替わり、ピットを引っ張ったサレスはリードラップを獲得。まだ全車がピットを終えていない80周目にこの日2度目のイエローコーションが出された。
隊列が整った時点で、エリック・ジョーンズは2位へと復帰したが、ピットタイミングの不運もあり、ロス・ケンゼスは14位、サレスは18位へと後退。
再スタートで再び首位を奪ったエリック・ジョーンズだったが、11周でコーションが出されると、ピットでの2本タイヤ交換とした車両に先行され、3位へ後退。再スタート後は三つ巴での激しい首位争いが繰り広げられた。
この間に、遅れていたロス・ケンゼスとサレスも追い上げトップ10圏内へと復帰。
128周目にこの日4度目のイエローコーション。全車ピット後の再スタートでは、2番手、最前列アウトサイドのエリック・ジョーンズが首位を奪還。その後は独走状態となり、後続を1.5秒以上引き離していった。その後方では団子状態となった2位争いグループにロス・ケンゼスとサレスが追いつき、5位、6位へとポジションアップ。
149周目、クラッシュ車両によりイエローコーション。最後のピットストップへ向けジョーンズを先頭にピットレーンへと向かったが、上位を争う数台はピットに向かわず。この時、ピットオープンを示すシグナルがまだ出ておらず、ジョーンズを先頭にピットインした22台がペナルティを受けるという珍しい自体に。
翌周、コース上に残っていた上位7台がピットへ向かい、ペナルティを科された集団でトップに付けるロス・ケンゼスが8位、エリック・ジョーンズが10位、サレスは11位へと後退して、残り41周での再スタートとなった。
3ワイドに広がっての激しい再スタートバトルの中、エリック・ジョーンズは素晴らしいダッシュを決めて1周で4位へとジャンプアップ。その2周後には2位へ。しかし、首位の車両との差はなかなか詰められないまま周回が重ねられていった。
残り23周で、トップ10を争っていた車両がスピンを喫し、この日6度目のイエローコーション。ここで上位勢はピットに入らなかったものの、9位につけていたロス・ケンゼスはピットへ向かい、最後の逆転のためにタイヤを4本交換。
再スタート後僅か2周でクラッシュが発生し再びコーションに。残り12周での再スタートが切られると、スタートダッシュではやや出遅れたエリック・ジョーンズだったが、その翌周には一気にトップとの差を詰め、ターン3の進入でインをつくと首位を奪還。
首位に立ったエリック・ジョーンズは、一気に後続との差を広げていき、最後は2秒差を付けてトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。エリック・ジョーンズは前々日のトラック・シリーズ戦も制しており、この週末のNASCAR戦を完全制覇することとなった。
その後方では、フレッシュなタイヤでの追い上げに賭けたロス・ケンゼスとサレスが激しい6位争いを展開。これを制したロス・ケンゼスがデビュー戦で6位フィニッシュ。サレスが7位で、今季5度目のトップ10フィニッシュとなった。
次戦第15戦は7月4日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「素晴らしい"トヨタ カムリ"と共にヴィクトリーレーンに戻ることが出来て最高だ。チームにとっては2連勝だし、私自身今週3度目の勝利(火曜日に地方戦で勝利)になる。すごいことだ。かなり無理な挑戦かとは思ったが、やり遂げることが出来た。全てのレースを共に戦ったチーム、そしてファンに感謝したい。また、2日前のプラクティスを走ってくれたドリュー・ヘリングにも。皆のおかげでヴィクトリーレーンに立つことが出来た」
ドライバー ロス・ケンゼス:
「素晴らしい仕事をしてくれたクルー全員に感謝したい。序盤はアンダーステア症状が酷く、パッシングが困難だった。レースを通して調整を続け、最後は非常に好調な仕上がりになった。恐らく3番目か、4番目に速い車両だっただろう。トップ5フィニッシュ出来なかったのは少し残念だ。チームは懸命な努力で最高の"トヨタ カムリ"を与えてくれた。この機会を与えてくれたチームやスポンサーに感謝する。スポットでの参戦だが、満足している。ずっとこんな素晴らしいチームと車でシーズンを戦ってみたいと思っていたし、また戦えることを望んでいる」
ドライバー ダニエル・サレス:
「激しいバトルの末のトップ10フィニッシュだった。ピットロードで接触寸前になるなど、いくつかのトラブルがあったが、何とかかわし、激戦の末に7位という結果を得られた。クルーとスピンサー、トヨタとチームの努力、サポートに感謝する」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 11 | 54 | エリック・ジョーンズ | トヨタ カムリ | 200 | ||
2 | 24 | 22 | ライアン・ブレイニー | フォード | 200 | ||
3 | 1 | 33 | オースティン・ディロン | シボレー | 200 | ||
6 | 2 | 20 | ロス・ケンゼス | トヨタ カムリ | 200 | ||
7 | 7 | 18 | ダニエル・サレス | トヨタ カムリ | 200 | ||
16 | 19 | 28 | J.J.イェリー | トヨタ カムリ | 200 | ||
20 | 23 | 14 | ケール・コンリー | トヨタ カムリ | 200 | ||
22 | 20 | 8 | ブレイク・コッホ | トヨタ カムリ | 200 | ||
23 | 27 | 26 | T.J.ベル | トヨタ カムリ | 200 | ||
24 | 26 | 44 | デイビッド・スター | トヨタ カムリ | 200 | ||
26 | 28 | 24 | エリック・マクルーア | トヨタ カムリ | 200 | ||
33 | 35 | 13 | ジョシュ・リアム | トヨタ カムリ | 146 | ||
40 | 29 | 19 | ジェフ・グリーン | トヨタ カムリ | 2 | ||
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NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第9戦 American Ethanol 200
開催日:6月19日
エリック・ジョーンズがシリーズ今季初勝利
今季初勝利を挙げたエリック・ジョーンズ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第9戦「American Ethanol 200」が6月19日(金)に米国中部アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウェイで開催された。
アイオワは2006年にオープンしたばかりの比較的新しいコース。シリーズ戦は2009年より行われており、トヨタは過去4勝。ティモシー・ピーターズが2勝を挙げているほか、昨年は当時18歳だったエリック・ジョーンズがキャリア2勝目を飾ったコースでもある。
今大会は19日(金)に全ての走行セッションが実施されるワンデイ・イベント。午前10時からの練習走行に続き、午後4時45分より予選が行われ、エリック・ジョーンズが今季3度目となるポールポジションを獲得。18歳のカナダ人ドライバー、キャメロン・ヘイリーが5番手、ベン・ケネディが8番手、2年連続シリーズチャンピオン、マット・クラフトンが9番手、今大会カイル・ブッシュ・モータースポーツよりシリーズデビューを果たす20歳のクリストファー・ベルが10番手につけ、8台の"トヨタ タンドラ"が決勝へと進んだ。
予選の後、午後7時48分に0.875マイルオーバルを200周(175マイル:約280km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのエリック・ジョーンズは順調にポジションをキープ。デビュー戦のベルが10番手グリッドから好スタートで6位へとポジションアップ。
6周目に早くもスピン車両によりイエローコーション。この再スタートでは7位につけていたヘイリーが出遅れて、15位まで後退。
25周目にもコーションが出されたが、上位勢はピットインせず。20番手スタートから10位まで順位を上げていたジョニー・ソーターら後続勢がピットへ向かい、異なる戦略を採った。
エリック・ジョーンズは順調に首位を独走し、40周目には2位との差は1.6秒に。41周目にクラッシュ車両によりこの日3度目のイエローコーションが出されると、エリック・ジョーンズら上位勢が一斉にピットに向かったのに対し、先のコーションでピットタイミングをずらしたソーターとヘイリーがコース上に残り、1-2体制へ。エリック・ジョーンズ7番手、クラフトン8番手で51周目に再スタートが切られた。
再スタートではソーターが先行したが、57周目にヘイリーが首位を奪取。その後方にはクラフトンが追いつき、チームメイト同士の"トヨタ タンドラ"がトップ3体制となった。
エリック・ジョーンズはその後方5位を走行。70周を過ぎると、ソーターがハンドリングの悪化に苦しみ徐々にポジションダウン。首位を行くヘイリーにはクラフトンが迫り、チームメイト同士の若手とベテランによるサイド・バイ・サイドでの首位争いに。95周目、ついにこれを制したクラフトンがこの日初めて首位に立った。
レースはイエローコーションが出ないまま折り返しを過ぎ、ピットタイミングをずらしていたグループは109周目あたりからグリーンピット開始。ヘイリーはここで左リアタイヤの交換に手間取り、大きくタイムをロスしてしまった。
41周目のコーションでピットインしていた車両も、最後のグリーンピットになるかと思われていた121周目、グリーンピットのために2周遅れの17位まで後退していたヘイリーがスピン。どこにもぶつかることなく立て直したが、この日4度目のイエローコーションに。このコーションで上位勢はピットへ。
クラフトンが首位、エリック・ジョーンズ2位で再スタートが切られたが、イン側のエリック・ジョーンズが抜群のダッシュを見せ先行。クラフトンに1.7秒差を付けた残り50周でイエローコーション。この時点で首位と同一周回はわずか10台に。
上位勢は全車ピットへ向かったが、6位につけていたピーターズら数台が2本タイヤ交換作戦に。ピーターズが2位浮上、4本交換したエリック・ジョーンズは4位、クラフトンが5位に。
157周目に再スタートが切られると、アウト側2列目のエリック・ジョーンズは最前列の2台にぴたりと付け、最終コーナーの立ち上がりでこれをパスし首位を奪還。ほぼ同じタイミングで後続がクラッシュし、この日6度目のイエローコーションとなった。
このコーションでは上位勢はピットインせず、エリック・ジョーンズが首位で残り36周の再スタート。
アウトサイドを選択したエリック・ジョーンズは再スタートを決めると、ぐんぐん後続を引き離し独走。その後はイエローコーションが出ず、最後は2位に5.8秒もの大差をつけ、エリック・ジョーンズが今季よりレギュラー出場しているトラック・シリーズでようやくシーズン初勝利、キャリア5勝目を挙げた。
クラフトンが4位でフィニッシュし、ランキング首位の座はキープ。ベルは5位で続き、デビュー戦で見事トップ5フィニッシュを果たした。ピーターズが6位に入った。
次戦第10戦は7月9日(木)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催される。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「今季、この勝利を得るまでずいぶんかかってしまったが、アイオワで勝てて嬉しい。ここアイオワは昨年もシーズン初勝利を挙げて、流れを変えることが出来たコースだ。我々の"トヨタ タンドラ"、そしてエンジンも、全てのファンも最高だった。何という一日だろう。ポールを獲得し、多くのラップでリードし、勝つことが出来た。一日の最後に勝利という結果で、それまでやってきたことが報われるのは本当に最高の気分だ」
ドライバー クリストファー・ベル:
「忘れられない夜になった。この機会を与えてくれたチームとスポンサーに感謝したい。ここにやってきたとき、目標と予想はレースの完走だった。トップ5フィニッシュが出来るなんて考えてもいなかったし、興奮している。KBM(カイル・ブッシュ・モータースポーツ)で走れるというのは、もちろん大きなプレッシャーでもあった。車両が速いのはもちろんで、良い走りをしなくてはならなかった。しかし、結果を出すことが出来、夢が叶った。子供の頃から、アメリカでショートトラックレースをやっていた人間なら誰もがNASCARドライバーになることを望むものだ。5位フィニッシュ出来たことで、更に他のレースに出られるチャンスに繋がれば嬉しい」
リザルト
決勝結果 | |||||||
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順位 | 予選 | No. | ドライバー名 | 車種 | 周回 | ||
1 | 1 | 4 | エリック・ジョーンズ | トヨタ タンドラ | 200 | ||
2 | 4 | 33 | ブランドン・ジョーンズ | シボレー | 200 | ||
3 | 3 | 19 | タイラー・レディック | フォード | 200 | ||
4 | 9 | 88 | マット・クラフトン | トヨタ タンドラ | 200 | ||
5 | 10 | 51 | クリストファー・ベル | トヨタ タンドラ | 200 | ||
6 | 16 | 17 | ティモシー・ピーターズ | トヨタ タンドラ | 200 | ||
11 | 11 | 54 | ジャスティン・ボストン | トヨタ タンドラ | 200 | ||
13 | 8 | 11 | ベン・ケネディ | トヨタ タンドラ | 200 | ||
17 | 20 | 98 | ジョニー・ソーター | トヨタ タンドラ | 198 | ||
19 | 5 | 13 | キャメロン・ヘイリー | トヨタ タンドラ | 198 | ||
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